紫煙燻る黒狐   作:とろねぎ

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騒がしい会食

 

高校生じゃなくなったので初投稿です。

働きたくないです誰か助けてください(白目)

 

 


 

 

 

突然だけど、デジャブという言葉をご存知だろうか。

 

未経験、未体験の事象を既に体験したものとして錯覚する現象のことだよね。

 

「あはは...」

 

失敗を誤魔化すように笑うお姉ちゃん。

 

今は何も着けていないんだ。

 

朝ご飯を作ってくれて、起きたらもう料理が並んでいた。

 

うん、ここまでは覚えがあるし、実際にあった出来事だと思う。

 

でもさ...

 

「...多くなぁい...?」

 

寝ぼけているのかと目を擦るが変わらず到底朝食とは思えない品数の料理が並んでいた。

 

デジャブ...いやデジャブというよりは間違い探し...?

 

「まだあるからね。」

 

「えぇ...なにこれ...最後の晩餐...?私死ぬの...?」

 

「...張り切り過ぎちゃった......」

 

可愛らしい茶目っ気のある言い方でやってくる弁解。

 

それに訝しげな視線を向けていると一つ訂正された。

 

「あと一つ訂正ね、もう昼よ?」

 

「...ゑ?うそ、私帰ってからお昼まで寝てたの?」

 

ちらり、食卓に目を向ける。

 

ぶりの照り焼き、肉じゃが、コロッケ、筑前煮、きゅうりの漬物、味噌汁...いや多い多い多い!

 

パッと見ただけでこれだけ視認できた...茶色いなぁ...しかもちゃんと見てないだけでもっと、所狭しと乗ってるしまだ作ってるんでしょ...?

 

「...あれ?こんなに入ってなかったよね、私の冷蔵庫...」

 

「あなたが寝てる間に買ってきたわ。」

 

「えぇ......お姉ちゃん...たぶん、と言うか絶対に食べきれないからさ...友達呼んでいい?」

 

「お友達?いいよ。」

 

「ありがと!えーと...」

 

『ご飯食べてなかったら、うちで食べない?』っと...あ、すぐ既読付いた。

 

返ってきたのは、遠慮がちながらも多少の喜色が読み取れる簡易な文章。ふふ、らしいな。

 

「...来るって!」

 

「そう、よかったね。...正直に言うと、あなたを労りたかったの。その歳で仕事をしないといけなくなったあなたをね。」

 

ことり、ことりと未だに食卓に皿を並べながら悲しそうな顔をしていた。

 

いやでもそれにしても作りすぎでは...?

 

...ん?仕事?

 

「......あ、あぁぁ...!」

 

こんな状況にはミスマッチ過ぎる事態を思い出してしまった私は、白目を剥いて滝のような汗を流す。

 

「タマヨ!?」

 

「...やっばぁ......!」

 

「...す、すごい汗...どうしたの!?」

 

「財布届けないと...!やばいやばいやばあばばばべべべ...」

 

困ってる人を放ったらかしにして惰眠を貪っていたという事実に耐えられずに作画が不安定になっている気がする。

 

...いやなんだよ作画って。

 

「財布?...あ、それならもう送ったよ。」

 

「...えっ、ホント?」

 

「ピンク色の財布のことでしょう?勝手にだけど、依頼を見て書いてあった住所に送ったよ。もしかして、余計なことした?」

 

「い、いや、全く。むしろありがとう...!本当に助かったよお姉ちゃん...!」

 

ピンポーン

 

感謝の度合いを表すためにぐいぐいと身体を折り曲げていっている最中にインターホンが響いた。

 

「あっ!来たのかなっ!はーい!」

 

鼻歌交じりに駆け寄って、扉を開く。

 

「久しぶり!ウイさ...」

 

「あぁ久しぶりだな妹g「シツレイシマシタ-」

 

ばたんっ!

 

かち、かち...ちゃりっ

 

「あら?違った?」

 

「...ウン、シラナイヒトダタヨ」

 

がちゃ...がちゃがちゃがちゃ!

 

「え、うわちょっ、鍵掛けたのか!?......ハッハッハ!数日ぶりの再開だと言うのに随分な歓迎では無いか!」

 

「...」

 

「...ア、アノ?オネエチャン?」

 

怒りを隠しもせずに、懐から取りだした狐面を装着して一言。

 

「ガムテープとロープは...常備してありますの?」

 

「何する気!?」

 

「おーい、無視かーい?...酷くないか?いくら私と言えども傷付くんだぞ?」

 

「私が言うのもなんだけど、一旦話は聞こ?ね?私の落ち度なんだから。」

 

「......わかった。私は口を出さないね。」

 

よかった!いつものお姉ちゃんに戻った!

 

「うん、ごめんね。...はあ。」

 

一つ小さなため息をついて鍵をぱちぱちと解錠して行く。

 

「...!!やあ妹ぎミ゚ッ!?」

 

扉が完全に開ききるものだと思ってたみたいで、軽く開いた隙間から、奇声をあげて倒れるカスミさんが見えた。

 

「...大丈夫?」

 

「い、ててて...キーチェーンまで掛けたのか?あの一瞬で?それは酷くないか?」

 

「何しに来たの?」

 

「気になるかい?どうしても気になるというのなら「あ、じゃあいいです〜」

 

「...酷いと思わないのか?いやなに、ちょっとしたお誘いをだね...話くらいなら聞いてくれてもいいんじゃないか?」

 

「...ん。」

 

キーチェーンも外して完全に扉を開く。

 

「感謝する!」

 

感謝の言葉は立派、それはもう立派だったけど、笑顔のまま踏み入ってこない。

 

怖い

 

「入らないなら閉めていい?」

 

「...おーい!君は来なくていいのかー!?」

 

「えぇ?誰に向かって声掛けてるの...?こわっ...」

 

突然横の方を向いて叫ぶカスミさん。

 

「来ないならこっちから行くぞ〜?」

 

いや、ここ賃貸だから...他にも人いるから...!

 

そう焦って注意をしようとしたところ、耳がピクピクと反応した。

 

足音。

 

小さな、自分の存在を極力主張したくないような...そんな感じの足音に混じってぜえぜえと荒い息遣いも聞こえる。

 

気になって私も玄関先から顔を出して、音の方を見る。

 

「ひ、久しぶり...です。元気でしたか...?」

 

「わ、ウイさん!久しぶり!」

 

「私とは偉く対応が違うじゃないか...」

 

「どうでもいいじゃん、そんなこと。ささ、入って入って!」

 

「じゃあお言葉に甘えて!」

 

うわぁ、すっごい良い笑顔で入ってった...

 

ただ、カスミさんとは逆にウイさんは顔を青くさせていた。

 

「...どうしたの...?」

 

「...あの...私、帰ってもいいですか...?し、知らない人...いやちょっとした有名人と食事なんて...!」

 

「あ、そう、なの...?......ウイさんが嫌なら仕方ない、か...はーあ、ウイさんとご飯、食べたかったなぁ...」

 

耳と尻尾をしゅんと垂れ下げて多少大袈裟に落ち込む。

 

...ちら

 

「......い、嫌とは言ってません...!しっ、失礼します...!」

 

心の中でほっと一息付いてから扉を閉めた。

 

「狭いところだけどごめんね。」

 

「いえ...ところで、先程から漂ってくるこの匂いは...?」

 

「お姉ちゃんが作り過ぎちゃったみたいでね。だから一緒に食べない?って聞いたの。」

 

一人呼んでない人まで来たけど。

 

「...え...?」

 

「...そんな目で見ないで。お願い。」

 

「い、いや、あそこ...」

 

「え?」

 

指を指されてリビングの方面に顔を向ける。

 

「私、言いましたよね?あの子に関わるなと。もう忘れたのでしょうか?でしたら、その身に直接刻んであげましょうか...?」

 

「ワ...ワアッ...!」

 

しわっとした顔で、返事なのかも分からない言葉を発するカスミさん。

 

その首を掴んで壁に押し付けると、ドスを突き付けるお姉ちゃん。

 

「...」

 

信じられない、とでも言いたげな目を二人に向けたあと、油が切れたロボットみたいな、ぎこちない動きで首がこっちに回る。

 

「はは...むしろ仲良いんじゃない?きっとウイさんも仲良くやれ「やっぱり帰ります。」

 

「わー!待って!?」

 

その後、必死の説得をすることで何とかウイさんを引き止めることに成功した。

 

怒髪天のお姉ちゃんをなだめて、「ワ...アァ...!」としか言わないカスミさんのケアをして...ようやく忘れかけていた、当初の目的に取り組むことができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

個性豊かな面々との食事...しかもお姉ちゃんと一緒!

 

誰かと一緒にご飯を食べるのが久しぶりの私にとっては、それだけで楽しいと思える。

 

「ワッ...オ、オイシ...オイシイッ...」

 

泣きそうな顔で食べるカスミさん。お姉ちゃん何したの?すごい怯えてるじゃん...

 

「(気まずい気まずい気まずい気まずい...!あ、でも本当に美味しいですね。)」

 

ウイさんは目をぐるぐるさせて居たけど、一口運んだらパアっと顔を明るくさせていた。

 

「...ふふっ」

 

少し前の私からは考えもつかないような、人の暖かさを感じれる食卓があった。

 

「...お姉ちゃん?一ついい?」

 

「はい、なんでしょう?」

 

「えっと、お姉ちゃんは食べなくていいの?ずっと私見てるけど...」

 

料理をとるどころか、自分のお皿や箸すらも用意せずに私をじっと見つめているのが心配になって聞く。

 

「ご心配なさらずとも、私はもう頂きましたので。...いや、今頂いていると言っても過言では...無いかもしれません。」

 

「???」

 

「(相変わらず素晴らしい溺愛ぶりだな!)」

 

「(それ栄養になら...いや出来そうですね...なぜかそんな気がします。)」

 

まるで分からずに頭の上に疑問符をうかべる私と、どこか得心がいったような顔の二人。そして相変わらず私を見て微笑んでいるお姉ちゃん。

 

...心配だからお姉ちゃんの分取っておこ。

 

「(...やっぱり、優しい子ね。)」

 

「(気遣い上手...)」

 

「(おぉ!善意で手間のかかることをする人間は素晴らしい!ぜひ我が......ヒイッ!?こっち見てる!?)」

 

そういえばお姉ちゃんはこんな所でゆっくりしてていいのかな?凄いくつろいでるけど...

 

とまぁ、もはや騒がしいまであったけど、楽しかった。うん

 

本当に楽しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもまさかあんなことになるとは思わないじゃん?

 

 

 


 

 

 

あとがき

 

い、一体何があったってイウンダー

 

※ヒント

作者はシリアス書けない

この作品に足りないものとは...

  • このままでいいんじゃね知らんけど
  • 銃撃戦が少ねぇ!
  • タマ虐
  • ガチ百合回
  • R-じゅうはt(銃声)
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