フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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やっと仕事が落ち着いたので連続投稿です!




第百三話

クルーゼから現状のプラントの状況を聞いたフロンタルは真っ先に彼等に通信を入れた。それはラクスやカガリ、マリューやアズラエルといった各陣営のトップにだ。

 

『どうかいたしましたか?フロンタル議員?こんな時間に突然皆さんに招集をかけて・・・』

 

そう言うラクス達にフロンタルは言った。

 

「クルーゼから現在のプラントの状況を聞いた。それを聞いて今後の計画を大きく変えなければならなくなったのでな。その報告だ」

 

『プラントの現状ネ・・・。確かに相手の状況は我々も欲しい所です。聞かせてもらっても?』

 

いつでも聞く姿勢を示すアズラエルにフロンタルは内心で流石盟主王と呟く。

その姿勢は個人的には好ましいとは思う。無駄な事は正直俺も省きたいし。ただ、まあ・・・時折入るスイッチがね・・・?

 

「ええ。そのつもりで貴方もお呼びした。上手く事が運べばこの戦争は私が予想していた時期より早く終わる可能性が高い」

 

『それは・・・本当なのか?』

 

「ああ。本当だとも」

 

疑問の声を上げるカガリにフロンタルは頷いた。

 

『それで・・・プラントの現状はどうなっているのですか?』

 

マリューからの質問にフロンタルは言った。

 

「クルーゼの情報が本当であるならば現在、プラントは・・・いや、正確にはザフトは戦力を前線にほぼ回せない状況だと考えてもらってもいい。私も話を聞いて最初は本当なのか疑わざるを得なかった」

 

『ザフトの戦力を回せない?それはどういう・・・?』

 

そう質問をするアスランにフロンタルは話を続ける。

 

「現在、ザフトはパトリック・ザラを支持する過激派であるザラ派と私を支持する穏健派のフロンタル派の二分に分かれている。パトリックはザフト内にいるフロンタル派を鎮圧しようと武力行使をしているらしいが、フロンタル派はそれに反抗しているらしい」

 

『ザフト内で・・・争いが!?』

 

驚きを隠せないキラやアスラン、ラクス達にフロンタルは小さく肩をすくめた。

 

「当然と言えば当然だ。私がザフトの総司令の座を引きずり下ろされて以降、パトリックは被害を拡大し続けてザフトはこうして宇宙へと撤退し、劣勢に立たされている。そんな状態で私が離反して君達についているのだ。どうなるかぐらい君達でも分かるだろう?」

 

『無能な指導者は目の前だけに固執して何も学びませんしネ。いやぁ、君が味方でよかったよかった』

 

「私としても貴方と無用な争いをするのは避けたい所だ。もっとも裏切るような真似をするのであれば話は別だが」

 

一応舐められないように牽制だけはしておく。

一時期の同盟を結び、約束をしたとはいえ、元は戦争相手だったのだ。舐められてはいけない。

 

『僕もキミを敵に回したくないカナ。思った以上にキミは厄介そうだ』

 

そう言うアズラエルはひとしきり笑った後、真面目な声でフロンタルに言う。

 

『それで?今後の計画はどうするつもりなんです?僕としてはこの戦争を早く終わらせることが出来るのならある程度なら手を貸しますヨ』

 

商談ふっかけてくるなぁオイ。

まあ、つってもやってもらいたい事なんて限られてるけどな。

 

「貴方には私が事を終わらせるまでの間、クライン嬢達と共に時間を稼いでもらいたい」

 

『事が終わらせるまで、ネ。それはいつまで?』

 

その言葉にフロンタルは言った。

 

「明日、私はクルーゼと共に一度プラントへと戻る」

 

「隊長!?」

 

『『『!?』』』

 

『・・・へぇ?』

 

フロンタルの言葉に皆が驚愕の声を上げた。

アズラエルも意外だったのか平常を保ってこそはいるものの、その顔に驚きを隠せていない。

 

『武力行使でパパッと片付けないンです?』

 

「最初は暗殺や武力行使での強行も考えたが、今のパトリックの心境を察するにそれは厳しいだろう。下手をすれば死なばもろともで味方ごとジェネシスを撃ちかねない。ならば、私が直々に行く」

 

「危険ですよ!隊長に何かあったらどうするんですか!!」

 

行くのを反対しているのはトリトマだった。

 

「クルーゼと共にだ。問題はない。もちろん護衛も連れて行く」

 

「なら、私が!」

 

すぐに自分が行くと言うトリトマにフロンタルは言った。

 

「トリトマは私の部下として顔を覚えられている。それに君には前線での時間稼ぎを任せたい」

 

現状、モビルスーツ戦最強である彼女を引き抜いたら不味いしな。

 

「・・・・分かりました」

 

彼女自身も分かってはいたのだろう。

すぐに握っていた拳を下ろす。

 

「・・・ぜってーに無事に帰ってください」

 

「勿論だとも」

 

そしてフロンタルは近くで待機していたエムに言った。

 

「エム。護衛は君に頼みたい。軍内部で君は登録はされているが、長期間のカウンセリングによって何処の部隊にも所属していないという事になっている。護衛、頼めるか?」

 

「了承。隊長の身は私が守ります。お任せください」

 

「頼りにしている」

 

すぐに返事を返す彼女にフロンタルはそう言ってからアスランを見た。

 

「さて、アスラン君。次は君の事についてだ」

 

『俺の・・・?』

 

疑問を浮かべる彼にフロンタルは言う。

 

「ああ。君をお父上の元へと連れて行く話だが、今の状況下では恐らく会話が成り立つ事はないだろう。もし、君がお父上ともう一度話がしたいという生半可な気持ちでついてくるのであれば止めたほうがいい」

 

多分今のパトリックに話は通用しないだろうしな。仮に通用したとしてもすぐに銃口を此方へと向けてくるだろう。

 

「突然の事に焦りもあるだろう。だが、明日の出発までには決めておいて欲しい」

 

明日──それはアスランにとって短いとても短い選択の時間だった。




エムさん


【挿絵表示】



プロフィール キャプテン

本名 サルビア・エルネスタ

専門分野 薬理学/生物毒理学/戦場救護/防衛戦

43歳

彼の今の名前は彼が結婚する前の名前。
6年前、とある事件で離婚するまでは別の名前だった。
トリトマの事については娘のように思っているらしく、フロンタルと同じく甘やかしている。
彼には娘が二人いたらしく、もう何年もあっていないが一番上の子はトリトマと同い年になるらしい。


フル・フロンタルとキャプテンとの会話

「あの子も大きくなりましたね」

「話さないのか?」

「私はあの子に嫌われてますから。娘を傷つけてしまったあの日から」

「人の家庭事情にあまり口出しはしたくはないが、娘に迷惑をかけない方がいい。あの子も彼女が部隊に来てから彼女を他の隊員に押し付けているからな」

「まあ、そうですね。それについては私にも責任がありますので申し訳ないとは思ってます。ただ、自分がまだ整理出来てないものでして」

「・・・ちゃんと話しておくといい。この仕事をしている身だ。お互いいつ死ぬか分からないからな」

「ええ。それはもちろん。それまでには話そうとは思っていますよ。あの子達の元父親としてね」
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