一人歩き型スタンドなオリ主と承太郎   作:ラムセス_

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ドラゴンズ・ドリーム

 

 徐倫は薄暗い懲罰房に来ていた。

 昨晩、プッチ神父から「DIOの骨がひとりでに逃げ出した」と緊急連絡が入ったためだ。

 蛇もシュルシュルと徐倫の服の背中側から顔を出し、あたりを窺っている。

 

この懲罰房へ入ったのは逃げ出したDIOの骨捜索のためだ。

何がどう動くとも限らないため、徐倫はゆっくり踏み締めるように階段を一歩一歩進んでいった。

囚人たちの饐えた匂いが鼻につく、不快な空間だ。

 

「気をつけろよ徐倫、この辺には数人のスタンド使いが潜んでる」

「こんな環境の悪いところに?よくやるわね、あたしなら1日でも耐えられないわ」

 

こつ、と。足音。

 

素早く構えを取れば、囚人の一人である老人がこちらを気色の悪い目でネットリと見ていた。

 

先手必勝、とストーンフリーの一撃を、と拳を握りしめ、一撃入れたところで、老人が慌てたように両手を降参のポーズで上げて見せた。

 

「これっ、待たんか!ワシは敵ではない!!」

 

 かなりの力があったはずのストーンフリーのスタンド像の攻撃を上げた片手で柔らかく受け止め、老人は全ての力をいなしてみせる。

 老人は焦った様子で勢いのままバク転し、パタパタと両手を振った。

 

「はぁ?じゃああたしに何の用なのよ!」

「お主に助力したいと言うておる!要は鞍替えじゃよ。勝ち馬に乗るには、あんな怨念よりお主の方が相応しいとな」

 

老人は囚人服のポケットから取り出したディスクを手の中でくるくる回してみせた。

 

「それは!ホワイトスネイクの命令DISC!」

「ひぇっひぇっひぇっ。風水の導きじゃ。あんな邪気を撒き散らして移動していれば運気の変動から察せられてしかるべき」

「運気……お爺さんのスタンドは運気を操るの?」

「そうじゃ。ほれ…ドラゴンズドリームよ!」

 

 ずるりと現れたのは錘のようなものを抱えた龍のスタンド像であった。

 スタンドは徐倫を見るにぴゃっと老人の後ろに隠れた。

 

「なんじゃドラゴンズドリーム。情けない!」

「仕方ネーダロ!!アンナ特大ノ災厄、俺マデ喰ワレソウナンダヨ!!」

 

 正気じゃねーよ、こんな奴の方に付くなんて、とドラゴンズドリームはブツクサ言っている。

 徐倫は首を傾げた。

 

「なんのこと?」

「いやいや、気にするまでのことはない。こちらの話よ。それで、そちらの目的は達成できたか?」

「いえ。ひとりでに動く骨を探してるんだけど、お爺さんは見た?」

「いんや。どれ、ワシも探してみよう」

 

 ドラゴンズドリームよ!と手の中で丸く円を描く金属製の塊を宙に浮かべた。

 金属製の円はぐるりと周り、ある一方向を指し示す。

 

「吉の方角はこっちじゃな…では、こちらから探すとするか」

「へえ。運勢を占うスタンドなんて珍しいわね」

「わしのスタンドは吉凶を示す風水の力を持つ。そのわしにかかれば探し物など幾分と経たず見つかるわい」

 

 と、吉の方角に歩みを進めようとしたその瞬間。

 徐倫はアルカナテラーの瞳から、空より飛来する小型の隕石がこの場所へと落ちてくる映像を視認した。

 

「!?お爺さん!避けて!?」

「っなんじゃあ!?」

 

 飛来した小型隕石は天井を突き破り、モルタルの床へと着弾して小さなクレーターを作った。

 腰を抜かした老人が「ど、ドラゴンズドリーム!」と自らのスタンドに呼びかける。

 

「吉ノ方角ハ変ワンネーゼ!オメーガ方角ヲ守ラネーノガ悪イ」

「これっワシのスタンドのくせに生意気な…」

「俺ハ中立ダッツッテンダロ!」

 

 自らのスタンドと喧嘩し出した老人に、徐倫は苦笑した。

 蛇がにゅるりと徐倫の服の襟元から抜け出てくる。

 

「扱いづらいスタンドみたいね、あの龍のスタンド」

「ありゃスタンドっつーかまんま怪異だからな。人に吉凶を授ける天からの贈り物。そりゃ人間なんぞの言うことは聞かねーだろ」

「へえ…そんなのもあるのね。それで、さっきの隕石、あれは何?」

「スタンド攻撃だな。隕石を呼び寄せる能力、名前をプラネット・ウェイブス」

「……自然現象じゃなくて、スタンド攻撃?」

「そうさ。ほれ、本体のお出ましだ」

 

 咄嗟に徐倫が振り返る。

 しかして。

 徐倫たちの背後にゆらりと立っていたのは、一人の屈強そうな体躯をした看守であった。

 虚ろな瞳で徐倫たちを捉え、にやにやと黄色い白目で笑っている。

 

「………」

「完全にDISCに操られてるわね。テラー、貴方の方で傷つけないように無力化できる?」

「ふむ。DISCだけ食えばできそうな気もするな。やってみるか?」

「ええ。お願い」

 

 看守が一歩踏み出す。

 瞬間、恐るべき速さで駆け出した。

 剛腕を振り上げ、徐倫の首を刈り取らんばかりに接近させる。

 

「させるかよ。俺の鱗を突破してからそういうことはするんだな」

 

 勢いのまま蛇の鱗に阻まれ、そのあまりの強度に腕の方が反対方向へと折れ曲がる。

 痛みにか「ガッ!?」と看守が苦悶の声をあげる。

 そして同時に、後ろから滑るような動きで老人の拳法の一撃が看守へと叩き込まれた。

 

「溺れるがよい。ひえっひえっひえっ。先ほど驚かされた借りを返させてもらうぞ」

「お爺さん、その人は…!」

「分かっておる。このDISCとやらで操られているのであろう?だがこの場ではこれが正解よ。DISCを抜いたとて、場に満ちるこの騒乱の力に飲まれるのが関の山じゃからなぁ」

 

 老人の言葉に蛇も同意した。

 

「まあな。そこのケンゾーさんの言う通りではあるな。徐倫に届く分は俺が食ってたから気づかなかっただろうが、スタンド、サバイバーが発動してる。意志の弱い奴を殺し合いさせるスタンドだ」

「……!なんて面倒な!」

「ひとまず骨を早めに探して部屋を出るべきだ。どうやらサバイバーの本体はもう少し上にいるようだからな」

「っ、わかったわ、急ぎましょう」

 





・その頃の屋敷の幽霊部屋
アナスイ「徐倫…なんて美しいんだ。結婚してほしい。幸せな家庭を築きたい。子供は3人がいいな」
エンポリオ「うーん、思想は個人の自由だしなぁ」
アナスイ「それと、犬は子供の教育に良いと聞く。ちょうどいいな」
F・F「おいそれあたしのことか」
アナスイ「お義母さんとお義父さんに結婚の許しもいただかなくては」
エンポリオ「断られる未来しか見えない…」
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