そして客として観客達の間に入った天音が、
同じオタクの子と再開します。
もう分かってると思いますが、言わないでおきます。
それではどうぞ!
代わって、ロコムジカとルベルブルーメとの戦いから魔法少女展に戻ってきたマジアヴァイスは路地裏で変身を解き、トレスマジアのライブステージに再びやって来た。
既に席は指定席を除いてほぼ満席状態。
女性、男性、子供達も一緒にいる。
こうして見ると、まさにトレスマジアの人気がよく分かる。
時間もライブイベント開始一分前。
天音(よし、間に合った!)
ロコムジカ、ルベルブルーメとの戦いに付き合い、なんとか時間内にたどり着き、ようやく安心の天音。
そしてイベント開始まであと10秒前…
9……
8……
7……
6……
5……
4……
3……
2……
1……
「「「トレスマジア、イベントライブ…スタート!!!」」」
天音(来た!!)
イベントライブが始まり、待ってましたと言わんばかりのテンションを上げる天音。
3人の少女の声と共にライブステージの中央から大量のスモークが噴射され、その後スモークの中からマジアマゼンタ…マジアアズール…マジアサルファが上に飛びながら現れた。
一旦停止した後、それぞれ手に持ったステッキを専用の武器に変化させた。
マジアマゼンタは大型の槍…マゼンタランスを両手で回した後、右手に持ち替え横に払う。
そして左手で魔力の球を生成すると、それを右手に持ったランスで切り払い、光のシャワーとなって弾けた。
天音(おおー!これは予想外の演出!マゼンタ最高!)
マジアアズールは日本刀に近い形状の青い刀身の刀…アズールブレードを綺麗なフォームで振るい、その時に出る冷気でアピールしている。
天音(こっちもやる!冷気を操るアズールにピッタリだ)
マジアサルファはリボンが付いた装飾の手袋…サルファグローブを纏い、両手を左右に広げると左右から六芒星のバリアが現れ、それをサルファ自身の周囲に回転させ、両手を交差すると、2つのバリアはサルファの前でぶつかり、光になって弾けた。
天音(バリアを使った演出…サルファの得意分野だ!)
最後にそのままライブステージに降り立ち、それぞれの武器をステッキに戻して、決めポーズをした。
「「「魔法少女トレスマジア、ここに参上!!」」」
トレスマジアの名乗りと共に観客の皆は大喜びである。
因みにオープニングの登場シーンに関してはクリスタが考えたもの。
このイベントでは、いかにトレスマジアらしさを見せるかが重要だとクリスタは考え、
その1つ目が空を飛ぶことである。
2つ目は、魔力を使った演出でこれもトレスマジアらしさを表現している。
マゼンタ「みんなー!!今日は私達のライブステージに来てくれてありがとう!!」
アズール「私達の為にこんなにたくさんの人達が来てくれて嬉しいわ」
サルファ「見てるとなんだかウチらまで元気が出てきたさかい。ほんまにありがとな」
ステージに来てくれたたくさんの観客達に感謝するトレスマジアの3人。
マゼンタ「急なイベントでごめんね!実は今日、私達トレスマジアに新しい仲間が入ったんだ」
新しい仲間が入ったという発表に観客達は驚愕。
アズール「思った通りの反応ね。私達も驚いたもの」
サルファ「本来は男の子なんやけど、変身すると女の子になってまう体質の子やからな」
マゼンタ「初めての戦闘なのに凄く強かったの。私達もびっくりしたよ」
アズール「とても心強いわ」
サルファ「そやな」
マゼンタ「今回はみんなにその新しい仲間を紹介しようと思ってるの。どう?」
マゼンタの質問に観客達は見たーい!と、大声で返してきた。
女性客にとって男の子の仲間は大歓迎。
男性客も新メンバーが男の子なのにも関わらずイエスの返事で返してきた。
マゼンタ「ありがとう!それじゃあ紹介するね。私達トレスマジアの新メンバー!」
マゼンタが言った後、入り口のドアが開き、膝が隠れるほどの長めのズボンと水色のコートを着た、ゴムで結んだ白の長髪の少年が飛んでやって来た。
観客達の真上飛び回った後、桃色、青、黄色、白の4つのクリスタルビットを展開させてそれらを飛び回らせ、ビットから放たれる光の残像で幻想的な空間を再現させている。
その光景に観客達は釘付けし、少年はマゼンタ達のいるステージの中央に降り立った。
「初めまして、新人の魔法戦士…マジアクリスタです!」
クリスタの名乗りで観客達は大絶叫。
女性客はカワイイの強い絶叫を吐き、男性客はカッコ可愛いや女の子っぽいからよし!とか内容はなんであれ、しっかり印象をいい方向で与えていた。
クリスタは観客達に礼をして、マゼンタの隣に移動した。
天音(流石クリスタ!いいパフォーマンスで客のハートを掴んでる)
クリスタのパフォーマンスを褒める天音。
マゼンタ「このマジアクリスタが私達トレスマジアの4人目としてこれから一緒に戦ってくれるから、みんな、応援してあげてね!」
マゼンタのお願いに皆は右手を上げて了承の返事で返した。
マゼンタ「さて、クリスタに来ていただいたんだけど、今回はクリスタに関する質問等をしていこうと思うんだけど、いいかな?」
クリスタ「うん、構わないよ」
アズール「まずは私からね。私達は魔法少女を名乗ってるけど、なぜクリスタは魔法戦士なの?」
アズールがクリスタ自身が魔法戦士を名乗ってる事について質問してきた。
クリスタ「ほら、僕って外見は少女だけど、元は男だからね。だから差別化をはかって魔法戦士って事にしてるんだ。スカートじゃなくズボンとコートなのも男性らしさを強調してるしね」
天音「ほうほう」
天音も観客達もほうーっと納得の様子。
「そんなことありません!私は魔法少女の名が相応しいと思います!」
天音「!?」
突然批判の声が響いた。
みんなも驚き、声のした所を振り向くと、ロングスカートと長袖のシャツを着たふんわりした紫ヘヤーの少女がいた。
天音「う、うてなちゃん?」
先程の声は柊うてなであった。
うてな「…………は!?す、すいません!つい口走ってしまい…!」
我に返ったうてなは赤面して謝った。
クリスタ「ま…まあ人によっては賛否が分かれるからしょうがないかもしれないけど、出来れば僕の事は魔法戦士として見て欲しい」
クリスタのこだわりがあることをアズールは納得した。
サルファ「次はウチな。クリスタの武器にマゼンタストライカーちゅうのあるやろ?マゼンタに憧れてるのと得意な武器なのはわかっとったが、他の武器にする選択肢もあった筈やし…」
サルファの質問はクリスタの武器についての内容だった。
クリスタ「確かにね。剣や拳、弓の選択肢もあった。その中で槍を選んだ理由は、攻撃以外の使い方と僕のもう一つの武器との相性だね」
マゼンタ「相性?」
クリスタ「一応僕も飛べるけど、マゼンタストライカーの本領は地上戦で発揮する」
そう言うとクリスタはマゼンタストライカーを右手に持ち、ブレイクダンスのような動きで武器をふるい、最後に柄のとこを地面に強く当てて、その反動で高く跳んだ。
その姿に観客達は驚き、トレスマジアの3人も見とれていた。
そして着地して、マゼンタストライカーを消した。
クリスタ「地上戦ならこういう使い方も出来るし、戦い方にも組み込めるからね」
クリスタの槍を使ったパフォーマンスと解説に納得し、拍手する観客達とトレスマジア。
一方うてなは…
うてな(トレスマジアに劣らぬ動き…カッコかわいい…!地上戦を得意とするなら建物内での戦闘はクリスタの得意なフィールドになる…空中戦に持ち越すのが重要になるか…)
天音「やあうてなちゃん」
うてな「うわ!?って、え?」
声をかけてきた天音に驚くうてな。
うてな「え、天音ちゃん?」
天音「うてなちゃんもやはり このイベントに来たね」
うてな「当然だよ。告知が出た瞬間から予約チケットを真っ先に買ったからね」
天音「流石、抜かりないね」
実はうてな、魔法少女展を襲撃する直前にネットでチケットを買っており、戦いの後1人でイベントを堪能するためにここに来たのだ。
天音「うてなちゃんは新しいメンバーのマジアクリスタについてどう思う?」
うてな「うーん、女の子ならいいけど、男の子だからね。変身して女の子になってなかったら流石に無いかな…」
天音「魔法戦士だからしょうがないよ」
うてな「何言ってるの天音ちゃん、マジアクリスタは魔法少女でしょ?」
天音「あの子がそう名乗ってるんだし、魔法戦士でいいんじゃない?」
うてな「女の子になってるんだから魔法少女だよ!」
天音「中身は男の子だよ?」
うてな「関係ない!魔法少女以外異論は無い!」
クリスタ「ごめんなさい、静かにしてもらえますか?」
騒がしかったのか、クリスタに注意された。
うてな「ご、ごめんなさい…」
天音「ごめんなさい」
二人は頭を下げて謝った。
マゼンタ「それじゃあ次は観客のみんなにも質問してみようか?質問したい人は手を上げて!」
マゼンタがそう告げると、観客達は一斉に手を上げた。
マゼンタ「うーんと…じゃあ君から!」
マゼンタは1人の男性を指名した。
「はい、クリスタに質問ですが、女の子の体になってどんな…!?」
天音「君、トレスマジアにそんな質問許されると思っているのか?」
質問する男性の後ろから物凄い圧を放つ天音が近付いた。
「な、なんだ君は!?」
天音「トレスマジアファンクラブの鉄則第一条を言ってみろ」
「え、と、トレスマジアに体関係の事は御法度…は!」
男性が重要なことに気付いたころにはもう遅く、トレスマジアLOVEの鉢巻きを着けた若き男性がやって来た。
「よくも我らの鉄則を破ったな…」
「り、リーダー!?」
「ちょっとこっちへ来い」
と、リーダーと呼ばれた男性は隊員らしき男性を連れていき、扉は閉まり、静かになった。
うてなは震えながら怯えていた。
天音「あ、気にしないでください。次進んでください」
アズール「いや、さっきの…」
天音「次進んでください」
サルファ「だからさっきの…」
天音「つ ぎ す す ん で く だ さ い」
サルファ「お…おう、じゃあ次に進もうか」
天音の強烈な圧に負け、質問コーナーを再開した。
これにはうてなも引いていた。
マゼンタ「じゃあそこの銀髪の子」
なんとマゼンタは天音を指名してきた。
天音「私?」
サルファ「さっきの男性よりはいい質問できそうやしな」
アズール「そうね」
天音ならまともな質問出来ると思い、マゼンタの指名を尊重した。
天音「うーん…少し難しい質問になりますけどいいですか?」
クリスタ「いいよ。話してみて」
クリスタから難しい質問でも良いと返事を受け、天音はその質問を告げた。
天音「貴方は今、最悪の敵をあと一歩の所まで追い詰めました。しかし今にも崩れそうな崖の上には動けない仲間達がいます。このまま最悪の敵を倒せば仲間達のいる崖は崩れて助からなくなります。逆に仲間達を助ければ最悪の敵は逃げられてしまいます。貴方ならどっちを選びます?」
マゼンタ「!?」
アズール「!?」
サルファ「な!?」
天音の真剣な質問に観客達、トレスマジアは驚きのあまり言葉を失う。
アズール「あの、そういう…」
アズールが注意するも、クリスタが止めた。
そう。
これは天音が気になる重要なことである。
過去の事故により家族の1人を失い、正義を嫌うようになった彼女は、トレスマジアの1人となったマジアクリスタがどんな気持ちで正義の味方を活動するのか知りたいらしい。
その気持ちに応えないといけない。
クリスタは天音の質問を受け取り、答えを返してきた。
クリスタ「仲間を先に助けるよ」
天音「本当にそれでいいの?」
続けて問いかける天音。
クリスタ「大切な仲間を助けるのは当然だよ」
天音「そのせいで最悪の敵を逃すとしても?」
まだまだ問う天音。
クリスタ「大事なのは相手を倒す事じゃなく大切なものを守ることだから」
天音「次に来るときは勝てないかもしれなくても?」
更に問う天音。
クリスタ「大切なものを犠牲にしてまでの事じゃないよ」
天音「例えそう思わない人達から被害を受けても?」
問いを続ける天音。
クリスタ「大切な仲間を失った方が最も辛いし、何より犠牲を出さないと倒せない未来なら、僕は選ばない」
答えは出てるけど、それでも問いを辞めない天音。
天音「自身が思ってるほど世の中は思い通りにいくとは限らないよ」
サルファ「おい、そろそろいい加減に…」
これ以上はやり過ぎなのかと、頭にきたサルファが止めに入るが…
これもクリスタに止められた。
そしてクリスタは最後の答えを言う。
クリスタ「それでも僕は、自分の信じたものを通してみせる。誰が何を言おうとも、この気持ちを捨てるつもりはない。意地でも押し通す。これが僕の正義です」
クリスタの仲間を思う気持ち…
相手を倒す事よりも誰かを助ける思い…
そして揺らぐことのない決意。
これこそが、天音が理想する正義の味方の姿だろう。
それに感動したのか、観客達は一斉に拍手した。
大好きだよー!や、最高だー!!とかの、言葉も聞こえた。
天音は納得し、笑顔になる。
天音「………難しい質問に答えてくれてありがとうございます。私も、貴方のファンになりたいと思いました」
クリスタ「あ、納得してくれてよかったです」
礼をする天音にクリスタも礼をする。
その姿にトレスマジアの3人も納得し、拍手する。
マゼンタ「まとまった所で、相談コーナーはこのくらいにして、そろそろ歌に入ろうか?」
アズール「そうね。みんなも楽しみにしてると思うし」
サルファ「みんな、ようく聞いてな」
ここからはトレスマジアの歌の回。
クリスタは邪魔にならないようステージの端っこまで離れた。
マゼンタ「それでは聞いてください!my dream girl!」
マゼンタの言葉と共に照明が消えて、トレスマジアの歌が始まった。
と、この後歌からゲームコーナー等と進み、この日のイベントライブは終了した。
ライブが終わり、観客達は満足な表情で出ていく。
天音とうてなは今回限定のグッズを買い終えていた。
天音「いやー満足満足!」
うてな「天音ちゃんがあんな質問した時は驚いたよ」
天音「新人の子がトレスマジア達と同じように出来るか気になったからね」
うてな「当たり前でしょ!トレスマジアは正義のために戦ってるんだよ」
天音「その正義を私は確かめたかったの」
うてな「天音ちゃん……」
うてなは天音の言ってる事が理解できなかった。
同じくトレスマジアのファンなのにどうしてあんな質問をしたのか…
天音「そろそろ私いかなきゃ。うてなちゃん、また次のイベントでね」
うてな「う、うん」
天音はうてなと別れ、魔法少女展から出た。
トレスマジアの方には今週分の食材を買いにデパートへ行くとメッセージを送り、一足先に自宅へと帰っていった。
と、実は後ろから黒い制服を着た男性達が天音に近付いてきてるのを、本人は気付いていなかった……
筈がなかった。
男性達が近付いてきてるのを気付いてる天音は、事前に作っておいた煙玉を使い、たちこもる煙で男性達の視界を遮らせた。
「な、何!?」
「気付かれた!?」
「くそっ!」
男性の1人が前へと走り、煙の先を突っ切るが、そこに天音の姿は無かった。
「くっ、逃げられた…!」
「手分けして探すぞ!まだ遠くに行ってない筈だ!」
と、男性達は散開して天音を探した。
前の感想で、主人公の天音はうてなと対なす光のオタクと出ていたので、今回うてなと接触させました。
そして最後に天音に目を付けた謎の男性達…
次の話はバトル回の予定です。
もしよかったら評価や感想も出来たらお願いします。
それでは!