谷脇さんの捜査協力から1ヶ月後。
4月のとある日のお昼少し前。
「提督、谷脇さんから外線だ」
秘書官である那智が電話を取り次いだ。
「お待たせしました、近松です」
「ご協力により、葛を含む全員の逮捕ができましたので、そのご報告迄に…後日報告書は提出させていただきます」
「そうですか………」
僕は谷脇さんとの電話を終えると、ふぅと溜息をついた、
「提督よ、どうかしたのか?」
那智が聞いてきた。
「うん、11年前の鎮守府襲撃事件に漸くケリが付いた…首謀者である葛以下協力者総ての逮捕拘束が終わったって」
「そうか…ならご両親の墓前に報告したらどうだ」
那智が気を利かせてくれた。
「そうさせてもらうよ」
そう言うと、僕は姉妹にメールをした。
「それじゃあ少し行ってくる」
僕は那智に断わりをいれると、旧鎮守府艤装保管庫跡地へと向かった。
「翔…」
「兄さん」
「お兄ちゃん」
僕が旧鎮守府艤装保管庫跡地に着くと同時位に姉妹達もやって来た。
「やっと終わった…父さん、母さん…終わったよ…港湾棲姫からの話から彼奴を…やっと…」
僕達は静かに手を合わせた…僕は不意に背後に立つ気配に気がついた。
「あの男捕まったそうですね」
背後に港湾棲姫が立っていた…正確には防空棲姫やヲ級、戦艦棲姫もいた。
「私達も…」
そう言うと、戦艦棲姫が花を墓前に供えてくれた。
「私達も子供がいるのよ、だからね…お母様達の無念は理解しているつもりよ」
戦艦棲姫の言葉に僕は、
「有り難うございます」
僕は4人の深海棲艦に頭を下げた。
「気にしないで、私達はこれで失礼するわね」
両親の墓前に手を合わせると、深海棲艦達は海へと帰っていった。
「父さん、母さん、また来るね」
僕達はまた来ると両親のお墓に語りかけると、
「じゃあまた後で」
僕は姉妹と別れると執務室へと戻った。
「何かあった?」
「何も無いぞ、強いて言えば…港湾棲姫が来ていたみたいだな」
どうやら那智も気がついていたようだった、
「あぁ、両親の墓前に花を供えてくれた」
「深海棲艦もメンタルは同じとなは、驚くことばかりだ」
那智も深海棲艦にそう云う感情がある事に驚いていた。
「深海棲艦との戦争理由がわかれば…この戦いを終わりにする事が出来るかもね」
等と軽口を口にした。
「そうだな」
那智が静かに頷いた。
「さぁ午前の分の執務を終わらせよう」
僕は午前分の執務に取り掛かった。
同時刻…軍事法廷。
「判決を言い渡す、葛に組みした総ての者は…死刑とする、上告再審減刑をこれを一切不許可とする以上」
そして死刑執行は即日おこなわれた。
こうして11年前の鎮守府襲撃事件は幕を閉じた。