フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第九十九話

“バスター“が地表へと降下していく。イザークは混乱しながらもしばしの間、それを見ていた。

すべて、訳が分からない。死んだと思っていたディアッカが生きていて、なぜこんなところにいるのか?なぜ“ストライク“や“フリーダム“とともにいて、そのパイロットと親しげに言葉を交わしているのか?そしてアスランやあのフル・フロンタルについて、彼等は何を話していたのか───?

ディアッカはいい加減なヤツだとは思うが、母国を裏切るようなことをするとは思えない。

だが───考えてみれば、アスランやラクス、そしてあのフロンタルが裏切った理由もまだ理解出来ていないのだ。他人の胸のうちに秘めた思いなど、自分には分かるはずもない。

 

───銃を向けずに話をしよう───

 

先程のディアッカの言葉を思い出し、イザークは唇を噛んだ。

裏切り者の話など聞く必要はない。行動が全てだ。ディアッカは生きていたというのに本隊に復帰しなかった。それだけで脱走の罪に相当するというのに、のみならず裏切り者たちと行動をともにしている。討つだけの理由は十分ではないか?

だがしかし───イザークは躊躇ってしまった。それは彼自身が知りたかったからだ。ディアッカ、アスラン、ラクス、バルトフェルド、フロンタル、トリトマ───彼等が何を思い、去っていったのかを。自分達を裏切った彼等に対する怒りは、今もまだ残っている。だが・・・イザークは、彼等の胸に秘められた思いを理解したかったのだ。

だから、彼は“デュエル“を“バスター“の前に降り立たせ、コクピットから外へと出た。

乾燥し荒れ果てた大地に降り立ったイザークの姿を見て、ディアッカは安堵の表情で歩み寄ろうとする。だが、イザークはその顔に向けて拳銃を構えた。

 

「銃を向けずに・・・など、敵のそんな言葉を信じるほど、俺は甘くない!」

 

銃を目にして、ディアッカの足が止まる。

たしかに彼の話は聞いてやろうとは思う。が、口先だけのいい加減な言葉で懐柔しようと思っているなら、ヤツは考えを改めるべきだ。

ディアッカはイザークの顔に浮かぶ、決然とした表情に目を留めた後、やりきれないように深くため息をついた。

 

「なあ、イザーク。・・・俺は・・・お前の『敵』か?」

 

そう問われ、イザークの銃を握る手が揺れた。

違う。ディアッカは───仲間だった。士官学校時代からずっと横にいて、ときには短気なイザークをいさめ、周囲と取りなしてくれもした。

それなのに、なぜ自分は今、この男に銃を向けなければいけないのだ!?

やりきれないのはイザークの方だった。

 

「───敵となったのはキサマの方だろうがっ!」

 

泣きたいような気持ちで、彼は怒鳴った。

だが、ディアッカは答える。

 

「俺は、お前の敵になった覚えはねえよ」

 

「ふざけるなッ!キサマも裏切り者だ!」

 

相手がこちらを丸め込もうとしていると思い、イザークは銃をしっかりと持ち直す。しかしディアッカは銃口を睨みつけながらも、動じることはなかった。

 

「───俺は”プラント"を裏切ったつもりもない」

 

「なんだとォッ!?」

 

「けど───ただ、ナチュラルを・・・」

 

ふいにディアッカは、これまで見たこともないような鋭い目つきになり、言い放つ。

 

「───黙って軍の命令に従って、ただナチュラルを全滅させる為に戦う気も、もうないってだけだ!」

 

───ナチュラルを全滅・・・!?

 

イザークはその言葉に衝撃を受け、思わず銃を少し下げる。

───自分たちがしようとしていることは、それなのか?

彼の耳に、少し前、整備兵が無邪気に発した言葉が蘇る。

 

───ナチュラルどもなんか、あっという間に宇宙からいなくなるんでしょ?

 

それが果たして、自分たちの望みなのだろうか・・・?

ディアッカは躊躇うイザークを見てとり、ふっと笑った。

 

「俺さぁ・・・なーんも考えずにこれまで戦ってきたんだよなァ・・・」

 

そうだ。イザークだってそうだった。

 

「でも捕虜になってよ。いろいろ考えたんだよ。まあ、ほかにやることねえしさ」

 

そしてディアッカは照れくさそうに、自分が投降し、"アークエンジェル"に囚われていたことを話しはじめた。

 

「───これまでの俺はさ、ナチュラルのこと、"俺たちとは違うモノ"としか思ってなかった。でもさ、アイツの涙と・・・ニコルが死んだとき、おまえが流した涙とどう違うんだって思ったんだよ」

 

そうだ。ナチュラルも自分たちと同じ血を流す。その事はイザークも既に分かっていた。

だが───。

 

「それでっ・・・」

 

彼は絞り出すように喚いた。

 

「ナチュラルを殺すのをやめて、コーディネーターを殺すことにしたのか!?」

 

「違う」

 

ディアッカは以前にはなかった落ち着きを見せて、静かに答えた。

 

「俺たちは、そういうのを少しでも減らそうと思って───それで来たんだ」

 

イザークはディアッカの言っている事が分からなくなり、目を見開いた。

 

「フロンタル隊長を見て俺はすげえとしか思えなかったよ。俺の親父やお前の母さんも確かに凄いとは思うぜ?けどさ、あの人はどうすればナチュラルとコーディネーターがどう共存出来る未来が出来るかどうか考えてる。あの人は俺たちが見ているその先を見ているんだってな」

 

「ナチュラルとコーディネーターが共存出来る未来だと?」

 

そんな未来、本当にあり得るのか?互いに殺し合いをしているこの状況でも、あの人はその未来を見ていると?

困惑するイザークにディアッカは言う。

 

「ああ。それでよ、あの人はブルーコスモスのお偉いさんと話し合って条件付きとはいえプラントの独立に手を貸して貰えるようにしたんだぜ?俺たちの前でさ」

 

「なんだと!?」

 

その言葉にイザークは驚愕の声を上げる。

 

「プラントの最高評議会もさ、あの人曰く、プラントの独立を目指すヤツとナチュラルを全滅させるヤツに別れていてアスランの親父やニコルの親父はそっち側なんだって言ってた。お前の母さんはプラントが独立出来ればそれで良いって言う人もいるのに、どうして俺たちコーディネーターも仲間内で争っているんだろうなってあの人の話を聞いて俺も考えるようになったんだよ」

 

イザークにしても、ナチュラル全てを殺して勝つ事が正しいとは思っていない。

だが、もしディアッカの話が本当なら───

 

コーディネーターもナチュラルと変わらないではないか?

 

「なあ、イザーク。俺はフロンタルやラクスの考えのように戦争が早く終わればいいと思ってる。お前はどうなんだ?」

 

その言葉にイザークは手にした銃を強く握るしかなかった。




フロンタル プロフィール

専門分野 遺伝子科学/潜行/強襲戦/作曲/モビルスーツ開発/彫刻/政治/尋問/殲滅戦/モビルスーツパイロット/意識操作 など

と、かなりの多才。作曲については本人が絶対音感を持っている為、極々たまにその場で作曲して歌う事もある。

テラ時代ではそれを利用して裏切り者の吊るし上げをしたりもした。

そんな化け物じみたスペックを持つオリ主だが、シーボーンだけは殺すことは出来ても対処できなかった。

ELSとデビルガンダムを足して二で割らない自己進化する海産物にどう勝てという話である


【挿絵表示】


フロンタルのクローゼットを漁って着たのをバレたトリトマちゃん

なお、過去にフロンタルさんはトリトマの件を含めて四回、クローゼットを漁られたことがある


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