紫煙燻る黒狐   作:とろねぎ

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今日から妖精の存在を信じることにするね

 

前回の最後、高評価乞食みたいになっているのに気付いたので初投稿です。(恥知らず)

たくさん評価いただいてとても嬉しいのですがそれと同じぐらい申し訳ない気持ちになりました。(パープルヘイズ)

 

今回気持ち短め

 

 

 


 

 

「待って?今度は何を「怪我してる人がいます!誰か助けてください!!」 「何言ってんの!?」

 

突然大声をあげるウイさん。自分から施錠しておいた空間で助けを求めるだなんて、錯乱している?

 

一度殴ったら治るのかな...なんて考えているときだった。

 

「分かりました。えーと...あなたですね。」

 

私でも、ウイさんでもない誰かの声が正面から聞こえた。

 

「誰!?ウイさんじゃな...」

 

「こちらへどうぞ!」

 

「えっあっ...えぇっ?」

 

「眼帯を付けている方の目をお願いします。」

 

「そうなんですね...少し失礼します。」

 

この場に居ないはずの知らない人間の声。

 

それに当たり前のように頼みをするウイさん。

 

手を握られてソファに座らされる感覚。暖かな指が眼帯を捲り上げる衣擦れの音。

 

「目を開けることは出来ますか?」

 

「...ちょっと、待って。」

 

何が何だか分からないけど、少なくとも害意は無い...のかな? そんな考えの元、目をゆっくりと開く。

 

涙で乾いてくっついた瞼を、ぶちぶちと開く気持ちの悪い音が脳に響く。

 

ようやく開ききった...

 

「うわ明るっ...誰あなた!?」

 

「!?...見えて...」

 

「えっ...ホントだ見えてる!?」

 

「な、なんです?なにしてるんですか...?」

 

ピンク色の髪をした、小さいナースさん。いや小さいとか私に言われたくは無いだろうけど。

 

それよりも、前までは真っ暗で何も見えなかった視界が...片面だけハッキリと明るく見えていることに驚いた。

 

「なにこれ!?なにこれちょっと!?」

 

「落ち着いてください...私には何も見えませんけど...」

 

こっちに顔を向けて話すウイさんだけど、どうも目が合わない。 ...見えてない?

 

「ふう、本来なら、こういうものは設備と機材のある所で診るべきでしょうが...」

 

ナースさんが軽く前置きをすると...

 

「ですが、ご安心を。偶然その機材を持ってきています!」

 

瞬きをした瞬間に、ナースさんの手に...なんだあれ。なんか、バーコード読み取るアレみたいな...ドライヤーみたいな...持ち手と先端がある何かが現れる。

 

「いやそれどっから出し...」

 

「はい暴れないでくださいねー」

 

優しく目を開かれてあの機材の先端が近づく。

 

ほんの一瞬近付けただけで、引いて行った。

 

「これは......」

 

なにか怪訝そう、深刻そうな顔をした後、机の上に一枚の紙を広げてペンを走らせる。

 

「...終わった、みたいですね...?念の為、眼帯は戻しておきましょうか...」

 

「あ、うん。」

 

眼帯を戻すと、世界は再び闇に包まれた。

 

「...はい、ここにカルテ...とまでは行きませんが、簡単な診断結果を置いておきますね。ですが、やはり公共の病院にかかった方がよろしいですよ?」

 

「あなたを...信用してこその...行動ですよ。」

 

「病院にまで着いてきたくなかっただけでしょ。」

 

「...ウイさん?」

 

「いやっ、その...」

 

私の(余計な)一言によって ナースさんに詰め寄られてたじたじになっている様子がありありと目に浮かぶ...

 

「あ、ありがとう、ございました...!」

 

「...はあ。私がここに呼ばれるなんて珍しいと思ってたら、こんなことだったんですね...では、お大事に。」

 

電気が着いた時、あのナースさんは居なかった。

 

「...」

 

なんだか少し疲れた顔をしているウイさん。

 

いやあなたほとんど何もしていないはずじゃ...なんでもない。

 

「ウイさん、さっきのナースさんってなに?ここ鍵しまってるんだよね?」

 

「あれは...トリニティ自治区の妖精です。」

 

「ようせい」

 

「はい、妖精。」

 

「妖精って...ヘイローあるんだね。」

 

「あれは、怪我した人をどこからともなく現れて治療を施し去っていくタイプの妖精です。ヘイローは...まあそういうものなのでしょう。」

 

「そういうものってなんなのさ...」って言いそうになったけど堪えた。私えらい

 

「それよりも、結果を見ましょうか。」

 

「それよりって言ったよ...まあ見るけどさ。」

 

A4用紙のさらに半分...それくらいのサイズの紙切れを二人して覗き込む。

 

「...!」

 

みるみるうちにウイさんの顔に陰りが差す。

 

「どうしたの?なんかすごいこと書いてあった?」

 

「『水晶体の著しい破損』、『瞳孔の変形』...おかしなことしか書いてませんよ...!」

 

「つまり...どういうこと?だって、さっきナースさんに診てもらってる時だって、普通に見えてたんだから...」

 

「それですよ。それ! 」

 

眼帯に指を指される。

 

色々と傷ついているのは分かったけれど、やっぱり見えてるから問題は無いと、現段階だけを見て安心感を得ようとする私。

 

「...あっ!」

 

そんな私でも気付いた。

 

「さっき、真っ暗だったのに普通に見えた...しかもなんなら眩しかったし...」

 

「...一度、外してみますか?」

 

「......うん。」

 

恐る恐る眼帯に指をかけてずり下ろす。

 

 

 

 

 

 

結論から言うと、やっぱり私の目はおかしくなってたみたい。

 

水晶体...光を集めるレンズが壊れて、私の目へと届けられる情報の数々は原型を留め無いほどに歪み、誇張された。

 

一滴の水滴は、いつの間にか大樽一杯の水になっていた。

 

「大丈夫!?大丈夫ですか!?」

 

「ぎっ...ぃあぁっ...!」

 

「お、落ち着いて、息を吸って...!」

 

「め、がっ...!やけ、る...!」

 

それはたぶん、脳を殴り付けられるような衝撃と目玉を焼かれながらほじくり返されているような激痛が教えてくれる。

 

目を閉じても、上から両手で抑えようと、太陽を望遠鏡で覗いたような瞼に焼き付いた光景に苦しめられる。

 

両の目を開いたあの瞬間、目を見開いて瞳孔を震えさせるウイさんを置いて、私の視界はホワイトアウトしてしまった。

 

何が彼女にあんな顔をさせたのだろうか。

 

しかし今の私には苦痛にのたうち回りながら介抱されることしか出来なかった。

 

ただただ、軽はずみなことをしたと後悔した。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

...あの日から、日中は眼帯を付けて過ごし、日が落ちてきたところで眼帯を外して光に慣れさせる生活が始まった。

 

俗に言うリハビリというやつ。

 

「あそこに積んである子達の整理、お願いします。」

 

「あーい。」

 

今?

 

わたしゃあね、まだ古書館の中にいるよ。

 

 

 


 

 

 

あとがき

 

ほのぼの日常回書いていたら、発作を起こして、タマヨちゃんを苦しめにかかった作者がいたんですよぉ〜

 

なぁ〜〜にぃ〜〜!!?やっちまったなぁ!!(自戒)

 

男は黙って

 

突然失踪!

 

男は黙って

 

突然失踪!

 

読者さん方、勘違いしちゃうよぉ〜

 

 

 

 

 

エタるわけじゃないですからね...?

この作品に足りないものとは...

  • このままでいいんじゃね知らんけど
  • 銃撃戦が少ねぇ!
  • タマ虐
  • ガチ百合回
  • R-じゅうはt(銃声)
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