デート回や薫子の喋り方は難しく、完成まで手間取りました。
待っててくれたユーザーの皆さん、お待たせしました。
後、今回のマシンビースト戦のイメージBGMはFF7Rよりダストドーザーです。
それではどうぞ!
水神小夜のデートから一晩…
「ウチもやらなきゃアカンのか……」
金髪のロングの少女、天川薫子は白のワンピースに黄色にちなんだ上着を着て、待ち合わせ場所に向かっている。
「はるかや小夜もやった以上、ウチがデートをやらん訳にはいかんわな…」
今日は薫子がかなたとデートする日である。
ライフイーターが送り出したマシンビーストに対抗するために、トレスマジアの3人はかなたからの魔力調整を受けなければならない。
しかしすぐに出来るわけではなく、魔力調整を行うには条件がある。
一つ目は、対象が魔力を持つ女性であること。
二つ目はかなたとの絆を深める事。
これらの条件が揃った状態で、キスを行うと魔力調整が発動し、対象の魔力は対マシンビースト用に最適化される。
マジアマゼンタこと花菱はるかは幼なじみだけあって、最初から2つの条件をクリアしており、魔力調整もすぐに出来た。
マジアアズールこと水神小夜は、かなたが彼女の変態な部分を拒否することなく受け止め、絆を深めた。
そして残るはマジアサルファこと天川薫子の1人。
ゴーマから、マシンビーストと戦う以上、魔力調整を行わないとマシンビーストを相手に出来ないと言われ、薫子はかなたとのデートを断るわけにいかなかった。
しかし…彼女は気が強く喧嘩っ早く、負けず嫌いな性格で、ボーイフレンドが守ろうとするようなキャラとは言い難い。
しかも彼女は恋愛に疎い。
男性相手にどう接するかも知らないのだ。
しかしそれはデート相手であるかなたがフォローしてくれる。
小夜とのデートを覗いてた時に、かなたがどういう人間なのかはある程度分かっているが、それでも緊張はする。
そして魔力調整には、キスが必要不可欠。
その行為に疑問と恥じらいを感じてしまう薫子。
しかし、かなたという少年は小夜とのデートでいい人な事を認識している。
それでも、デートとキスに抵抗を持ってしまうのは乙女がゆえに仕方が無いのだ。
腹をくぐるしかない。
その気持ちに薫子にはなったのだ。
と、考えてるうちに薫子は待ち合わせ場所の大型ドーム前に着く。
目の前には、既に到着してるかなたの姿があった。
今回のかなたの服装は昨日の服装からパーカーに取り換えた格好となっている。
かなた「早いね天川さん」
薫子「いやかなたはん、いつからここで待っておったん?」
かなた「30分位かな?」
薫子「早くないんか?」
かなた「相手を待たせるわけにはいかないよ」
相手をなるべく待たせたくないのは、かなたの気遣いによるものなのかもしれない。
薫子「まあ、そりゃそうやけど…」
かなた「まだ試合まで時間があるし、売店で何か食べようか?」
薫子「そうやな。今日は学校午前中やったし」
今回2人がドーム場をデートに選んだのはボクシングの試合を見るためである。
薫子が負けず嫌いな性格なのを事前に知り、この場を選んだのだ。
という流れで、2人はドームの中へ入っていった。
そして、後ろから変装したはるかと小夜、ゴーマが後からドーム前に到着する。
はるか「出だしは普通だね」
小夜「でも大丈夫かしら…おとなしめのかなた君と気の強い薫子…相性いいとは言いがたいのよね」
ゴーマ「恋愛に相性なんか飾りだ。お互いがわかり合えれば万事解決なんだよ」
小夜「そんな無茶苦茶な…」
はるか「私達も向かおう?」
ゴーマ「いや、流石にこのままだと薫子に怪しまれる。だから俺だけで向かう。俺の映像をスマホに映しておくから設定してくれ」
と、はるかは自身のスマホを操作して、ゴーマの見てる映像をリアルタイムで見れるようにした。
はるか「繋げておいたよ」
ゴーマ「よし。じゃあ行ってくるな」
ゴーマは単独でかなたと薫子の元へ向かった。
因みにゴーマの姿は他の人から見えないよう不可視のバリアが張られているため問題なし。
代わって、ドームのフードコーナーにやって来たかなたと薫子が最初に訪れたのはたこ焼き屋である。
かなたは薫子に関する情報をはるかから事前に聞いており、大体は熟知している。
薫子はたこそのものが苦手でたこ焼きは嫌いじゃない。
ならたこ抜きにすれば済むことである。
かなたはたこ焼き屋に向かい、店員に話しかける。
店員は頭にねじりハチマキを付けた中年男性である。
かなた「すみません。たこ焼き二パックお願いします。片方たこ抜きに出来ますか?」
店員「はあ?たこ抜きとか正気か?たこの入ってないたこ焼きを食べる奴がいるんか?とんだ笑いもんだな」
店員の言葉で遠くにいる薫子がムッとした。
かなた「笑いものって…」
薫子「かなたはん、他当たろうか」
かなた「え、天川さん!?」
薫子はかなたの腕を掴んでその場を離れた。
薫子「あんな頭の硬いもんの店でわざわざ買う必要ないやろ?」
かなた「天川さん…」
薫子「ペコペコすんなと言うてんのや。かなたはんは優しすぎる。そないな調子やとはるかみたいに誰かに騙されるで」
かなた「ははは…気を付けるよ。ありがとう天川さん」
薫子「薫子でええわ。こっちもかなたって呼ばせてもらうさかい」
かなた「分かったよ薫子。ならそっちのファーストフード店でいい?」
薫子「ええよ。そっちの方食べたいと思ってた所や」
かなた「決まりだね。それなら席を取っておいてくれる?僕がおごるから」
薫子「そこまでせんてもいいのに、でもおおきにな」
多少のトラブルはあったが、2人の中は良好である。
ゴーマ(かなたも対応がうまいなぁ)
離れたところでゴーマは2人の中が良いことに安心している。
そしてゴーマの映像を見たはるかと小夜は…
はるか「薫子ちゃんひどーい、私そこまでおっちょこちょいじゃないのに…そうだよね小夜ちゃん?」
小夜「え!?えっと…そういえばはるか、マジアヴァイスについてなんだけど…」
はるか「マジアヴァイス?」
はるかの質問に困る小夜だが、話題を変えて話をそらす。
小夜「あの子の正体はかなた君の双子の姉で昔の友達だったよね?」
はるか「うん。環天音ちゃんだね」
小夜「その天音って子について、もうちょっと聞きたいんだけど…いい?」
はるか「そうだね。いずれは小夜ちゃんや薫子ちゃんに知っておきたいから」
はるかはマジアヴァイスこと環天音について話した。
はるか「天音ちゃんは小学生時代からかなた君と一緒にいた幼なじみで、いつも3人で遊んでたんだ。趣味はプラモデルを作ることで、その出来はプロも顔負けするほど絶賛だったんだ」
小夜「プラモデル…普通の女の子がする趣味じゃ無いような…」
はるか「あと、カラオケではちょっと変わった歌を選曲したり…お弁当はいつも納豆尽くしで、結構変だったり…」
「キノコ類のフルコースみたいな弁当を用意している君に言われたくないんだけど?」
突然後ろからはるかの肩をつかんだ誰かが現れ、はるかに圧のかかった言葉で威圧してきた。
はるか「きゃっ!!?」
小夜「あ、貴女は…!」
はるかは振り向き、小夜は驚いた。
そこにいたのは、白い上着を着た銀髪のボフカットの少女…環天音だった。
本人は少し膨れていた。
代わってかなた&薫子は、ドーム内の観客席に座っていた。
中央にはプロレスなどで見られるリング。
そしてそこにはレフュリーと2人のプロボクサーが戦っていた。
「さあ解説の簿野祐作さん、2人の実力について詳しくお願いします」
「はい。まず島大介はスピードを活かした戦法を得意とし、これまでのパワータイプの選手を沈めてきました。注目すべきはガードが間に合わない程の素早いパンチを止まることなく繰り出す攻撃。対する新井健二もパワータイプですが、彼の繰り出すパンチは一撃で相手を気絶させる程の威力を持つ強敵です。全ての試合では1度も判定勝ちが無かったという功績を残しております。両者のスペックは互角で、そこまで差は広まってません」
両者の戦いを見ながら解説を聞くかなたと薫子。
薫子(…………な…何やろ…あの選手の名前聞いてるとなんか…動物アニメのあの2人が頭に浮かぶんやけど…気のせいよな…?)
気にしてないかなたの隣で、妙な違和感を感じ取った薫子だった。
代わってはるかと小夜は、天音と食事を取っていた。
はるかはしめじやえのきが入ったキノコそばで、天音は納豆が沢山入ったかけうどん。
そして小夜はきつねうどんで食べていた。
はるか「天音ちゃん、納豆だけじゃ物足りなくない?しめじとえのきをあげるよ?」
天音「マナーとして良くないから…それに納豆をバカにしないで。この際はるかちゃんも食べてみたら良いよ。私がおごるから」
はるか「ううん、遠慮しとく…」
小夜(…どっちもどっちね……)
キノコ好きのはるかと、納豆好きの天音。
ある意味似たもの同士だなと、小夜は心の中でそう呟いた。
小夜「えっと…天音さん、でいいのかな?」
天音「天音でいいよ。こっちも小夜ちゃんって呼んでもいい?」
小夜「構わないわ。改めて、マジアアズールの水神小夜よ。よろしくね天音」
天音「こちらこそ」
小夜とが天音に自己紹介し、お互い握手した。
はるか「こうして天音ちゃんとまた会えるなんて嬉しいよ」
天音「電話での連絡以来、1度も会ってなかったしね」
小夜「去年から引っ越してきたんだよね?電話で相談しなかったの?一緒の中学に入れば良かったのに…」
天音「いやあ、実は携帯の契約を切っちゃってて、再契約は半年後に気に入った携帯を買ってからだったからね。その後はトレスマジアのグッズ集めに集中してて忘れてたの」
小夜「忘れてたって…」
苦笑いではるかとの連絡を忘れてた事を言う天音。
はるかはここで次の質問を天音に聞く。
はるか「それで天音ちゃん、魔法少女…じゃなくて、ハンターになったのはいつから?」
天音「5日前だよ。ライフイーターとの戦いもそこからね」
小夜「5日前って…それであの動き!?」
天音「トレスマジア関連の戦闘や、ゲームなどの動画を参考に真似してやってみたんだけどね」
小夜「普通は無理でしょ!?」
はるか「天音ちゃん、運動神経がいいから」
小夜「そういう問題!?」
今回ツッコミ約の薫子がいないのか、代わりにツッコミをする小夜。
賑やかになったところで、はるかは少し真剣に本題に入った。
はるか「……ねぇ、天音ちゃんは本当に私達と一緒に戦わないの?」
はるかは再び天音を仲間として迎え入れようと誘うが…
天音「………ごめんね。私はまだ、全ての正義を信じる事が出来ないの」
小夜「貴女は最初に出会ったときに、正義が信じられないって言ったよね?何が原因なの?」
3日前…天音ことマジアヴァイスは、トレスマジアの面々に正義が信じられないと言っており、最初の仲は険悪だそうであった。
小夜の質問に天音は答えた。
天音「月読(つくよ)お姉ちゃんが、正義と悪の戦いに巻き込まれて消息不明になった……」
2人「!!?」
その答えにはるかと小夜は驚愕した。
小夜「消息不明って…どういう事?」
天音「2年前に引っ越した町での出来事で私は月読お姉ちゃんと一緒にロープウェイで移動してた頃に魔物が現れた。その魔物を追ってきた2人の魔法少女と戦闘を行っていた際に、流れ弾が私達が乗ったゴンドラを破壊して、私達は真下に落ちていった」
はるか「え!?」
天音「気が付いた私は、落ち葉がクッションになったおかげで軽傷で済んだけど、お姉ちゃんの姿はそこには無かった。あとから駆けつけた2人の魔法少女が私を助けに来たけど、私はこの時点で正義が信じられなくなって、彼女達の助けを拒み、1人で町に帰った」
小夜「………」
天音「その後、私は彼女達がプリマ・ツインズと呼ばれる魔法少女チームだったことを後からネットで知った」
2人「!!?」
天音がプリマ・ツインズの名前を口にした事にはるかと小夜は驚いた。
天音「その様子だと、2人は会ってるみたいだね。恵まれた形で…私は恵まれなかった…同時に正義に対する不信感を持ってしまった」
はるか「で、でも、プリマ・ツインズは天音ちゃんを助けに…」
天音「それは分かっている。彼女達が本気で私達を助けようとしたことも…けど当時の私はそれを受け止めるには弱すぎた。どうしてお姉ちゃんを助けてくれなかったのって、私は一時的にプリマ・ツインズを恨んでしまった」
はるか「……」
衝撃の事実に言葉を失うはるかと小夜。
天音「それから1年過ぎ、私はサイトで今話題の魔法少女の動画に関する情報を知った。あの時の2人なのかと思い、私はその動画を目にした」
小夜「それがマジアマゼンタが活躍する動画だったのね」
天音「うん。特に彼女は相手を倒すことよりも人達を助けることを優先して戦ってた」
はるか「当然だよ。困ってる人を助けるのが魔法少女なんだから」
天音「そういう意志を持った魔法少女だからこそ、私はマジアマゼンタの正義に憧れて、彼女の事をもっと知ろうとマジアマゼンタに関する情報を集め始めた。次第に彼女の活動場所がここだと知った私は、再びこの街に戻ってきたの」
はるか「なんか照れちゃうな…」
天音がマジアマゼンタの事を褒めて、はるかは照れてしまう。
天音「あ、憧れたのはマジアマゼンタであってはるかちゃんじゃないから」
はるか「ひどい!?」
ががーんとショックを受けたはるか。
天音「ふふっ…冗談。正直はるかちゃんが1人でここまで頑張ってたのはすごいと思ったよ。どんな状況でも助ける人達を見捨てない。まさしく私の理想の正義のヒロインだよ」
はるか「あ、天音ちゃん!?」
天音の本音を聞き、赤面するはるか。
小夜「ねえ、マジアアズールは?」
羨ましかったのか、小夜がマジアアズールに関する感想を聞いてきた。
天音「え…う…うん、良かったよ?」
小夜「何で疑問形!?」
天音「いや~……最近はよく捕まるし」
小夜「うっ!?」
マジアベーゼが現れてからのアズールはというと、よく捕まるというイメージが定着してしまった天音の印象に小夜は心にものが刺さるような精神的ダメージを受けた。
天音「でもトレスマジアのやって来た事は否定してないよ。トレスマジア関連の動画を見て、間違った事はしていないし」
はるか「それなら、私達の仲間になっても…」
天音「それは無理。私が活動してるのはマシンビーストの討伐だけでなく、情報集めも行ってるの。主に生き残った魔法少女と悪の組織にいた人からね」
はるか「生き残った魔法少女と悪の組織にいた人?」
天音「私はその人達からライフイーターに関する情報を聞き入れにたまに行ってるの。三爪の1人…イーグリッドに関する情報もね。これは正義にも悪にも所属せず、ハンターである私しか出来ないことなの。その為には1人の方が効率がいいからね」
天音はこれまでマシンビーストによる被害を受けた者…または目撃者からライフイーターに関する情報収集を独自に行っていた。
マジアヴァイスとしての戦闘能力も極めて高く、マシンビーストと1対1で挑むならなんとか倒せる。
はるか「じゃあ私達とは一緒に戦えないの?」
天音「例外を除けば基本、エノルミータとは戦わないけど、ライフイーターと戦う際には一緒に戦ってほしい。いいかな?」
はるか「勿論だよ!改めてよろしくね天音ちゃん!」
と、はるかは笑顔で天音の手を握る。
小夜「ライフイーターは私達にとっても倒すべき相手…貴女がいると心強いわ」
ライフイーターとの戦闘では一緒に戦うことを天音は約束した。
と、ここで天音はある事に気付いた。
天音「…ところでさ、トレスマジアならあと1人いるはずだけど…」
はるか「薫子ちゃんの事?」
天音「今日は一緒じゃないの?」
小夜「薫子は今日…」
「「おいはるか、聞こえるか?」」
突如スマホからゴーマからのメッセージが来た。
はるか「どうしたのゴーマ君?」
天音「ゴーマ?」
ゴーマ「大変な事になってたぞ。かなたが不良達に殴られた」
突然の事態に驚愕する3人。
はるか「かなた君が!?」
天音「君がゴーマだよね?かなたは今どこにいるの?」
ゴーマ「その声は昨日戦ったハンターか?かなたは事務室のベッドで安静にしているぞ」
小夜「急いで向かうわよ!」
ゴーマ「やめておけ。今薫子達は今いいところなんだよ。二人きりにしとけよな」
小夜「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
ゴーマ「落ち着けって。俺の言った意味分かってるか?今から映像見せるからよく見ろ」
と、ゴーマは映像を切り替えた。
それは、椅子に座ったかなたを心配する薫子の2人の姿だった。
薫子「なんで手をださなかったんや!ここまで殴られて…」
不良達にぶつかってしまった薫子は絡まれ、その詫びとして一緒に付き合うよう申してきたが、かなたは薫子を庇い、それを否定。
すると腹を立てた不良達はかなたを殴ってきたのだ。
それを許せない薫子は手を出そうとしたが、かなたは止めた。
その後何度も殴られてかなたは倒れた。
周りにいるの一般達の前で…
しかし忍耐が好を成したのか、ガードマンが駆けつけ、不良達は連行されたのだった。
かなたの方は、1度も手を出していないおかげで、今事務所で手当てを済ませていた。
大事にならなかった事にかなたは安心しているが、薫子は納得がいかなかった。
かなた「手を出すことは出来た。けどそれで大事になったら周りの人に迷惑をかける上に僕も連行されるところだった」
薫子「なんやそれ…ビビってんかい?」
かなた「連行されたら、薫子と離ればなれになるでしょ?」
薫子「な!?」
天然の口説きに薫子は顔を真っ赤にした。
薫子「あ…アホな事抜かすんやない!」
筈かしながらもかなたの背中を手で叩く薫子。
かなた「あいた!?」
薫子「あ、スマン!」
かなた「大丈夫…かすり傷だよ」
薫子「どこがかすり傷や、バカや…アンタは…」
かなた「誰かを救えれるなら、バカでもいいよ」
薫子「……っ」
トラブルがあったが、2人の仲は良くなったようである。
その様子を映像で見ていた天音を加えた3人は………
はるか「ホントにいい雰囲気だね」
小夜「確かに邪魔しちゃマズいわね」
ゴーマ「そういう事だ」
天音「ねえ…あの子が3人目?」
はるか「うん。天川薫子ちゃんと言って、トレスマジアの3人目なんだ」
天音「見た感じ、おしとやかに見えるね」
小夜「普段はね…」
天音「ところで気になったんだけど…」
天音「なんでかなたが別の女の子とデートしてるの?」
はるか「え″!!?」
小夜「え″!!?」
天音からとてつもない威圧感と共に何故かなたが薫子と付き合ってるのか聞いてきた。
天音「一体どういうことなのか説明してくれる?」
はるか「こっ、こ、これは…」
小夜「ええっと……」
どう返答したらいいか困惑してる2人。
しかし突然、周囲の空気が変わったのか、食堂にいた人達が突如いなくなったのだ。
はるか「!?」
小夜「これは…!」
天音「不可視の結界…ライフイーターの仕業みたいだけど、時間はまだ5時にもなってないのに…」
携帯の時刻はまだ四時前になっている。
はるか「小夜ちゃん、天音ちゃん!」
小夜「ええ!」
天音「やるべき事は1つ、だね!」
はるか、小夜、天音はそれぞれトランスアイテムを取り出して………
「「「トランスマジア!」」」
変身の言葉と共に3人は魔法少女へと姿を変えた。
はるかは桃色の魔法少女マジアマゼンタに…
小夜は水色の魔法少女マジアアズールに…
そして天音は白き魔法少女マジアヴァイスとなった。
マゼンタ「…あれ?ヴァイス」
ヴァイス「何?」
マゼンタ「ブーツ…変わってる?」
アズール「え?」
マゼンタがヴァイスのロングブーツの変化に気付き、聞いてきた。
なんとヴァイスのブーツはメカメカしい模様に変わっていたのだ。
ヴァイス「ああこれ?機動力向上の為にレッカっていう機械妖精にカスタマイズして貰ったの。ハンターの戦闘服は基本性能は低いけど拡張性に優れてるからね」
アズール「レッカって、ゴーマの兄の…」
ヴァイス「そういう事。話すと長くなりそうだし、今はかなた達の元へ行かないと、私は先に行ってくるね!」
と言い残し、ヴァイスは早い低飛行で一足先に向かっていった。
マゼンタ「は、早い!?」
アズール「私達も急ぐわよ!」
マゼンタ「そうだね。急ごう!」
マゼンタとアズールはそれぞれ武器を呼び出し、ヴァイスの後を追うように先へ進んだ。
一方薫子とかなたも周りの異変に気付いた。
薫子「この感じは…」
かなた「ライフイーター…!」
薫子「トランスマジア!」
薫子はトランスアイテムを使ってマジアサルファに変身した。
かなた「かお…サルファ、今の君じゃ…」
サルファ「わかっとる。ウチだってバカじゃないんや。後…」
サルファがかなたの近くまでより…………
そのままかなたとキスをした。
かなた(!?)
サルファの突然の行動に驚くも、かなたは拒否することなく唇を付けたまま20秒ほど続き、唇を離した。
サルファ自身は頬を赤らめ、少し困惑してるものの、落ち着きを取り戻す。
サルファ「……先ほど助けてくれたお礼や」
かなた「え?」
サルファ「あのチンピラ、ウチなら軽くぶっ飛ばせていたけど、お前はそんなウチを庇って手を出すことなくチンピラ達に殴られまくっていた。ウチよりも弱いくせにどうしてと思った…けどお前は引き下がらなかった。ウチを置いていかなかった。お前は力が強いんやない…心が強いんや。逃げることなく目の前に立ち向かうお前のその姿に…ウチは惚れたのかもしれへん」
かなた「サルファ……」
元々マジアサルファこと天川薫子は負けず嫌いな性格で、舐められぱなしでは気が済まない子であった。
魔法少女になる前、魔物に襲われた時には返り討ちにしたという引くレベルの光景をマゼンタとアズールは体験した。
今回彼女が見たのは、相手を倒すのではなく、相手に何度も殴られても最後まで逃げなかったかなたの姿。
その姿に薫子は惚れたのだ。
はるかもそういう部分は似てるが、かなたはそれ以上である。
こういう人間を、彼女はこう呼ぶだろう…
かなたはお姫様を助けるナイトだと。
サルファ「はるか…マゼンタは幸せ者や。こんなナイトと一緒にいたんやから」
かなた「ナイトって、僕はそんな…」
サルファ「もう少し自分に自信を持った方がええで。さっさとマシンビーストを倒さねばあかんしな」
かなた「そ、そうだね」
サルファ「後それと…かなた、ここからはウチが守ってあげるさかい。立ち塞がる敵は…」
そう言ってサルファは専用のステッキを掲げると、2つの光へとなり、サルファの両腕を包み、魔法少女っぽいイメージのリボン付きのハート型の飾りが付いた白い手袋へと変わった。
サルファ「このサルファグローブで蹴散らす!」
余裕の笑みを浮かべ、かなたに新しい武器を見せるサルファ。
かなたにとっては頼もしいだろう。
サルファ「いくで!」
かなた「うん!」
サルファとかなたは部屋を出た。
出た先の廊下では、沢山の小型マシンビーストが徘徊していた。
それぞれウサギ型、テントウムシ型、前に遭遇した小蜘蛛型をサルファ達は確認した。
サルファ「早速湧き出てきよったな」
かなた「大型のマシンビーストがこのドーム内に侵入出来る場所といったら多分地下倉庫からだと思う」
サルファ「ウチも同じ事を考えていたわ」
かなた「ならやるべき事は1つ」
サルファ「このまま正面突破して、ボスをぶっ潰す」
かなた「決まりだね!」
サルファ「……大人しい感じの子かと思ったけどそこは乗るんやな…」
かなた「勢いが来たら勢いに乗る…環家の教訓だよ」
サルファ「まあええわ。ウチの後ろに付いてきてな」
かなた「うん」
サルファは走り出し、目の前に立ち塞がるウサギ型のマシンビーストをサルファグローブをまとった右手で殴る。
すると、受けたマシンビーストが電気を浴び、打ち飛ばされたのだ。
サルファ「電気!?」
よく見ると、サルファグローブに電気が宿っていた。
かなた「そのグローブ…雷を纏わせているの!?」
サルファ「前に使ってたサルファナックルの低コスト版かと思ったやけど、上位互換やないか。可愛い外見なのに凄い威力を出してるのがよく分かる」
巨大な腕を作り出すサルファナックルは魔力の燃費が悪い分、高い攻撃力を持っているのに対し、魔力調整で使えるようになった少し大きめの手袋のサルファグローブは低コストで高い攻撃力を持つ他、雷の力まで備わっていた。
しかし驚くのはこれだけでは無かった。
驚くサルファの左右の通路からテントウムシ型のマシンビーストが襲ってきた。
かなた「サルファ!」
サルファ「不意打ちは無駄やで。サルファプロテクション!」
左右からの奇襲に対しサルファは左右の敵にそれぞれの手を向けて魔法陣型の壁を作り、テントウムシ型のマシンビーストの突進を容易く受け止めた。
そして…
サルファ「まだや、サルファバスター!!」
サルファのかけ声と共に魔法陣を2体のテントウムシ型マシンビーストごと発射し、2体を撃ち飛ばした。
サルファ「おおお…」
かなた「バリアを飛び道具として使うなんて、流石サルファだ」
サルファ「ほんま、驚きの連続やな…このグローブ…攻防一体の武器やな」
攻撃特化のサルファだが、サルファナックルはその外見から子供を怖がらせてしまうためギャラリーがいる時は使わないようにしている。
その為攻撃はマゼンタとアズールの2人に任せ、彼女は支援として防御系のサルファシールドで相手からの攻撃を防いでいる。
問題なのはサルファナックルを展開してる時はサルファシールドが使えない事である。
仮に使えたとしても、同時に使ってたら魔力がガス欠になる為相性が悪い。
しかしサルファグローブはノーコストでサルファナックル並の威力を出せる上に防御と飛び道具もこなせる万能型の武器。
これは燃費の大きいサルファの弱点が改善され、今まで攻撃か防御の片方のみという使い辛さが無くなり、攻撃しながら防御出来る万能アタッカーになったと言えるだろう。
そして何より…
サルファ「ま、このグローブのデザインなら子供達も怖がることは無さそうやな」
サルファナックルがベルトで巻かれ、ゴツゴツした巨大な両腕なのに対し、サルファグローブはリボンの付いた可愛らしい少し太めの手袋となっている。
見た目に反して殴ったときのパワーはサルファナックル並。
これなら人目に見られても問題なく攻撃にも専念できるだろう。
サルファ「助けてくれただけでなく、こんないいものをくれたし、ありがとな」
かなた「僕は魔力調整をしただけだから…したって言うのかなアレ」
サルファ「そ、そういう話は置いといて、今は親玉の元へ向かわんと」
かなた「そ、そうだね!」
「おーーーい!」
サルファ達の元へゴーマがやって来た。
かなた「ゴーマ!?」
ゴーマ「こんな所にいたのか。その様子だと調整は終わったみてぇだな」
サルファ「ここに来たってことは、マゼンタ達もか?」
ゴーマ「ああ。会ってはいないがヴァイスも一緒にいた」
サルファ「ヴァイスもか!?」
ゴーマ「今凄いスピードで、単独でこっちに向かってる。それと、反対の場所からエノルミータの反応もあった。勿論3人一緒だ」
かなた「敵だけど、今は連携を取って戦った方がいいね」
サルファ「そんなの勘弁!って言ってる場合やないな。相手がライフイーターなら」
ゴーマ「そういう事だ。かなたは俺と一緒にマゼンタ達と合流だ。お前はヴァイスと合流したら大型の撃破に向かってくれ。後今回のマシンビーストは二体いるぞ」
サルファ「二体か…わかったで」
かなた「サルファ、気を付けて!」
サルファ「心配いらん、正義の味方は絶対に負けへん。行ってくるで!」
かなたをゴーマに預け、サルファは通路の先へと進んだ。
当然通路の先にはたくさんの小蜘蛛のマシンビーストがわんさかいた。
サルファ「今度は蜘蛛かいな…まとめて倒すにはホネが折れ…!?」
サルファが攻撃体制を整える合間に、突如天井のパネルが外れ落ち、ヴァイスが降りてきた。
ヴァイス「ヴァイスバレット!!」
指先を小蜘蛛のマシンビーストに向けてヴァイスは光の弾丸を連続で撃ち出した。
小蜘蛛のマシンビースト達は次々と弾に撃ち抜かれて機能停止した。
ヴァイス「サルファ、大丈夫だった?」
サルファ「どっから出てきたんや!って、お前さんの足…」
サルファは変わっていたヴァイスのブーツに気付き、聞いてみた。
ヴァイス「機動力向上の為に変えてみたの。ところで連れの子は?」
サルファ「隠さなくてええねん。お前さんの弟なんやろ、かなたは。ゴーマと一緒にマゼンタ達の元へ向かっとるさかい」
ヴァイス「そうか…良かった」
マジアヴァイスこと環天音にとって、かなたは双子の兄弟で、大切な家族である。
彼の無事を知り、少し安心したヴァイス。
サルファ「マゼンタ達と離れて大丈夫なんか?」
ヴァイス「2人もこっちに向かっている。今は小型マシンビースト達の相手をしているけど、今の2人は強いから心配いらないよ」
サルファ「あの2人なら大丈夫か…ヴァイス、恐らく大型マシンビーストは二体おる…協力してくれへんか?」
ヴァイス「もちろんだよ。マゼンタ達と約束したからね」
サルファ「……素のヴァイスと話すのは初めてやな」
ヴァイス「?」
サルファ「まあええわ。行くでヴァイス!」
ヴァイス「うん!」
2人は中央ホールに向けて走り出す。
当然目の前には複数のマシンビーストが襲い掛かるが、サルファの後ろにいるヴァイスが速攻で撃ち倒していく。
後ろからやって来るウサギのマシンビースト達もこぼし無く撃ち倒していく。
サルファ「なあ、そんなにバンバン撃って魔力大丈夫なんか?」
ヴァイス「私、魔力の回復は早い方なの。インパクトやハイブラスターを使わない限りはおつりが出るほどにね」
正確にヴァイスバレットで現れるマシンビーストを確実に倒していくヴァイス。
サルファ「コスパええなそれ」
ヴァイス「その代わりインパクトとハイブラスターは燃費悪いの。せいぜい1日4発が限界」
サルファ「厳しい制約やな…」
天井から現れた小蜘蛛のマシンビーストがヴァイスの後ろから襲うも、サルファが割り込み、サルファバスターでまとめて倒した。
サルファ「でもまあ、飛び道具使いが1人いるとウチらも戦いやすいし、頼りになるわ」
ヴァイス「そうなの?」
サルファ「エノルミータと戦ってた時はマゼンタとアズールが攻撃でウチが防御を担当してたんや」
ヴァイス「大丈夫だったの?飛び道具を使う魔物とは何度も戦ってたんでしょ?」
サルファ「少々苦戦した事もあったやけど、きっちり勝ったしな」
ヴァイス「近距離しか攻撃手段無いのに凄いなぁ」
サルファ「それ褒めてるん?」
ヴァイスが言った通り、トレスマジアの攻撃は槍や剣、拳と言った近接特化で、遠距離の術が無いのだ。
それでも回復、防御と、それぞれ補助の部分も備わってるため、その辺りを含めれば魔法少女らしいだろう。
と、敵を蹴散らしながら先の扉を開けた。
ホール内では、更に多くの小型マシンビーストがあちこちを動き回り、リング上には全長3メートル超えのゴリラ型…いや、大猿型のマシンビーストが待ち構えていた。
ヴァイス「カラーリングが派手なところを見ると…」
サルファ「アイツが親玉の一体目ってとこやけど…サイズは少し大きめやな」
ヴァイス「となると残りの大型は地下にいるって事ね…」
まずは目の前にいる大型マシンビーストの一体目を倒したい所だが、注意すべきは観客席周辺にいる大量の小型マシンビースト。
今まで体験した大型マシンビーストとの戦いで、取り巻きがここまで多いのはサルファにとって初めてである。
が、ヴァイスは単独で多くの敵と戦ってる経験もあるので関係ない。
ここは二手に分け、サルファに大型マシンビーストの相手を任せ、ヴァイスは周辺の小型マシンビーストを駆除するのが得策だろう。
サルファ「ヴァイス、あのゴリラはウチにやらせてもらえんか?」
ヴァイス「ゴリラ?サルじゃないの?何でもいいけど、そう言うと思ってた…いいよ。周りの敵は私が引き受ける!2人か来たら私は地下へ行く」
サルファ「大丈夫なんか?1人で…」
ヴァイス「お互い様でしょ?任せなさい!」
と、ヴァイスが動き、観客席周辺のマシンビーストの駆除に向かう。
サルファ「無鉄砲な子やな…さて、ウチは…」
サルファは飛び上がり、大猿型マシンビーストのいるリング上に降り立った。
サルファ「お前をぶっ潰すと行こうやないか!」
サルファグローブをまとった両腕を構え、マジアサルファはファイティングポーズをとる。
対し大猿のマシンビーストはサルファの戦闘態勢に反応したのか、雄叫びを上げながら胸をドラムのように叩き続けた。
そこへヴァイスが両者が戦う準備が出来た所で、ヴァイスバレットでリング外にあるゴングを狙い、開始の合図を鳴らした。
サルファ「行くで!」
最初に仕掛けたのはサルファで、正面から右ストレートで大猿のマシンビーストの胴体を狙うが、相手はその大きな腕で同じく右ストレートを放つ。
お互いの拳がぶつかり、風圧が起き、スパークが走る。
サルファ「いいパンチしてまんな…けどこれならどうや!」
続けて左手のアッパーで大猿の右腕を打ち上げて仰け反らせ、そのまま右足を出して右ボディーブローを仕掛けるサルファ。
しかし大猿のマシンビーストは咄嗟にバッグステップで攻撃をかわし、そこから素早く前進し、隙の出来たサルファに右ストレートをたたき込んだ。
サルファ「!?」
サルファは咄嗟に両手を交差して大猿のマシンビーストのパンチを受け止めるも、強い衝撃で後ろに押されてしまう。
ヴァイス「サルファ!」
サルファ「大丈夫や。パワーはあるみたいやけど、ウチの敵やない!」
観客席周辺のマシンビーストを倒していくヴァイスがサルファの事を心配するが、サルファはまだ余裕の笑みで心配ないと言い張る。
サルファは再び前進し、再び仕掛けてきた大猿のパンチをかわすと、今度はボディーブローを相手の胴体に撃ち込む。
撃ち込まれた大猿のマシンビーストも後ろに押され、そこからサルファは左アッパーによる連続攻撃を仕掛けた。
アッパーを頭部に受けて仰け反った隙を見て、再びボディーブローを決めるサルファ。
直撃を受けて後ろのロープに当たった大猿マシンビーストはそのロープの反動で前に押され、そのまま倒れた。
サルファ「ダウンや!」
一方ヴァイスは小型マシンビーストの駆除を続けているが、一行に数が減らない。
ヴァイス(倒しても倒しても数が減らない…ここの敵を全て倒さないと地下倉庫へ行けない)
小型マシンビーストを放置すれば、いずれサルファに攻撃が向けられる可能性がある。
その為サルファが安全に戦うには周辺の小型マシンビーストを片付けなければいけないのだ。
しかし、倒して倒して数を減らしても、次第に増えていく。
恐らくは、地下にいるもう一体のマシンビーストが小型機を出しているのだろう。
放っておけば敵の増殖にこちらの撃破が追いつかなくなる為、最優先で向かわなければならない。
しかしこちらも放っておけば数の暴力でサルファが窮地に立たされる。
そして現在のヴァイスには複数の敵をまとめて倒せる術を持っていない。
ヴァイスの基本攻撃であるヴァイスバレットも、ラーニングで使えるようになったマゼンタスピア、アズールソードも複数の敵に対処出来る攻撃ではない。
このままではジリ貧になるのがオチである。
ヴァイス(せめて、マゼンタ達が来てくれたら…)
マゼンタ達が来ることを願いつつ敵を倒していくヴァイス。
と、その願いは現実となった。
違う形で。
別の魔法弾が別の場所にいる敵の小型機を撃ち抜いていたのだ。
ヴァイス「!?」
「全く、前に偉そうなこと言っといて、結局大したことねーじゃん」
ヴァイス「この声…!」
ヴァイスは声のする方へ目を向けた。
そこには、緑の軍服に黒パンと緑のブーツ姿の灰色の少女…レオパルトの姿があった。
右手に大きめの銃を肩に背負っていた。
ヴァイス「レオパルト!?」
サルファ「なんやて!?」
リング上で戦ってるサルファにもレオパルトの姿を確認した。
レオ「ベーゼちゃんの頼みだから加勢に来たんだ。ありがたく思えよな」
ヴァイス「うん、ありがとう。助かったよ」
レオ「いや、そう素直に返されても…」
サルファ(天然な所はマゼンタといい勝負やな…)
素直にお礼を言うヴァイスに少々困惑するレオパルト。
その様子を見て呆れるサルファ。
レオ「とにかく、アタシが代わりにコイツらをぶっ潰すから、おめぇはもう一体のデカブツを倒して来いよ!」
ヴァイス「分かった。一応ケンカはしないでね。マジアベーゼが困るから」
レオ「ど、どうしてベーゼちゃんの名前が出てくるんだよ!…分かったよ。早く行けよな!」
ヴァイス「うん。任せたよ!」
サルファ(扱い上手いなぁ…)
レオパルトの扱いが上手なヴァイスを褒めるサルファ。
レオパルトも遠距離を得意とする1人。
火力ならヴァイスが上だが、手数ではレオパルトに軍配が上がる。
命中精度に難が残るが、持っている銃にはレーザーライトが備わっており、その辺はマシになる。
そしてヴァイスが中央ホールから離れた後、レオパルトはサルファに告げる。
レオ「聞いたよな?そのデカブツは、てめぇがぜってぃ片付けろよな!」
サルファ「抜かせ!言われなくともそのつもりや!」
サルファは再び構え、大猿のマシンビーストの懐に踏み込む。
対し大猿のマシンビーストはカウンターを仕掛けようとしたが…
サルファ「その手はバレバレやで!」
咄嗟に横に回り込み、大きな拳の一撃を大猿のマシンビーストの右腕に当てて、破壊した。
当てられたサルファの一撃は重く、大猿のマシンビーストは仰け反った。
サルファ「ついでに!」
そこからサルファは左手のボディーブローを胴体に打ち込み、大猿のマシンビーストを後ろに後退させる。
サルファ「まだまだや!!」
更に拳のラッシュを繰り出すサルファ。
仰け反った大猿のマシンビーストに攻撃の隙を与えず、どんどん当てていく。
レオ「お前ら全員スクラップにしてやる!」
レオパルトは大きめの銃から発射される散弾で次々と小型機をまとめて片付けていく。
レオパルトもまた、マジアベーゼ、ネロアリスと同様ノワールから魔力調整が施されており、アンチマギカーボン装備のマシンビーストにダメージが通れるようになっている。
しかし問題は彼女の魔力の消耗の速さである。
今まで彼女の戦い方は、相手の数問わず沢山の火器を召喚して一斉射撃を行っていた。
しかしその無駄に火器を召喚した分、魔力の消耗も激しいのだ。
しかも1発の威力は低く、前にサルファシールドによって全て防がれる程。
彼女の性格によるが、単体では常に魔力切れになるのもしばしば。
しかしノワールは、彼女の魔力切れに違和感を感じた。
エノルミータの構成員達はそれぞれ変身後の体に十字星のアザが付いており、その数に応じて構成員の強さが決まる。
マジアベーゼは目の下に2つ。
ネロアリスは額に3つ。
レオパルトは星がない……と思いきや、
ノワールは、レオパルトの魔力調整の最中に彼女の魔力が星0にしては高い事に気付き、話したところ、服の中に隠れていた胸の所に3つの十字星があったことを話す。
彼女はまだ自身が持つ真の力をまだコントロール出来ないから、自身の星を隠していたのだ。
これについてはノワールも黙ることにした。
魔力調整が終わった後、ノワールは独自に作った新武器のケルベロスをレオパルトにたくし、今後はその武器で戦うよう頼んだ。
レオ「少々物足りないけど、中々いい武器じゃん!」
レオパルトの持ってる大型銃…ケルベロスは、3種類の攻撃が可能で、単発弾、散弾、グレネード弾を使い分ける事が出来る。
使う弾は使用者の魔力を圧縮した魔力弾で、威力は高く、魔力消費も少ない。
そしてケルベロスはこれを3種類の弾に変換させることができ、状況に応じて使い分ける事が出来るのだ。
だがこの武器を使うには、レオパルトのデリンジャーを接続させる必要があるため、本来の能力である武器召喚と同時に使用することが出来ない。
しかしそれを差し引いても、威力と燃費のよいケルベロスを使った方が戦闘能力は高いのだ。
更にレーザーライトが付いてて、攻撃の際にその光を敵に合わせる事でかわされる事はすくなくなる。
この武器についてレオパルトは最初、制約のせいで不満がっていたが、いざ使ってみると結構お気に入りの様子。
因みにこれはまだ未完成の状態で、完全な完成の際には隠し球を付ける予定だとノワールから言われている。
代わってサルファの方だが、ラッシュの後にアッパーカットの一撃で2度倒れた大猿のマシンビーストはまた起き上がり、赤い光に包まれる。
サルファ「やはりそう来たかいな」
赤い光が収まると、大猿のマシンビーストの両腕がドリルに変わっていた。
その腕でファイティングポーズを取る大猿のマシンビースト。
しかしこれにサルファは疑問を感じ、呆れていた。
サルファ「ボクシングなのにドリルってなんやねん…」
そう言っている内に大猿のマシンビーストは右ストレートを決める…
と思わせて、なんと右腕をロケットパンチのように飛ばしてきたのだ。
サルファ「な!?」
すかさずドリルの先端を両手で掴み、踏ん張るサルファ。
そしてそれを反対側に投げつけた。
体勢を立て直す所で、大猿のマシンビーストが左腕のドリルを前に伸ばしたままサルファに向かって突進してきた。
サルファ「ボクシングにドリルはルール違反やで!」
体勢が間に合い、右手のアッパーカットで左腕のドリルを打ち壊した。
再び仰け反った大猿のマシンビーストに、サルファは渾身のストレートを胴体に打ち込み、ポール前まで吹っ飛ばした。
戻ってきたドリルもサルファを目掛けて来たが、裏拳できっちり破壊した。
サルファ「3本目のダウンや」
代わってレオパルトの方は最後の小型機を撃破し、サルファと大猿のマシンビーストとの戦いを観戦していた。
レオ「おい、そろそろそのデカブツを倒せよな」
サルファ「言われんでも次で決めるさかい。手出すなや」
レオ「出さねえよ」
レオパルトはサルファの戦いに手を出す気は無いらしい。
そしてまた起き上がった大猿のマシンビーストは電子音混じりの雄叫びを上げ、再び赤い光に包まれる。
光が晴れると、今度は更にごつくなった腕が4本になっていた。
サルファ「ほう…手数で勝負しはるか…受けて立つで!」
お互い前に出て、サルファは両手によるラッシュ。
大猿のマシンビーストは4本の腕を使った連続パンチを繰り出した。
互いの拳がぶつかり合い、周囲に風圧が漂う。
レオ「おお!?」
その衝撃はレオパルトの方にも届いていた。
サルファ「オラオラオラオラオラァー!!!」
手数は大猿のマシンビーストが上だが、ラッシュの速度はサルファが勝っている。
パワーに関しては魔力調整によって使えるようになった電気の力を威力に変換してるため互角の力になってる。
互いに途切れることのないラッシュ。
どちらかのラッシュが途切れた方が負ける。
しかし相手は機械の大猿。
AIによる命令で相手が倒れるまで攻撃を繰り返すこの敵は長期戦にも強い。
長引けばサルファの方が不利になるだろう…
だが勝負を決したのは持続力ではなく耐久力。
なんと、大猿のマシンビーストの腕が2本とも破壊された。
2度の形態変化により魔力を消耗したため、アンチマギカーボンの強度が落ちて脆くなったのだ。
もはやこのマシンビーストにサルファのラッシュ攻撃を止める術は無い。
サルファ「もう魔力がないんか?使いすぎや」
サルファの渾身の右ストレートで大猿のマシンビーストを殴り飛ばし、後ろのポールを破壊し、観客席の近くまで飛ばした。
サルファ「……KOや」
見事な一撃が決まり、余裕の表情を見せるサルファ。
しかし、まだ終わりでは無い。
なんと大猿のマシンビーストが変形して、巨大な腕となった。
サルファ「最後の悪あがきかいな…そっちがその気なら…」
サルファもマシンビーストから離れた所から右手で殴る姿勢を取る。
すると、目の前に巨大な腕が現れた。
その外見はサルファグローブを大きくしたモノである。
しかもそれは魔力や電気等が集まり、回転し始める。
対し巨大な腕に変形した大猿のマシンビーストはサルファに狙いを定め、そのまま突撃した。
サルファ「雷霆掌(らいていしょう)…嵐(あらし)!!」
サルファの拳が前に伸ばされたと同時に回転する巨大な腕が発射された。
外見は雷のバリアを纏い、弾丸のように放たれた巨人の拳である。
そして巨人の拳が通った射線上には電気を纏った風の渦がしばらく残っていた。
その巨人の拳は、同じく巨大な拳となった大猿のマシンビーストを貫き、大きな穴を開け、消えていった。
貫かれた大猿のマシンビーストはバチバチとスパークを起こし、爆散した。
とはいえ爆風が起こるほどの爆発は起こらなかった。
敵が完全に動かなくなった事を確認すると、サルファは構えを解いた。
サルファ「ウチの勝ちや……!」
満足そうな表情でスクラップになったマシンビーストを見つめるマジアサルファ。
レオ「むかつく…」
サルファ「あ?」
戦いが終わったことを知ったレオパルトが近くにやって来た。
レオ「なんだよあれ、すっげえつえーじゃねぇか」
サルファ「羨ましいか?ほれ」
レオ「ふん、アタシにはこれがあるからいいもんねー」
サルファ「そっちも新しい武器かいな…」
レオ「教えてと言われても教えねーからな!」
サルファ「知る必要ないわ。倒せば一緒やさかい」
レオ「ふん!ライフイーターとの件が済んだら次はお前らだからな!」
サルファ「望むところや」
2人ともライバル意識を持ちながら互いを睨み合う。
と、ここでマゼンタとアズールが到着した。
マゼンタ「大丈夫だった?サルファ」
サルファ「平気や、ウチがマシンビーストの一体を倒したしな」
アズール「サルファの武器も新しいのになったみたいね」
マゼンタ「なんか魔法少女っぽくて可愛い!」
サルファ「このデザインなら怖がられる心配はないしな。ところでかなたは何処に?」
アズール「1階の倉庫にいるわ。今はゴーマが守ってくれてる」
サルファ「それなら心配いらへんな」
敵がいない倉庫な上にゴーマの小規模な結界なら敵に見つからないため、心配は要らないだろう。
遅れて反対側の扉からマジアベーゼとネロアリスが現れた。
ベーゼ「あらあらサルファ、随分と可愛らしいグローブになりましたね(うわー魔法少女っぽいデザインの新グローブ!!)」
表では悪役らしい振る舞いを見せるも、心の中では感動の眼差しでサルファの新しい武器に喜ぶマジアベーゼ。
マゼンタ「ベーゼ達も!?」
アズール「ここで揃ったみたいだけど…」
ベーゼ「貴女達と争うつもりはありません。私達の目的はライフイーターのマシンビーストを倒すこと。貴女達の目的とは一致しているはずです」
アリス「ん」
ベーゼの言い分は正しい。
ライフイーターはトレスマジアにとって倒さなければならない相手。
それはエノルミータも同じである。
マゼンタ「そうだね。ならここは協力…で、いいの…かな…?」
ベーゼ「構いませんよ。そちらの2人はどうですが?」
アズール「私はマゼンタの判断に従うわ」
サルファ「ヴァイスもきっとお前さんらと協力してライフイーターと戦うだろうしな」
アズール、サルファもエノルミータと協力することに反対はないようである。
レオ「アタシはベーゼちゃんに従うよー」
アリス「ん!」
レオパルト、ネロアリスも賛成のようである。
ベーゼ「決まりですね。残るマシンビーストが地下にいることはヴァイスもそこに向かっているのでしょうね。行きましょう。私達が先行しますよ」
と、マジアベーゼとレオパルト、ネロアリスは先に中央ホールから地下へ続く通路へと向かった。
マゼンタ「急ごう。ヴァイスに加勢しないと…!」
アズール「ええ!」
サルファ「せやな!」
トレスマジアの3人も地下へ続く通路へと向かった。
………………………………………………………………
「強化されたトレスマジアの特徴」
「マジアマゼンタ」
魔力量が大きく増加し、長期戦に強くなり、遠距離技まで使えるようになった。
技の種類
マゼンタランス
マゼンタスピアの強化版。
刀身が大剣並に大きくなり、攻撃力が格段に上がっている。
マゼンタ自身の魔力を纏わせているため外見に反した軽さを再現。
マゼンタボール
左手に作り出した無数の魔力球を飛ばすマゼンタの飛び道具の1つ。
それらをマゼンタランスで打ち返す事で弾速が増し、威力が増加する。
マゼンタフラッシュ
マゼンタランスに溜め込んだ魔力を少しだけ解放し、光の結界を放つ技。
攻撃の他に目眩ましにも使える。
マゼンタロケットランス
必殺技その1。
大きくしたマゼンタランスで突撃する攻撃で、マゼンタランスに付いたロケットの推進力でかなりの加速を出す。
マゼンタシャインブラスター
必殺技その2。
マゼンタランスに溜め込んだ魔力を全解放し、極太ビームを放つ攻撃。
使う際にはランスの刀身が2つに割れ、間から魔力を溜める仕組みになっている。
少しずつランスに魔力を込める必要があるため連発は出来ない。
「マジアアズール」
魔力量の増加、運動性の向上、更に技のバリエーションが大きく増えた。
更に水の上を歩けるようになり、冷気による攻撃に耐性が付いた。
技の種類
アズールブレード
アズールソードの強化版。
ステッキに刃を纏わせた外見から一転し、ステッキを鍔のない瑠璃色の刀身の日本刀に変化。
切れ味と使いやすさ、強度は更に向上。
アズールダガー
アズールの能力で生成された無数の氷のナイフを飛ばす遠距離攻撃。
連射が可能な上、当たった所から凍っていくため、相手の武器を一時的に封じる事も可能。
マジアベーゼとの一対一で使った無数のアズールソードの発射と比べてコスパに優れている。
魔力消費量が少なく、魔力調整によって出来た魔力核のお陰で消費量は気にならない。
アズールスマッシャー
アズールブレードによる氷の斬撃を飛ばす攻撃。
魔力を込める量に応じて斬撃そのものを大きくすることが出来る。
アズールミスト
周囲を広範囲の冷たい霧で覆い、視界を遮断させる。
自身の周りを収束させれば防御膜にもなりダメージを和らげる事が出来る。
アズールブレード・雪花(せっか)の太刀
必殺技その1。
アズールブレードに込めた魔力を解放し、アズールスマッシャーの要領で放つ攻撃。
放たれた斬撃は直線上の空気を凍らせてしまう程で、直撃を受ければ高いダメージだけでなく、出来上がる氷塊に閉じ込められるだろう。
アズールブレード・雪花の閃(ひらめき)
必殺技その2。
アズールブレードに溜めた魔力を放出し、生成された魔力の刃を前方に伸ばす。
伸びた魔力の刃は大きめのビームのように放たれる。
雪花の太刀と違って凍らせることは出来ないが、遠距離攻撃として殲滅力が高く、シャインブラスターの次に優秀である。
「マジアサルファ」
全体的な魔力消費量が減り、より長期戦に強くなった。
更に電気による耐性が付き、電気攻撃はほぼ効かなくなった。
技の種類
サルファグローブ
サルファナックルに代わる強化版の武器。
左右の手に装着された少し太めの魔法少女風デザインの手袋になっており、外見に反してサルファナックル以上の性能を持っていり、電気を纏うことで威力は更に増大。
燃費が良く、基本はこれで戦えるほど優秀である。
更に攻撃しながらサルファプロテクションによる防御を同時にこなせる。
サルファプロテクション
サルファシールドの上位互換。
魔方陣による盾で攻撃を防ぐ防御技で、サルファシールドより性能が向上している。
またそれを使って近距離で魔方陣ごと拳で殴るサルファストライクや、
その魔方陣を相手に飛ばしてダメージを与える遠距離攻撃のサルファバスター等の派生技にも可能。
サルファシールドのように範囲バリア等の芸当も出来る。
サルファスパーク
両手から放たれる電撃で相手を攻撃する技。
威力は低い方だが、相手の動きを妨害するのに重宝する。
雷逞掌・嵐(らいていしょう・あらし)
必殺技その1。
電気を纏った巨大なサルファグローブを呼び出し、相手にぶつける攻撃。
嵐の名の通り、高速回転しながら飛ばすため、トレスマジアの中ではトップクラスの攻撃力を持っている。
雷逞掌・暁(らいていしょう・あかつき)
必殺技その2。
魔力を溜め込んだ巨大なサルファグローブを飛ばし、着弾時に電気を浴びた広範囲の爆風を起こす攻撃。
嵐より威力は劣るものの、強敵をまとめて倒すにはうってつけである。
魔力調整を受けたトレスマジアの共通強化。
防御力の向上(服ビリや溶かし等の破損しにくい)
マシンビーストのアンチマギカーボンにダメージが通る。
魔力核が生成され、魔力の自然回復能力が強化+魔力減少による変身解除防止。
マジアサルファの話はこれで済みましたが、話はまだ続きます。
次は新キャラを敵味方用意します。
前から考えていたネタなので気長に待っていてください。
また遅くなるかもしれないので…
この小説に出て来たボクサーの新キャラ。
名前は当時やってたぼのフェスの時にぼのぼのの3キャラから取りました。