プロローグ
短め
私の気ぐらい
ある日、ある朝。
けたたましく鳴り響く時計をとめてもなお、まだ眠気の残るその時間に、訪問者を知らせる無機質な音が鳴った。
僅かな不満を覚えて出迎えることにした。
「ふぁい...どちらさまぁ...?」
「おはよう。タマヨ。」
「......」
「......」
えっと...誰だっけ...
後ろで一纏めにした髪...あとシャーレの制服。
...シャーレの制服!?
「......えっ、あっ、先生!?」
「思い出すの遅かったね?まあそんなに関わりがあるわけじゃなかったから仕方無いけど。」
大人の余裕ってやつかな。特に気にしている雰囲気もなく話を切り出した。
「それで、今日タマヨのところに来たのは、君に会いたい人がいるから連れてきたんだよ。」
「会いたい人?誰?」
「ありがとうございます先生。私が呼んでは出ていただけなかったかもしれませんからね。さて...お久しぶりです。ヴァルキューレの尾刃カンナです。」
...えっと...?
確か、いつぞやにカスミさんを捕まえさせにお姉ちゃんが呼んだ人だったっけ。
「ヴァルキューレの人が...どうして...?」
「現在追っている事件...いえ、とある噂へのご協力を願います。」
「噂...?まあ、良いけど...やることは昨日終わらせたし...」
「ありがとうございます。ではご同行願います。」
「......んえっ?」
今なんて?
カンナに連れて行かれる際、タマヨに頼まれたことをする為に古書館を訪れた。
以前ウイから渡された合鍵を使用して中に入った。
...いつにもなく、水を打ったように静かだった。
”あれ...?誰もいないのかな”
”ウーイー?”
「だ、だれ、ですか...?...あ、先生...」
”久しぶり”
”元気だった?”
「え、あ、あぁ、はい...それで、どういった要件でしょうか...?...ま、まさかまた...!?」
”違う違う。タマヨからちょっとね”
「......タマヨちゃんから...?どうしたんですか?」
言われたことをそのまま伝えた。
”『今日連絡つかないかも!また連絡するね!』”
「うわ、声そっくり...」
”そこ?”
「仕方ないじゃないですか。そっくりだったんだから...それにしても、あの子がわざわざ...先生に頼むなんて......よほど急いでたんですかね...?」
それはもう忙しそうだった。
なにせ、カンナによって警察車両に詰め込まれてたから。
”まあ...タマヨなら...”
”今、ヴァルキューレで話をしてるんじゃないかな”
「...はい?なんでですか?タマヨちゃんが、なにかしたんですか...!?」
”したと言えば、した”
”してないと言えば、してない”
「え、えぇ...?なんですかそれ...?」
”.........”
”まあウイになら”
”話しても大丈夫かな”
事の発端は、厳格なノックの音からだった。
「本日当番の尾刃カンナです。」
「一日よろしくね、カンナ。」
カンナなら...ある程度難しい仕事を任せても大丈夫かな。
「じゃあこれ、お願い。」
「はい。」
キビキビとした動きで生徒用のデスクに座ったカンナを横目に、私も自分の仕事に取り組むことにした。
...領収書とか、経費とか。
ちゃんと処理しないとユウカに怒られるからね...
もうあの地獄を味わう前に、コツコツ終わらせよう...
「...む、先生。こちらの書類なのですが...」
「ん、いいよ。何か気になるところが?」
「えぇと、こちらの...」
「どれどれ...」
ホッチキスでとめられた、二枚の紙を受け取り、内容を見る。
それは、つい先日から調査を開始した『通り魔事件』の書類だった。
路地裏や人通りの少ない道で、何者かに襲撃される事件。
被害者に規則性が見られないことから通り魔か何かだろうと推測したそれ。
...いや、規則性はあったな。
決まって、誰かと誰か。もしくは、なにかの団体となにかの団体の戦いの所で事件が起きている。
犯人について唯一分かっているのは、小柄でその体躯には決して見合わない、大口径の拳銃を使用していたことだけ。
「......それで、これがどうかしたの?」
「あ、いえ、ただ...私が現在捜査しているものと酷似している、と思い。」
「そうなんだ。私の助けは?」
「...一人、話を聞きたい人物が居るんです。てすが、私が行っては萎縮して出てこないかもしれないのです。」
カンナにしては珍しく、遠回しで遠慮がちな言葉。
「いいよ。ある程度片付いたら行こうか。」
「ありがとうございます。先生。」
”...というわけ”
「......じゃあ...」
”?”
「じゃあ先生は...その通り魔事件の犯人が、タマヨちゃんだと思ってるんですか!?」
”え、いや...”
”犯人と決めつけたわけじゃ...”
「そんなこと!するわけないでしょう!あんな!優しい子が!!」
”う、ウイ!?”
「あの子と会ったら謝ってくださいよ!?絶対、絶対にですからね!?」
人が変わったように声を荒らげるウイを、何とかたしなめることに苦労することとなった。
あとがき
先生視点、まだタマちゃんとワカモの関係は分かってません。
苗字知らないからね、仕方ないね
タマちゃんの紹介、やるなら
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