魔女の微笑み 作:カトレアの花言葉
「ねぇオリヴィア、ちょっとだけ聞きたいことがあって…その…ニコラス・フラメルって人を知っている?」
「ニコラス・フラメルさん…ですか?ごめんなさいね、ハーマイオニー。存じ上げない名前ですね」
「そう…ごめんね、突然変なことを聞いてしまって。実はハリーやロンと私で図書館に入り浸って探しているんだけど、全く手がかりがなくて…ハリーは聞いたことがある…というか『見たことがある』らしいのよね。ハリーが見たことある人物名なら特定は出来そうなのに、まーったく分からないのよ…」
12月に入って、ハーマイオニー・グレンジャーがグリフィンドール寮女子生徒用寝室にて「ニコラス・フラメル」なる人物を知っているか聞いてきた。まぁフランスの錬金術師(御年665歳)なんだけど。
というか、『ハリー・ポッター』の世界以外でも割と有名な名前だし、普通にハーマイオニーなら知っていそうな気がするんだが。小説とか伝記で。ヴィクトル・ユーゴーとかハワード・パイルならマジでハーマイオニーも読んだことあるんじゃないか?
ここで安易に答えると、ハリー・ポッターのクリスマス休暇におけるホグワーツ校内大冒険イベントを潰すことになるので、しらばっくれる。彼にはここで「図書館ドッキリ大絶叫」イベントや「みぞのかがみ」イベントを経てもらわないとね。全てはより大きな善の…じゃなかった、より大きな経験のために。この経験の積み重ねは「とある20世紀で最も偉大な魔法使い」も望んでいらっしゃることだし、ちょっかいはかけない方が良い。
図書館で思い出したが、ハリー、ロン、ハーマイオニーのトリオが無茶苦茶図書館に入り浸っているのが、地味に面倒くさいな…。ロンとハーマイオニーなら全然良いし、むしろ交流したいのだが、ハリー・ポッターがいるから図書館に行きづらくなってしまった。君子危うきに近寄らず。
とはいえ、図書館で私語をすると司書のマダム・ピンスにぶち殺されるので生徒は皆静かにならざるを得ない環境なのは良かった。これでひたすら宿題や個人勉強に専念出来る。つーか来るたびに思うけど、マジでグリフィンドール寮生すくねぇな!レイブンクロー寮生とスリザリン寮生ばっかやんけ!
まぁでも図書館以上に多用…というか入り浸っているのは「必要の部屋」なんだけど。発禁レベルの書籍での勉強だけでなく、魔法薬の開発や研究も順調に進んだ。ハロウィン時のトロール女子トイレ事件の合間に俺がスネイプ教授の研究室から入手した材料を上手く調合し、必要の部屋の本棚にあった『最も強力な薬』や『魔法薬概論:高等実践』、『古代パピルス薬学文書』を読みながら「ポリジュース薬」を量産しまくった。効果は確か1時間くらいしかないので、数はあればあるだけ良い。
これで常に姿を偽り、その上から更に親父から「防犯」用にもらった簡易版透明マント(魔法動物デミガイズの毛で織った簡易版)で姿を隠して「禁じられた森」への殴り込みが可能になる。大昔みたいな密猟者がいなくなった「禁じられた森」には、スネイプ教授の研究室にある研究棚や在庫棚より希少で非常に高価な魔法薬資源が大量にあるからな。行くしかないぜ。
今は簡易版透明マントの効能が弱まってきたんで、クリスマス休暇で家に帰った時に補充しよう。本来なら簡易版でも高価なんだけど、まぁ金は腐るほどあるからなぁ。今も現在進行形で某為替相場メカニズムのレートを利用して「売り」のポジションを構築しているし。某連邦銀行の最近の高金利や現時点でのポンドの評価を考慮すると、まぁ不可避な構造なので、ぶっちゃけ欧州圏や北米圏のマグルの投資家やトレーダーはみんな同じことを考えているよな。
ちなみに今週の「週刊国際魔法経済」ではグリンゴッツ銀行フランクフルト支店長による長文インタビューを掲載させる。グリンゴッツ銀行…というか小鬼連中にも「売り」への危機感と恐怖感を煽らせてやる。グリンゴッツ銀行設立のきっかけとなった「14世紀魔法界のバブル経済」を連中に思い出させ、火にガソリンと可燃性魔法薬をぶちまけるぜ!来年の1992年9月16日水曜日は史実よりも少しだけ(?)ヤバいことになりそう。
現在進行形といえば、1988年から始まっているノルウェー銀行危機や1990年から始まっているスウェーデン金融危機、1991年から始まっているフィンランド銀行危機を最大限に利用してスカンジナビア半島全体に強大な金融面での橋頭堡及び現地グリンゴッツ銀行各支店への有形無形の絶大な影響力を作り出した。
小規模銀行が破綻し、たたでさえ貸出金利がガンガン上昇傾向にある中、1990年にドイツが再統一することで更に高金利になるのは分かっていたので、グリンゴッツ銀行オスロ支店とストックホルム支店、ヘルシンキ支店の各三支店それぞれに指示を出していたら、あいつら真っ青な顔になりながら現地のマグルの銀行から金を巻き上げていた。なんか必死というか怯え切っていたような印象を受けたが…気のせいかな?こんなの序の口で、本当の地獄はこれからも永遠に続くというのに。
スウェーデンとフィンランドはまぁこれからだが、ノルウェーは現地マグルの中央政府と中央銀行による莫大な資本注入が始まったので、とりあえずオスロ支店にはそろそろ「撃ち方やめ」のフクロウ便を送る。確か来年には通貨のペッグ制(固定相場制)を止めるっぽいし、もうノルウェーでの荒稼ぎは潮時だ。
なぜスカンジナビア半島の三カ国にこれだけ金融面での殴り込みをかけているかというと、早い話がスカンジナビア半島北部のどこかに存在するダームストラング専門学校に対する圧力を各国の魔法省にかけてもらうための迂回戦術だ。あとはグリンゴッツ銀行や欧州魔法界への更なる金融面での権益拡大もあるが。
ダームストラング専門学校の校長はイゴール・カルカロフという元死喰い人で、彼自身は良くも悪くも既に名前を呼んではいけない例のあの人を裏切った魔法使いだが、どうもルシウス・マルフォイ御大とは未だに交流を深めているようで、1995年6月24日までは彼にはそこそこの利用価値がある。どうせその後には死喰い人によって粛清されるんだから、その前に彼のコネクションを有効活用出来た方が良い。
クリスマス休暇で思い出したが、マジでマルフォイ家のドラコ坊ちゃん入学記念パーティーは行きたくねぇなぁ。同学年だけなのは良いが、メンツを考慮するとあの入学前交流会より非常に少数精鋭というか色々と濃密なメンバーになりそうで憂鬱。というか女子メンバーの方が多くねぇか?
まぁ数少ないポジティブ要素として、同じグリフィンドール寮で同じ寝室のラベンダー・ブラウンも参加するのが分かった。ブラウン家はランドール家と同じ中堅純血家系だ。というか格や血統の由緒正しさなら、むしろランドール家より上な気がする。どうしてもランドール家は非常に遠縁ながら北米圏や豪州の魔法使いの血も入っているから、イングランド一筋の由緒正しさならブラウン家の方が上だろう。
ちなみに一番憂鬱なのはダンスパーティーだ。ダンス自体はともかく、前世でオッサンだった俺がダンス用ドレスを着用するのってマジ?そりゃちょうど3年後の1994年クリスマスシーズンには必ず着用する羽目になるんだろうけどさ。っていうかダンスパーティー用のドレスなんてもってねぇぞ。どうすんだ?
ちなみにダンス用ドレスは持っていないが、普通のパーティードレスなら既に何着か持ってはいる。フォーマルな場でのイブニング・ドレスやアフタヌーンドレスはそれこそ先の入学前交流会で着用したし、セミフォーマルな場での準礼服も何着か持っていた。ちなみに何故持っているかというと、全て会合や式典用であり、魔法省のお偉方やホグワーツの理事達、グリンゴッツ銀行のゴブリン達との仕事用だ。
しかし、今回のマルフォイ館でのパーティーはダンスパーティーも兼ねている。これが曲者で、食事会だけなら既存のパーティードレスで良いのだが、招待状にしれっとパーティードレスの着用を仄めかしていた。めんどくせぇ。
親父やお袋、更には叔父叔母一家とフクロウ便で相談しまくった結果、とりあえずクリスマス休暇が始まる12月21日の土曜日にキングスクロス駅に着き、そこから即座にダイアゴン横丁に行くことになった。学年末ではないので、荷物が少ないからこそ可能な強行軍スケジュールだ。ダイアゴン横丁にある「マダム・マルキンの洋装店」やダイアゴン横丁にある他の服屋や礼服店に行くみたいで、予約は既にしてあるとか。
お袋や叔母さん曰く、本来ならオーダーメイドで数ヶ月前から複数用意するのが無難らしいが、今回は少しタイミングがギリギリだったので、微妙に間に合わないんだとか。そこでこれを機に複数のドレスを店舗で購入し、微調整をしていくんだとか。面倒くさそう…。お袋や叔母さんのドレスで良くね?と手紙に書いたら、吠えメール一歩手前のお怒りフクロウ便の大攻勢にあってしまった。そこまでキレなくても…。
ちなみに今までは家の暖炉から直接ダイアゴン横丁にあるグリンゴッツ銀行や用事のある店、あるいは我がランドール家の支店にある暖炉に移動していたが、今回は俺がロンドンのキングスクロス駅に到着するので、そこから「漏れ鍋」に行くことになった。
「漏れ鍋」はキングスクロス駅から道路距離が約3.5km(約2.2マイル)ほどあるチャリングクロス駅近くにあるパブで、そこからダイアゴン横丁に行くことが出来る。何気に今まで行ったことがないので、少しだけ楽しみだ。原作の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』における「漏れ鍋」宿泊イベントが結構好きだったなぁ。
そんなことを延々と考えながら現実逃避気味に魔法薬作成や実践呪文の練習、そして株価指数の確認とグリンゴッツ銀行への「注文」を続けているうちに、ついにクリスマス休暇に突入することになってしまった。ちなみにホグワーツの校舎がすっかりクリスマス模様になっていて、非常に風情がある光景だった。
クリスマスカラーに染まったホグズミード駅でロンドンのキングスクロス駅行きのホグワーツ特急を待っていると、ラベンダーが隣にやって来た。ちなみにラベンダーの親友であるパーバティ・パチルは双子の妹であるパドマ・パチル(レイブンクロー寮)と一緒にいるようだ。
「ねぇオリヴィア、貴女は『例のダンスパーティー』はどう思う?正直言ってコネクション作りとしては悪くないけど、相手があのマルフォイやパーキンソンなのが嫌なのよねぇ…」
俺もそう思う。俺はまだ前世が大人のオッサンサラリーマンだったので、ある意味では仕事と割り切って我慢というか諦観できるが、ラベンダーみたいな非スリザリン閨閥かつ10代前半の女の子には少し酷だろう。とはいえ華やかな舞台ではあるので、その辺を考慮すると割と我慢は出来るのかもしれないが。レイブンクロー寮やハッフルパフ寮の参加者らしき生徒は純粋に喜んではいそうだったので。
あの招待状を受け取った日からお互いに愚痴を言い合ってきた仲のラベンダーと世間話やパーティードレスの話で盛り上がっていると、ホグワーツ特急が来た。ちなみにラベンダー大先生はドレスと一緒に合わせて色々な小物をご両親におねだりするとか。クリスマスプレゼントとは別に。流石っすね…。
ホグワーツ特急の中もクリスマスの装飾で非常に華やかだった。ラベンダーはパチル姉妹と一緒のコンパートメントに行ったので、俺が適当に通路をぶらついているとハーマイオニーがいた。彼女を誘って近くのコンパートメントに入った。ハリーとロンはホグワーツでクリスマス休暇を過ごすから、彼女だけ別行動だ。
2人でホグワーツでの授業への感想やお菓子を買い食いしていたら、あっという間にキングスクロス駅に到着してしまった。ちなみにハーマイオニーは会話もしながらずっとホグワーツの図書館から借りた分厚い本を熱心に捲っていた。ニコラス・フラメルの名前を探しているようだ。でも『近現代の偉大な魔法使い』や『変身術の神秘』にはいないと思う。
キングスクロス駅に到着すると、俺の両親と父方の叔母が待ってくれていた。ちなみに叔父と従兄妹達は明後日の12月23日に来るらしい。叔母は姪っ子である俺のダンスパーティードレスを母親と一緒に選びたいそうだ。前からそういうのが好きだったが、俺のドスケベな身体を見てより装飾意欲が増したらしい。逆に親父と叔父は非常に複雑な心境らしい。娘が着飾るのは嬉しいが、家族以外の野郎に見せるのが嫌だと手紙で愚痴ってた。
「おかえり、オリヴィア。色々と積もる話もあるが、まずは姿を見れて安心したよ。ところで…そちらのお二人はオリヴィアのお友達かな?」
「はい、お父様。こちらの方はハーマイオニー・グレンジャーさんで、彼女とは同寮同室で仲良くさせてもらってます」
「へ…と、ともだ…ち…???私とオリヴィアが??ウへへへ…同学年で同性の友達…ウへへ」
「ハーマイオニー…?大丈夫ですか?」
親父と挨拶を交わしていたら、なんかハーマイオニーが壊れ(?)てしまった。大丈夫かな?まぁいいや。とりあえずお袋と叔母さんとも挨拶をしてっと…おや?向こうからマグルらしい服装をした大人の男女がやって来たな。年齢的に親父やお袋と同年代っぽく、更に雰囲気を見るに…ハーマイオニーのご両親か?佇まいや顔が似ているし。
「ハーミー!」
「あっ!お父さんとお母さんだ!」
さっきまで少しだけ壊れ(?)ていたハーマイオニーだが、ご両親と思わしき男女を見ると直ぐに回復して彼らに向かって駆け出して行った。普段は大人びている彼女だが、なんだかんだで年相応な部分もあるんだなぁと再認識出来た。勝手に後方腕組み面してたら、親父やお袋がハーマイオニーのご両親と挨拶を交わしてプチ保護者会をおっぱじめていた。本当にこういうところも洋の東西を問わず、更に魔法使いもマグルも関係なく共通なんやな。
そんな様子をボーっと眺めていたら、叔母さんが声をかけてきた。
「おかえりなさい、オリヴィア。学校は楽しい?」
「はい、メアリー叔母様。毎日が驚きと発見に満ち溢れています」
親父の弟である叔父と結婚したメアリー叔母さんはハッフルパフ閨閥の中堅純血家系出身で、今は服飾デザイナーや叔父と一緒に国際魔法商品取引に携わっている。ちなみに叔父とは大恋愛だったらしい。ハッフルパフ閨閥の中堅純血家系出身同士故に色々とあったらしい。
俺がメアリー叔母さんと話していると、プチ保護者会が終わったようで、グレンジャー家の面々に別れとクリスマスの挨拶を告げ、俺たちは「漏れ鍋」にまで魔法界のタクシー(?)で移動した。このタクシー、見た目は普通の「ロンドンタクシー」なんだけど、明らかに中身が広すぎる。『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』に出てきた魔法省の送迎車と似たような感じだ。
「漏れ鍋」に着くと親父がパブの亭主であるトムと挨拶をかわしていた。煤だらけの小汚いパブだが、不思議と安心感がある雰囲気だった。前世でも英国のパブは行ったことが無かったので、結構テンションが高くなってしまった。どうでもいいが、俺の視線がフラフラとワインの樽やアホみたいにでっけぇグラスに満杯に注がれたビールに向かっているのを察知したお袋が、般若みたいな顔になって俺をパブの中庭に急き立てた。いいじゃん、見るだけなんだからさ!
親父は常連とまではいかないが、仕事柄ちょいちょい来ているのだろう。少しお互いにセールストーク気味であったが、クリスマスの挨拶をかわしていた。ちなみに俺も挨拶をしたが、トムは俺の姿に少し面食らった様子だった。仕方ない。12歳のガキには到底見えないよな、俺。
中庭に出た俺達は、ダイアゴン横丁への入口となるレンガの前まで歩き、親父が杖で数回叩いてくれた。するとみるみるうちにアーチ型の入り口が生まれ、ダイアゴン横丁への道が開けた。原作で見たシーンまんまで少し感動した。ワクワクするよな、こういうギミックというか仕組みって。
ダイアゴン横丁に入ると、俺達はさっさと「マダム・マルキンの洋装店」に入った。お袋や叔母さんはあと数店ほど「はしご」するみたいだが、俺(と親父もおそらく)としてはさっさと終わって欲しい。
予約を入れていた際に俺の身長等を伝えていたので、既に数着ほど用意されていた。…いやこれただの長い布ですよ?色や生地の種類はかなりあるけれど。ハハハ…マダム・マルキンも人が悪い。…え、マジでこれがパーティードレスなんすか!?これを着用しろと!?もう色々とはみ出てしまいますよ!?
俺が驚愕していると、隣で同じく衝撃を受けていた親父がハッと我に返り、遠慮がちに他のドレスも見せてほしいと提案した。ナイス、親父。
そこから延々とファッションショーというか俺の着せ替え会が始まった。寒いクリスマスという季節がら、ベルベットやベロア、ウールなどの素材を扱ったドレスが大量に運ばれてきた。ベルベットのドレスとか制作が非常に難しいだろうに、こんなにも様々な色やデザインを用意してくれるとは…。前金を事前にアホみたいに振り込んでおいて正解だったな。伝統的な門閥家族なら日頃の付き合いで阿吽の呼吸で用意してくれるが、ウチはしがない中堅純血家系だからガリオン金貨大攻勢しかできない。
しかしダンスパーティー用だからか、普通のフォーマルなドレスとは違って派手で華美で露出がヤバいな…。こんなんモダンダンスやラテンダンスじゃなく、普通の学生用のカジュアルダンス用ドレスで良いのに…。
まぁとりあえず、今回一番大事なのは生地の素材やデザインではなく、「色」だ。開催場所や面子を考慮する必要がある。今回はスリザリン閨閥の牙城である「マルフォイ館」が開催場所なので、まず赤系統の色は除外する。俺自身はグリフィンドール寮の生徒で、まぁ容姿を考慮しても赤色系統の色が似合いそうな気はするが、それは同時にスリザリン閨閥の連中の気に障る色でもある。なんせ怨敵寮の代表色なのだから。
となると無難なのはスリザリン寮の色でもある緑色系統の色だが、これはこれでスリザリン閨閥に対する刺激となりかねない。内向的で団結主義的であるがゆえに、外部からの干渉というか意思表明にはピリピリしている。マジでめんどくせぇ。
なので、赤色と緑色以外の色で、あんまり目立たない色が好ましい。となると、まぁ青色系統の色がいいか。レイブンクロー寮の色ではあるが、中立的な意思とも取られる。何より落ち着いた色なのが好ましい。容姿の都合上、目立たないのは手遅れかもしれないが、ドレスの色で何とかマシな方向に誘導したい。
個人的には黒色系統の色も落ち着いて良いので、こちらの系統のドレスも購入しておこう。前世がオッサンなので、やっぱ礼服関係は黒色が一番好ましい。ちなみに俺が既に所持しているフォーマルドレスは基本的に黒色で、金色の装飾や刺繡が所々にあるデザインだ。派手過ぎず、かと言って喪服と揶揄されないくらいには華やかさもある。
色に関してはお袋や叔母さんとも事前に入念に話し合ったのでスムーズに事が運んだが、デザインでかなり時間がかかった。普段は俺に滅茶苦茶優しい叔母さんも、服飾デザイナーという職業柄そういった面では非常に厳しかった。
いやでも俺のドスケベな身体を考慮すれば、やっぱ肌の露出は抑えましょうよ。マジで。どう客観的に見てもこれ少年には刺激が強すぎますって…という俺の提言にはしぶしぶ納得してくれた。良かった…この肩まる出しスタイルや、背中まる見えモロ出しドレスは何とか見送られたみたいだ。これもう「童貞を殺すセーター」だろ…無理だよこんなん着用するの。絶対に同学年男子の性癖が不可逆的に破壊されるだろ。スカート部分なんかミニスカートよりエグイし。誰だよこんなドスケベドレス考えた奴は。頭青年誌か?
その代わり、ややボディラインが強調されているデザインや胸の切り込みがまぁまぁエグイのに決まったが…あれ?これって、もしかして…乗せられた?なんかお袋も叔母さんもニヤニヤしているし。親父は既にショックからかダウンしてた。可哀想に。
素材はベルベッドとベリア、ウールで、色は青色系統と黒色系統までは決まった。おそらくベルベッドの濃い藍色のドレスを本番では着用することになりそう。マジでレイブンクロー寮のカラーじゃん。素材もベルベットなので重厚感と上品さがあって冬場のドレスには相応しい。フォーマルドレスにもダンス用ドレスにもいけるのが素晴らしい。手入れと制作が地獄だが。製作者の方々にはマジで頭が下がる。
しかし胸元がやっべぇな…。これ大丈夫かな…。お袋はラリエットネックレスが映えるから喜んでいるが…うーん。
とりあえずマダムマルキンの店ではこれらを購入してっと…え、マジであと数店ほど行くんすか?俺も親父もヘロヘロなのに、お袋と叔母さんは目が爛々としてやる気満々だ…。怖い。
1988年から1992年:ノルウェー銀行危機
1990年から1994年:スウェーデン金融危機
1991年から1993年:フィンランド銀行危機(金融セクター全体の深刻なシステム危機)
1986年から1995年:米国貯蓄貸付組合危機
1990年代初頭:米国ロードアイランド州銀行危機(州知事により、就任式その日に45の銀行と信用組合の無期限閉鎖を命令)
スカンジナビア半島における金融危機や銀行危機は、マグル界だけでなく北欧の魔法界全体にも影響を与えてそう
グリフィンドール寮は真紅と黄金が寮のパーソナルカラーなので、主人公の仕事用フォーマルドレスに黄金の装飾や刺繡があるのは暗に彼女(彼?)がグリフィンドール寮であることを示しています。もちろん主人公は完全に無自覚です。