GOD EATER2 ほのぼのアフターライフ   作:W-cat

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Report58 至福のひととき

研修生が来てから二週間ほどが経った。相変わらず扱いには困る場面もあるが基本的にはなかなか有望だったと思う。最初はどうなるかと思ったけど今のところ順調に感じる。時折エリナとエミールのようないざこざも起こったが、それはもう慣れていたからかさほど気になることでもなかった。

そんなことはどうでもいい。今俺は、目の前の光景についてどう対処すればいいか悩んでいる。

 

「……重くないですか?」

 

「ぜ~んぜんっ」

 

カルビのすぐ横の席で、ハルさんがシエルさんを抱き寄せるような感じで膝の上に乗せている。まさにカップルが人目を憚らずにいちゃついてる感じだ。

ラウンジには俺と、隣で寝ているアリサしかいない。連日働き詰めのアリサがここで寝落ちすることはよくあることだ。

ハルさんはさっきこちらをチラッと見たので俺の存在には気づいているはず…… たちの悪いことに、わかっててやってるんだろう。お昼も過ぎた時間でラウンジには俺たち以外誰もおらず、2人の声がはっきりと聞こえてくる。正直言って、無茶苦茶羨ましい。今まで彼女なんてできたこともないし…… 俺もユノさんとあんな風になれたらなぁ……

 

「はぅ、くすぐったいです」

 

ハルさんはさっきからご満悦である。そうして時折俺をちらちら見てくる。まるで勝ち誇ってるかのように……

 

「くっそ~……」

 

俺の横にはアリサいるけどさ、さすがにあそこまでの関係じゃあないんだよなぁ…… それ以前にアリサは他に好きな人がいるというね。そもそも、俺には親密な仲と言える女友達とかいないんじゃね?

 

「ハル、さっきから何を…… って、コウタさん?」

 

「お、おぅ…… ちーっす」

 

まずい、これは邪魔をしてしまったかもしれない。いや、邪魔だっただろう…… こういうときは逃げるに限る!!

さっさと出よう、こんなとこにいたら頭をやられそうだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コウタさん、どうしたんでしょうか?」

 

「さあな……」

 

いきなり立ち上がって何かを飲み干したと思えば、顔を真っ赤にしたままラウンジから出て行ってしまった。飲んだ後のカップは放置したまま、横で爆睡してるアリサも置いてけぼりである。

 

「ちっとからかいすぎたかぁ」

 

「からかう?」

 

「いやね、彼女もいない男が目の前でいちゃついてるカップル見たりするとさぁ、結構惨めな気持ちになったりするわけよ」

 

俺はそんなことはないけどな。大人の余裕ってやつさ。

 

「カップルに見えたんでしょうか? 私たちのこと……」

 

「まあ傍から見れば、そう見えなくもないかもな」

 

「そうなんですか? じゃあハルは本物のカップルである隊長とギルがいちゃいちゃしてるのを見て……」

 

悲しそうな顔で見つめてくるシエルに罪悪感というか…… 複雑な気持ちになる。俺がみじめな思いをしている、と言いたかったのだろう。

純粋すぎるぜ全く…… きっと気遣いができる良いお嫁さんになれるだろうな……

そういやあの…… ギルは私の婿宣言をして以来、あの2人は一緒に引っ付いてることが多くなったっけ?

 

「ハルは惨めじゃありません。優しいですし、かっこいいですし……」

 

「そういってもらえるのは嬉しいけど、俺はそんなすごい奴じゃないよ」

 

「私、ハルのこと…… 信頼してるんですよ? ブラッドの皆と、いえ、それ以上かもしれません」

 

なんだこの感じ? なんかとんでもないくらいの告白を受けてる気がする。こういう状況は想定してなかったぜ。

それと、なんだろう? ドキドキするって言うか、ときめきっていうか……

 

「あの…… もしよろしければでいいんですが」

 

「おぅ?」

 

「これからも、付き合ってくれますか?」

 

付き合う!? いや落ち着け…… ここでの意味はこれからも仲良くってことだよな?

 

「お、おぅ。もちろんだぜ」

 

「そう言ってくれると思いました! ありがとう」

 

「だっ!?」

 

膝の上にいたシエルは改めて俺のほうに体を向けると、そのまま抱きしめるような感じに…… というか抱きしめられている。女性特有のシャンプーの香り、優しく包み込まれているこの感じ……

 

「あー……」

 

「あっ!! すみません! つい……」

 

即座に俺の元を離れるシエル。やや申し訳なさそうな表情だ。

じゃなくて…… 何やってんだ俺!? 動揺してんのか!? いやいやそもそも女性の扱いは得意分野なのに……

これ以上にないくらいのチャンスを無駄にしちまったぜ……

 

「……お気を悪くいたしましたか?」

 

「それはない! うん、大丈夫だから…… 気にしないでくれ」

 

「そうですか、それなら…… もう少し一緒にいさせてくれませんか?」

 

「も、もちろん」

 

この娘ちょっと…… というかかなり積極攻勢だなぁ。俺は基本攻める側だから守りに入るとどうもな。

 

「何か飲まないか?」

 

「ええ、私はアイスティーがいいです」

 

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