シラトリ区の探偵   作:ガガミラノ

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真実と友達

「……バレましたね」

 

「……セイア様が……」

 

「ヒフミさん、大丈夫ですか?」

 

「は、はい、ちょっとショックが大きいですけど……」

 

「ヒフミさん、お願いがあります」

 

「今聞いた事は全て私達だけの秘密にしてくれないでしょうか?」

 

「……はい、分かりました」

 

「恐らく私はこの後先生に呼び出されてこっぴどく叱られるでしょう」

 

「それはまぁ……当然というか……」

 

「ですがヒフミさんが聞いてる事は知らないはず、私に何かあった時の為にもヒフミさんには知らないフリをしておいて欲しいのです」

 

「分かりました」

 

「という訳で教室に戻りましょうか、皆が心配します」

 

━━

 

「あら、二人とも遅かったですね」

 

「ちょっと模試試験に関する事で相談を、先生はまだですか?」

 

「はい、先生は……」

 

がららと扉を開ける音が聞こえる。

開けた主は先生だった。

 

「ごめんごめん、遅れちゃった」

 

「今からちょっと模試をやってもらうよ、後……」

 

「……ユウキ、ちょっと来てくれるかな?」

 

先生の顔が心做しか怖い。

笑顔なはずなのになんというか……

 

「あ、ヒフミ、この模試を皆に渡しておいてくれる?」

 

「わ、分かりました!」

 

ヒフミさんも顔が一瞬曇ったがすぐに立ち直る。

 

 

 

━━

 

先生の部屋。

 

 

「盗聴器仕掛けたのってユウキ?」

 

「はい、紛れもなく私です」

 

「どうして私に盗聴器を仕掛けたの?」

 

先生の顔がさらに怖くなる。

 

「裏切り者を探す為にも、先生から情報を得る為に……先生?」

 

怖かった先生の顔が少し悲しそうな顔をする。

 

「ユウキ」

 

「もしかして、キリノやフブキが重要な情報を得そうだったら今回みたいに盗聴器を仕掛けるの?」

 

「ええ、事件の大きさにもよりますが今回のような大きな事件では盗聴器を仕掛けるでしょうね」

 

「それはダメだよ、ユウキ」

 

「そんなの友達にやる事じゃないよ、友達を利用するような事をしちゃダメだよ……」

 

「ですが情報は得れる時に得なければチャンスを逃します、その情報を得れなかったら事件は迷宮入りするかもしれません」

 

「それでも、だよ」

 

「真実を追う為には利用出来るものは利用しなければならない、違いますか?」

 

「友達を失うかもしれないんだよ?」

 

「ユウキの事を信じてくれてる人を、裏切る事になるんだよ」

 

裏切る。

キリノさんや、フブキさんを。

 

「で、ですが私は真実を追い求めたい、事実が欲しいのです」

 

「真実と友達はどっちがユウキにとって大切?」

 

「……それは……」

 

 

「私は真実が大切でも、友達が大切でもユウキの意志を尊重するよ」

 

 

私がやっている行いは正しいのか?

真実の為に友達を利用するのは正しいと言えるのか?

 

「……」

 

私は、キリノさんやフブキさんを裏切ろうとしていた?

 

「友達、です……」

 

「そっか」

 

「わ、私は……」

 

「ユウキがやっていた事は一概に否定出来ないけど、今のやり方を続けるのは賛同できないかな」

 

「……私、あまり友達がいなくて、その、すいません」

 

「大丈夫だよ、これから学んでいこうね」

 

「本当にすいません……」

 

「それじゃあ、教室に戻ろうk」

 

ドゴーーーーーン!!

 

爆発音が廊下から鳴り響く。

 

「……どうやら何かあったみたいだね」

 

━━

 

「ふぅ、びっくりしました、入った瞬間何かが作動して……」

 

恐らくアズサさんのブービートラップだろう。

逃げようとすれば連鎖的に反応するから恐ろしい。

 

「アズサさんのトラップですね」

 

「アズサちゃん……」

 

ヒフミさんがアズサさんの肩を押し、シスターフッドの礼装を着た方の前に連れていく。

 

「……ごめん、てっきり襲撃かと」

 

と、ぺこりとアズサさんが謝罪する。

 

「え、えぇっと?」

 

「ところでどうしてシスターフッドの方がここに?」

 

言われてみれば確かにそうだ。

ここにシスターフッドがいる理由がイマイチ分からない。

ヒフミさんもアズサさんもコハルさんもハナコさんもシスターフッドに関わりがないように見える。

 

「こちらに補習授業部の方々がここにいると聞いて……まさかハナコさんがいるとは思いませんでしたが……」

 

「私も、成績が良くないので」

 

と苦笑するハナコさん。

やはり何かがあるようだ。

 

「そうでしたか……はい」

 

「それで、何故シスターフッドの方がここに?」

 

「はい、実は先日アズサさんが助けてくださった生徒の方から感謝をお伝えしたいとの事でして」

 

「感謝?」

 

「クラスの方々からいじめを受けてしまっていた方がいらっしゃいまして」

 

「その日突然建物の裏手に呼び出されてしまったのだと聞きました」

 

「そんな事が……!」

 

「いじめっ!?」

 

「まぁ、聞かない話ではありませんね、皆さん狡猾に、陰湿に行うせいであまり表に出てきにくいですが」

 

学園という事もありキヴォトスでいじめはたまにある。

 

「私もその方から相談を受けてやっと知ったのですが……」

 

「それで偶然通りすがったアズサさんが彼女を助けてくださったとの事でして」

 

「そ、そうなんだ」

 

「そういえばそんな事もあったな、ただ数にものを言わせて弱い対象を虐げるのが目障りだっただけだ」

 

「その後アズサさんに怒られた方が正義実現委員会の方と連絡をとって情報が歪曲に伝えられアズサさんと正義実現委員会との間でかなりの規模の戦闘になってしまったとか……」

 

「それってあの時の!」

 

「何かあったのですか?」

 

と、隣にいる先生に聞く。

 

「アズサは最初会った時正義実現委員会の子達と戦っててね……それで捕らえられてここに来たって感じかな」

 

「なるほど、アズサさんを相手にするとなると骨が折れそうですね」

 

「あの事態は気の毒だけどいつまでも虐げられてるだけじゃダメ、それが例え虚しい事でも抵抗し続ける事を止めるべきじゃない」

 

「そうかもしれませんね、その方にもそうお伝えしておきます」

 

「……アズサさんは暴力を信奉する氷の魔女なんて噂がありましたが、やはり噂は噂ですね」

 

酷い噂があったものだ、許せない。

 

「では、皆さんお邪魔致しました、先生も急に訪ねてきてしまってごめんなさい、それではまた」

 

そう言い、シスターフッドの方はそのままその場を去った。




短いです、すいません!!

友達少ないユウキさん、友達の接し方が分からない件について

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