GOD EATER2 ほのぼのアフターライフ   作:W-cat

14 / 65





Report13 チャンスメーカー

朝のアラームで飛び起きる。

 

「あれ?」

 

事情を知らない隊長が起き上がり、キョトンとした顔を俺に向ける。

 

「きゃあっ‼︎」

 

悲鳴をあげて布団に潜る……

 

「……………………………………ギル?」

 

布団の中から顔をのぞかせ、様子を伺う。なんというか……

 

「ああ……大丈夫か?」

 

「…………うん」

 

ここが自分の部屋ではないことに気づいた隊長はようやく落ち着きを取り戻した。

 

「もしかして、ずっとここで寝てた?」

 

「そうだ。全く起きないから……部屋に連れ込んだ」

 

「……やっぱり飲みすぎちゃったのかなぁ?」

 

飲みすぎではなく、飲み方が悪い。あんなに一気に……

 

「邪魔するぜー」

 

ノックもせずにハルさんがずけずけと上がってきた。

 

「邪魔するなら帰ってください」

 

「……用があるから来たんだよ。あー、これは流石に邪魔だったかもな」

 

「そんなことはないっすけど……」

 

「本当かー? お楽しみ中だったんじゃねえのか?」

 

「違います!」

 

人差し指を立ててからかうハルさん。ベットにいる隊長は紅くなって俯いている。

 

「……それよりも、用って何すか?」

 

「おおっと、忘れるとこだった。今日も俺の特務を手伝って欲しいなーって」

 

……あれは俺にも責任がある。ハルさんが全部被ってくれたから俺は助かった。

 

「別にいいっすけど」

 

「私も構いません」

 

「そうか、恩に着るぜ。じゃあ15時にラウンジな。邪魔して悪かったな。じゃあ、ごゆっくり……」

 

………気まずい静寂、なんともいえない空気が流れる。

 

「あの……」

 

「ああっ、なんだ?」

 

ハルさんに唖然としていてぼーっとしていた。

 

「私、一回部屋に戻るね」

 

「ああ、わかった」

 

長髪をたなびかせ、隊長は去っていった。

 

 

 

 

 

「そういや、2人っきりってのは初めてだな」

 

「そうですね……」

 

今回は俺とシエルでの任務だ。ステラちゃんとギルには別の任務を押し付けてやったからな。お陰で特務は二つ消化でき、ギルには2人っきりのチャンス! まさに一石二鳥だぜ。

 

「今日はヴァジュラ二体だな。付近でコンゴウも目撃されてるらしいぜ」

 

「数的には不利ですね。一体ずつ誘き寄せるのが確実でしょう」

 

「だな」

 

こういう時にシエルの血の力、『直感』が役立つ。かつて『横浜』と呼ばれたこの街は、今や廃墟となったビルが立ち並んでいる。不意打ちにも気をつけねぇとな。

 

「ハル、ビルの向こうにアラガミがいます」

 

「了解!」

 

近くのビルに入り階段を上る。5階まで上り下を見下ろすと、ヴァジュラが歩いていた。

 

「仕掛けましょう」

 

「オーケー、一撃で決めるぞ!」

 

銃声、それと同時に5階から飛び降りる。脚を止めたヴァジュラの背中に、刀身が深々と突き刺さる。

 

「おおっと、あんまり激しく動くなよ」

 

激痛に悶えるヴァジュラから強引に引き抜き、背後に回り込む。

 

「来いよ」

 

ホールドトラップを仕掛け、バックステップ。振り向いたヴァジュラは俺に向かって飛びかかる。まあ、案の定ホールドになる。俺はすぐさまチャージクラッシュの態勢に入る。

上から二発の銃弾が降りかかる。そうして……

 

「でえぇやぁ‼︎」

 

巨大なオラクルの刃をまとったブレードを振り下ろす。体の半分をばっくりと割られたヴァジュラは息絶えた。

 

「まずは一つ」

 

大きく傷ついたコアを抜き取る。できれば無傷で出したかったなぁ……

そうこうしているとシエルが近づいてくる。歩く姿…いいねー、佳境だねぇ。

 

「中型種と大型種が近づいています。一旦ここを離れましょう」

 

「そうか、んじゃ、ずらかるか」

 

 

 

 

近くのビルからヴァジュラの死体を伺っているとコンゴウがやってきた。コンゴウはヴァジュラを凝視しており、不意打ちで仕留めるなら絶好の機会だ。だが、俺たちはこれを見送る。

 

急にコンゴウが戦闘態勢に入る。すると獣の咆哮と同時に走り出した。俺たちはすぐに後を追う。

 

 

 

「あれー? ヴァジュラって言ってなかったっけ?」

 

目の前にいる漆黒のヴァジュラがコンゴウの死骸を喰らっていた。こちらに気づいて威嚇をしている。まったく……討伐対象違うじゃねえか‼︎

 

「はあっ‼︎」

 

シエルが一気に踏み込んで強引に斬りつける。俺もすぐさま攻撃を加える。だが硬い体にはあまりダメージが通ってないように感じる。

ディアウス・ピターが周囲に放電、寸前に俺たちは距離を取る。

 

「やれやれ、なんとかチャンスを作りたいねぇ」

 

困った時にはあれだ。閃光弾‼︎

目の前で炸裂したスタングレネードに大きく怯む。その隙に俺たちは神機を捕食させる。

 

「こんなのは、どうかな?」

 

アラガミバレットをシエルに渡す。シエルは銃を構え、スコープを覗き込む。

 

「発射」

 

見事に命中し、マントが砕け散る。

激痛によって活性化、シエルめがけて突進していく。装甲を展開したシエルがビルの外壁に叩きつけられる。

俺は背後から一気に踏み込んで右脚を斬り落とす。

 

「おやすみ」

 

俺は顔面に刀身を刺しこむ。硬化してはいたが深々と突き刺さり、活動を停止した。

 

 

 

「大丈夫か?」

 

「はい」

 

「ん、そうか。じゃ、帰るか」

 

 

 

 

 

 

 

「おぅ、先に帰ってたのか」

 

「ええ、特に問題なく終わったわ」

 

ラウンジで飲んでる2人、さっそくカクテルだぜ。

 

「なぁギル、ちょっといいか?」

 

「なんすか?」

 

立ち上がったギルに俺は肩を回す。

 

「なぁ、隊長さんとどこまでいったんだ?」

 

「なっ⁉︎」

 

一瞬驚いたがすぐに冷静になる。

 

「……特に何もないっすよ」

 

「本当かー? 昨日は部屋で2人っきりだったし、今日だってデートだろ?」

 

「本当に何もありませんから、ハルさんじゃあるまいし……」

 

いや、俺じゃなくても何かあると思うぞ⁉︎ まったく、シャイなのか生真面目なのか……

 

「そういや、ハルさんも最近シエルと仲良いっすよね?」

 

「ははっ そうかもな」

 

 

 

 

 




大学の成績悪かったです(´・ω・`)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。