Fateの世界に転生したからには頑張るしかない 作:あの時のアゾット剣
「ど、どうしたのだ!?」
私が慌てて奴が倒れてくるのを受け止めた、だがその顔には涙を浮かべていた。
何があったのだ?私の中では感動の再開を期待していたはず、だが現実は我が専属秘書官が泣いている。それは感動ではないのは一目瞭然。
そうだ、此奴は我が秘書官なのだ上司として話を聞いてやるくらいの事はしなくては。元と言えどマスターでもあった男だからな。
だがどう切り出せば良いのだ?分からん。
知識としては有るもののどのようにすれば良いのか。
分からなかったが、受け止めた奴の顔を見てなんとなくだが。
「仕方の無い秘書だな、出血大サービスとして私の懐で泣く事を許してやろう。」
奴の背中に手を回し、いわゆる抱擁をしてやった。
私自身も抱擁をして気持ちが揺らいだが本来の目的を優先しなくてはならない。
倒れた先にあったのは温もりだった、それで大統領に抱かれたことに気が付いた。
泣きながらだったから引き離そうとしてもスゴい力で離してはくれなかった。
仕方がない、仕方が無いけど大人しく泣き出した。
多分、小さな悩みなんだろう。転生した話や前世とか。
実際魔術やらがある世界でそんな事は珍しい事ではあるけど有り得ない訳では無いはず。
だけど、記憶はあるけど以前のこの身体の持ち主って訳じゃないんだから受け入れられるのか?
例えダヴィンチちゃんやロマニとかは受け入れてくれるだろう。
だけどマリーにこの事を伝えたらどう思うか、
それが正確に分からない。それだけが絶対的に不安なのだ。
マリーが拒絶してしまうかもしれないと思うと心のどこかにポツンと穴が空く感覚になる。
この身体の記憶なのかもしれないけど、もう自分の事だと認識してしまう程に馴染んでいる。
最初は映像を観るような感覚だったはずなのに、いつの間にかに自分の事だと思うようになってきた。そのせいで今の状態が壊れる事を恐れてる。
単純だな、本当に単純な男だよ。俺って感化されたからってこんな影響受けるなんてさ。
そもそも今の状態だって人の人生に成り代わっている。人生を奪ったのかもしれない、嫌な事を思うと連鎖してどんどん沈んでいく。分かっていても故意がなくても。
最初の頃には思いもしなかった嫌な事が頭の中に駆け巡って行く。そんな時に目の前の大統領から。
「………私の懐で泣く事を許してやろう。」
上から目線な言い方だけど、声色はとても優しげな大好きな少女と全く同じ声が聞こえてきた。
その少女とは記憶も違う、おそらく中身も、別人同然なのかもしれないが今はそれが良かった。今の状態でただ素直に話す事が出来る相手、そんな相手が必要であった。
「俺さ、今まで普通に生きてたんだ。高校生でさ、普通に生きて就職先も決まってさ。これから社会に出るんだなって思って不安だったり、どんな所か気になったり。」
「そう思ってたら轢かれて、死んで意味も分からず此処に飛ばされて誰かの身体に乗り移って、一人で盛り上がって本当は誰も支える余裕も無いのに無理してマリーを支えようとして。それから、それからさ。自分が人を殺したんじゃないかって不安になって。勝手に皆が離れるんじゃないかって思って。」
吐き出せなかった、吐き出したかったことを沢山目の前の少女にどんどん吐露していく。すると少女はどんどん優しげな顔付きに変わっていく、
「そうか…頑張っていたのだな。偉い、偉いぞ」
そんな事を言いながら、慣れていない手つきで俺の頭を撫でてくれる。嬉しさと謎の申し訳なさがある。その事に気が付いたのかオルガは、
「遠慮など、私の方から断らせてもらう。貴様は我が秘書官であり、元マスターなのだからな。気にする必要など何処にある?」
優しいな、今更だってけど本当に彼女は俺のサーヴァントだった大統領だったらしい。
信じられるか?よく分からない属性だからって前世の、しかもゲームの中から召喚ってさ。
「ありがと、俺のサーヴァント。」
「ふっ、やっと認めたか。」
「ごめん、認めなくて。俺の事を思って来たんだろうけど俺が拒絶してごめん。」
「アッハッハ!あの程度が貴様にとって拒絶なのか?笑わせる!」
本当にそう思ってる事が見てわかるくらいの笑顔だ、正直もう離して貰ってもいい気がしてきた。涙も少しは引っ込んだ。あれ?離してくれない。
「……?」
「ふふふ…」
なんだか、少しのシリアスが壊れる音がした気がする。
明日バイトなのでもしかしたら、投稿できないかもです。期待しないでお待ちください!
ぶっちゃけ、オルガマリーの話とランスロットの話どっちが気になります?
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ランスロット
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オルガマリー