種子の護り人   作:わたーめ

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暁の国へ

 

「・・・・ここは・・・」

目を開ける。知らない部屋、知らない匂い。

自身の身体を見ると、手足に包帯が巻かれ、簡素な衣服を着ている。

無意識に自分が寝ているベットのそばにT字型のアクセサリーを見つけ、安堵と共に夢では無いと実感し、胸に郷愁が遅い掛かって来た。

 

意識せずとも流れ出る涙はそのままに呆然とする。

最初に起きた白い部屋とは違い、人間の暖かみが感じられる部屋。窓からは閑静な街並みが見える。

しばらくその街並みを眺めていると、ドアが控えめにゆっくりと開いた。

 

優しい雰囲気を感じる女性が現れた。

 

「目をさましたのね?大丈夫?泣いているの?」

 

初対面の人の前で自分が泣いていた事を自覚し、慌てて目元を拭い、頭を下げる。

 

「あっ!その!あの!すみません、俺!いや僕は!」

 

「あらあら、落ち着いて。もう、大丈夫ですからね」

 

有無を言わさず、優しく抱きしめられ、頭がパニックに陥る。

 

「大変だったのでしょう。苦しかったのでしょう。でも、私達が出来る限りの事をします。同じ、家族として。」

 

暖かさに触れて泣き出しそうだったが気になるワードに涙は止まった。

 

「家族?・・・あの、僕気がついたら白い部屋にいて、自分が誰だとか、此処がどこだとか・・・自分の年もわからなくて・・・」

 

言ってて悲しくなり下を向く。

 

「とりあえず」

 

女性が優しく告げる

 

「ご飯とお水ね?」

 

にっこりと告げられ、そして目の前の女性から感じる【優しさ】に酷く安堵を覚え言われるがままにするのだった。

 

 

 

 

「私はカリダ・ヤマトよ」

 

「ハルマ・ヤマトだ。」

 

「僕は、キラ・ヤマトだよ!よろしくね!」

 

案内されたリビングで告げられた事実に俺は頭が真っ白になっていた。

アイエ!?キラ!?キラナンデ!?!?!?

と言う事は、、、ここは、この世界は、、、

 

「ガンダム、、、SEEDの、、、」

 

「?なにか言った?大丈夫かい?」

 

キラが心配して聞いてくる。まだまだ幼さの残るキラは実際に見ると整った顔立ちにまだ声変わりしてないのかあの聞き慣れた声じゃなくて、というかなんだコイツ可愛い守護らねば。いや、今は会話に集中しよう。

 

「いや、大丈夫だよ。僕は・・僕の名前は・・・ごめんなさい。多分無いです。何も思い出せないのです。」

 

謝り、頭を下げると、ヤマト一家は悲しそうな雰囲気を出しつつも声をかけてくれた。

 

「いや、そうか。しかし、君をキラとアスランが見つけた時は大騒ぎだったよ!ははは!」

 

「いや、あの、すみません。僕は気がついたら白い部屋にいて、壁が爆発して、だから逃げて・・・後ろから銃と、悲鳴が・・・!?」

 

フラッシュバックし、目眩を覚えていると、そっと手を握られた。

 

「大丈夫だよ。大丈夫。」

 

キラが、優しく、手を握ってくれていた。

いたいくらいの心臓を自覚して、大きく、震えなが深呼吸をする。

なにはどうあれここはSEEDの世界で、俺は今キラの・・・ヤマト一家に助けられたのだろう。

それに、これからのこの世界の事はうろ覚えだがなんとなく覚えているので、これからのキラの受難を減らしたい。

助けて貰ったのだから・・・

 

「あの、色々と聞いても良いですか?」

 

顔をあげてヤマト夫妻に尋ねる

 

「ああ、大丈夫だよ。それと、簡易的にだが、これが君の診断書だ。キラより1日お兄さんなんだね、君は。」

 

差し出された書類を見る。

血液型や身長と体重。手足の怪我の説明だろうけど、英語でよくわからぬ。

大切なのは、小さくフォントされたCE67の文字。確か原作は73とかがスタートだった気がする。

 

「ありがとうございます。まずは、その・・・僕はこれからどうなるのでしょうか?」

 

カリダさんが答える。

 

「君が、、、いいえ、差し出がましいと思うのだけど、、、トガメって名前を送らせてくれないかしら?」

 

「僕の、、、名前ですか?」

 

「ええ、だめ・・・かしら?」

 

言われて、気がつく。前世の自身の名前が思いだせない。

転生によるショックなのかなにかはわからないが、その部分だけすっぽりと抜けている。

だが、不思議と不安になる事は無く、【その名前】が良いと胸の奥から感情が浮かびあがった。

 

「いいえ、ありがとうございます!僕は、トガメ・・・トガメとして生きていきます!」

 

「まぁ嬉しい!あなた、家族が増えたわ!」

 

「そうだね、ちょうど兄弟が欲しかったのさ。なぁ、キラ?」

 

「うん!トガメ、よろしくね!」

 

「えっ・・・家族って・・・?」

 

展開についていけず、ついつい三人を見回してしまう。

少し恥ずかしそうで嬉しそうなキラ

優しい瞳を向けてくれるカリダさん

何かを決心したかのようなハルマさん。

 

「ぼくは、ここに居て良いのですか?」

 

「「「そうだよ!」」」

 

嬉しくて、優しくて、

前世になってしまうが、18から一人暮らしを始めてからずっと独り身。

家族とは仲が悪く疎遠。人間関係の構築が苦手で友達や彼女も居ない。

そんなこのまま独りで死ぬ孤独の中、色々なコンテンツで寂しさを紛らわす日々だった。

未だ状況は意味がわからない。

だけど、

この暖かさは本物だと、握りしめたアクセサリーからも感じられる。

翠色に光る・・・【サイコ・フレーム】を握りしめながら。

 

 

「僕になにが出来るのか、わからないですが、出来る限り、恩返し致します。」

 

 

この日、僕は

トガメ・ヤマトになった。

 

 

 

 

 

 

あれから、一年が経った。

自分の能力の確認やら、この世界に慣れるためのあれやこれやら。

アスランとの邂逅や、キラになんとしてもお兄ちゃんと呼ばれたくてウザ絡みをして、最終的に現在の自分の容姿を最大限利用し、カリダさんに力を借りて最終兵器ポニーテールを使い兄さんと呼ばせる事に成功。

 

そして現在プラントと連合軍の戦争機運が高まり、僕達ヤマト一家は月面都市コペルニクスからオーブ連合首長国のコロニー・ヘリオポリスに渡っている。

 

なんかアニメ一期あったキラとアスランの語り合いみたいなイベントあったなと思い出したのは家族みんなで地球へ向かう船に乗った後に気がついた事だった。まぁそんな重要イベントじゃないべと、鼻糞ほじりながら【作業】に集中してたのもある。

そうゆう事してるとカリダさんが鬼の様に行儀が悪い、せっかく可愛いのにとめっちゃ怒る。自分男なんですけども聞かず、最終的に俺が折れて謝るまでがセットである。

 

 

正直二部作目のシンをしってて、確かオーブで差別とかブルーコスモスとか言うただのゴミクソテロ集団の所為で曇ってしまう。なんとか家族だけは救ってみせるからな!!

 

決意を新たにしていると船がプラントから出航した。

初めての宇宙旅行?なので正直めっちゃこわい。緊張なのかなんかお腹痛く感じ、不安に駆られながらサイコフレームを握りしめていると、キラが俺を労る様に頭をなででくれた。ええ子やぁ。

 

「兄さん、どうしたの?お腹、痛い?」

 

「いや、初めての宇宙に不安を感じただけだよ、キラ。ありがとう。

アスランとはお別れ出来たのかい?」

 

「うん。それに、メールでやりとり出来るから大丈夫だよ?」

 

「それもそうだね」

 

原作準拠なのかわからんが、何故かケータイがガラケーだったり、ノーパソがなんか古そうな見た目だったりするのだが、中身は前世の何倍もすごい。

うっすぃータブレットやなぁって思ってたらスパコン並みの機能もってて変な声を出してキラに不思議がられたのも良い思い出である。

 

俺、トガメの能力について。

現状把握してるのはニュータイプと呼ぶ、UC作品で度々現れる、進化し宇宙に適応した人類に類似した能力があると思われること。

転生時から所持しているサイコフレームをつけていなくとも、強く意識すると相手の感情や思考をあやふやだが感じ取ることができる。

この世界にもゲームがある様で、戦闘もので前世ではありえない様なプレイが出来た事から恐らくモビルスーツを動かす事も出来ると思われる。希望も多分にあるが・・・

コーディネイター的な能力は今の所わからないが、キラやアスランと軽い遊びでの運動等で差を感じなかった事から同じ様な運動能力はあると思う。

 

何よりも特殊な能力は二つ。

精密検査で知り得た事だが、特殊な遺伝子を持っているらしく、俺は18歳から老いないらしい。理屈はわからんが不死性だとかなんとからしいが、家族の・・・ヤマト一家ゆかりの善性と良識ある医師がその情報一切を秘匿してくれている。信じるしか無い。俺が原因で戦争とかは本当に勘弁です。

というかアルビノめいた見た目だし俺吸血鬼なのでは?と思えるが八重歯は出てないし、なんならニンニクめちゃくちゃ食べれてるからそれはないと思う。

 

最後に、何よりも個人的にやばいと思った能力。

それは、自身が知っている武装や素材、その【制作】方法が、欲した時に【出力】出来てしまう能力である。

紙やパソコンの前で軽い気持ちで太陽炉とかあればトランザム出来るやん、と思っていたら、一種のトランス状態か意識が飛び、気がつくとその【制作】計画書が目の前に出来上がっているのだ。

やろうと思い、実際に出来る環境ならば、ターンエーですら再現可能と思うと、確実に自分がチート等では無く異物と感じられ、

そしてガンダム世界は全て繋がっているからこそ制作可能なのではと推察している。

何よりも感情に任せ自重をしなければ世界を崩壊させてしまう危険性があるため、この能力は死ぬまで秘匿する事を胸に強く誓った。

 

 

ヤマト夫妻やキラとは良好な関係を構築出来ている。

一つ不安要素があるとすると、俺がキラを可愛がり過ぎて若干ブラコン気味なだけなのだが、これから先フレイとか言うゴミ女が出るのだし俺が守護らねばいかん。ラクスは許す。存分に愛し合って俺をキュンキュンさせて欲しいです。

 

この一年は色々と知識と確認や、この先起こる戦争を考慮して、色んな技術者や工廠、ロウやガイ達の傭兵ルート等をネットで身分を隠して交渉し、ある程度の資金を作り出す事に成功している。

世界を混乱させない様に環境改善の為の機構やモビルスーツや宇宙船の艦内環境を快適にする技術の作成書を売っただけであるが、とんでもない貯金がある事は家族は知らない。言えない。自身の口座にちっさい国を動かせる金あるなんて・・・

 

実験ついでに、家族とアスランの誕生日に傭兵ルートで手に入れた少量の素材を使いサイコフレームの作成に成功。俺がつけている様なアクセサリーを皆に配った。出来ればそれが皆を守り、導いてくれる事を祈りながら・・・

 

 

後3・4年もしてら、原作開始の襲撃がある。

裏ルートでモルゲンレーテと交渉してヘリオポリスには【一機】制作可能な倉庫と空間が用意されているはず。札束の力ではあるが。

 

後は信用の出来る技術者を雇い。【その日】に備えるだけである。

 

皆を守る

 

【剣と盾】が間に合う様にと。強く祈りながら、船が目的地へ着いたと知らせるアナウンスが耳に届いた。




主人公の機体どうしよ、、、
やりすぎない様頑張ります。
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