大体は妖怪のせいにできる世界に転生したんだがとりあえず冒険する   作:単眼駄猪介

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本来はストーリークリア後のやりこみ要素だけど、物語を進めるためにもキュウビと友達契約してもらうためにバトってもらいます。

まあ、無印最終章に向けての前日譚的な感じになるかな?

そして誤字報告、感想くださる皆様、ありがとうございます!
誤字、というよりは言葉の使い回しとかが変なのかなと思い始めた今日此の頃。
現実逃避したくなる事もあってストレス倍増()

それではほんへをどうぞ




夏祭りとキュウビの悪戯

 

 

「ケータ、そういえば夏祭りどうするの?」

 

「あっ……確かにどうしよう…」

 

母さんに指摘されて存在に気付いたのは夏祭り前日。

モモカちゃんと一緒に行ったら?と母さんに茶化されつつ、俺は財布の中身を見る。

 

「………」

 

色々と妖怪の困り事や一部のそういった事に詳しい人達からの感謝として貰っているおかげか、小学生の間はしばらくバイトしなくても余裕がありそうなくらい貯まっていた。

なんなら野口さんだけじゃなくて諭吉さんも数人いるし、合計を数えるなら十数万単位はあるだろう。

ゲームだと頑張れば割と簡単にカンストできる所持金だが、よく考えるとそもそもそんなに入る財布はないし、小銭とかどうするんだってなるんだよね。

まあ、ゲームだから四次元ポケット的なアレにしても問題ないのだろうけど、現実ではそうはいかない。

 

「これはチャンス……これはチャンス……」

 

モモカは何やらボヤいてるし、ジバニャンとウィスパーは知ってたのか既にお祭り気分だし行かない方が悪いみたいな雰囲気が出ている。

いや、別に行きたくないわけじゃないが一人で夏祭りを巡っても虚しいだけだからさ……?

友人達からは誘われてはいないし、モモカ達と夏祭りを楽しむ事にしますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏祭り当日。

ドンチャンと祭囃子やら太鼓の音やらが響くおおもり山で俺は人間に化けたモモカと一緒に屋台を巡り歩いていた。

普段のおおもり山にはない賑やかな雰囲気の中、俺は緊張で手汗がダラダラと出てないか気にしつつモモカと手を繋いでいる。

羨ましい?やったなお前?

そんな感情よりも彼女に失礼がないかスゲェ神経質になってるよッ!

一応、小国のお姫様とか言われてるししかも人に化けて人の目があるのだ。

下手やればその瞬間、この良い雰囲気が凍りつくのは間違いなしだろ!?

今更それに気付く俺も俺なんだけどさぁ!

思い出すタイミング最悪や!

 

「これこれ、緊張するでない。手汗ぐらいでわたしがケータに幻滅するとでも?」

 

「そ、それなら良いんですケド…」

 

いつもの浮いてるモモカではなく、しっかり地に足をつけたモモカを改めて見ると本当に人間らしくて、妖怪なのが嘘のようだ。

それに、周りから温かい目で見られるのは……その、やっぱり恥ずかしいわ。

ジバニャン達は「ごゆっくり〜」と気を利かせたように去っていきやがったし、モモカのいい匂いが俺の心を良くも悪くも揺さぶる。

身長もこうして立ち並ぶと俺の方が上だから余計に可愛い。

ああでも駄目だ、こういう異種間恋愛はどっちかがギャーギャーと煩くのが定番だし、そうなった場合、俺の第二の人生は暗闇に覆われる未来しか見えない。

前世から密かに推していたとはいえ、モノホンに好意を向けられると戸惑ってしまう。

複雑過ぎてどう言えば良いのか、俺には分からないが少なくとも俺が彼女の事を異性として好きなのと、彼女からも好意を向けられてる事は事実だ。

どこぞのひと夏の朴念仁みたいなボケはやらないと心に決めてるが、それでも今は……今はまだ俺の中の覚悟が足りない。

 

「美味しいのぉ」

 

このモモカの笑顔を絶やすような事だけはしたくない。

美味しそうにかき氷を食べるモモカにいつの間にか笑顔になっていた俺自身に驚きつつも、そう決意する。

そういえば、百鬼姫の好物は駄菓子だったか。

ちょうどりんご飴やドロップとかが売られてる屋台に来たし丁度いい。

お金は有り余るほどあるんだ。彼女も自分のお金を持ってきてはいるが、ここは俺が買って良いとこ見せないとな。

 

「すみません、りんご飴2つ良いですか?」

 

「ほう!少年、その歳で彼女とはやるのう!おまけでもう一本!」

 

ツルッパゲのおじさんがタンクトップ姿でりんご飴を作ってる様は色々とインパクトがあるが、この人の職業なんだろう。

たまに筋トレ目的で学校の鉄棒を登ったりするのだが、頂上に登り切るといつの間にか隣の鉄棒にこのおじさんがいて、「ムラムラの感覚を大事にしなさい」とか何故かアイテムくれたりとか、屁をこいて空を飛ぶ、どこぞのスーパー幼稚園児みたいなことをしてたりするのだが……

 

「あいよ!りんご飴3本!」

 

「わたしの大好物のりんご飴!感謝するぞ、ケータ!」

 

「これぐらいどうってことないさ」

 

うん、やっぱり笑顔のモモカは一番可愛い。

その後は色々と気分とかがヒートアップしていったが、それを冷ますために神社の裏、あのガシャガシャの近くにやって来ていた。

 

「……出会ってからほんの少しの時だというのに、ここで初めてあったのがまるで昔のようじゃ」

 

「そうだな…」

 

本当に、数週間前にガチャ玉から二人を解放したのに何年も一緒にいたような感覚だ。

 

「ケータ、お主はわたしたちと出会って、妖怪を知って色々と変わったのにほとんど変わらない、普通の少年のようであったの」

 

「あー…確かにな。でもまあ、怖い思いもしたけどモモカ達と出会えた事以上にこの夏休みの思い出になったことはないよ」

 

「嬉しいことを言ってくれるの。……しかしの、ケータはまだ何か隠しておるじゃろ?」

 

少し、空気が冷めた気がした。

いずれ、俺のことで話があるとは思っていたがこのタイミングとはね。

 

「別に咎めるつもりはない。不慮の事故やら……訳も分からずこの世界に来た者が大半じゃろうからな」

 

なんとなく、分かってはいるのか。

俺が転生者である、もしくはそれに近いものが俺の魂であると。

 

「じゃが、ケータの口から直接聞きたくての。ケータがこの世を荒らす者だとは思いたくない」

 

妖怪だからこそ、そういった伝承があるのだろう。

恐らく、人間よりも正確に過去の情報(かつての転生者)について把握しているだろうし、彼女がそう懸念するのも仕方がない事だろう。

 

「俺は、確かに生まれ変わりって奴をした人間だ。もしかしたら、前世で未練とかあったからこんな事になったのかもしれない」

 

残り少なかったりんご飴を一気に食べきって俺は言い切る。

 

「でも、今の俺は天野ケータで妖怪達を知ってる一般人。それで十分だし、妖怪達と仲良くこれからも天寿を全うするまで生きれたら尚良しだよ」

 

「……お主らしい、と言うには少し違うかの」

 

突然、モモカが抱き着いてきた。

今日は気合いを入れたのか、かいだことのない甘い匂いが俺の鼻を包む。

 

「前のお主と今のお主の言葉、なんじゃろう?フ、天寿か……人間にとってはそれで良いのじゃろうな…」

 

「そんな寂しそうにするなよ。確かにあっという間に爺になって死ぬかもしれないけどさ、ジバニャンみたいに化けてでもモモカのところに行くよ」

 

「それは喜べば良いのか、悲しめばいいのか分からんではないか」

 

「妖怪と関わってるんだからそれくらい起きるだろ」

 

なんとか明るく収めようとしてみるが、モモカの抱き締める力が少し強くなっただけだった。

 

「今はまだ、そんな話はしないでおくれ」

 

「ああ、分かった……」

 

この時の俺はちょっと疲れてたか、気分が浮いてたのかもしれない。

でなきゃ、エッチな雰囲気にならんだろうしあと少しで唇が触れ合うところまで近づくことなんてない。

 

 

 

「えーと、良い所で悪いけどお邪魔させてもらうよ」

 

 

 

「「!!!!????」」

 

後ろから突然現れた見覚えのある狐顔、キュウビの登場に俺達は慌てて離れる。

 

「な、なんだよ!?」

 

「い、いいところで…!」

 

俺もモモカも完全に流される感じでやりかけていたが、現実に引き戻してきたキュウビにおかげで一線は越えずに済んだようだ。

シチュエーションが良かろうが、まだ覚悟も決まってないのに……駄目だな、俺もまだまだだ。

 

「本当にすまないね。ボクもこんな事はしたくなかったのだけれど……天野ケータ君、改めて君の実力を急遽測らなければいけなくなったんだ。悪いけど、いくよ!」

 

「そりゃあ脳筋な事で!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キュウビとの戦いはかなり熾烈なものだった。

ウィスパー達はどっか行ってたから、ジミー……いや、この戦いで進化したカゲローやキュン太郎達でなんとか切り抜けたが中々キツかった。

特に時折、俺を狙ってくる狐火はホーミング性能がかなり高くて逃げ切るのが大変すぎた。

あと、モモカが激情のままに小さな氷山を作るほどの吹雪の妖術をぶっ放してた。

おかげでおおもり山のガシャ近くは燃えてたり凍りついたりと大変な状態だった。

なんとか倒せたキュウビは立ち上がって妖怪メダルを俺に差し出しつつ、妖怪ガシャに指差して説明を始める。

 

「イカカモネ議長、ここ最近妖怪が暴れている原因を作っている黒幕だ。オロチと連携していたんだけれども、君という存在が出てきたことで少しばかり状況が変わってね」

 

そう言うと彼は鍵を渡してきた。

 

「オロチの守るべき存在、君にとってはクラスメイトの日影マオを助けて欲しい。そして、妖魔界を救ってくれ」

 

「……俺って勇者だった…?」

 

「ボケとる場合じゃないじゃろ!」

 

うん、そうだねモモカ。ごめん。

 

「奴は妖魔界の深奥にいる。オロチとマオはその道中の何処かにいるだろうが……最悪、イカカモネ議長だけでも倒してくれ。なんなら、その際に僕を呼んでくれ」

 

「分かった。とりあえず、まずは準備しよう。ウィスパー達も連れて行かないと」

 

決戦の始まりは近い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





<日影マオ
先代閻魔大王の待ち望んでいた男の子。
なのだが力が覚醒しておらず、なんなら力の強さは皆さんご存知のエンマ大王に流れたたりするから継承権に複雑な事情が生まれてたりする。
本作ではイカカモネ議長に気付かれて捕まってたりする。
ゲーム的に言うならサブクエストをあんまり進めてないので色々と状況が変わっちゃった状態って感じ。
あと主人公が無自覚にやらかした。まあ、原作知っててもぶっちゃけなりかねないから……うん…


<主人公
急に勇者展開で困惑してる。
ついでにモモカとアレな雰囲気になってたので、キュウビには実のところ感謝してる。
無論、残念な気持ちとかもある。
今回の急展開の原因だったりする(ボソッ)


<百鬼姫
キュウビに八つ当たりしてた。
なんなら一本の尻尾の毛を少し毟り取ってたりする。
余裕かますキュウビを慄かせた。


<キュウビ
二人の仲を邪魔したことにはちゃんと罪悪感は感じてる。
いつもはニヒルな笑みとかで登場するけど、状況が状況なので真剣かつ割と焦り気味。
オロチとは一時の協力関係だが、オロチ側でトラブルが発生し、今回、キュウビがらしくもなく出張ることに。


<イカカモネ議長
無印のラスボス。
2ではヤミ鏡を妖怪サークルに召喚すれば戦うことも可能。
実は本作では主人公とは対になるような感じの設定を付与されている。


読了ありがとナス!
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