紫煙燻る黒狐   作:とろねぎ

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魔術師は思ふ

 

 

たった二話の投稿でお気に入りが10件行くという快挙(笑)を果たしたので初投稿です。

ブルアカというブランドのやばさに若干引いてます。

 

「(貰えるのが)嬉しいね!感想!」

「ワ...ァ...!」

 

...なんでオリ主ちゃんとウイがイチャイチャしてんだ...?いや、好きだけど、ウイ好きだけども!

 

これが、キャラが勝手に動き出す...ってコト?!

 

 

 

 


 

 

 

あの日から、ひたすらにこの子達と向き合い、苦手なタイプの人が来たら作業机の下に隠れてやり過ごす(シミコが居る時限定)私の味気無い日常に、一つ変化が訪れた。

 

今日、久しぶりに新しく迎えた子を読み解いて翻訳したものを手で写す作業をしている途中にその変化がやってきた。

 

「えっと...『この愛しき春に』...いや、この場合は『親しき春』...でしょうか...」

 

「ウーイー...さん!」

 

「ぎゃあーっ!!?」

 

手足をバタつかせてひっくり返る私を、申し訳なさそうに見つめる黄金色。

 

「ご、ごめん。そんなに驚くとは思ってなくて...でも、声は掛けたんだよ?」

 

人差し指を付き合わせながら気まずそうに続ける。

 

やがてハッとして私に手を差し出してくる。

 

震える手で差し出された手を掴み、ほのかな体温と弱々しい圧迫感とともにゆっくりと引き起こされる。

 

「力...強いんですね...」

 

「ウイさんが軽すぎるだけでは...?私の力が強いだけじゃ説明出来ないほどの身長差だし。」

 

いつの間にか、彼女...タマヨちゃんとは無益な世間話程度ならするようになっていた。

 

それでも私は定期的にどもって気持ちの悪い人みたいになってたけど。

 

「今日も本返して、オススメの本を借りに来たよ。」

 

「あっ、もう...ですか?では、次は...この子なんか、どうでしょう......?この子は、ですね.........」

 

いつも通り、私オススメの子の説明を始める。

 

私が説明している間も、ジッと目を開いて聞き入ってくれるのが心地好くて、紹介している子の魅力をもっと語りたい、という欲が際限なく増幅される。

 

ここ最近のタマヨちゃんによって、完全に私は彼女を同類だと思ってしまったらしい。

 

私とは違って、端麗な顔つきをしている彼女ならこんな所でホコリを被っている子たちを連れ出すよりも、学校の友達と遊んでいた方が将来的にも良いと思うのだけど...

 

性格もみんなから好かれるような明るい性格(むしろ私には眩しすぎるくらい...)だから、余計にそう思ってしまう。

 

...それでも、悪い気分は...しませんが。

 

「...というのが、わ、私が好きなこの子との向き合い方です、ね...」

 

「おぉ〜」

 

目を、これ以上ないばかりに光を反射させながら小刻みに小さな手をぱちぱちと打ち付け合う。

 

やっぱり、嬉しい。

 

学園でこんなこと言ったら間違いなく引かれて遠目に見られることになるのに、欠伸一つ、退屈な様子一つ見せずに最後まで聞いてくれるのが本当に嬉しい。

 

それに、これも気に入ってくれたみたいで思わず私も口をにんまりとだらしない笑みを浮かべそうになる。

 

「...ハッ!」

 

ぎゅう!みちみちみちみち...

 

「何してるの!?ほっぺ大丈夫!?」

 

よろしくない顔をどうにか頬をつねって崩す。それを急いで心配してくるけれど...

 

「顔に関しては...あなたに、言われたく...ない、です。なんですかその頬に貼った大きなガーゼ。」

 

「え、あ、これ?ちょっとヤンチャしちゃってね。たはは...」

 

彼女は最近、体のどこかに絶えず治療や傷の痕跡を残し続けている気がする。

 

それは到底、『ヤンチャ』という四文字で表現し終わっていい物かと葛藤するほどに...

 

「タマヨちゃん。学校は...楽しい?」

 

いくらコミュ障で、空気の読めない私にすらゆっくりと這い寄る仄暗い思考。

 

それを否定してもらうために、いつもの様に笑って他愛もない話に花を咲かせるために言ったそれは...

 

「......」

 

鮮やかな黄金色を鈍い琥珀色に変色させた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

...イ...ん」

 

「ウ...さん...!」

 

「ウイさん!?」

 

「へあぁっ!...な、なんです、か。」

 

「その本...大丈夫そう...?もう長いこと机に向かって作業してるけど...」

 

「あ、あぁ、はい...」

 

なんだか、あれが昔のことのように感じます。

 

実際には数日前の出来事だったのに、それだけ私にはショックな出来事だったのでしょうか。

 

...どうして?

 

どうしてショックだったのでしょうか?

 

「かなり、昔からいる子だったので不安でしたが...なんとか戻すことが出来ました。」

 

「...本当?...凄い!さすが!」

 

「ほっ、褒めても、何も出ません、よ...?」

 

お世辞じゃなくて本心からのように思えるから余計に気恥ずかしい。

 

とりあえず、無事に修復することが出来てよかった。本当に水浸しになっていたからかなり時間がかかって...

 

「ってもうこんな時間!?あ、あなたは...帰った方が、良いと思いますよ。」

 

「えー?」

 

「『えー?』じゃないですよ。ここを閉めないといけないんですから...早く出ていってください...!」

 

知り合いとはいえ、さすがに自分の仕事を放棄するわけにはいきませんので、タマヨちゃんの背中を押して古書館の外に追い出した。

 

「まだ居たいぃ〜」

 

「もう遅いですから、その......また来るの、待ってます、ので...」

 

何を言ってしまっているのだろう。これは、きっと私なんかが深入りしていい話じゃないのに...彼女も困って固まっちゃってるし...!

 

「...それって...まるでお友達みt「あーあー!!私は色々片付けがありますので!!」

 

慣れない大声を上げて扉を閉める。

 

閉まる直前、扉の隙間から見える彼女の顔。

 

かちゃりと鍵をかける瞬間に『(´・ω・`)』という顔文字がピッタリ当てはまるようだった彼女の顔を思い出して口角がわずかに吊り上がる。

 

「...っといけない、早くあそこに置きっばなしの子達を戻さないと...あとは...掃除でもしますか。」

 

ただ一心に、上手いこと忘れさろうと他の仕事を無理やり思い出して取り組む。

 

インクのようにじわじわと私に染み込む罪悪感に修正液を少しずつ垂らしていく。

 

人付き合いは苦手だし、他の人も嫌いだ。あの子だって、遠くの地区に住んでいる、少し込み入った事情を持った女の子。

 

偶然、奇跡的にわずかな接点で繋げられただけ。

 

それなのに、あの日見た腕の青痣が忘れられない。

 

凪いだ琥珀に反射する私の顔が忘れられない。

 

...今度来た時に、もう一度しっかり話を聞いてみよう。

 

...そう!これは、貸した子が帰ってこなくなる、なんてことが起きないためだから。

 

そう。きっとそう。

 

言い訳と共に小さな覚悟を示した。

 

私だってどうして自分から他人の事情に首を突っ込むのか分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし...次の週彼女は来ず、また次の週も...

 

ナニカを境に、彼女はパッタリとここへ姿を現す事は無くなった。

 

 


 

 

 

あとがき

 

テンポよく行きます。早いところ進めないと訴えられる...!特に「姉妹」タグを訴えられたら100パー負ける...!

 

まあ誰と姉妹関係かは何となく分かると思いますけど...

この作品に足りないものとは...

  • このままでいいんじゃね知らんけど
  • 銃撃戦が少ねぇ!
  • タマ虐
  • ガチ百合回
  • R-じゅうはt(銃声)
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