大体は妖怪のせいにできる世界に転生したんだがとりあえず冒険する   作:単眼駄猪介

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映画、ゲーム共にくまモンがいる事を覚えている人はどれだけいるんだろう……

尚、それのオマージュ的なケマモン……

なんだかんだでほんへをどぞ!


熊本県のくまモンさん、ここはケマモト村です

 

 

ケマモト駅の改札から出て、最初に視界に入ったのは黒いクマだった。

無論、モノホンではなく着ぐるみ……のはずなのだが、どこか妖気を感じる。

ちょっと話を聞くと、熊本県のアピール云々でさくらニュータウンまで各地でPRしてるんだとか。

ちなみに説明は付き添い?のお姉さんがしてくれた。

ミカとモモカはくまモンから貰った熊本県の郷土料理【いきなり団子】を貰って美味しそうに食べていた。

 

「は、箱買い……ッ!」

 

「ストップ!ストーップッ!?」

 

そういえばモモカはスイーツ大好きやったッ!

箱買いなんかしたら帰りの荷物が大変なことになるぞ!?

彼女を落ち着かせて4箱に負けてもらった。

 

「なんだかひもじいでウィス……」

 

「なんニャン、急に…」

 

「いやホント急にね、ひもじく感じるんですよ」

 

「じゃあ、一個あげるよウィスパー」

 

急に小腹が空いただのひもじいだのと言い始めたウィスパーに、ミカが優しくいきなり団子を一個、ウィスパーに差し出す。

こういう時は普通に良い子なんだけどなぁ……

 

「ありがとうございますでウィス!では早速…ガブッとな」

 

食べている。

食べている、ミカの手ごと。

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!?変態ッ」

 

「ギャフン!?」

 

バチコーン!と良い音がなってウィスパーが吹っ飛ぶ。

ミカはウィスパーのよだれまみれになった右腕にオエッ、と吐き気を催しかけていた。

 

「ミカ、とりあえず手を洗おう。ほら、あそこに公衆トイレあるからそこで……」

 

「わたしが付き添おう。ケータ、恐らくは…」

 

「ああ、妖怪だな」

 

一応、ウィスパーも時前の弁当で腹を満たしている。

いやそもそも死者らしい妖怪が食事を必要とするのか疑問だが、まあ人間が妖怪を食い尽くすという事もあったし、妖怪次第なのだろう。

 

「見つけた!」

 

サーチライトをあちこちにかざして妖怪の影を探すと、ウィスパーの真横にいた。

バス停の向かい側にある木の下でダウンしていたウィスパー。

気絶はしていたが、しっかりといきなり団子は意地汚く咀嚼していた。

 

「確か…【ひも爺】!」

 

サーチライトによって顕になった妖怪、その名はひも爺。

取り憑かれるとひもじくなって食べても食べても物足りなくなる、神経系に影響を与えてそうなヤバい奴だっけか?

 

「ひもじいのう…」

 

「ひも爺、貴方のその気持ちは少ししか分からない。けれど、ここで足止めされる訳にはいかないんだ…!」

 

「その団子……ワシにくれんかの…?」

 

「ごめんよ、これはお土産と俺の食べる分しかないんだ…」

 

第三者から見ればまるでラスボスに挑んでいるかのように見えるが、事実アニメではラスボス級な事をしているのだ。

食べ物になる妖怪達を食すという、エグい所業を。

ひもじい、と言いながら目の前にある食べ物をひたすら食い尽くす姿は最早、暴食がそのまんま爺さんの姿になって現れたかのようだ。

 

「ならば……戦って奪い取るのじゃぁ…!」

 

「ぐほぉっ!?」

 

は、早い!?

頭突きがとても素早く俺の腹にぶち込まれ、ブロック塀に叩きつけられる。

 

「いっつ…」

 

「ハッ!?ケータ君!?…なんだこのジジイ!?」

 

「ひもじぃぃ!」

 

「ギャアァァァァ!?私の頭を齧るなぁぁぁ!?」

 

気を取り戻したウィスパーの頭、あのクネクネとした奴がソフトクリームにでも見えたのか、ひも爺が齧り付いている。

このままでは不味い、負けるぞ…

なればこそ、この腕にある妖怪ウォッチの出番だッ!

 

「来てくれ!俺の友達、ロボニャン!妖怪メダルセットオン!」

 

ロボニャンならば、ひも爺の空腹を解決……できなくても倒す事はできる!

そう思ってメダルを挿入した。

 

【そうじゃナイよ〜!】

 

「…………」

 

恥ずかしいなぁ、オイ。

改めて入れ直してみる。

 

【ただいま、この妖怪はリニューアルを予定しております。リニューアル後、改めて友達契約をお願い致します】

 

「……………………ハァ?」

 

声がちいかわになった。

 

「あんのロボ野郎ー!」

 

「そうだよウィスパー!チックショォォ!」

 

ウィスパーが俺の心の声を代弁してくれるが、なんか血が垂れてる垂れてる!?

 

「ウィスパー、大丈夫……ではないよな!?」

 

「あ、なんか少しスッキリしたような……気持ちいいような……」

 

「ペッ。不味いわい」

 

「アーッ!?アタクシの頭ー!?」

 

オイオイ、ガチで食ってたよこの爺さん。

頭がスッキリしてしまったウィスパーが取れたクネクネが無慈悲に地面に吐き捨てられ絶望している間、俺は次なる手を打つことにした。

 

「出てこい、うんがい鏡!」

 

「呼ばれてきたぺろ〜ん」

 

無理矢理は最早不可能。

であれば搦め手で!

 

「うんがい鏡、食事できる場所に転移は可能か…?」

 

「あ……ひも爺さんは会社的にご利用を制限させて頂いているので……」

 

「はらぺこ峠はどうだ…!?」

 

「そ、そこならなんとか……」

 

頼む!とうんがい鏡に頼んで俺はひも爺に声をかける。

 

「ひも爺!うんがい鏡に貴方がたらふく食べれる場所に送って貰えるよう頼んだから、これ以上暴れないでくれ!」

 

「……分かったのぅ」

 

「ふぅ…」

 

こ、これでとりあえずは彼が暴れる事はなくなった。

 

「それでは、送りまぁす。ぺろ〜ん」

 

「さらばじゃ!」

 

「あははは……」

 

彼の食欲は本当に恐ろしい。

 

「ん?」

 

何かが地面に落ちている。

それに気付いた俺は拾い上げると、その正体に苦笑いする。

 

「妖怪メダル落としていってるぅ」

 

まあ、彼の力はこの先必要になるやもしれぬから、ありがたく貰っておこう。

……何度も呼ぶことがないことを願う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、手洗いを済ませたミカ達とひも爺を撃退した俺は時間通りに来たケマモト村行きのバスに乗り込み、疲れた足を癒やすためフカフカの椅子に座る。

 

「そういえばウィスパー。頭は大丈夫なのか?」

 

そういや、といった感じだが気になったので彼に聞いてみる。

 

「ああ、なんとか接着剤でくっつきましたよ!良かったでウィス……」

 

「えぇ……」

 

本当に妖怪はなんでもありやな……

でもウィスパー、地味にズレてきてるぞ。

しかし、そんな事を言う気力はもうないや。

ひも爺の頭突きが意外とキテるんだ。

 

「オレっちが寝てる間に何が起きてたニャン……?」

 

そういえばジバニャンの姿がくまモンと話している間に消えていたと思っていたら、バスが来ると唐突に現れてて驚いたなぁ。

結局、どこにいたのかと聞いたら駅の屋根の上で昼寝してたらしい。

 

猫だしそれは致し方ないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遂に来たぞ、ケマモト村ッ!!

 

「ここが……ケータの婆ちゃんのいる村かぁ…」

 

「大自然に囲まれてますねぇ」

 

「草の匂いにむせるニャン…」

 

「キリッとしてんじゃないよ。異能生存体になったら大変だぞ」

 

「いやケータきゅん。既にそこに足を踏み入れてる気がしますよ?ジバニャンは……」

 

「お前に言われたくないニャン」

 

「なんででウィス!?」

 

バスの中で漫才するのもなんか楽しいな。

まあ、端から見ればやべぇ奴にしか見えないけど!

 

「自分の胸に当てて聞いてみたら?」

 

「自分で考えろ、ソフトクリーム頭」

 

「し、辛辣ゥ…ウィス」

 

モモカとミカに辛辣な言葉で傷ついたウィスパーだが、まあすぐに復活するだろう。

そんなこんなでバス停に止まり、俺達はバスから降りる。

 

「ここが……ケマモト村…」

 

こうして実物で見て、俺は改めて思う。

 

「老後は……ここで生活するのも悪くないだろうなぁ…」

 

思わずそう言ってしまうくらい、ケマモト村は良い雰囲気な場所だった。

なんというか、本当に感覚的で上手い言い表せないけれども。

 

「んじゃあ、皆。婆ちゃん家に行こうか」

 

「うむ」

 

村の中を歩き始める俺達。

ミカはとにかく目に入るものに興味津々なようで、牛や豚がいる事に驚いていたりしていた。

 

「……ん?」

 

そして、妙にモモカの距離が近い。

ミカのお手洗いに付き合った時に衣装を変えていたのだろうモモカは、肩紐の薄い水色のワンピースを着ていて実に……可愛いい。

紐付きの麦わら帽子は首にかけているが、やはりというかちょっと暑そうで汗をかいている。

汗の流れる軌跡を思わず目で辿ってしまい、最終的にいつもは圧迫されている胸元に行く。

 

「……エッチ」

 

「おわあぁぁぁ!?ごめん!ごめん!」

 

女の子は男の視線に敏感とかよく聞くが、彼女の場合はそれに当て嵌まるのだろう。

いや、がっつりガン見してたのでむしろ丸分かりか。

謝る俺にモモカは手を出してくる。

 

「……んっ」

 

一瞬、何をしたいのか分からなかったがすぐに閃いた。

モモカの差し出された手を俺は握る。

 

「……」

 

ツンッ、と照れてるのかコチラを見ようとしないモモカに俺は苦笑いしつつ俺はちょっと興味本位でキザっぽく彼女に「可愛いよモモカ」と耳打ちしながら帽子を被せてあげる。

我ながら恥ずかしいが、ちょっとやってみたくなった。

後悔はしていない。

それに夏なので暑いし帽子があるなら被っておいた方が良いだろうという、俺の勝手な配慮もあるが。

 

「……!?!?」

 

ボンッ、とでも擬音が出そうな感じでモモカのお顔が真っ赤になった。

オーバーヒートしてるぅぅ!?

 

「あー!ズルい!アタシも手を繋いでー!」

 

「み、ミカ!ちょっと待て!モモカを冷まさないと!」

 

「アオハルですねぇ」

 

「ニャンねぇ…」

 

いや、そこの妖怪二人もちょっとモモカを冷ますの手伝えや!?

 

 

 

 

 

 

 

「若いって良いねぇ」

 

「女の子二人にモテてるなんて、やり手ねぇ」

 

「誠と違ってちゃんと責任取ってくれそうよねぇ…」

 

「婆さんや、ちょっとネットに浸かり過ぎじゃないかい?」

 

やっべ、そういえばこの村、ご老人が多いとはいえちゃんと人がいるんやった。

見られてるの恥ずかし過ぎるわ!

 

 

 

 

 

 

 





<うんがい鏡
進化先のうんがい三面鏡にお世話になった人は多いハズ、多分。
ひも爺をはらぺこ峠に送ったが、後日はらぺこ峠の一角が消滅した事でひも爺の恐ろしさを再確認した。
幸いにして、食べ物系の妖怪の被害者はゼロだったらしい。


<主人公
頭突きがクリーンヒットして気力が結構削がれた。
ちなみにロボニャンのメダルは怒りのあまり投げ捨ててしまったので、しばらくケマモト駅で放置される事になる。


<ひも爺
割と辛めな過去をお持ちな妖怪。
まあそれはそれとして、アニメ妖怪ウォッチでは度々ちびっ子達にトラウマを刻むような光景を登場する度に見せつけていたので最早お家芸。
大量のムダヅカイをあっという間に平らげる光景はそれは最早圧巻である。


<ミカ
ウィスパーの粘液に汚された可哀想な女の子。
とりあえず主人公の撫で撫でで機嫌とメンタルを直した。


<ウィスパー
しょっちゅう、口になんか入れてるしそこから取り出したりする。いや、たまにだったか?まあいいや()
どのみちウィスパーの気持ち悪さを倍加させるだけだったので、ノーコメントだ
皆さんは初代ウォッチと零式のチェンジの為にウィスパーの口に腕を突っ込む覚悟はあるだろうか……?


<くまモン
言わずもがな、熊本県のご当地キャラ。
そういえば最近、君の姿を殆ど見てないね……
ご当地キャラ全般に言えてしまうけど。


<ロボニャン
お察しってやつでさぁ。まあ、タイミングが悪かったてぇ事でロボニャンの兄貴。
ドンマイっす。


<モモカ
ちょっと温めれば…ボンッ!アハハ!(シーマ並感)
尚、本当にそうなるかは分からんのでとりあえず作者はお塩を舐めておきます。塩が足りんのです


<むせる
装甲騎兵ボトムズの主題歌【炎のさだめ】の歌詞に使われている言葉。
色々な意味でむせると使えるらしい。えっ?違う?
まあともかく、作者の脳裏にこびりついて離れない炎のさだめです。デデデンッデデデンッ


読了感謝!

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