紫煙燻る黒狐   作:とろねぎ

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夜更かしは生活リズムが壊れるからやめよう

 

ブルアカとプロジェクトムーンってところの作品親和性高いな?(pi〇ivやスレを漁りながら)

 

そういやクロスオーバーって書いたことないな...

 

 


 

 

 

お姉ちゃんが矯正局から抜け出して、数日後...

 

「え、なにあれ...」

 

「こわ...近寄らないようにしよ...」

 

大衆の話題を一人占めにしている私は、食料品の入った袋を持ったまま大通りのど真ん中で倒れていた。

 

「起きてください。...起きてください。」

 

「んん...」

 

誰かに肩をゆすられるうつ伏せで倒れている私は夢の中。

 

「...よい、しょっ!」

 

しびれを切らしたのか、私を担いで移動したあと、力技で私をごろんと仰向けにしてようやく意識がもどり始めた。

 

「......ま、まぶ、しい...」

 

「こんなところで倒れてどうされましたか?」

 

うっすらと空けた視界に、桜みたいな、綺麗なピンク色の瞳と髪が私を覗き込んでいた。

 

「......ここ、は...?」

 

その顔と、後ろにある真っ白に光るものを交互に見てから声を発した。

 

「トリニティの医務室です。あなたは大通りで倒れていたんですよ。覚えていませんか?」

 

「......そっか...」

 

「そっかって、自分のことなんですよ?まあただの寝不足です。最近はあまり眠れていないようですね?いけませんよ、夜更かしばかりしていたら、大きくなれませんよ。」

 

「あー、うん...気を付けるね...」

 

「眠れないようならこちらからお薬をお出しすることも出来ますが...?」

 

「んいや、ちょっと...最近やることが多いだけ。ちゃんと寝れるよ。」

 

それでも少し心配なのか、睡眠用のアロマだとか安眠に関しての情報を詰め込まれた。

 

「...これからは倒れたりする前に、助けを呼んでください。分かりましたか?」

 

ふぁい...」

 

「...まあいいでしょう。では、古書館の付近まで送りますので、目を閉じてください。」

 

「え?う、うん。」

 

目を閉じる。

 

「そのまま、私がいいって言うまで開けてはダメですからね?」

 

古書館...

 

...そういえば、軟禁されてる時にこんな声の人と話した気が...

 

「ねえ、どこかで会ったことある?」

 

「......」

 

「...?もしもーし...あれ!?居ない!?」

 

いつの間にか、古書館の脇にある細道の奥に立っていた。

 

しかもご丁寧に買い物袋も握らせて。

 

「...もしかしたら、これ以降もお世話になるかも。」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

ピピピピッ!ピピピピッ!

 

耳元で、鼓膜が破れるくらいやかましいアラームが鳴り響く。

 

「......うるっ...さ...」

 

部屋の電気をつけてスマホの液晶を睨みつける。

 

ちょうど日を跨いだところに設定したアラームは、どうやらちゃんと仕事をしたみたい。

 

「ふわあ......さて、今日も行くか...」

 

キセルと、二つの銃を取って真夜中の外出を始めた。

 

「さぶぅっ......と、とりあえず、D.U.外郭地区の方面に...」

 

昨晩四時間ほど煙を追いかけて、一番反応があったところに向かう。

 

『少しだけでもいいから、お姉ちゃんに会いたい。』その一心で、深夜に数時間捜索をする。

 

深夜にしているのは、昼は仕事があるから...というのは建前で、いくらお姉ちゃんが逃亡中の身とはいえ、夜ぐらいは隠れ家かどこかで休んでると思うから。

 

さすがに昼動き回るお姉ちゃんを捕まえられるとは思わないからね...

 

こんな時間でも、電車は運行してくれているのがせめてもの救い。

 

電車のおかげで、こんな時間でも違う地区に行く事が出来るんだから、本当に感謝しかないよね。

 

「...それにしても、この時間...本当に誰も居ないなぁ。」

 

目的地までまだ時間が掛かるし、外の景色は真っ暗闇で何も見えない。

 

「はあ〜あ。」

 

わざとらしくため息をついてただ目の前に掲示されている路線図を眺めることにした。

 

 

 

 

 

 

それから数十分後、目的地に到着した。

 

ふう...今夜もまた、もくもくした煙を追いかける作業に戻るとしましょうかね。

 

とりあえずは、前までの地点まで移動して...

 

「......?」

 

...

 

......

 

.........なんだか視線を感じるんだけど...気のせいかな。

 

「...気のせいか。さて...」

 

夜も短いし、ちゃっちゃと行こう。

 

「!?」

 

「...」

 

...やっぱり誰かいない?

 

「特に何もしてこないなら良いか...」なんて軽視して、数分は走ったか、昨日も見た覚えのあるこの区域にしては珍しい大きなビルの下まで来た。

 

ここ、なんなんだろう...?ちょっと前から改修工事してたけど。

 

「...っとと、こんなことしてる場合じゃなかった。」

 

気を取り直して煙を追うと、段々と建物が少なく、反対に緑が増えてきた。

 

全く不安が無い、という訳では無いけど...隠れるならこういったへんぴな場所がもってこいだよね?

 

確かな手応え。

 

...まあ本当にお姉ちゃんへ近付いているのかは別だけど。

 

でも...でもきっと、手がかりは見つかるはず。見つからないと困る!

 

そんなこんなで、遭難者用の山小屋みたいな、木々に囲まれたボロい小屋の中へ煙が伸びているのを見つけた。

 

「お姉ちゃん...こんな所にいるの...?入口は...っ!?」

 

辺りをぐるっと回り、反対側に来たところで瞬時に小屋の陰に滑り込む。

 

「なんでマーケットガードのロボットが居るの...!?」

 

黒い、大盾を持ったまま仁王立ちしている二機のロボット。ここブラックマーケットどころかマーケットですらないんだけど?

 

「どうしよ...」

 

もしかしたらすぐそこにお姉ちゃんが居るかもしれないのに、銃なんて撃てない。

 

「静かに破壊...出来るのかな。そんな腕力は無いし道具だって...あ...」

 

懐をまさぐって掴んだ、ずっしりとした重さの鉄の塊。

 

「......ごめん。最近銃として使ってあげてないよね...今度使うから...許して。」

 

殺生石に謝って、昨日買ったアレをロボットの目に付く位置に投擲した。

 

『『...!』』

 

それを見た二機は、打ち合わせでもしていたかのように盾を構えて動かなくなった。

 

ずっとアレに釘付けになっている二機の内一機に忍び寄り、頭に飛び乗って、銃口を握られている殺生石のグリップを振り下ろした。

 

パーツをばら撒いて鉄くずへと変貌したロボットを踏み台に、未だに盾を構えているロボットに、踵を叩き付けた。

 

浴室イスを逆さにひっくり返した様な形に頭を凹ませて動かなくなったロボットを見てわずかに浮かんだ汗を拭う。

 

「ふー...まさか、こんなので騙されるとは。かなりのポンコツだね?」

 

地面に落ちている手榴弾......の玩具を弄んでからしまう。

 

さすがに本物を懐に入れて歩き回る勇気は無いからね...とボヤいてからギリギリ扉の形を保っているものを押し開いた。

 

「......」

 

わずかに、ほんの僅かにだけど生活臭がする。

 

不自然に空いた屋根の下からは退かされている家具、つい最近の新聞...

 

近い内に誰かがここにいて、ここで生活していたのは間違いないかな。

 

...あのロボットって、まさかここにいた人が配置した警備ロボット?

 

そうでないとこんな所にいるわけないし、それならそれで、ここにいた人は警備ロボットを置かないといけないような生活をしていた...

 

...でもお姉ちゃんってこんなことするのかな...?

 

「......居ないなら仕方無いか。」

 

今は居ないのか、もう移ったのかは分からないけど居ないならまた探すだけ。

 

「くそっ......」

 

苛立ちを隠しもせずに小屋を出てキセルを咥える。

 

「はあ...で?そこに居る人は何がしたいのさ。」

 

八つ当たり気味に追跡者の正体を明かしにかかる。

 

「......」

 

妲己も、殺生石も装填を済ませて隠れているであろう木に近づく。

 

妲己を構えて、いつでも撃てるように...「てっ...敵じゃ...ないです...!」

 

少し既視感を覚えるような、おどおどとした声とともに紫髪のショットガンを携えた人が木の陰から顔を出した。

 

「...ホントに誰?」

 

「んべっ、便利屋68の平社員の伊草ハルカ...です。」

 

便利屋68?初めて聞いたところだけど...役職があるなら小さい会社では無いのかな。

 

「えっと...その便利屋の人がどうしたの?私、付け回されるようなことしたかな...」

 

「あ...いえ、復讐とかじゃなくて...これ...」

 

「...手紙?誰から?」

 

「そ、それは...」

 

...

 

...固まっちゃった...

 

「分からないんだ?」

 

「あ、あぁぁっ!すいませんすいません!差出人不明の手紙を不安に思うだなんて当たり前のことに気付けずすいませんんんん!」

 

「え、そ、そんなに謝らなくても...」

 

「い、いい今から肺が破れようと足が折れようと絶対に見つけてきますので「そんなにしなくていいよ!?」

 

「...一つ気になるんだけどさ、あなたの会社って、こんな暗い時間にあなた一人を仕事に駆り出すわけ?」

 

「いえ...10時頃に依頼の電話がかかってきて、手紙を渡すだけで■■万も入るので、少しでも皆さんのお役に立ちたいと思い...しかも前金だけで■■万...!」

 

余程の物好きか、それとも......

 

「...そうなんだ、ありがとう。所で、もう一人そこで隠れてるんだけど...知り合い?」

 

「え?」

 

「ヒャッハー!アタシは便利屋68を壊滅させるべく差し出された鉄砲玉だーッ!」

 

「...知り合い?」

 

「いえ全く。」

 

物陰から出てきたかと思うと、両手にアサルトライフルを持ったヘルメットの人物が聞いてもいないことを喋りだした。

 

「さあ観念し...うわっ!?」

 

...かと思えば、何かに引っ張られるように再び物陰に入っていった。

 

「な、何しやがんだおマ゚ッ!?」

 

鈍い音と、絞められたニワトリみたいな声がした。

 

その数秒後、ようやく戻ってきたと思ったら...

 

「ヒュッ」

 

「!」

 

なんか、凄い怖い人になってた...

 

「見つけた。帰るよ。」

 

「か、カヨコ、課長...!?」

 

課長?

 

「せめて書き置きでもいいからしておいて。ハルカが居ないのを見つけた時、社長が大騒ぎしたんだから。だから...ふあ...こんな時間に起こされて...みんなで探すことになって...」

 

一人いないからって、会社のみんなで探してたの?

 

...仲良いんだね。

 

「はは...じゃあ私はこのくらいで失礼するね。元気でn...なんで五体投地してるの?」

 

「すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいません...!」

 

「...壊れちゃった...?」

 

「いつもこんな感じだから気にしないで。ほら行くよ、みんな待ってるから。」

 

ひたすらに地面と一体化して平謝りするハルカさんを担いで行ってしまった。

 

「......怖かったぁ...」

 

くっと飲み込んでいた思いを吐き出してから、手紙を開く。

 

私に手紙を送るとなると...友達か、依頼人か...

 

「えっとなになに...?」

 

なんにせよ、こんな時間に届けさせるってことは碌でもないことだろうな...

 

「............ん?待ってこれ...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「碌でもあることだね?」

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