音ノ木坂には猫がいる。   作:朝霞リョウマ

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パクリ疑惑は気にせずオリジナル設定の二次創作だと胸を張ることにした(自棄)


ガッコウが無くなるらしい

 

 

 

「ハ、ハイコオォォォ!?」

 

 

 

 それはとある朝のことだった。

 

 朝になって帰ってきたヒトたちが多く存在するイエの中を歩いていると何やらヒトの大きな声が聞こえてきた。この時間はいつも帰ってきたばかりのヒトたちで賑やかだが、この声は何やら様子が違っていたような気がした。

 

 一体何があったのだろうとその声がした方に向かってみる。

 

「ホノカ! しっかりしてください!」

 

「ホノカチャン!」

 

 そこには、後ろ向きに倒れた橙色の頭のヒトを支える青色の頭のヒトと灰色の頭のヒトがいた。この三匹のヒトは覚えている。この間自分に食べ物をくれた三匹だったはずだ。あの青色の頭のヒトがくれた白色と桃色の半月状の食べ物がとても美味しかった。もう一度くれないだろうか。

 

「あ、あぁ、オ、オトォォォ!」

 

 青色の頭のヒトに近寄っていくと起き上がった橙色の頭のヒトに抱きしめられた。自分は青色の頭のヒトから食べ物を貰いたいだけなのでこのヒトに用はない。あと苦しいから早く放してほしい。

 

「どうしようオトー! このままじゃガッコウがハイコウになっちゃうよー!」

 

 自分を抱きしめたままそんなことを言う橙色の頭のヒト。ガッコウがハイコウになる? ガッコウというのは確か『オトノキザカガクイン』を指す言葉だったはずだ。『オトノキザカガクイン』がハイコウになるとはどういう意味なのだろうか。

 

「お、落ち着いてホノカチャン」

 

「そうですよ、ホノカ。というか、あなた何か勘違いを……」

 

 橙色の頭のヒトに続いて灰色の頭のヒトと青色の頭のヒトもこちらにやって来る。

 

 青色の頭のヒト、この間の食べ物をもう一度貰いたいのだが。

 

「コトリチャンとウミチャンはいいよ! そこそこセイセキ良いんだから! でも私は全然ベンキョウしてないんだよ!?」

 

「……え?」

 

「だって、ガッコウ無くなったら別のコウコウに入らなくちゃいけないんでしょ!? ジュケンベンキョウとか、ヘンニュウシケンとか!?」

 

「やはり……」

 

 拘束から逃れようともがいたが、橙色の頭のヒトの言葉に動きが止まる。

 

 ガッコウが無くなる、それはつまり『オトノキザカガクイン』が無くなるということ。『オトノキザカガクイン』は自分の住処であり、それが無くなるということは自分の住処も無くなるということだ。それは困る。

 

「落ち着きなさいホノカ。私たちがソツギョウするまで、ガッコウは無くなりません」

 

「え?」

 

 ソツギョウ、という言葉には聞き覚えがあった。確かソツギョウはここに住むヒトたちが帰ってこなくなるという意味だ。たまに帰って来るヒトもいたが、ほとんどのソツギョウしたヒトたちは『オトノキザカガクイン』に帰ってこなくなった。

 

 つまり、この三匹がソツギョウすると『オトノキザカガクイン』が無くなってしまうということだ。

 

「詳しい話は、ゼンコウシュウカイでリジチョウがして下さるようです」

 

「とりあえずキョウシツに行こう?」

 

「う、うん……あ、オト、ごめんね」

 

 橙色の頭のヒトは自分を地面に下ろすと、灰色の頭のヒトと青色の頭のヒトと共に去って行ってしまった。

 

 結局、青色の頭のヒトから食べ物をもらうことは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

「オト、こんなところにいたのね」

 

 ヒトたちがヘヤの中に入ってしまったので、日の当たる暖かい場所で昼寝をしているとそんな声が聞こえて目を覚ました。どうやら寝ている間にヒトが食べ物を食べるときになっていたようだ。『オトノキザカガクイン』のイエの中からヒトたちの賑やかな声が聞こえてくる。自分はあまりヒトが来ない場所で昼寝をしていたのでここにはヒトがいない。

 

 たった今自分に話しかけてきたカイチョーを除いて。

 

「探しちゃったわ。あれだけ人懐っこい癖に、フラッといなくなっては人気の無い場所でお昼寝しているんだもの」

 

 カイチョーは自分の傍にヌノを敷いてその上に座る。そして細長い肉のようなものを取り出すと自分に向かって差し出してきた。

 

「はい、どうぞ。ふふ、ノゾミみたいに買ってきちゃった」

 

 この食べ物は以前にも他のヒトに貰ったことがある。確か『じゃーきー』という食べ物だ。

 

 どうぞ、と言われてこちらに向けられているので食べていいのだろう。パクッと咥える。カイチョーはじゃーきーから手を放してくれなかったが、気にせずそのまま食べ進める。うむ、美味い。

 

「………………」

 

 自分がじゃーきーを食べている間、カイチョーは一言も発することなく無言だった。一本目のじゃーきーを食べ終えるとそのまま無言で二本目を差し出してきたので、それも食べる。

 

「……ねぇ、オト。あなたはこのガッコウが無くなっちゃうって話、聞いた?」

 

 二本目も食べ終えて口の周りに付いたカスを取るために顔を洗っているとカイチョーがそんなことを尋ねてきた。

 

「薄々、そんな気はしてたの。年々シンニュウセイが減って、今年のイチネンセイは(ひと)くらすだけ。……このままだと、来年のシンニュウセイはいなくなって、このガッコウはハイコウになっちゃうわ」

 

 シンニュウセイは新しくこの『オトノキザカガクイン』に住み始めたヒトたちのこと。ソツギョウして帰ってこなくなったヒトたちの代わりに新しく『オトノキザカガクイン』に住み始めたヒトたちだ。

 

 ソツギョウしてヒトがいなくなるのに、シンニュウセイもいない。ヒトがどんどんと減っていく。つまりこの『オトノキザカガクイン』に住むヒトが少なくなると、『オトノキザカガクイン』は無くなってしまうということか。

 

「ガッコウが無くなっちゃったら、あなたも困るものね」

 

 全くだ。

 

「でも大丈夫よ。私がなんとかしてみせる。このガッコウをハイコウになんかさせない。だから、あなたは安心していてね」

 

 そう言いながら、カイチョーは自分の頭を撫でるのだった。

 

 

 

 

 

 

 『オトノキザカガクイン』が無くなっちゃうそうだが、君たちはどう思っているのかな。

 

「めぇ~」

 

 その時にならないと分からない、か。確かにそうなのだが。

 

 今話しているのは『あるぱか』という名前の動物。この『オトノキザカガクイン』を住処にしている自分以外の動物である。白色の毛のあるぱかと茶色の毛のあるぱかの二匹が『オトノキザカガクイン』の中に作られた小さなイエに住んでいる。同じ『オトノキザカガクイン』に住んでいるもの同士、雨の日の寝床としてもたまに利用させてもらうぐらいには仲が良い。

 

 この前「自分一匹のみが残される」と言ったが、この二匹のことをすっかり忘れていた。

 

 夕方の時間になり、散歩の途中にこの二匹のイエの近くを通りがかったので『オトノキザカガクイン』が無くなることについて聞いてみたのだが、返事は大方予想したものだった。

 

 その時にならないと、分からない。自分もそうだ。その時になってみないと、何も分からない。

 

 しかし、自分には想像できなかった。自分は『オトノキザカガクイン』以外の場所を住処とするということを考えたことなかった。気が付いたときからここにいる自分は、これから先もずっとここにいるのだと考えていた。

 

「めぇ~」

 

 ……きっとヒトたちが自分たちの新しい住処を探してくれる、か。だといいのだが。

 

「あ、オト」

 

 あるぱかたちと話していると、いつの間にかヒトが近づいてきていた。自分に触ろうとするのに近寄ろうとしない変な喋り方のヒトと一緒にいる茶色の頭のヒト。あるぱかのイエの掃除や食べ物を用意するヒトの一匹である。

 

「ふふ、相変わらず三匹は仲良しだね。一体どんなお話をしてるのかな?」

 

 どんなお話というと、このガッコウが無くなったらどうするのかを話していた。

 

 どうやらこのヒトはあるぱかたちの食べ物を持ってきたようだ。それを見たら自分もお腹が空いてきた。

 

「行っちゃうの?」

 

 このヒトは自分にくれる食べ物を持っていなさそうなので、誰か別のヒトから食べ物を貰いに行くことにしよう。

 

「めぇ~」

 

 いや、それは二匹の食べ物だ。君たちが食べるといい。

 

 

 

 

 

 

「さようなら、オト」

 

「また明日ねー!」

 

 『オトノキザカガクイン』の入り口から再び何処かへ出かけていくヒトたち。

 

 こうして何処かへと出かけていくヒトたちを引き止めることが出来れば、ソツギョウするヒトはいなくなり、ハイコウを止めることが出来るだろうか。試しに出かけていくヒトたちの足元をウロウロしてみる。

 

 

 

「キャー! オトが擦り寄って来るー!」

 

「カワイー! かまって欲しいのかな?」

 

「オ、オトが可愛い! オトと遊びたい! ……しかし、モンゲンが、モンゲンがぁぁぁ!」

 

「また明日遊んであげるね」

 

「ごめんねオトー!」

 

 

 

 ダメだった。自分を撫でるためにしゃがみ込むので一時的には足を止めることは出来た。しかしヒトたちはひとしきり自分を撫でるとやはり何事も無かったかのように出かけて行ってしまった。自分では出かけるヒトたちを引き止めることは出来ないようだ。

 

 このままではどんどんヒトがソツギョウしてしまい『オトノキザカガクイン』からヒトがいなくなってしまう。そしてヒトがいなくなって『オトノキザカガクイン』が無くなってしまう。

 

 『オトノキザカガクイン』を無くさないために、自分に出来ることはないだろか。

 

 

 

 

 

 

 朝になるまで考えた結果、一つだけ思いついた。

 

 

 

「……えっと、なんかオトがすごいこっち見てるよ」

 

「ケ、ケサからずっとだね……」

 

「ホノカが何かしたのではないのですか……?」

 

 

 

 青色の頭のヒトは、この三匹のヒトがソツギョウするまでガッコウが無くならないと言っていた。つまりこの三匹がソツギョウしないように見張っておけば、少なくともガッコウは無くならないということだ。ヒトがソツギョウするとき、その言葉をよく使う傾向があるので、こうして見張っておけばソツギョウしそうになると分かるはずだ。

 

 

 

「そういえば、ネコって何もない場所をじっと見ることがあるらしいね」

 

「あ、知ってる! 確かユウレイが見えるとか何とかって奴だよね?」

 

「ユ、ユウレイ!?」

 

 

 

 これからは出来るだけこの三匹から目を離さないようにしよう。

 

 

 




・「ハ、ハイコオォォォ!?」
アニメでは静かに倒れたが、インパクトが無かったので。ついでに色々と改変。

・もう一度くれないだろうか。
オトの好物が「カマボコ」に決まりました。

・「オト、こんなところにいたのね」
今週の こ ん な と こ ろ

・アルパカ
感想で言われて思い出した。そういやこいつらいたなぁ、と。
他に動物を飼育している様子もなかったので、唯一オトと会話が出来る要員となりました。
ちなみに鳴き声はアニメでこう聞こえたから。

・茶色の頭のヒト
花陽 < 春香
何が、とはあえて言わない。しかしプロフィール見て静かに驚いた。
かよちんだいぶあるように見えるのに、閣下それ以上ですか……!?
ちなみに雪歩とも1しか違わない。

・これからは出来るだけこの三匹から目を離さないようにしよう。
アイマスの方では出来なかったちゃんとした(?)勘違い要素。



 とりあえずμ'sメンバーとの関わりを持たせることが出来たので、本格的に原作内容を始めることが出来る。せめてファーストライブまでは頑張りたい。
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