今更ですが、私の作品でこう...なんていうか洒落た表現が飛び出るなんて期待はしないでください。
極力頭使いたくない人(問題発言)なので、簡単すぎる補足の描写ぐらいしかありません。
...作者が頭使っていない文章、それを読者方は頭を使わずに読める。互いに疲れないしwin-winでは?(言い訳)
...
......古書の匂い。
この数日間で、酷く慣れ親しんだ匂い。
それに付随する、電車でゆられているような心地よい振動。
ふわふわとした覚醒したての思考の中で、「もう一度眠ってしまおうか」なんて思考がよぎる。
なにか柔らかいものの上に置かれて、それでもまた思考が鈍る。
でも、はっきりと、瞼が重い思考を無理やり叩き起した。
この匂いに揺られていたことを考えると、どうしてか少し、申し訳ない気がしたから。
「ぅ......?」
薄く目を開くことで勢いをつけて、次こそはと目を開く。
「...ここ...は...」
見慣れた天井。山のような棚にぎっしりと詰まった本。自分の匂いがするソファ。
時間感覚を奪い去るこの空間を、私は知っている。
「...ゆ、め...?」
幸せな夢だった。
お姉ちゃんと歩いて、話して、プレゼントを貰って...
夢の終わりを告げる衝撃も、突然ではあったけれど酷く優しかった。
間違いなく、夢の中の私は幸せだった。
何も着いていない顔の左側を触るとあの時のことを思い出して幸せを反芻する。
お姉ちゃんが、私のために選んでくれた左側だけの不格好な狐面。アロマ代わりになるキセル。
あまり興味があった訳じゃないけれど、やっぱり嬉しさの方が勝つ。
そういえば、どんなデザインだったっけ...
確か、黒い何の変哲もないキセル...だった気がする。
「...ぁ、これ...」
そうそう、ちょうど今机の上に面と一緒に置かれている物みたいな...
「......?......」
「......!?」
「ある!?夢じゃなかった!?」
確かに存在している幸福の根拠に触れて、笑った。
よく見ると端の方に私の銃もあった。殺生石はなんとか隠し持っていた(しかし使えていない)が、妲己の方は落としてたんだよね...
ウイさんと食事に行ったのも夢だったように思ってしまうが、それは体に残る痛みがそれを否定する。
内臓が押しつぶされて、浮き上がる感覚もはっきりと覚えている。
恐怖の記憶でしかないそれも、今目の前にあるものに比べれば些細なものだな。
そうなると...あの最後の言葉...
『負けないで。』
そう、確かにそう言った。
「...何に?」
何に負けるなと言うのだろうか。
私の疑問を受けて、キセルが鈍い光を返した。
それを見つめていると、かちゃり、という音に不意をつかれた。
「...!起きたん、ですね...!」
「あ、ウイさ......うぐえっ!?」
「いなくなった時は、どうなるかと...!」
「ぃやっ、あぉ、ちょっ...ギブギブギブ...!」
思いっ切り抱きしめられたせいで、一瞬死を覚悟するほどに脳への酸素供給が薄められる。
「...はっ、ごめんなさい!」
必死に肩を叩いてなんとか離してもらった。
「ぜぇ、ぜぇ...」
「その、はしゃいでしまって申し訳ありません...気持ち悪かったですよね...」
「い、いや、大丈夫......あ、そうだ。ウイさん。」
パッと咲かせた笑顔を一瞬で、キノコでも生えそうな空気で包み込んだウイさんに、息も絶え絶えでフォローを飛ばす。
...フォローなのかな?
「今って何時?」
「え、あ、はい...8時...ですね。」
「そっか。...ウイさん、私...学校行くね。」
「そうですか。わかりまし...なんですって!?」
「え?学校行くって...」
「聞こえてたから言ってるんですよ!!どうしてそんな...」
「お姉ちゃんがね。お姉ちゃんが、『負けないで』って私に言ったの。」
「お、お姉さんが...?」
「うん。それで、私が今何と戦うべきなのか、考えたの。」
「それが...学校に行くこと、だと...?」
「...うん。今までの私に...さよならするだけだから。」
私が何をしようとしているのか、それはわかってないと思う。でもしばらく考えた後に...
「...わかりました。ですが、くれぐれも無茶なことだけはしないでくださいね...?」
肯定してくれた。
不格好な面で左目を覆って扉の前に立つ。
「うん。行ってくるね。」
教材は...いらないか。
「...こんな気持ちで校門を通るの、初めて...かも。」
早鐘を打つ心臓を何とか落ち着かせようと歩き出す。長距離走のあと、軽く数メートル歩く。そんな感じで。
靴を脱ぎ、上履きを履いてかつて記憶から消し去った、見慣れた道を歩く。
すぐにでも教室の前に到着する。
相変わらずのやかましさを誇る空間に若干の憂いが残る。
落ち着いて、とくん...とくんと穏やかな波を打つ心臓を心の中で軽く褒めてから教室の扉を開けた。
私よりも遥かに大きな扉は、思いのほか軽かった。
もうあの時みたいにおっかなびっくり入ることはしない。
ただ、それによって喧騒に塗れた空間が水を打ったように静かになるのは変わらなかった。
これは...怖がっている?
...変わらず私の席は汚されている状態。
本人が居ないのに、ずっとしていたのだろうか?何がそこまで彼女たちを動かすのだろうか。
でも、今は私の席の状態なんてどうでもいい。ただ私の目に映るのはただ一人。
私が一歩を踏み出すと、クラスメイトたちが過剰なまでにはける。気分はさながら預言者モーセ。
微塵の恐怖も浮かべず、壊れたおもちゃが帰ってきたように口の端を歪ませている人の前に立つ。
「今更何しに来たの?てか何よその面は。」
「...ちょっと、終わらせに。」
「『災厄の狐』が脱走したから?『私に酷いことしたら、お姉ちゃんが黙ってないぞぅ...!』って?あははっ!...笑わせないでよ。助けてくれる人なんて誰も居ないくせに。」
ころころと表情を変えて、それでも俄然として私を威圧してくる。たぶん、彼女の中での私は、未だ頭を抱えて身を守る無力なタマヨのままなんだと思う。
「あぁそうだ。来ていない間、アンタがどこに居たか知ってるわ。トリニティ自治区の図書館に居たらしいじゃない。」
弱みになると思っているのか、どこからか入手した情報を自慢げに話される。
「トリニティ...?」
「なんでそんなところに...」
ただそれだけでざわめき出す観衆に多少の苛立ちを覚えたが、何にせよ私がしたいことは一つ、既に決めている。
満足するまでお話に付き合ってあげよう。よく考えてみると、今まで一方的に罵声を浴びせられるだけで、私もそれを流してた。
正面から、受け止める時が来たんだ。
「全部知ってるんだから。あの陰気な司書にビッタリくっついているのも...ね。」
『陰気な司書』きっと、ウイさんのことを言ってる。
「あなたに何がわかるの。」
そう不意に出かけた言葉と、ふところから鈍い光を放つ殺生石を隠して再び顔を見る。
「くすくすっ、まぁいいんじゃない?お似合いでしょ。あぶれ者同士仲良くしてたら良かったのに。」
「...それだけ?」
「は?」
「言いたかったのは、それだけかって聞いてるの。」
気付けば、しまいかけだった殺生石を取り出して、その大きな孔を突き付けていた。
...やってしまったと。簡潔に思った。
最後まで質の悪い映画を見ているような目で待っているつもりだったのに...つい...
「...なに、撃つの?はっ、アンタにそんなことが出来るの?撃った所、一度も見た事ないのだけど...実は弾入ってないとか?あははは!」
「ど、どうして...そこまで楽しそうに出来るの...!?」
「私はねぇ...そうやって逆らってきたアンタをもう一度叩き潰すのが楽しみだったのよ!」
突然の告白...いや、本性を現した...?とても小学生とは思えないような狂的な笑み。
今まで、良いところ育ちの人を常に見下しているタイプだと思っていた。でもそれは勘違いだった。
...気持ち悪い。
「撃つなら撃ちなさいよ!復讐に燃えていた目が再び虚無に変貌する様子を見せてよ!」
「っ...!」
圧倒されて黙るクラスメイトと、ひたすらに気持ちの悪い感情を突きつけられる私。
「さあ!撃ちなさいよ!ほら早く!」
駄々をこねる子供をに言い聞かせるような口調で声を流し込まれる。
まるで夢の中にいるような、突拍子もない出来事の数々。
気持ち悪い。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い......!!
「あ、あぁ...」
「さっきまでの勢いは!?どうしちゃったのかしら!」
震える銃口を掴んで、自らの額に当てる主犯。
「あぁあああぁぁっ!!!!」
火薬が...弾けた。
「...ふう、ひとまずはこれで...」
作業を中断し、いつもの作業机に深く腰かけて息を吐く。
「せっかくですし、何か飲みましょうか。タマヨちゃんは何を......あっ。」
背もたれから覗き込むように、いつも彼女が使っていたソファに語り掛けた。そんな所で彼女が居ないことを再確認した。
すっかり顔馴染みとなった彼女が居なくて心做しかソファも寂しそう...
「...っていやいや!なんですか、ソファが寂しそうって......はあ、コーヒーでも淹れましょうか...」
...『負けないで』、ですか...
電気ケトルから少しづつ煙が出るのを見ながら今朝の会話に思いを馳せる。
(「お姉ちゃんが、『負けないで』って私に言ったの。」)
彼女...狐坂タマヨの姉、狐坂ワカモ。いつあの子は姉と再開していたのだろう。
思えば、あの時指定の待ち合わせ場所で待っていた着物の女性。
あの人はどことなくタマヨちゃんに多くの要素で酷似していた。
耳、目、ヘイロー、顔立ち...
...少し嫌な予感がしたけど、気付かなかったことにしよう。そうしましょう。
ごぽごぽごぽごぽ...かこっ
「へぇあっ」
ケトルの合図に少しだけ肩を跳ねさせましたが、良いタイミングです。
後はパックを付けたコップにお湯を注ぐだけと思い、ケトルに手を伸ばして...
ばだんっ!
「へぇあっ!?」
「ウイさん!!」
「へぇあぁっ!?」
「あ...ごめん。」
扉が壊されたのかと思うほどの爆音に驚き、その後の声にもう一度驚く。
「だ、だだだ、大丈夫、ですよよよ...?」
「...ダメっぽい。ってそうだそうだ。」
「はいぃ...?なんですか......?」
「一発かましてきた!」
「はい?」
「学校やめてきた!」
「はい??」
「個人事業始めようかなって!」
「はい???」
「まだ何するか決めてないけど!」
「What The F**k!?」
「そんなに驚く!?」
おまけ
ウイ
「そう、ですね...」
ウイ
「...
...?
......!?」
ウイ
「あれ...それって教師ロボットじゃ...」
ウイ
「えぇ...こわ...」
あとがき
寝不足で頭痛が痛い状態のまま書いていたら、なんかきっしょいクソアマが出来てました(n敗)
使い捨てキャラのキャラを濃くするのを止めるんだ私...
嫌悪感に這い寄られているタマヨちゃんが書きたいからって悪癖が過ぎるゾ。
10話ちょっとやって、未だに主人公がちゃんと銃を撃つ描写が無くて世界観透き通ってもいないブルアカ小説ってなんだよ...(自戒)
もう最悪タマヨちゃんは銃で殴る子にしても...
この作品に足りないものとは...
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このままでいいんじゃね知らんけど
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銃撃戦が少ねぇ!
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タマ虐
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ガチ百合回
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R-じゅうはt(銃声)