GOD EATER2 ほのぼのアフターライフ   作:W-cat

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Report39 お世話係

「私、今日、誤射が少なかった気がします!」

 

果たしてそうかな……? その9割は嘘だと思う。というか、10割嘘だと断言してもいい。

今日の出撃は3度目だ。行くたびにこの無慈悲な爆撃を受けている。当の本人は全く悪びれていない。

 

「ギル、大丈夫?」

 

「……ああ」

 

普段からよく手入れされている美しい長髪も、誤射によって痛んでる。ナナの猫耳も、心なしか(しお)れてる気がする。

 

「あははー……今日も疲れたー」

 

「帰ったらお茶にしましょう! 今日はプリンもありますよ‼︎」

 

「プリン⁉︎」

 

予想通りナナが食いつく。この頃餌付けされてるようにしか見えない。まあナナは食い物には目がないからなぁ……

 

「隊長っ、早く帰ろうよ〜」

 

「……うん、そうしましょう」

 

 

 

2人が先々と進んでいく。俺たちとは違ってやたらと元気だ。

 

「ふぅ…… やっぱ若いから元気だねー」

 

「隊長だってまだ若いだろ?」

 

「私もそのつもりなんだけど、自分が思ってるより動けないものよ。昔はこんなに疲れなかったんだけどなー……」

 

その疲れは体の衰えではなく誤射によるダメージなんじゃねえのか? かくいう俺もなかなかにしんどい。直撃も受けてるからなぁ……

そういうのが逆に良い、という輩も存在するらしい。俺はそっちの世界じゃないから良さがわからんがな。

 

「帰ったらカルビのお散歩に連れてかないとね」

 

「あのカピバラか?」

 

「うん。しばらく戻れないからってお世話頼まれちゃったの。といっても、お散歩くらいしかやることないんだけどね」

 

順当だろうな。ナナは何食べさせるかわかったもんじゃねえし…… この前は、俺もわけのわからん物食わされたな。甘ったるい味がして気分が悪くなった上に、腹を下した。一体なんだったんだあれは?

 

「この後空いてる?」

 

「ああ」

 

「じゃあ一緒に行こうよ」

 

「いいぜ、たまには悪くないな」

 

正直あのカピバラと関わることとかないから、今回はいい機会かもしれないな。

 

 

 

 

 

 

 

お散歩、といってもどうやら支部内をうろうろするだけらしい。これって散歩なのか? どちらかというと、徘徊にしか見えない。

 

「このルートでいいらしいけど、これ散歩なの?」

 

「さあ、なんとも……」

 

隊長も同じことを考えてたようだ。シエルの書いてある地図には、カルビとともに幾つかのフロアに行って通過することを繰り返してるだけな気もしなくはない。これじゃあ外に連れ出したくなる気持ちもわからなくはない。

 

「こんくらいでいいかなー……」

 

「そうだな。途中で動かなくなったりしたら困るし」

 

 

 

 

 

 

戻って早々にカピバラは寝やがった。まあしゃあないか。

 

「今日は俺たちもさっさと寝ようか」

 

「ねえ、一杯だけ何か作って?」

 

「……わかった、一杯だけな」

 

本当、弱いくせに好きなんだよな。お持ち帰りしやすいって面では凄く便利だが、そんな趣味はない……はず。

すぐそこにあったウォッカにオレンジジュースを混ぜ、氷を入れる。ろくに計りもせずに適当に入れたが、だいたい合ってるだろう。

 

「出来たぞー」

 

「ありがとう。頂きます」

 

女性にはこういう口当たりのいいものがいいとかなんとか……ハルさんに言われてたっけな。

 

「酸っぱい」

 

「オレンジだからなー」

 

100%しかなかったんだ。酸っぱいというのもわかる。

 

「そういえばハルさんとシエルって仲良いよね」

 

「シエルは間逆のタイプなのにな。俺としても意外」

 

「今のムーブメントって、シエルなのかなぁ。まさか口説くつもりじゃ……」

 

「まさかそんなことは……」

 

ない……とは言い切れない。いや、流石に12も下の娘に手を出すことはないと信じたい。あれでも自分の上官なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっくしゅん!」

 

「なんだー? 風邪か?」

 

「違ぇよ」

 

「………」

 

「しばらくは寒冷地での任務が続きますから、体調管理には気をつけてくださいね?」

 

「はーい」

 

ちっ、リア充予備軍め…… まっ、俺にはヒバリちゃんがいるんだけどな‼︎

いやしかし、今日も収穫何もなし。いつまでこの捜査続けるんだ?

 

「タツミさん、コーヒーどうぞ」

 

「おぅ! さんきゅー‼︎」

 

考えてもしゃあないか。俺は前衛バカだからな。ハルみたいに女を口説くテクもないし……

 

「明日はどの辺まで行くんだっけ?」

 

「旧藤沢市方面ですね。今回は遠征といっても、極東周辺を一周するような感じですので……」

 

「うーん、そっか」

 

遠征っつったら、普通遠方まで行くんじゃないのか? 博士の意向だから、俺がなんか言える立場じゃないけど……

 

「あの、タツミさん?」

 

「ん? 俺に……」

 

軽口をたたくつもりだったが、ヒバリちゃんの神妙な表情を見て思いとどまった。

 

「今から言うこと、他の人には黙ってもらえませんか?」

 

「あ、ああ……」

 

「……これを読んでください」

 

そういってヒバリちゃんは一冊のノートを渡してきた。

 

「これは……?」

 

「支部長による調査報告書だそうです」

 

一般人への偏食因子投与実験……

 

「まだこんなことが行われているのか?」

 

「わかりません。ただ、裏側でそういったことが行われていると聞いただけなので……」

 

これは、思わぬ事態だな。

かつて行われていたマーナガルム計画、それと同じようなことが行われてるってわけか。確かにそれをすれば驚異的な身体能力を得られるだろうし、絶望的な怪我でも治ったという事例もあったらしい。

だがその代償は……

 

「最近は技術の向上により、成果事態は安定しているようです。ですが倫理的には……」

 

「問題大アリだな」

 

戦闘マシーンとしては傑作かもしれないが、人としてはな……

 

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