くっ...!そろそろ...そろそろ話を進めたい...!!
『展開が欲しいか...』
誰だ!?...ハッ!お、お前は...!
闇の私!
『相手が自分より上でも、親しい人のために立ち向かう忠犬系黒髪美少女って良いよね。』
なんか言ってる!?
古書館をいつまでか分からないのに閉鎖しておくのはダメだろうと意見すると思ったよりもあっさりと受け入れられた。
でもその交換条件として、ウイさんはしばらく私が手伝うことを言い渡した。
二日ほどここでした生活は、正直言って友達の家でお泊まり会しているみたいで楽しかった。
一度家に戻って、ある程度の荷物を纏めて再び古書館に戻ってくる。私の部屋に盗られて不味いものは無いし、かなり楽しんだ。
友達とお泊まり会したことなんて一度もないけど。
最近、異様に精神面が不安定になって涙を浮かべることがあったけどウイさんはそれを嬉しそうに見ていた。
...人泣いてるのに嬉しそうは違くない?
それと、まだ一回だけだけどもう一人ここのお手伝いさん...シミコさんとも趣味だったりプライベートだったりな話をする程度には親密になった。
あの時の、まるで違う世界の人間を見るような顔をしていたウイさんは今思い出しても口角が上がる。
笑ったりショックを受けたり忙しいね?
あぁそうだ。今の私は学校だと病気で休んでいることになっている。というかそういう風に連絡した。
所詮は人の心も分からない機械人形。適当な嘘ついても「...分かりました!お大事に!」とか言って電話を切られたのは笑ってしまった。
...しっかり悪いことしてる......
「なにを、落ち込んでいるのですか...?」
「私...悪い子になっちゃった...」
「???」
「だって今私がしてるのって、仮病使って遊んでる人だし...」
「結局落ち込むのに、じゃあどうして仮病使っているんですか?」
「......その、ね。学校行くの、もう嫌なの。だから...」
「どうして嫌なんですか?」
立て続けに飛ぶ質問。
答えを知りたいと言うよりは、私に気付かせたり自覚を促そうとしているような...
「酷いこと、されるから...」
「そうですね。だから行かなくていいんですよ...嫌で解決策も無いことからは逃げちゃいましょう。さ、そろそろ開館時間です。」
「...うん。」
古書館を開けたとしても、すぐに人がなだれ込むように入ってくるかと言われれば、そういうわけではない。朝、それも平日なのだから来たとしても一般の人が多め。
そんな中での私の仕事といえば、本の整理なんかの肉体労働が主だった。
「...いや多すぎ...」
「そっちが終わったら、こっちの子たちもお願いします。」
「うわーん...!仕事が多すぎます...!」
たまにシミコさんが手伝ってくれるとはいえ、普段はこれをウイさん一人でやっているというのだから驚きだよね。
どんくさい印象しかないけど...
でも体力だけなら私も負けないぞ!ということで、渡された資料通りに本を並べていくこの作業はそこまで苦ではない。単純作業好きなんだろうね。たぶん
そうして作業を進めていると、ぼそぼそとした声が私の耳に入ってくる。
「タマヨちゃん、タマヨちゃん。」
ウイさん...?どうしたんだろう。
「どうした...の...うわっなにこのニオイ。」
意識を思考の世界から現実に引き戻すと、途端にうっとおしい、甘ったるいニオイが鼻を刺す。
「えっと...あそこの人たちを...」
「日中時間潰す場所がこんなとこぉ?」
「しかたないでしょ。良い意味で陰気なんだから、隠れてるには持ってこいでしょ。」
「あはは!ひっどぉい!」
ウイさんが指さした先には、一対の小さな羽を携えた二人組が騒いでいた。
「アレって...」
「はい...トリニティの生徒です。おおかたサボりでしょうね。」
「それは良くないね。」
「......」
すごい、ウイさんの心読めてる気がする。
わざとらしく小さな咳をして質問する。
「それで、静かにって注意してくればいい?」
「それもありますが...」
「...あー...なるほど?」
二人を見ていて、ウイさんが何を言いたいのか察した私は、二人に近寄った。
「少しいいかな。」
「なに?」
「ここ、飲食禁止だよ。」
机の上に置かれた、不快になるほどの甘ったるい、砂糖のこびりついたグミを指さして言う。
「は?別に良くない?」
「めんど。」
当然のように反発される。
え、ていうか口悪くない?トリニティってお嬢様学校って聞いてたし、そういうイメージだったんだけど。
「誰にも迷惑かけてないんだからさ〜」
「そ〜そ〜」
「本が汚れるから飲食禁止ってあるの。迷惑かかってるわけよ。」
「...てかさ、あんた何様のつもり?迷子の子?」
「迷子センター近くにあったっけ?ってそんなわけないじゃん。」
「あはっ確かに。」
「正論かまされたからって話そらそうとしないでよ。」
「「...」」
不意に図星を突かれて黙る推定お嬢様たち。
しばらく睨まれていたけど、大義はこちらにあり。ということでじっと見つめ返していると一人が席を立った。
「はー、萎えたわ。こんな友達いなそうな奴ほっといて行こ。」
「それ。じゃーね、マジメちゃん。」
「......」
口悪ぅ...最後のなんてただの悪口じゃん...や、別に友達いないの気にしてる訳じゃないよ?
決して違うよ?...ぐすん。
「...あの、大丈夫、ですか?」
「っあ......うん。」
よほど酷い顔をしていたのか、ウイさんが作業を中断してまで見に来てくれた。
「その、ありがとう、ございます...私だけだと、どうにもならなかったと思います。」
「...トリニティってあんな人居るんだね...」
「まあ...はい。しょっちゅう...」
「...私、トリニティの生徒じゃなくて良かった。」
今ばかりは、あそこで育ったことに感謝できそう...いややっぱり無理だ。
今日起きた、目立つ出来事はこれくらい。
このあとは閉館時間まで変わらず本の整理を続けたり、少しだけだけど貸出手続きの手伝いもした。
そして、暗くなってきたら眼帯を外して、おっかなびっくり目を開いて光に慣れさせる。
...うん。古書館の電灯くらいなら、眩しいぐらいで済む。
閉館後、ウイさんの近くで修繕や翻訳の作業を見せてもらったり...
何も言わずに近くで見てたから、作業が終わって伸びをしたウイさんの手が顔面に直撃したりしたけど、楽しかった。
「あの、本当に大丈夫ですか...?鼻真っ赤になってますけど...」
「...これくらいならほぼノーダメージ!鼻が潰れたわけじゃないからね。」
目はさっき眩しさで潰れかけたけどね!
アハハハ!
「今度そんなこと言ったらその時こそ監禁ですよ。」
「ゑ」
「笑えません。」
どうやらお気に召さなかった様子で私を睨みつけるウイさん。
「ごめん...」
くきゅう〜...
謝った途端、突然情けない犬の唸り声のような音がした。
それは、偶然にも私のお腹の方から聞こえてきたみたい。
「あー...あはは...」
「...」
「あのー?」
「...」
「ウイさーん?もしもーし。」
「...っ!」
「えっ、何その覚悟決めた顔。」
口の端をきゅっと結んで、ゆらゆらと決意の炎を滾らせたウイさん。どちら様?
あなたそういう性格じゃないと思ってたのだけど...
「...ってちょっと?なんの準備してるの...?」
地味な紺色のポシェットに財布とケータイを入れて立ち上がるウイさん。
「...外食、です。今日も一日...頑張ってくれたので...それに、今まで忙しくて買ってきたもので適当に済ませていましたから、たまには...」
「あー、そう言えばそうだね?鍵かけて、『食事の時は外に出ますよ。』みたいなこと言っておいて、結局行ってなかったからね。」
「あぁう...それは......い、良いですから!私の気が変わる前に行きましょう!」
「はーい。」
私も、ケータイと財布をしまって立ち上がる。楽しみだな〜♪
お泊まりもしてるし、ご飯も食べに行ってるし!こ、これが華のじぇーけーってやつ!?
...でも、それと決意を固めるの...なんの関係が...?
「...っ、はあ、はあ...」
「ウイさん?」
扉に手をかけたまま固まったウイさんの呼吸は、どこか荒い。
「はあはあはあはあ......!」ガタガタガタガタ
「ウイさーん!!」
しばらくして、過呼吸気味になって扉がガタガタと揺れ始めたのを見て急いで駆け寄った。
おまけ
ウイ
「......特に、色が変わっている。
というわけではありませんが...」
ウイ
「見た方が...早いですね。」
ウイ
「あのトリニティの妖精さんが残した紙にある通り、
瞳孔の形が変わっています。」
ウイ
「その...あまり、落ち込まないでください...」
ウイ
「...はい?」
ウイ
「落ち込んで...ないんですか。」
ウイ
「(良い子...!
...っと危ない危ない。
危うく実の妹のように溺愛してしまうところでした。」
あとがき
トリカスさん!?
...
...トリカスさん!?(2度見)
あ^〜ジェットコースターしてぇ^〜
情緒ぐちゃぐちゃジェットコースターしてぇ^〜(発作)
この作品に足りないものとは...
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このままでいいんじゃね知らんけど
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銃撃戦が少ねぇ!
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タマ虐
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ガチ百合回
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R-じゅうはt(銃声)