GOD EATER2 ほのぼのアフターライフ 作:W-cat
「失礼します……」
病室にシエルが入って来た。お見舞いに来たようだ。
「ハルオミ隊長……お怪我はどうですか?」
「んー? もうちょいしたら復帰できるかもなー」
「そうですか……………………」
…………会話が全く続かない。てか、あいつらはこの娘と何話しているんだ? ケイトとは真逆のタイプで、他人を寄せ付けない印象だぜ。
今この娘について知っていることは……バレットの研究をしているのと、あのでかカピバラの飼育員ってことだけだ。それ以外のことはさっぱりわかんねぇ。
あっ、そうだ。この機会にあの事でも聞いてみるか。
「なぁ、『マグノリア=コンパス』で何をしてたんだ?」
唯一話しが続きそうなネタをぶつけてみる。これで少しは続くとは思うが……
「そうですねー……基本、戦闘術に特化した教育を受けてました。具体的には体術や各種武器の扱い、破壊工作、諜報活動、暗殺術などを一通り学んだ程度です」
「他には?」
「ジュリウスの身辺警護をしていました」
………………
「ずっと訓練ばかりだったのか?」
「はい……」
「友達とかと遊んだりとかは?」
「……ありません。ずっと一人だったので……」
……女の子らしさが1ミクロもねぇよ。こんな娘は初めてだぜ……
「……それって、辛くねぇか?」
「…………………………………………」
辛いに決まってるよなぁ。俺はガキの頃は遊んでばっかだったな……
「あー、すまん。今の質問は忘れてくれ……」
「……いいえ、気にしないで下さい。確かに『マグノリア=コンパス』での教育は……今思えば……とても……辛かったです」
ぽつぽつと語り出すシエル。地雷を踏んだな……俺……
「極限状態でのストレステストや、わずかなミスでも懲罰房に入れられました。それから、食事も拷問のようなものでした。体力をつけるために、大量に食べなければいけませんでした……でも、少し前まではそれらを不幸とは思いませんでした」
少し前までは、かー…… 今は……
しかし胸がでかい理由がなんとなく分かった気がした。
「そうか……辛い過去を背負っているんだな」
「ですが……ハルオミ隊長も「ハルでいい」」
「……ハルも、あの事件が……」
『フラッギング・ギル』のことか。だが、今の俺は……
「ああ、そうさ。俺もケイト、嫁を失った。だが、俺はもう立ち止まらない」
「…………………………………………」
「いつまでも燻ってちゃあ、ケイトに『前を向いていこう‼︎』って言われちまうしなっ!」
「……前を……向いて……」
「ああ、それに……俺は、歩き始めるって決めたからよ。だから、もう立ち止まらない…… だから、今を全力で歩くよ」
……柄にもなく語っちまったな。まあ、それはいいんだけど…… 今を全力で歩くって表現は微妙だな。
「……ふふっ……そうですね、私も……今を……全力で歩きます。前を向いて」
笑った⁉︎
「あ、そろそろ任務なので……これで失礼します」
「そうか…… 今度、一緒にミッション行こうな?」
「はい、では、また……」
深々とお辞儀をして、病室を出て行った。
「ふぅん……可愛いとこあるじゃん」
「もうっ! なんなの⁉︎ あのバカエミール‼︎」
「えっと……」
出撃前のことだ。
「僕を、殴ってくれ‼︎」
「えっ⁉︎」
「はぁ⁉︎」
バトルロイヤルにて、エミールはあれだけ滅多打ちにされたにもかかわらず、早くも戦線復帰になった。しかしいきなりこれである。前にも同様の事があって、一発思いっきり殴っている。
「一昨日のことだ。僕は、君を護ると誓った…… だが、護れなかった。自分の言葉だけでなく、君自身を護れなかったことが許せないんだっ‼︎」
「そんな…… でも、私を護ってくれるって気持ちだけでも嬉しいよ?」
「いいや、気持ちだけではだめなんだ‼︎ だからた「エミールうるさい‼︎」 ぬううぉおわあぁ!」
エミールに嫌気が差したエリナは、助走をつけて殴り飛ばした。エミールはエントランスの階段を転げ落ち、気を失った。
「あの、頑張りましょうね!」
「あっ、はい」
カノンの一言で若干顔が引き攣るエリナ。無理もない。
「……今日は私が前衛、カノンは中距離から支援、エリナは遊撃ね?」
「わかりました」
「了解です、先輩っ‼︎」
討伐対象は極地型グボロ・グボロだ。カノンの射撃訓練としてはまずまず、といったところだろうか。
『まもなくアラガミが侵入します。どうかお気をつけて」
ヒバリから連絡が入る。任務開始だ。
「行きましょうか」
早速こちらに気づいたようだ。砲撃体制で待ち構えている。
3年ほど前は感覚器官が鈍感だったのだが、いつのまにか鋭い聴覚を得ている。昔は後ろから近づいて尾びれ触っても気づかなかったのに……
巨大な氷塊が発射される。ステラはそのまま背後に回り込み、捕食を行う。
「カノン‼︎」
カノンへ受け渡し弾を送り、すぐさま飛び退く。
「そらっ‼︎」
カノンの無慈悲な攻撃が始まる。
極地型グボロ・グボロは足を止め、カノンへ砲撃を行おうとする。尤も、カノンに向かって足を止めて撃ちあえば……
「キャハハハハッ‼︎ 良いザマだね‼︎」
カノンの砲撃を受け、ボロボロになっていく。
「そのまま、肉片にしてあげるね‼︎」
例の『ブラスト解放弾』、続いてアラガミバレットを放つ。まともに受けた対象は、もう息絶え絶えのようだ。
「クソッ‼︎」
弾切れのようだ。カノンはOアンプルを神機に注射する。
「エリナっ! とどめを‼︎」
「了解っ! はああぁっ‼︎」
エリナは満身創痍の極地型グボロ・グボロに、チャージスピアを槍襖のように突き刺し、止めを刺した。
「ふぅ…… エリナ、コアの回収お願いね」
「はいっ!」
「あの、お疲れ様です‼︎」
Oアンプルの注射を終えたカノンが駆け寄って来た。今日の誤射はゼロだ。
「コアの摘出、完了しました。だいぶ傷ついてるみたいですが……」
「それは無理もないわ。あれだけの砲撃を受けたからね」
「私、今日誤射が少なかった気がします‼︎」
……まぁ、その通りである。すぐに逃げたのだから……
自動車学校で忙しいけど、頑張ってかきます(*・ω・)ノ