大体は妖怪のせいにできる世界に転生したんだがとりあえず冒険する 作:単眼駄猪介
兄貴達とネキ達の感想一杯貰えたらむせび泣いて喜びます。
なので良かったら感想お願いします。
とはいえ、もう僕も記憶が曖昧なんで解釈違い、描写ミスやらガバとかあるかも()
それでも良いって方は本作を日常の楽しみにして頂ければ幸いです。
世界観とかはゲームとアニメで色々違いますが、本作では基本ゲーム準拠のアニメの要素を輸入って感じです。
それでは本編どうぞ。
不思議なガシャ玉
妖怪。
古今東西、人に悪戯するものから脅威になるものまで、昆虫のように多種多様なお化け、幽霊の類を人は妖怪と呼んだ。
まあ俺は妖怪の類は一切見たことないから何いってんだと言われそうだけど。
でもそれを証明できるものがある。それが天野ケータとして生まれ変わった俺だ。
赤い半袖のシャツに星の柄がついている服を着てるし、某猫型ロボのような人間関係、そして【さくらニュータウン】という作品を知っていれば分かる町の名前。
もうこれだけで証明されてるだろう。
「よおケータ!虫取りしようぜ!」
「オッケー」
俺はどういう訳か、転生というものをしたらしい。
原因はあやふやで分からないが、もしかしたら前世が元々妖怪ウォッチの世界だった可能性もあるだろう。
いや、それでも転生する理由が分からんが…
本来の年齢はまだ二十歳過ぎたくらいで、それにプラスで十一歳だ。
それのせいかは分からないが、第二次性徴期が他の子よりも早く、声変わりも始まっていた。
ヒゲはまだ生えてないが、それでも男性らしい身体つきになってきているのはなんとなく分かってきた。
「夏休みかぁ……確かアニメもゲームも夏休みが始まりだったよなぁ……」
【妖怪ウォッチ】それはもう人によっては懐かしいだろうし、忘れてたりしている人が多いだろう。
天野ケータという少年は妖怪ウォッチに出てくる主役で、妖怪による事件を何度も解決したり割と重要な事件に巻き込まれてたりと、かなり波乱の人生を送っている。
「ん…?ちょっと待てよ」
夏休み、小学生、妖怪ウォッチ、虫取り――――
「まさかのまさか!?」
今日が運命の日ってやつなのか!?
母さんに学校の裏山、おおもり山で虫取りに行くことを伝えてクマ、カンチと共に自転車で向かう。
え?原作だと歩き?
この世界はゲームじゃねぇんだ。むしろ自転車を最初から持ってない方がおかしいんだよ。
「百円玉は…一枚。でも十円玉でも……いけるか?」
「なに言ってんだケータ?」
「いや、なんでもない」
独り言が聞こえたらしいのでちゃんと口を閉じて改めて思い出す。
俺の妖怪ウォッチに関する記憶はとっくのとうに灰になって燃え尽きているが、大まかな話は覚えている。
初めてケータが出会った妖怪、ウィスパー。
スネ◯とか英雄王の声とかやってるお方の声だ、そう簡単に忘れられん。
ウィスパーとは妖怪を封じているっぽいガシャガシャから解放した事による恩義から、ケータの妖怪執事になる……という展開だった。
妖怪ウォッチも彼から与えられ、そして天野ケータの平凡な人生は一変する……のだが、この世界の天野ケータは俺で、しかも平凡ではない。
平凡なら前世の記憶とかないしさ。
だから、その影響が出てウィスパーではなく別の妖怪、特に危険な妖怪なんかを解放したら、恐らく俺の魂なんて呆気なく妖怪に喰われるだろう。
だがしかし、無印妖怪ウォッチのゲームでは、ケータが何もしなかったら無印のラスボス【イカカモネ議長】によって、少なくともさくらニュータウンが妖怪に支配される町になっていた可能性があるのだ。
二度目の人生、どうせ一度死んだのなら何か冒険でもしたいと思っていたが、流石にそんな事で死にたくないので、俺はウィスパーと出会うことにしたのだが、正直どうやって解決するかは未だに分からない。
「あっ……」
考え事をしていたからか、いつの間にかおおもり山の奥深くまで来てしまっていたらしい。
デカい木の根本には石でできたようなガシャガシャ。
遂に、この日が来たのかと緊張する。
原作ではケータがたまたま持っていた百円玉を入れて回したんだっけ。
まあ、俺は今日の為にしっかり準備して十円玉なんかも用意してる。
そもそも百円玉って子供から見れば普通に千円くらいの価値があるのだ。
そう簡単に百円玉をいかにも怪しいガシャガシャに入れて回そうなんて考えないと思うのだが、まあ魔が差す事もあるだろう。
とにかく、俺は十円玉を持ってガシャの投入口に入れる。
「まわ……った!」
経年劣化か、回そうとすると硬い抵抗を受けたがなんとか回った。
そしてガチャから出てきたのは2つの石の玉。
「ん?ウィスパーだけなら一つだけの筈だよな…?」
どちらも同じ形、色の玉なので区別がつかないが、少なくともこのままでは埒が明かない。
「ええい、ままよ!」
どのみち原作崩壊ってやつは起きているんだ、やるしかねぇ!
そんな自棄っぱち気味に2つとも一気にこじ開ける。
すると煙と、何やら中にいたものを封じ込める封印のような文字が、グルグルとソレらの周りを回転する。
そして煙が晴れると、浮遊する2体の妖怪が。
「封印から解放して頂きありがとうございますでウィス!」
一人?は白い体にまん丸ボディ。
しかし、そんな可愛らしいフォルムを台無しにする紫のでっかい唇は、人によってはキモカワと言うのだろうか?
「このお礼、返さぬ訳にはいきません!是非、
「う、うん、よろしく…」
コイツがキモい系ギャグキャラかあ、なんて思っているともう一つの影が不機嫌そうに声をかけてきた。
「わたしの事を忘れては困るのう?」
「ひゃう!?冷たいでウィス!?」
不機嫌がそのまま妖気として出ているのか、冷気が暑い空気を一気に冷却する。
「わたしは百鬼姫。フフフ…わたしを外に出しておいて、タダで済むと思うなよ?」
紫色の髪に、紫と黒で装った着物を纏い、病的までに美しい白い肌の美少女が、微笑みながら俺を見ていた。
と同時に思い出した。
俺の性癖を破壊したのが、彼女だった事を。
「ちょぉとぉ!御主人様が夏風邪を引くでウィス!その冷気を抑えんしゃい!」
「黙れ、凡霊。わたしは少年に話があるのだ」
「ぼん…!?あたしゃれっきとした妖怪でウィス!」
やべ、ちょっと感動で漏れちまったかもしれん。
だが、そんな俺の思惑とは別に百鬼姫は俺に近付き、俺の目を見通すように見てくる。
彼女の瞳に、俺はどう写るのか。
気になるが、俺が転生者である事なんて、誰も信じやしないだろう。
それは妖怪とて……
「お主、何か秘密があるみたいじゃのう?ま、野暮なことは聞くまい。今日からお前とわたしは友人じゃ」
そう言って彼女は懐からメダルを差し出す。
見覚えがある。これは妖怪メダル。
友達契約の証であり、妖怪ウォッチでメダルの主を呼び出すことが可能となるのだ。
さりげなく転生の事を出しつつ、妖怪メダルを渡してくる百鬼姫には少々、というか結構怖く感じた。
そういえば百鬼姫は感情の起伏が薄いんだっけ。
いや、ネットじゃそういうキャラ作りをしてるだけと聞いた気がするが……
まあとりあえず、百鬼姫は可愛いから良いか。
それに強いし。
「ちょおっと!アタクシの事を忘れちゃ困ります!」
「あ、ごめんウィスパー…さん?」
「呼び捨てで構いませんよ!」
「えっと、うん。これからよろしく、ウィスパー」
「はい!」
ちょっと百鬼姫というイレギュラーはあったけど、本格的に妖怪ワールドに入っていくには丁度いい始まりだな、と俺は思うのだった。
ー
さて、あの後道中で改めて自己紹介もしつつ俺の自宅に帰ってきたのだが、やっぱりというか、二人の事は他の人には見えないようだ。
ちなみに虫取りの成果はゼロ。
カブトムシやクワガタムシが豊富にいるだけおおもり山は凄いんだが、中々捕まえられない。
「あっ、そうだ!これをお渡しするのを忘れてました!」
自室でパッパッと夏休みの宿題を終わらせてこの世界にもある3DSでモンハンを始めた頃。
突然、ウィスパーが何かを思い出したかのようにあるものを取り出す。
「なんじゃ、騒々しい」
「百鬼姫さんも忘れてたんですから黙ってくださいでウィス」
ファーストコンタクトがアレだったからか喧嘩腰の二人だが、ウィスパーが手に持つそれを見て今回は百鬼姫が黙る。
ちなみに妖怪に【凡霊】というと大抵の妖怪は激怒するらしい。
妖怪は自意識の薄い魂だけの人間と違って確固たる意志や肉体?があるからだとか。
まあ、妖怪には妖怪なりのプライドがあるだろうし俺もそういうことは言わないようにしよう。
それはそうと死んで妖怪になったのに肉体とは?と疑問を抱いたんだけど、まあギャグ世界でもある妖怪ウォッチだ。
深く考えても頭を痛めるだけだ。
「これは妖怪ウォッチでウィス。これを付けるとあら不思議!普段見えない妖怪がサーチライトを当てることで見えるようになるんでウィス!」
「そしてわたしの渡した妖怪メダルをセットすることで、わたしや友達契約した妖怪を呼び出すことができる優れ物じゃぞ」
「あー!私の台詞をとんないでくださいー!」
また口喧嘩を始める二人は置いといて、ウィスパーから渡された妖怪ウォッチを隅々まで見る。
白い時計、何故か時計の針は今の時刻と合っているが、確かに妖怪ウォッチだ。
小学生の頃、親にねだって買ってもらった玩具の妖怪ウォッチとは全く違う、時計の重みとカチカチと微かに時計の動く音が、俺のかつての情熱を呼び覚ます。
「これが妖怪ウォッチ。妖怪との絆…」
「「ん?なにか言った
「なんでもないよ。ああでも、ウィスパー、プレゼントありがとう」
「いえいえ〜妖怪執事としては当たり前ですから」
照れ臭そうなウィスパーになんだかんだキモいけどいい奴なんだよな、と改めて思う。
がしかし、百鬼姫がまた喧嘩の種を撒いてしまう。
「しかし、わたしはお前のような妖怪執事を知らないのだがな……」
「なんですとー!?華麗で美しいこの私を知らないと!?」
「知らん」
「ガビーン!」
流石にそろそろ少しは仲良くして欲しいから、俺も止め入ろう……とする段階で百鬼姫が地雷を踏み抜く。
「どうせ知ったかぶりしてケータ殿に迷惑をかけるんじゃろう?そういえば、知ったかぶり妖怪のくせして大名の軍師になって主君から見捨てられたという話が……」
「あ゛?」
ウィスパーが余りにも悍ましい顔で百鬼姫を睨んでいた。
長命な妖怪とタメ張るわけじゃないが、精神年齢が高い俺でも軽く腰が引けちまった。
しかし、どこか悲しげなところもあって、切なさも感じた俺は…一瞬、妖怪らしく恐ろしい気配を出すウィスパーになんと言えば良いのか分からなくなる。
だがしかし、ここで何もしなければ致命的な何かが起きてしまう。
だから俺は、百鬼姫の頭にコツンとゲンコツを落とす。
「百鬼姫、言って良いことと悪いことがある。謝って」
ウィスパーの過去については多少なりとも見たことがある。
まあ記憶は既に曖昧だが……それでも彼にとっての琴線に触れるようなことを言って煽る彼女は、叱らなければならない。
「じゃ、じゃって…ひゃう!?」
「あ や ま る。いいな?」
「……失言じゃった、ウィスパー殿。ごめんなさい」
「いえ、私も少し感情的になりました。すみません。ケータ君も怖かったですよね…?」
申し訳無さそうにウィスパーも謝ってくるが、俺は気にするな、と言う。
「誰にだって言われたくないこと、思い出したくないことはあるさ。それに例えウィスパーが妖怪執事じゃなくても、俺の友達なんだからさ。これから努力してくれれば良いんだ」
「け、ケータきゅん…!」
「……やっぱ知人でいいかな」
「そんなご無体なぁぁ!」
いやだってさ……ウィスパーのあの顔で恋する乙女みたいな顔で見られるのは正直に言ってね?分かるよね…?
「……天野ケータ。本当にお主は不思議な人間じゃの」
<天野ケータ
自分がどういう人物なのか知ってたくせに身構えてなかった平凡な元青年。
結構動き回ってるので体力と筋肉がついてる。ついでに体格も原作より少し大きい。
<ウィスパー
原作通りおざなりな扱いをされるがちゃんと友達。
というか百鬼姫の1件でケータへの忠誠心がかなり高くなった。
百鬼姫とは正妻の座を争う仲(存在しない記憶)
<百鬼姫
本作のヒロイン。フミちゃん?誰です?
無表情キャラを作ってるが、普通に隠すつもりはない。
2以降の炎属性弱点はないので普通に強い。
今はケータに不思議な何かを感じつつ、友として彼の妖怪との生活を支えるつもりである。
<クマ&カンチ
ご友人。
淫夢ネタとかそういうのはまだ分からないので、ケータはちょっと付き合いづらく感じている。
<天野夫婦
良き母と父(ケータ談)
読了ありがとうございました。