とある姉弟妹が集まる鎮守府(改)   作:屋根裏散歩

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第10話 車を買う!

「姉貴、今迄ありがとう」

 

僕は姉に車の鍵を返した。

 

「翔、別に持っていても問題無いネー」

 

姉貴がそう言いながら車の鍵を受け取った。

 

「田井中自動車で中古車を買うつもりだから」

「そうなの、明石喜ぶわよ」

 

僕は金剛の部屋から自室に戻ると、明石にメールを送った。

 

『明日、おじさんのお店に車見に行くから付き合って』

 

明石から直ぐに返信が来た、

 

『OK、どんな車欲しいか前もって教えてくれれば、候補見繕ってもらえるけど』

 

僕は候補の車を明石にメールした、

 

『型式指定でGX−71のクレスタがいい』

 

明石から了解のメールを受け暫くすると、画像付きのメールが送られてきた。

 

『今在庫あるのは、この7台だって』

 

僕はパソコンを起動させるとメールに添付されていた画像を確認した。

 

「候補はこれと………えっウソ…ツインターボ!」

 

 

そして日が変わって土曜日。

 

「それじゃあ行こうか、姉貴ありがとう」

 

僕と明石は姉貴に明石の自宅迄車で送ってもらった。

 

「ノープロブレムネー」

 

姉貴も買い物があるのでついでとのことだった。

 

「翔君乗って」

 

僕は明石の愛車フェアレディの助手席に座ると、田井中自動車の中古車展示場へと向かった。

 

「ついたわよ」

 

僕は車から降りると、

 

「おじさんお久しぶりです、今日はよろしくお願いします」

 

展示場で待っていた明石の父親と挨拶を交わした。

 

「娘から候補の車を聞いていたからね…」

 

僕は候補の車を見て回った、

 

「ツインターボの71クレスタって」

「それならこれだよ、珍しい純正5速だぞ」

 

おじさんが1台のクレスタを指差した。

 

「試乗してみるかい?

車検も1年残っているしガソリンも半分は入れてある」

 

僕は鍵を受け取ると明石と試乗する事にした。

 

「エンジンに少し振動があるわね、エンジンかミッションのマウントを交換する必要ありかしら…」

 

明石が助手席で不具合をチェックしていた。

 

「エアコンは問題なし、コンポは社外をつけるから無視して…ライト類の点灯は問題なし、パワーウィンドウも…右後ろがちょっと渋いかしら、要交換ね…じゃあ実走してみて」

 

僕はギアを1速にした、

 

「翔君もう一度ニュートラルから各ギアに入れてみて」

 

明石に言われるままにギアを操作した。

 

「ミッションは問題無し…少し滑りあるかなクラッチ滑ってる」

 

そして実際に走らせてみると…。

 

「やっぱり、」

 

明石が言うにはエンジン回転と変速のタイミングがずれているらしい。

 

「お父さん、翔君このクレスタにするらしいけど、交換が必要な箇所多数よ」

 

明石が交換箇所のリストを父親に手渡していた。

 

「もう30年近く前の車だからな、其の辺は仕方ないな、あとはタイミングベルトも交換だな」

 

明石とおじさんの間で専門的な事を話していた。

 

「翔君、一応部品取りの車を押さえておいた方がいい、殆どの部品が廃番になってるはずだから」

 

おじさんが、平置きにされたとスクラップヤードの一角に置かれたクレスタを指差した。

 

「あの2台はどっちもツインターボなんだが前期型でな、まぁ基本的には前後のライトやラジエーターグリル、サイドマーカー以外は共通だからね、あと必要な部品とかあればサービスするよ」

 

ソアラのアルミや純正の電子制御サスペンション等をスクラップヤードから漁ると…最終的には総額80万円となった、その代金を現金で支払い…そして僕はおじさんと何時の間にか来ていたおばさんの前で改まると、

 

「おじさん、おばさん…御嬢さんと…明海さんと結婚を前提にお付き合いさせて頂いています」

 

僕からの交際報告を聞いたおじさんが、少しの間をおいた。

 

「そうか…翔君と…君になら娘を安心して任せられる、これからもこのヲタクでなんの取り柄もない娘だが宜しくお願いします」

 

 

そう言うと、おじさんが深々と頭を下げた。

一瞬でもお前に娘はやらんとか言って拳骨が落ちるかとヒヤヒヤしていたが、要らぬ心配だった。

 

「これでようやっと売れ残るかと心配の種が無くなったわ………」

 

おばさんが売れ残るかとか酷い事を口にしていたが、僕は交際を許可してもらえてホッとしていた。

 

 

 

 

 

 

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