GOD EATER2 ほのぼのアフターライフ 作:W-cat
もちろん、一人でな( ˘ω˘ )
「ははっ、あいつらいい感じだな」
「プレゼントのセンスは微妙ですけどね……」
まるでカップルかのような2人を遠くから見やるいつもの面子。クリスマスなんだが、俺たちはいつも通りだ。
「俺とギルには手作りクッキーねぇ……」
「先輩の手作り? 一枚欲しい!」
「私も」
「おぅ、いいぜ」
袋から二枚ほど取り出してエリナとシエルに渡す。2人はすぐに口の中に放り込んで味わう。
「……なんか、普通」
「ぱっさぱっさですね……」
正直、俺からしても微妙なんだよな。なんか、味は普通なんだが口の中の水分が瞬時に持ってかれる感じだ。
それでも、目の前のギルは美味しそうに頬張ってる。
「なんかギルさん、健気で可愛いですね」
「そうですね。あんな顔のギルは初めて見ました」
「俺もだ…… そいや、まだプレゼント渡してなかったな」
えーと……2人の分はーっと……
「ほれほれ、これがシエルので、こっちがエリナのだ」
紙袋を2人に渡す。
「これは…」
「ハルさん、意外にいい趣味かも」
シエルには白いワンピース、エリナには黒のジャケットだ。
「どうだ? いいだろ?」
「ええ、とても」
「うん、ありがとう」
さっすが俺、可愛い女の子のハートを鷲掴みだな。
「私からはこれだよ!」
「おっ、嬉しいね」
クッキーのプレゼント多いな。やっぱり量産性に富んでるからか?
「えっと…… メリークリスマス」
「ん?」
クレープ?
「随分良くできてんじゃねえか」
「ありがとうございます」
「んじゃ、二つとも頂きますわ」
んー、クッキーはバター風味で美味いわ。
クレープの方はイチゴの酸味がするぜ。
「2人ともいい嫁さんになりそうだな」
「ハルさんのお嫁さんにはなりたくないわ」
「私は構いませんが」
「メリー・クリスマーース‼︎」
外部居住区でお土産を買っていると、どことなく聞き覚えのある声が聞こえた。とりあえず店を出てみると、サンタクロース(?)の周りに多くの人が群がっていた。
「なんだありゃ?」
どことなく華麗臭が漂うサンタクロースだ。
「あっ、コウタ隊長」
「エリナか。なぁ、あれって……」
「あいつよ、多分」
「やっぱりか」
何やってんだよ全く……
「なんか気になるから行ってみようぜ」
「そうね、どうせくだらないことをしているはずだわ」
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます‼︎ サンタさん‼︎」
「礼には及ばん。サンタクロースとして当然のことをしたまでだ‼︎」
「………」
サンタクロースはお金を配っていた。手渡しで。どういうわけなのか、何を考えているのかはわからない。
「俺…… ちょっとあいつの事見直したわ」
「私も……」
今度なんか奢ってやろう。
「そうだエリナ。今から一緒にうち来るか?」
「あの、私用事あるの」
「そうかー、じゃあまた今度行こうな」
「うん! あ、出来たら写真送るね‼︎」
「写真?」
ニヤニヤしながらエリナは俺に顔をぐいっと近づける。
「実は今日……」
「なぁ、マジでやるのか?」
「うん、だって……せっかくハルさんがくれたんだし‼︎」
「………」
俺は何をやってるんだ?
そもそものきっかけはクリスマスのプレゼントだ…… 俺と隊長が一緒にいる時、クレープを片手にハルさんは近づいてきた。そうして紙袋から取り出したのは……
「うん、このブレザー可愛いね」
「スカート短くねえか? その……俺がこんなん着てる姿は見苦しいと思うんだが……」
「大丈夫、きっと似合うわ」
何が大丈夫なのかは俺にはさっぱり分からない。
「先輩! 買ってきたよー‼︎」
「おかえりー、エリナありがと」
エリナから渡されたビニール袋から取り出していく。
「えっと、これがベースで、こっちがファンデ」
「おいおいおいちょっと待て、何をする気だ⁉︎」
「ギルさん、お化粧に決まってるじゃないですかぁ」
何を気楽に言ってるんだ‼︎ 俺をなんだと思ってる?
「とりあえずギル、こっち向いて」
「いやいや待て、俺は化粧なんか……」
「いいからっ」
「うっ……」
顔近い顔近い!
「うーん…… 思ったより肌綺麗ね」
「………」
「それじゃあ私がやるから、動かないでね」
「……はい」
「これでオッケー……」
「先輩上手……」
あれよあれよという間に顔や眉に何かを塗られ、目元に細工をされ、挙句に付けまつ毛まで……
「じゃあ、私たちは出てるからこれに着替えてね」
「ギルさん待ってるねー‼︎」
「………」
行ってしまった。
女装なんかしたくねえ。スカートはやけに短いし…… それに、もしいろんな人に見られたらそれはそれで……
でも隊長たちは、楽しみって感じだった。
……着ようか、仕方ない。これっきりにすればいいんだ。
「わあ‼︎ ギルさん可愛い‼︎」
「うん、なんかモデルさんみたい」
「………」
こんな女がいてたまるかーっ! 俺は185あるんだぞ?
俯いてるとシャッター音がした。
「ちょ、何撮ってんだ」
「記念です。ねー先輩っ!」
「ギル、綺麗だよ」
「…………」
帰りたい。こういうの……穴があったら入りたいってやつか?
ハルさん、絶対に許しません。この恨み……必ず晴らします。
この日のギルバートの写真は、いろいろな人に送られたというのはまた別の話である。