フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

10 / 191
第五話

「会敵予想時刻Tマイナス六百───間もなくですよ」

 

デブリ帯の中───四機のジンが隊列を組みながら二艦の戦艦が合流するポイントで待ち伏せをしていた。

そしてその部隊長であるトリトマ・レオントッツォはつまらなさそうに今回の任務内容を読み上げる。

 

「目標は地球連合の新型艦とネルソン級一隻、ドレイク級二隻。隊長の予想では新型艦にラクス・クラインが乗っていると予想され、隊長が新型艦に搭載された新型のモビルスーツを相手にしている間、私達はクルーゼ隊が襲撃する前にもう一艦───ネルソン級一隻、ドレイク級二隻の乗員を無傷で捕虜とすることです」

 

その内容に他のパイロットから戸惑いとふざけるなという声が通信越しに響き渡る。が、トリトマは違った。

 

「うるせーですよ」

 

小五月蝿い部隊に彼女は一言言って黙らせると、そのまま任務内容を再び読み上げた。

 

「私達の目的はあくまでもラクス・クライン氏の救出です。ネルソン級一隻、ドレイク級二隻の民間人やクルーはその交渉の人質になりますので無闇に殺さないように。任務の内容は以上です。───何か質問は?」

 

「何故ナチュラルを捕虜にしなければならない!そんなものナチュラルを全滅させて救出をすれば───」

 

隊員の一人がそう言い切る前にトリトマはガンッ!とコクピット内を蹴りつける。

そして押し黙った隊員を詰まらなそうな目で見ながらトリトマは口を開いた。

 

「貴方は馬鹿です?私もモビルスーツの操縦しか出来ない馬鹿ですけれど、そんなことをしたらクライン氏が人質に取られるに決まっているじゃあないですか。そんなことになったら本末転倒ですよ。私と一緒にアカデミーを合格したんですよね?何をやっていたんです?」

 

その言葉に最早誰もが口を塞ぐしかなかった。そんな不満げな隊員達を見てトリトマは笑みを浮かべた。

 

「不満だと言うのならどうぞご自由に。隊長の手腕を見れば誰もが何も言えなくなりますよ」

 

そしてモニターに映る時間を確認し、トリトマは不満げな隊員達に命令を下した。

 

「会敵予想時刻Tマイナス三百───各員、現状のコースを維持。以後無線は封鎖されます」

 

そして自分達の遥か後方───一機の赤いシグーがデブリ帯の中を高速で移動しながら新型艦に向かっていくのが見える。

隊長よりもかなり早く出たつもりだったのだがもう追いついてきたらしい。

そしてそのまま赤いシグーは四機のジンを追い越して、デブリ帯の中で更に加速していった。

 

「な、なんだよ───あれ」

 

デブリの中───自分達を追い越した赤いシグーを見て、一人がそう呟く。

それもそうだ。自分も初めての実戦で見た時は驚いたものだ。デブリを蹴ることで更に加速するという化け物じみた技量を持つ人がいるのかと。

まるで彗星のように高速移動し、戦う姿に隊長はこう呼ばれている。

 

 

 

赤い彗星───と。

 

 

 

 

「見せてもらおうか。新しいガンダムの性能とやらを」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。