GOD EATER2 ほのぼのアフターライフ 作:W-cat
「クソッ、一本やられたな」
「……まったくです」
「先輩、エミールのこと好きになっちゃったのかなぁ……」
深夜にギルを除いて集まった俺たち。ご存知の通り俺たち(シエルを除く)が二日酔いに倒れている間にエミールが大きく打って出た。おかげでギルの野郎はかーなーりー!機嫌が悪い!
「今の所、2人に進展はないように思えるけどな。だが、このままだと隊長さんが押し切られるかもしんねえ……」
「そんなことっ! エミールが先輩と結婚だなんて絶対認めないわ‼︎」
俺も……嫌だね。
「ですが、隊長はエミールさんのことを好意的に見ていると思います」
「……だよな」
まだ負けたわけじゃねえけどな。ギルにだってアドバンテージはある。
「俺たちも仕掛けよう。明日の夜、俺が飲みに誘う。お前たちはそれまでに準備、おーけー?」
「わかりました」
「はい、エミールなんかに、絶対に負けないんだから!」
かくして俺たちの作戦が始まった。
おっ、早速ステラちゃんはっけ〜ん。
「よう、今日、時間あるか?」
「お昼からなら大丈夫ですよ。ハルさん、またナンパですか?」
「今日はそんなんじゃねぇよ。ちっと任務手伝って欲しいんだ」
「任務ですか? いいですよ」
「んじゃあ、14時くらいに向かいに来るわ」
「はい、お待ちしています」
俺に軽く手を振って去っていった。可愛いヤツだなもう…… おっと、手は出さねえよ。
さてと、俺も任務に行くかー。この前エリナに酒を飲ませたのがバレてな…… 普通なら査問会なんだが極東は激戦区だからってことで、サカキの野郎からたんまり特務出されちまった…… 通常任務もあるっつのに、やってられるか。
「ちゃっちゃと終わらせて、デートに行くかー。カノン、カモン!」
「受け渡し弾を合図に攻撃しろ。いいな?」
「はい、頑張ります」
今日は廃工場にてマグマ型ボルグ・カムランの討伐だ。カノンとの任務だがまあなんとかなるだろう。
飛び降りてすぐ右を見ると、紅い蠍が呑気に飯喰ってる。俺は背後からそーっと近づいて神機を捕食させる。
そしてすぐさまカノンに濃縮弾を渡し、その場から飛び退く。
「うふふ……ブチ抜いて!」
「狙い撃つぜっ‼︎」
カノンと俺の十字砲火。容赦のない銃撃に蠍が悶える。
「アハハハッ‼︎ 痛いの⁉︎ 痛いの!⁉︎」
カノンの砲撃を受けつつも対象は俺の方に近づいてくる。最悪なことに……
「うぅお‼︎」
カノンは射線上に俺がいるにもかかわらず、トリガーを引いた。
「射線上に入るなって、私言わなかったっけ?」
さらに砲撃を加える。このままでは俺ごと消し炭にっ‼︎
「ううぅ……」
『ハルさん! バイタル危険域です』
意識が遠のいていく。俺はこのまま死ぬのか……?
「よぉ、遅くなった」
「ハルさん、どうしたの⁉︎」
酷くやつれているハルオミを見やる。
「……あぁ、今日はカノンとの任務だったからな」
「……巻き込まれたのね」
カノンの火力は魅力だが、その代償も大きい。誤射を頑なに嫌がる神機使いも多く、異動の原因にもなるほどだ。
「出るとこ出てるからまあいいかー的な?」
「ハルさん! セクハラで訴えられますよ?」
「まあまあ、ところで今回の任務なんだが、旧ダム施設にてカリギュラと神機兵二体の討伐だ」
「ハルさん、本当に大丈夫⁉︎ 明らかによれよれだけど……」
「ああ、問題ない」
「問題おおありよ! とにかく、ハルさんは後方から支援をっ」
「お、おう……」
「わあ………………」
「………」
D地点で討伐対象同士が交戦していた。これはこれで嬉しい誤算なのだが……
カリギュラが神機兵二体を翻弄する。二体とも長刀型だが、カリギュラにいいように撫で斬りにされている。もうしばらくすると……
一体が胸部をブレードで貫かれた。そして強引に引き抜いてからブースター全開でもう一体の右腕を斬り落とし、同じように貫いた。
「……ハルさん、行くよ?」
「オーケー」
ステラは一気に近づいて右脚を思いっきり斬りつける。
不意打ちを受けたカリギュラはすぐにブレードを展開、大きく薙ぎはらう。
「えぇい‼︎」
飛び上がってそのまま背中を足場にし、弾丸をブースターに撃ち込む。すぐに振り落とされたが、それなりには効いたはず……
さらにハルオミが頭部を撃ち抜く。着実にダメージを与えていく。
「ハルさん‼︎」
カリギュラはブースターで浮き上がり、ハルオミの方へ突進していく。
「おおっと、あぶねぇな」
すんでのとこで避けたハルオミは剣形態に切り替える。カリギュラがまた斬りかかってくる。即座にステラはアサルトで援護に回る。
「せいっ‼︎」
ブレードを飛び越えて頭上から振り下ろし、着地と同時に横一閃。顔面を無惨に裂かれ、力尽きた。
「もう…… ちょっとドキドキしたわよ」
「ハハッ 悪りぃ悪りぃ。今日はありがとな。今晩飲まねえか?」
「ハルさんの奢りなら」
「オーケー、じゃあ帰ろうぜ」
夜の9時、ラウンジにてハルさんが奢ってくれるというので向かう。
「お待たせ〜、あれ? 今日はギルがバーテン?」
カウンターにはギルがいる。
「まあな」
「ギル〜、せっかくなんだからカクテル作ってやれよ?」
「カクテル? 作れるの?」
「ある程度ならな。なんか飲むか?」
「うーん…… 私カクテルとかあんまりわかんないからなぁ」
「まあ試しに飲んでみろよ。ギルのはうまいぜー?」
……カクテルとか飲んだことないからちょっとどんな感じかは気になるけど、つい飲みすぎちゃう気がするのよね。私、悪酔いするらしいし……
「じゃあ、ちょっとだけ……」
そういうとギルは、私がいつも飲んでるブランデー、それとは別のもう一つのお酒、そして生クリームをきっちり測ってからシェイカーで混ぜ合わせる。
「完成だ」
「じゃあ、いただきます」
チョコレートのような甘くてまろやか…… 普段同じようなのしか飲まないからなんだか新鮮。
「美味しいよ、ギル」
「そ、そうか」
帽子を深く被るあたり、表情を隠したいように見える。照れ隠しかな?
「ギルー、スティンガー作ってくれ」
ギルは帽子を深く被ったままブランデーとさっきとはまた違うお酒を測り、シェイカーで混ぜ合わせる。
そして無言のまま、完成したカクテルを差し出す。
「……マジで美味いな」
「すごい…… 羨ましいな」
「そうか? そんなに難しくはない。もう一杯飲むか?」
「ええ、お願い」
美味しそうに隊長が飲むのを見てニヤけそうになるのをなんとかして抑える。何が飲みたいかはわかんねえが、さっきは甘いアレキサンダーを渡したから次は酸味の効いたのを作るか。
俺はブランデーとレモンジュースを分量通りシェイカーに入れて、混ぜ合わせる。鮮やかな色のカクテルに氷を入れて隊長に渡した。
「………」
「ありがとう」
そうして隊長は一気に半分を飲み干す。
「うーん、さっぱりしてて飲みやすい」
「………………」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
つい見惚れていた。ハルさんも気付いていたのかニヤニヤしながらこちらを見る。
まあそれはいいとして、隊長の飲むペースが明らかに早い。まだ8分くらいしか経ってないのに2杯目も半分しかない。
「ステラちゃん、今日はありがとな」
「ううん、私も時間あったし」
「そういや、エミールとデート行ったんだってな? エミールのこと好きか?」
「わっ‼︎ えっと……その……そんなことは、ないよ……?」
顔を紅くして否定する。本音はどうなんだろうな……
「じゃあさ、俺やギルのことはどう思ってる?」
「うーん、ハルさんはチャラいし変態だけど優しい……かな? ギルは、真面目で器用で、カッコイイと思うよ……」
「ははっ 言われちゃったなぁ」
上目遣いに思わずキュンとくる。隊長も何か恥ずかしかったのか、残りを飲み干す。
「今日はごちそうさま。ハルさん、また奢ってね?」
「おぅ、また飲もうぜ」
そういって隊長は立ち上がるが、ふらっふらだ。思わず駆け寄り肩をかす。
「大丈夫か?」
「ええ、ちょっと酔っちゃったかな?」
「あー、後片付けは俺がやっとくわ〜」
「いいんすか?」
「ああ、ステラちゃんを介抱してやれ」
「うーん、ギル、ごめんね?」
「気にすんな」
俺は隊長を抱えて部屋に向かう。
「着いたぞ」
……爆睡だ。飲んで寝てっから起きる気がしねえ……
仕方なく俺の部屋に入れてベットに寝かせる。まさか好きな人と一夜を過ごすことになるとはな……
俺はソファーで横になった。
「ぐぬぬ、私たちはお留守番……」
「仕方ありません。未成年ですし…… ですが、ギルは隊長のお持ち帰りしたようですね」
シエルの部屋で事を盗聴していた。飲みに参加できないので、こうして戦況を確認していた。
「ギルさん、変なことしないよね?」
「多分……大丈夫でしょう」
ベタなシチュエーションですみませんm(_ _)m