一人歩き型スタンドなオリ主と承太郎   作:ラムセス_

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ポルナレフvsディアボロ

 

 ポルナレフはコロッセオの石壁に背を預けて、無機質な音を立てて鳴る携帯電話のボタンを押した。

 

「よう、承太郎か?」

『無事なようだな、ポルナレフ。傷を負ったという手の調子はどうだ?』

「無事に決まってんだろうがよ。あんなカビみてーな頭したヤローにそうそう後れを取ってたまるかってんだ。DIOに似た時間干渉系のスタンド能力を持ってやがったが、このポルナレフ様にかかりゃどうってことねーんだよ」

『にしては病院に担ぎ込まれたお前は満身創痍の状態のようだったが』

「うるせぇ!矢も無しに一人でDIOを相手取ったと思えば大健闘だろうが!」

『そうだな。お前以外では命を落としてもおかしくはなかっただろう』

 

 くすくすと電話越しに含み笑いを耳にして、ポルナレフは大きくため息をついた。

 この男、承太郎は素直なような唐突なような、どうにも不意打ち気味に感情をあらわにすることが増えた。

 これも相棒たるスタンド・アルカナテラーの教育のおかげと思えば責める気にはなれないが、反応しづらいことこの上ない。

 

 苦虫を嚙み潰したような顔でポルナレフは口をもごもごさせた後、もう一度盛大にため息を吐き出した。

 

「で、本題はなんだ。俺の怪我の具合なんざ【見】えてんだろ」

『もう5分ほどするとお前を狙うパッショーネボス、ディアボロが姿を現すはずだ。背格好は少年のように見えるだろうが、人格が変わればお前の良く知るディアボロのものになるはずだ』

「!?……俺がコンタクトを取った奴らがつけられたのか?」

『そうだ。元々ディアボロは彼らブチャラティチームの後を追っていたからな。不意打ちを喰らう前に良い位置取りに移動するといい』

「言われなくとも!クッソ、お前が電話してくるときってこんなんばっかだな!」

『言った通り役に立っただろう、携帯電話』

「高かったが元は取れたぜお陰様でな!でもたまには気楽な雑談もしてぇよ!」

 

 そういって素早くコロッセオ内を走りだす。

 奴の時飛ばしは物体をすり抜けることができる。だから足の下に空間があるような場所は不可。

 厚い石の上、かつ相手よりも高所がいい。時を飛ばす以上、相手の方がリーチは上。

 不意打ち狙い、もしくは時飛ばしの間のクールタイムを狙うほか勝ち筋は無い。

 

『レクイエムは使わないのか?』

「制御が全然利かねえからなるべく使いたくねーんだよ。お前ら、どうしてそんな平気な顔でレクイエム制御できんだ、あんなじゃじゃ馬?」

 

 ここのところ、ポルナレフはレクイエムの制御を目指し集中的に鍛錬を積んできた。

 しかし結果は惨敗。

 自分自身を他の魂と入れ替えてしまう事こそなくなったものの、入れ替え対象の指定や範囲の縮小は不可。

 際限なく効果範囲の生物の魂を入れ替え、挙句謎の生き物へと変えてしまう。

 とても実戦で使えるものではなかった。

 

『別に、砲丸投げみたいなものだ。力の流れに沿って投げてやりゃあ、自然に意図する方向へ飛んでいく』

『怪異はな、使いこなすんじゃなくてルールを乗りこなす方向で制御すんだよ。一から十まで操ろうとすれば自爆するぜ』

「ご高説どーも。素がお化けみてーな野郎どもに俺の気持ちなんざわかんねーよ。とにかく、そろそろ奴が来そうだ。切るぞ」

『ああ、事が終わったら花京院も連れて打ち上げにいこう』

「ようやくこのイタリアのごたごたが終わるのか。長かったぜ……俺は中華な」

『花京院の意向による。じゃあ気張れよ、ポルナレフ』

「そこは花京院を説得してくれよ!?ったく、じゃあな、お前こそしくじんなよ、承太郎!」

 

 電話を切れば、静まり返ったコロッセオ内に足音だけがこだまする。

 沈黙。足音もやめば、そこは静寂だけが支配する。

 

 そして。

 かつーん、かつーん、と。

 ポルナレフ以外誰もいないはずのコロッセオ内に、硬質な革靴の足音がゆっくりと響きはじめる。

 

 足音はかつり、とポルナレフの目の前でやんだ。

 濃いピンクの髪をした少年が、ポルナレフを見上げて鋭い瞳で睨んでいる。

 少年がおもむろに上着を脱ぐと同時に、体が青年の姿へとみるみる変わっていく。

 

「久しぶりだな、ジャン・ピエール・ポルナレフ。我がパッショーネに甚大な被害を与えたお前がまだイタリアに潜伏しているとは思ってもみなかった」

 

 上着を石畳の上に放り捨て、ディアボロは忌々し気に舌打ちした。

 

「なんだ?あれしきで死んだとでも思っていたのか?」

「どこへなりと尻尾を巻いて逃げかえったのだとばかり思っていたが、まだイタリアに残っていたとは。貧弱なスタンドだとは思っていたが、頭の方も弱いらしい」

「は、その貧弱なスタンドに右肩を貫かれたやつが偉そうに。肩、上がってないぜ?」

 

 ディアボロは右肩をかばうように左半身を前に出した。

 「貴様……」と歯噛みする姿をポルナレフは鼻で笑った。

 

 両者すでに無言だった。万が一のため、後ろ手にポルナレフが矢を握りなおす。

 相対する距離は10m。じり、と靴底が石と擦れ合う音。

 

 午後の光がコロッセオに差す時。

 

 戦闘は開始された。

 




・チャリオッツレクイエム
原作同様の魂入れ替え・スタンド乗っ取り能力に加え、黒いチャリオッツでポルナレフの思い通りに戦闘が可能。
ただし能力範囲を全く制御できないため、戦闘時間が長引けば長引くほど魂入れ替えの被害者が増える。
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