Fateの世界に転生したからには頑張るしかない 作:あの時のアゾット剣
マリーの部屋を開けて見えた、真っ暗で床の方にうずくまっている。
その光景を見て心がギュッと締め付けられる感覚を味わった。だけどそれを思う前に自分は名前を呼ぶ。
「マリー」
どんどんとこちらへ近づいてくるマリー、自分がしなくてはいけないことは分かっている。彼女を助ける為に、否救う為に。
マリーの目の前まで行き、姿勢を落とすそのまま割れ物を扱う様に抱擁をした。ごめん、遅れてしまって申し訳ない。
「あっ..うっ....ぇっ...っ...」
そのまま
知識として知っていた
認識が甘かった、そんな言葉でしか表せない自分が腹立つ。彼女を支えると誓っておいてこんな状態にしてこの身体からも伝わってくる、明確な怒りが。
「本当に、すまなかった。マリー」
「ゔゔん゙...」
彼女は涙を拭いながら俺の言葉を否定してくる。止めてくれ、
「アンタは、悪くないの。絶対にそれだけは無いの」
「そんな事は...」
そんな事は無い!と言いたかっただがその言葉は遮られた。
「違う!!私が悪いの!私が自分で選んだ道なのに逃げて、貴方に依存して、縛って、自分の気持ちだけの為に貴方を
「それは違う!」
「いいえ!これは私がやった事なのよ!!貴方をカルデアに招待したのだって貴方と離れたくなかったから、招待状にはそんな事は書いて無かったでしょうけど私がカルデアに推薦したの!私がほぼ無理やり意見を通して!貴方と一緒にいたかったから!なのに私は貴方が私を頼ってるみたいな都合のいい考えもして!」
目の前の彼女の気迫に自分は黙り込んでしまった、こんなことしてる場合じゃないのに彼女を救わないといけないのに。
言葉が見つからないこんな時にどんな言葉をかけたらいいのか分からない。悔しくなった、
「私はカルデアから逃げたかったの、最初は思っていなかったけどね。多分所長なんていう立場に立つ人間では無かったなの。なのに立場を利用して貴方を私の傍に縛り付けた」
彼女は自分自身を嘲笑うかのように寂しそうな笑顔をこちらへ向けてくる、その顔が痛々しくて悲しくてもう我慢の限界だった。
「私ね、そんな私が嫌いなの何時も逃げる事しか考えてなくて、それでいて自分の周りから居なくなって欲しくないからって、嫌と思った立場に甘えて自分のエゴを突き通して貴方を
「否定しないでくれ...」
「えっ?」
「マリーを自分自身を否定しないでくれ、俺はそんなマリーの所を知っていてここに来た。今までだって辛いと思った事は無かった、初めて出会った日からずっと俺は君に救われてきたんだ。」
この身体セイヴァード・リセルはずっと空虚な生活をしていた、生まれ持った魔術の属性は無であった。
魔術世界にてありえないが物質化するものと言われる属性。本来ソロモン王が持っていたとされる特徴。
その為、家族からは最初は祭り上げられたが次第に隠され魔術世界からもその家からも名前が消えていった。そんな時に彼女に出会った。
彼はソロモン王のような「無」何も望まない、自我を許されなかった事はない。人一倍いや何十万倍にも自我が希釈ではあったが
何の変哲もない可愛いと思った少女その名はオルガマリー・アニムスフィア
彼女との初邂逅は酷く冷えきった日のことだった、その子の顔は凛々しく一見頼りがいのある人に思えた、けどそれは違った。
彼女は何かを無くしたらしい、泣きそうな顔で一人で探していた。
それを見て「助けたい」と思った、何処にあったかは分からなかったが人の善性が自分にもあるのだと驚いた程に。その気持ちに従い自分はオルガマリーを助けた。
結果として、彼女の探し物は見つかった。お父さんから誕生日に貰った宝石らしい。
目の前の問題が片付いたら直ぐにその場から立ち去ろうと思った、この場でやる事は何も無いから。
だけど今日だけでも良い物が見つかった気がした、自分のうちにも善性があったことが分かった事だけでも心の何処かが救われた気がした。
「ちょっと!待ちなさいよ!」
背後から声が聞こえてきた振り返ったらさっきの彼女だった。何か言いたげだったのでとりあえず彼女の話を聞いてみる事にした。
「アニムスフィアの人間として受けた恩を返さないのはプライドが許さないわ」
という事らしい。だけど自分は何もして欲しいとは思わなかった、だけど自分の善性を感じさせたこの子に興味を持った。だから彼女にはこう言った。
「友達になってくれないか?」
そこからが自分の、いや俺の人生の始まりだった。
最初は少女と一緒に子供らしく遊び次第に人らしい感情と言えるものが芽生えていく。時が経つと少女が魔術の道を歩んでいくことを知った俺は彼女に向けて言った。
「もしも何かあったら自分を頼ってくれ」
これは単純に彼女を心配しただけじゃない、彼女は知らないがこれまで救われてきた事に対する恩返しをしたかった。
「俺はマリー、君に返せないくらいの恩があるんだ。最初の出会いからずっとね」
「何よ、その恩返しの為にこんな所まで来たって言うの?馬鹿みたい」
「恩返しも
「好きになったんだ」
「この事だけは譲れない」
「君に寂しさや嬉しさを教えられて幸せだったんだ」
自分の思っていることをそのまま口にして吐き出していく、恥ずかしさもあるがこれは本気だ、彼女にだけはこの事を否定して欲しくない。
「………」
マリーは黙ってしまった。
「何よ、何なのよ、結局私が迷惑かけちゃってるじゃない」
「それでも君が好きだ」
「そうなのね、」
マリーが後ろ向きに倒れて顔を腕で隠す、そのまま重い口を開ける。
「馬鹿よ、」
「あぁ、」
「貴方も...私もどっちもね」
「え?」
「私が一々気にしてたのが馬鹿みたいじゃない、」
「けどね、嬉しかったわ」
「貴方がそう言ってくれて」
「こんな私を助けて、救ってくれてありがとう。」
「私もあなたの事が大好き...」
やっぱりキャラの心が落ちて堕ちて救われるという展開は美味い。
後、アンケート回答ありがとうございます!結果としてタイトルは変えます!自分でもタイトル合ってんのかと思い変更しました、全体的に肯定してくださる人が多くありがたかったです。タイトルは変わりますが路線は今まで通り変わりませんのでよろしくお願いします。