GOD EATER2 ほのぼのアフターライフ   作:W-cat

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Report23 災難とご褒美

随分とよく寝た。おかげで風邪も治ったようだ。

そういえば……返してもらえなかったっけな。ちょっくら隊長ンとこに行くか……

 

 

 

 

ノックをしたが返事がない。

 

「隊長」

 

……………………………………………

 

「…隊長」

 

…………………………………………………………………

 

「……入るぞ」

 

鍵がかかっていない。部屋の様子を伺う。

 

「すー……」

 

テーブルに伏せて爆睡してやがる…… 空の酒瓶が二本転がっているあたり、飲み明かしたようだな。

 

「ったく……」

 

中に入ってジャケットを回収する。不法進入だが……

ハンガーで干してあったそれは、すでに乾いていた。ふんわりと柔軟剤が香るあたり、きちんと洗って干したのだろう。

 

「んん……」

 

起きないな……とりあえず片付けだけでもしてやろう。

空になっていた瓶を軽くすすいで並べる。ついでにグラスも洗っておいた。

あとは適当にテーブルでも拭いてずらかるか……

 

空いてる部分だけをさっと拭く。

起こさないほうがよさそうだな…… というか、そのまま起きないでくれ。

 

「ふぅ……」

 

ふきんを水洗いして干す。隊長がまだ寝ていることを確認して、そそくさに部屋を出る。

 

 

 

 

 

「あっ、ギルさん!」

 

ピンクの魔物が笑顔で近づいてきた。

 

「もう大丈夫なんですか?」

 

「ああ、もうなんともない」

 

「それならよかったです。あ、もしよければ……これから任務手伝ってくれませんか?」

 

「構わないが……」

 

本当は行きたくない……

 

「ありがとうございます! 早速受注してきますね!」

 

「お、おう……」

 

 

 

 

 

 

近くの市街地での任務だ。

 

「あれ? 今日の討伐対象って何でしたっけ?」

 

「クアドリガだ……」

 

自分で頼んだんでしょうが……

 

「いたか」

 

のんきにお食事中だ。

 

「いつも通り、リンクバーストを合図に攻撃してくれ」

 

「は、はい! 頑張ります」

 

 

 

 

背後から近づき、神機を捕食させる。そしてすぐさま距離をとってカノンに受け渡しを行う。

 

「ふふふ……来た来た」

 

「これだけのオラクル弾…かわせるかっ‼︎」

 

雨のように弾丸が降り注ぐ。無慈悲なまでの攻撃でクアドリガはすぐにボロボロになった。

 

「クソッ、こんな時に‼︎」

 

弾切れか?

クアドリガがこちらに向けて突っ込んでくる。俺はすぐさまチャージし、正面から突っ込む。

 

「止められるなら……止めてみろっ‼︎」

 

正面から深々と槍が突き刺さった。勝負ありだな。

 

「俺の……勝ち「ぶち抜いて!」どああぁっ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

「ギルおかえりー‼︎ すっごくボロボロだねぇ」

 

「ただいま……」

 

「す、すみません…… 私のせいで」

 

「いや、気にしなくていいさ……」

 

なんでクアドリガごと俺を撃ったんだと聞きたい。

まだ昼間なのに今日は疲れた。もう何もしたくない……

 

「そういや隊長は?」

 

「んーとねー、まだ寝てると思うよ?」

 

「そうか……」

 

「そろそろシエルちゃんと起こしに行こっかなーって思ってたんだ。ギルも来てよ?」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

「たいちょー、起きてー!」

 

「んーん……」

 

まだ寝てたのか? オフとはいえ……流石に寝すぎだ。

 

「昨日はけっこう飲んでたようですね」

 

シンクを見ながら呟くシエル。朝俺が片付けたものだ。

 

「そろそろ起きろ」

 

「むうぅん……」

 

やっと起き上がった。

 

「……だるい」

 

「隊長、流石に飲み過ぎです。いくらゴッドイーターとはいえ、暴飲暴食は避けるべきです」

 

「あははーー……」

 

ナナにも向けられてるような気もしなくはない。

 

「何か食べるか?」

 

「……今はいいかな、それより、ボロボロだね」

 

「ん? ああ……」

 

全身ススまみれだからな…… 本当災難だった。

 

「ご機嫌よぅ‼︎」

 

突然扉が開かれ、エミールがずけずけと入ってきた。

 

「君が二日酔いだと聞いてな」

 

ナナがニコニコしながら見ている。リークしたのはこいつか……

思わず頭を抱える。

 

「もしも何かあったら遠慮なく僕に言いたまえ。このエミール、どんな時でもすぐに駆けつけよう‼︎」

 

「あ、ありがとう……」

 

「僕はこれから任務がある。暫しの別れだ。失礼する」

 

「うん、怪我のないようにね?」

 

「もちろんだ‼︎ ではまた」

 

そう言って部屋を後にした。エミールめ……

 

「えへへー、2人の仲が急接近かなー?」

 

「ちょ、ちょっとナナ……」

 

「ナナさん、そろそろ任務の時間です。行きましょう」

 

「あれ、そうだっけ? まあいっか。じゃあねー」

 

手を振ってナナが出て行く。シエルもお辞儀して出て行った。

 

「じゃあ、俺もそろそろ……」

 

「待ってギル!」

 

呼び止められた。ちょっとだけ嬉しかったような気がする。

 

「もう少しだけ、ここにいて……いい?」

 

「……別にいいけど」

 

にやけそうになるのを必死に堪える。

 

 

 

「あのさ、ギル……」

 

「ん?」

 

「片付けてもらって……その、ありがと」

 

「何のことだ?」

 

ヤバい……

 

「酒瓶のこと……」

 

アウトじゃねえか……

 

「洗ってくれてたでしょ?」

 

「……ああ」

 

見られてたのか? いや、不法進入以外には何もやっていない。大丈夫なはずだ……

 

「ところで、どうして私の部屋にいたの?」

 

「いやぁ……それは、その……コイツを返してもらいに行っただけだ」

 

そうだ。当初の目的はそれだったんだ。問題ない。

 

「そっか……ごめんね。風邪は大丈夫?」

 

「まあ、一晩寝たら治った」

 

「そっか。じゃあ、明日からまた一緒に……任務行こうね」

 

「りょーかいだ」

 

「頼りにしてるよ? ギル」

 

「うっ……」

 

最後の一言に、きゅんときた。

 

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