一人歩き型スタンドなオリ主と承太郎   作:ラムセス_

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杜王町

 

 やってきました杜王町!

 

 メンツはちょっと少ないクルセイダーズ、承太郎、ジョセフ、アヴドゥルの超初期メンバー。

 ただし今回、ジョセフ・ジョースターは別行動だ。

 行き先は告げなかったが、おおかた東方父に殴り飛ばされたり息子の高熱にワタワタしたりというところだろう。

 

 あの模擬戦以降、俺たちは話し合いの末「杜王町へ寄って危険な矢を回収後、そのまま空路でインドを目指す」ということを決定した。

 俺がざっくりとだが矢の来歴と効果を説明したところ、そんなもの間違っても放って置けないとの意見で一致。

 少しの時間的ロスをしてでも回収を挟んだ形だ。

 まったく善人の集いすぎるぞ、スタクル。

 

 俺の未来視的観点からすれば、矢をもって承太郎がスタープラチナに覚醒する可能性にも期待できるのが大きい。

 スタープラチナの圧倒的戦力を思えば、賭けてみる価値は十分にある。

 

 と、そんなわけで俺たちは一足先に虹村宅に来ているのであった。

 

「いくぜ」

 

 俺の返事すら待たず、承太郎は静かに玄関扉を開けた。

 チャイムも鳴らさずお邪魔します。

 誰かが訪ねてこないかの確認を兼ねて、念の為アヴドゥルは外で見張りをしている。

 

 【目】の能力にて虹村父が今日家に一人でいることは確認済みだ。

 内扉を音を立てないよう開ければ、ターゲット、すなわち虹村父が1Fの居間でテレビを見ながらゆっくりくつろいでいた。

 その後ろにぬうっと立ち、承太郎はこぶしを振り上げる。

 南無三!

 

「!?っなんだ貴様らブヘァ!?!?」

「邪魔するぜ」

 

 問答無用の重いアッパーを撃ち込まれた虹村父は、何か一言いう暇すらなく床のカーペットの上に沈んだ。

 強盗もびっくりな鮮やかすぎる手口であった。

あとこれ本当に大丈夫か?顎の骨イッてないか?

 

「なんというパワーソリューション……!やはり暴力…暴力はすべてを解決する……!」

「人聞き悪ィな。これが一番手っ取り早ェだろ」

「この人も結構なスタンド使いなのに、能力発動前に殴り飛ばして撃沈させた…!」

 

 【見】えてたんだからギャーギャー喚くんじゃねぇ、と一喝して承太郎は探索モードに入った。

 承太郎は鼻血を出して倒れ伏す虹村父のことを欠片も気にすることなく家探しし始める。

 そりゃわかってたけどさ。現実を目の前にすると引くことってあるだろ……。

 

 と、そんな感慨は置いておいて。

 数分ののち、意外にもあっさりとお目当てのものは見つかった。

 

 岩石の鏃を持つ、美しい弓矢。

 エンヤ婆が虹村父……虹村万作へと渡した六本の矢のうちの一つ。

 鏃は部屋の蛍光灯を反射し、妖しい光を放っている。

 

「見るだけなら何の変哲もないモンにみえるがな」

「おうよ。これが例の弓矢ってやつだ。まぁ弓の方にはなんの力もないし嵩張るだけだから捨てて良いけど」

「スタンド能力を目覚めさせる矢、か。厄介しか呼ばねー代物だ」

「同意する」

 

 承太郎がグッと握ってみるものの、矢は特段の反応を示すことなく沈黙を貫いている。

 

 動かない。

 しんと静まりかえる部屋に、俺は密やかに目を細めた。

 

 ……ということは、矢を自ら刺すのは賭けになる、か。

 

 俺は承太郎を後ろから覗き込みながら思案した。

 この【目】をもってしても矢を刺した結果は可能性のパーセンテージ程度しか見通せない。

 まるで秤にかけたような50:50の生死こそが、俺の【目】から見る矢を刺したときの未来だ。

 これが矢の方から動きだしてくれたなら話は変わってくるんだが。

 

「なんだ、期待外れとでも言いたげだな」

「……その矢を間違っても自分に刺すんじゃねーぞ、承太郎。50%の確率で一瞬でお陀仏だからな」

「スタンドを目覚めさせるのにその程度のリスクなら、喜んで使う悪党は大勢いそうだな」

「ばっかいえ、お前だから50%なんて桁外れな期待値なだけであって、そこらの有象無象がやれば肉塊製造機と大差ない性能なんだからな!」

 

 交わす声は呑気に聞こえるだろうが、俺も承太郎もすでに重心を少しずつ落としている。

 ざわざわと蠢く蛍光緑の触手。

 

 来たか。

 

「それを渡してもらおうか、空条承太郎」

 

 声は庭に面する窓からだった。

 窓からどろり、と侵入したスタンドが触手をあちらこちらに蠢かせる。

 本体は……ここからでは見えないが、50mほど先の十字路で電柱にもたれかかっているのが予知で確認できた。

 

「一足遅かったな、花京院典明君?」

「なぜ私の名を知っている」

「俺……承太郎のスタンド、アルカナテラーを前に未明の霧は存在しないんでね」

「勝手にくっちゃべってんじゃねーぜ、蛇」

 

 承太郎が一歩前へ出る。

 同時に瞳が宇宙色に輝き、万華鏡に似た未来景色を映し出す。

 【目】の同期に慣れたのか、承太郎は肉食獣のような笑みを崩すことはなかった。

 慣れるの早ぇなオイ。

 

「てめーがDIOの手下か」

「その通り。大人しく私に弓矢を渡せば安らかなる死をくれてやろう」

「断る。斃れるのはテメーだ」

 

 ばちりと、二人の視線が噛み合った。

 




グレーフライ「【悲報】ワシの乗ってる便にジョースタ一行が居ない件【DIO様に殺される】」

花京院「電車乗り継いで4時間かけて杜王町まで急行しました(残り所持金582円)」

ポルナレフ「両手が右手の男の目撃情報募集中!(肉の芽なし)」
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