こんな夜更けにすまないね。なにせ勝手に追加させてもらっていたモモトークは君の大好きな姉君に消されてしまったからね!!
...いや、夜更けに届いているか?彼女たちも一応腕は確かだがどうも不安で...っと、こんなことを伝えたくて送った訳では無いんだ。
最近はあっちこっち駆け回ってさそがし大変そうでは無いか。
かくいう私としても暇という訳では...おっと、まあ待ちたまえよ。
いくらか伝えたいことがあってね。
人脈は広く作っておいた方がいい。例えそれがどのような繋がりだろうとね?
あぁ...君はワカモを探している。そうだな?
どうして知っているのかだとか、そんなことを話すつもりは無い。ただ、そこで合っているよ。
一つ勘違いしているのは、日中の方が見つけやすいことだな。
それと、つい最近工事を終えたビルは分かるな?そう、それだ。
その改修工事なんだが、どうも連邦生徒会主導のものらしい。
連邦生徒会が大事に改修するような物がD.U.外郭地区にあるんだ。気にならないか?
そしてそれを見つけた時、ワカモならどうするだろうかね?
君の『お姉ちゃん』ではなく、『災厄の狐』なら。
追伸.たまには温泉開発部にも顔を出してくれないか?メグが会いたがっている。
来るなら来るで一言言って貰えると助かる。
TEL〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇
件の建物の付近で、手紙に書いてあったことを思い出す。
「『災厄の狐なら』、か...」
『災厄の狐』がしたことを調べれば調べるほど、狐坂ワカモを理解することは出来るけど、お姉ちゃんの姿からはかけ離れていく。
破壊活動も、何か規則性がある訳では無くて...ただ、衝動的に壊しているような気がする。
単独での行動かと思えば、適当なチンピラなんかを使ってたりもするし...
でも、決まって狙うのは貴重なものだとか大事なものだとか...そういう一貫性はある。
「はあ...探すか。」
お昼の街中とはいえ、人が少ないから気にせずにキセルをふかせられる。
「......でも、本当にドカーンッ!ひぇっ!?」
けたたましい爆発音と共に遠くの、市街地からもくもく焚き上がる黒煙。
そして、それにふよふよと合流しようとする紫煙。
「...本当に?」
すぐに黒煙と紫煙の向かう先へと足を進めた。
「うわ...酷いね...」
ひび割れた道路を横目に走る。
不良たちが、どこからか持ってきた柵なんかでバリケードを設置している。
そこいらに居る不良にしては、かなり計画的なその動きにより一層あの手紙の信憑性が高まる。
「あ、あれって...!」
煙が伸びる先をひたすらに見つめていると、すぐそこの大きな歩道橋の上。
そこで和服と制服を合わせたような服を着た人物が、長い黒髪と黒い尻尾を翻して歩いていくところだった。
「ま、待って...!」
喜びと焦燥。
手の振り方も忘れて、足をもつれさせながら、肺と心臓を痛むほどに使って追い付く。
「はあっ、はあっ...まっ、て...!お姉、ちゃん...!!」
「...!?」
振り返り、仮面を着けた顔からわずかに滲み出る動揺。
「......どうしてここに?」
「会いたかったから...まあその、見つけたのは私だけの力じゃないけど。」
にへらと恥ずかしそうに笑う私にお姉ちゃんは
「...」
黙ったまま銃口を向けた。
銃口の下に装着されているドスが、太陽の光を浴びてギラギラと鋭い光を放っている。
「お姉ちゃん?何かの...冗談だよね?やっと...やっと会えたのに......!?」
私の言葉を拒絶するように、軽い破裂音。そして、つうと頬から垂れる赤い液体。
「私のことは忘れるようにと...伝えたはずです。」
警告にも取れる言葉と共にこちらへ缶を投げつけると、その缶から濃霧が吹き出す。
あっという間にお姉ちゃんの姿が見えなくなって...
突然のことに混乱している中でも、すとっという着地音だけが聞こえ、迷うことなくその方向へ歩道橋から飛び降りた。
「絶対、逃がさないっ...!」
執念を露わにしてその遠のく黒を追い掛ける。
お姉ちゃんが通った場所に、不良たちがバリケードを設置して割り込んできた。
「残念だったなぁ!」
「ここは!」
「通行止めだぁ!」
三人。
「相手してる暇無いの。ごめんね。」
ピンを引き抜いて、片耳を抑えて目を閉じながら
目眩のするような強烈な閃光とくらくらするような爆音。
現に私そっちのけで目や耳を押さえている不良たちをそのまま素通りして、キセルも駆使してお姉ちゃんを追い掛ける。
見失っても、私にはこれがあるから安し...ん?この音は...
...銃声...?
「騒動の中心人物を発見!対処します。」
誰かの声と、多数の銃声。
...中心人物。まさか...!
「ふふ、連邦生徒会の子犬たちが現れましたか。お可愛いk「追い付いた!」
「...」
「...」
「「「......誰?」」」
沈黙が支配するかと思われたが、ついぞお姉ちゃんと対峙していた三人が声を出した。
ヘイローから見るに...ミレニアム、トリニティ、トリニティ...どういう組み合わせ?
よく見れば後ろにも、もう一人「失礼いたします。」
「「「「え?」」」」
「...に、逃げられてるじゃない!?あなたが邪魔するからよ!?」
「文句言う暇あるなら私は追い掛けるね。」
怒ってくるミレニアムの人を一蹴してお姉ちゃんを追い掛ける。
「ちょ、ちょっと!待ちなさい!」
「いいえ、生半可な行動をしては...」
遠のく声を背にして、走る。
「だ、だか、らっ!なんで逃げるの!!」
「...」
相変わらず黙ったまま、けれど今回は何か合図のようなものをすると、私とお姉ちゃんの間へ割って入るように戦車がやってきた。
見事なドリフトを決めて、その砲身を私に向ける。
咄嗟に小さなコンクリート遮蔽に隠れて数秒後、あなやコンクリートはただの破片となった。
再びそれが発射されるよりも前に砲身を掴んで戦車の上によじ登る。
「プレゼントあげるっ。」
ハッチを開いてすぐにピンの抜けた手榴弾を投げ込んだ。
「「「え、ちょおいおいおい!?」」」
「ごゆっくり〜」
あたふたと狼狽する複数の乗員の声を聞きつつ、鍋の蓋を落とすようにハッチを閉めた。
まあオモチャの手榴弾だから爆発はしないけどね。
さ、これで暫くは動かないはずだから...だいぶ距離離されちゃったよな...
でも、こんなことで諦めてたまるか。
「...ふう、戦車に気を取られているうちに私は...」
「み、みつけ、た...!」
「......しつこいですわね。」
息も絶え絶えに歩みを進める私に、冷たい反応が返される。
「先達の忠告は...素直に聞いておくべきものでしてよ。」
「じゃあ...納得させてよ。なんで逃げるの。なんで忘れないといけないの。ねえ...!」
「...完全に忘れろとまでは言いません。ならせめて、私から離れてくださるかしら。...取り返しのつかないことになる前に。」
「それがなんでかって話をしてるの。お姉ちゃんを探したからどうなるか、なんて話はしてないの。」
「...そうですか......わかりました。」
何か納得したお姉ちゃんに少しほっと安堵する。
よかった。きっと、話をするぐらいならできるよね...?
そんな私の思惑とは逆に、私が気付かぬ間に目の前に来ていたお姉ちゃんは、その手で私の顔を覆った。
「お、お姉ちゃ...あぎゃっ!?」
そのまま体に重力を感じると、背中に鈍い痛みが走った。
「...でしたら、私に近付けばどうなるか...教えて差し上げます。」
太陽を背にしたお姉ちゃんの手が、私の顔から離れて首をきつく締め付ける。
「な、なん...れ......!!」
「...」
返事はなくて、ただ指に力がこもるだけ。
「や...ぇて......おね、ちゃ......」
視界がボヤボヤして見にくい。苦しい、力が入らない。
死ぬ。
死んじゃう。
やだ、死にたくない。
こんな、ところで...
あとがき
タマちゃん首締められすぎでは...?
もうそろ先生も出しますけど、メインストーリーに介入するかは分かりません。というかやる予定ないです。
タマちゃん主役のイベント風の章をやって完結する予定なので...
それとアンケートのやつですが、細かいステータスは期待しないでください。
スキルなんかの数値は出しますが...
タマちゃんの紹介、やるなら
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