GOD EATER2 ほのぼのアフターライフ 作:W-cat
さて、任務終わりに呼び出され、あれよあれよという間に付き合わされてしまった。同行者はもちろん年長者2人にコウタさんだ。
「女の子が喜びそうなものかぁ、俺は既婚者だから適当でいい気もするんだが……」
適当でいいのか?
「それじゃダメだぜリンドウさん、今回は素敵なバレンタインのお返しなんだからさ」
面倒くさそうなリンドウさんをハルさんが咎める。行く前は野郎ばかりであーだの言ってたハルさんだが、いざ出発してみると凄い気の入りようだ。何やら気迫のようなものを感じる。
そういえば今年は随分多く貰えたな。流石極東、アットホームな支部ならではなのかもしれない。
「ギルさんはナナからチョコ貰った?」
唐突にコウタさんに聞かれた。
ナナがくれたのはチョコ味の回復錠だった。ナナ曰くおみくじのようなものらしい。ちなみに俺が食ったのは吉で、体力を少量回復だのなんだの……
「ああ、無駄に甘ったるかったなぁ……」
「甘かったの⁉︎」
鳩が豆鉄砲を食ったような顔だ。
「まあ……」
「えー…… またハズレだったのかー……」
落胆するコウタさん。
また、ということは前も同様のことがあったのだろうか? だったら隊長は大丈夫なのか? いつもナナの犠牲になるのは隊長だし……
「おー、ここかー」
「だっ」
ハルさんが立ち止まってることに気づかず、そのまま背中にぶつかってしまった。
「どうしたギル? 考え事でもしてたか?」
振り返ったハルさんがニヤニヤしながら聞いてきた。
「そういうわけじゃ…… いや、ハルさんの言う通りです」
「まああんまり考えすぎんなよ? 愛する人との記念日に渡す時はそんぐらい悩むのも分かるけど、今回はそういうわけじゃないから、リラックスしていこうぜ」
「リンドウさん……」
堂々としているリンドウさん。ハルさんとは違った意味での落ち着きだ。
ただプレゼントで悩んでたわけじゃ…… いや、何を渡せばいいんだ?
「さってと、行こうギルさん」
そのまま年長者に続くような形で地下ショッピングモールに入っていった。
早速買い物をしようとなったわけだが、ここからは別行動だ。というのも、いちいち他人の買い物に付き合うのが面倒なだけなんだろう。
初めてホワイトデーの存在を知ったのはグラスゴーにいた頃だ。ハルさんがお返しの意味まできっちり教えてくれた。キャンディは好き、クッキーは友達、そしてマシュマロは嫌いという意味だ。
今俺が来ているのは華やかなスイーツ店でもなく、ただの食料品コーナーだ。ここで調達するのは俺ぐらいなのかもしれない。だが、買うよりは作ったほうが安上がりなんだ。とりあえずこの間使い切った薄力粉とベーキングパウダー、残りが少なかった砂糖、そして卵を買っておこう。まだ残ってるチョコチップやバターを使えばある程度のバリエーションが作れる。隊長以外の分はこれでどうとでもなるだろう。
問題は隊長に何を渡すかだ。普通に考えればキャンディを渡すべきなんだが、隊長は飴の類いは嫌いらしい。プレゼントの意味を知っているかどうか分からないし、知っていた時のことを考えるとクッキーを渡すのは避けたほうがいい気もする。ましてやマシュマロなんて……
「うーん……」
どうしようか……
うん、店員のお姉さん可愛い…… じゃなくて、今回の俺の任務はホワイトデーのプレゼント確保だ。適当にお菓子でも買ったりケーキでも買おうということで、ケーキ屋さんに来ているわけだ。
「あれ、ハルさん何やってるんです?」
誰かと思えばカノンちゃんだ。
「まぁ、ちょっとな」
「もしかして、ホワイトデーのお返しですか?」
大ピンポンだぜ。
適当に返事をすると、目を輝かせたカノンがぐいぐいと近寄る。カノンからはほんのりと甘い香りがする。
「ハルさん、これはチャンスですよ‼︎」
「なっ、急にどうしたんだ?」
「ハルさん、ブラッドのシエルさんといい感じの仲なんですよね?」
「おぅ」
多分……
「じゃ、じゃあ…… ここのケーキとハルさんの優しさで、ちょちょいのちょいですよ!」
なんか勘違いしてないか?まあ悪いほうに考えてないだけマシか。シエルの分はここで決めるとしよう。
「カノンは何が欲しい?」
「ふぇっ⁉︎ わ、私、ですか?」
そんな狼狽えるほどのことか?
「そ、そうですねぇ…… 貰えるなら何でも嬉しいんですが……」
「要望なら何でも応えてやるぜ?」
「うーん…… 特に、これといったものは……」
あらら……
「そうかー、なら俺のセンスに任せな‼︎」
「……期待しています‼︎」
よし、カノンにもそこそこいいのを渡そう。いつも(目の)お世話になってるからなぁ……
何故か俺はリンドウさんに引っ張られている。お店については詳しくないそうだから、俺がわざわざ連れていった。
しかしいざ店内に入ると、ものの数十秒で買い物を終わらせてしまった。
「コウター、まだかー?」
「ちょっと待ってくださいよー、てかリンドウさん適当でしょ?」
「適当じゃないぜ? こう見えてちゃんと考えたんだぜ俺なりに?」
どう見ても目に入ったものを買ったようにしか思えないんだが……
ああもういいや‼︎ みんなには酒まんじゅうで、ノゾミのは次回にしよう。リンドウさんを待たせるわけにもいかないし……
あ ホワイトデーのお返し買ってないなー(´・ω・`)
でも身内からしか貰ってないからなぁ( ˘ω˘ )