フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第百八話

もうすぐプラントに着く。

 

アスランは窓から見える宇宙とその先に見えるプラントコロニー群を何か思い詰めるかのように見つめていた。

 

『君がお父上ともう一度話がしたいという生半可な気持ちでついてくるのであれば止めたほうがいい』

 

フル・フロンタルの言葉がまだ彼を迷わせていた。

カガリ達の前では父を討つと言ったが、アスランの中ではまだ一筋の望みがあるのでは?と心の片隅で考えてしまう。

 

「・・・迷ってばかりだな。俺は・・・」

 

自分で決めておいてなお、迷ってしまう。

同じ船に乗っているあの人のように迷いなく物事を決める事が出来なかった。

 

(尚、当の本人はクルーゼ達と馬鹿やってました)

 

だが父を討たなければこの先、沢山の人が死に、地球が住めない死の星になってしまうだろう。

その最悪のビジョンだけは避けなければならない。

アスランは自身に喝を入れようとした時、部屋に誰かが入ってきた。

振り返ると、そこにいたのはイザークだった。

 

「イザーク・・・」

 

こうして二人だけで対面するのも久しぶりだ。

地球でストライクと相討って以来となる。

なんとも言えない返事をするアスランにイザークは言った。

 

「全く・・・お前はこれからお前達は議長の暗殺やカナーバ議員の救出に向かうというのに何を迷っている」

 

そう言いながらイザークは壁にもたれかかる。

 

「それは・・・」

 

喉の片隅で言葉が詰まる。

父が本当にナチュラルを滅ぼすのかという疑問。これから自分達がやろうとしている事は本当に正しいのかというものだからだ。

そんなアスランにイザークは独り言のように呟く。

 

「お前の考えている事はある程度俺でも分かる。俺もまだあの人が言った事が本当なのか未だに信じられない。だが、もし話が本当なのだとしたら俺もお前と同じように迷う事になるだろうな」

 

そう。イザークも迷ってはいるのだ。

だが、その答えをイザークは見つけ出そうとしている。

そんなイザークを見てアスランは言った。

 

「・・・そうだな。俺もいい加減、迷ってはいられないな」

 

「・・・フン。それでこそお前だ」

 

そう言って出ていこうとするイザークにアスランは後ろから声をかけた。

 

「イザーク!」

 

「・・・なんだ?」

 

足を止め、振り向くイザークにアスランは口を開く。

 

「ありがとう」

 

その言葉にイザークは返事を返す。

 

「礼などいらん。なよなよしいお前が見ていられなかっただけだ」

 

そう言って今度こそイザークは部屋から出ていった。

部屋に残されたアスランは胸の中に残った迷いが晴れたかのように清々しかった。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

「さて、フロンタル。私が出来るのはここまでだ」

 

そう言ってクルーゼは宇宙港の周りを見る。

 

「すまないな。外の事は任せても良いか?」

 

「ああ。あのトリトマと言う彼女の相手をしてやればいいのだろう?上手くやるさ」

 

クルーゼには味方についてもらったが、あくまでもパトリックに悟られないように行動をしてもらうつもりだ。

恐らく、プラントの最大戦力になるプロヴィデンスを予定通りクルーゼに乗ってもらい、トリトマと戦ってもらう事で互いに時間を稼ぐ。

それは味方であるトリトマやキャプテンにマリュー、キラ君にカガリやアズラエルにも伝えてある。

 

「トリトマにも言ってはいるが、遊び程度で留めてくれ。彼女が本気を出すと恐らくだがお前を殺しかねん」

 

「ほう?それほど実力があるのか」

 

「では逆に聞くが、ビームの間は敵がいないから安全に進めると言って有言実行したのが彼女だぞ?クルーゼ、君にそれが出来るのか?」

 

「・・・実は彼女がスーパーコーディネイターという可能性はないかね?」

 

「彼女がスーパーコーディネイターだったらあんなアホの子ではない」

 

報告書はしょっちゅう書き間違えるし。モビルスーツの操縦や格闘戦以外はキラ君より劣るんじゃない?

聞き分けとか判断能力はあるけどさ。

そう言うフロンタルにそ、そうか・・・と若干引き気味のクルーゼ。

 

「と、いう訳だ。遊びもほどほどに、な」

 

「ああ。そうさせてもらう・・・そう言えばフロンタル。一つ聞いておくことがあった」

 

「なんだ?」

 

「アイリーン・カナーバの邸はセプテンベルだが此処からどう行くつもりだ?まさかとは思うが、普通の交通機関で行くつもりではないだろうな?」

 

「そうするつもりだ。だからこそ、長めの作戦期間にしておいた。パトリックは私がプラントから脱出して以降、ヤツは状況を掴めていない。ならば外の警備を厳重にし、中の警備は手薄になっている筈だ。それに、だ。私の仮面を外した姿などごく一部しか知らん。だからこそ、私は動きやすい」

 

そう言うフロンタルにクルーゼは頭を押さえる。

 

「せめてギルバートを呼べ。ヤツなら足の代わりにはなる」

 

「ヤツを呼んだら呼んだで面倒臭いことになる」

 

特に女絡みで。

 

「愚痴ぐらい聞いてやればいい。私は嫌だが」

 

「何故結婚して子供までいる女を諦められない男の愚痴を聞かねばならんのだ」

 

こっちはエムとアスランも連れて来ているんだぞ?教育に悪すぎるわ。

 

お前が言うな。お前が。

 

真面目に仕事してやろうか?ん?俺が真面目になると大分高圧的で余計な事を一切喋らなくなるぞ?

 

そう言えばそうだったな!

 

「とにかくそういう事だ。私もバレないよう服を変えなければならん。悪いが失礼するぞ」

 

「まて」

 

そう言うフロンタルにクルーゼは待てと言う。

そして制服のポケットから鍵を取り出した。

 

「私の車の鍵だ。このアプリリウスの移動の時は私の車を使うといい。車はいつもの場所へ止めておけ」

 

そう言って鍵を投げ渡すクルーゼにフロンタルは受け取り、礼を言う。

 

「すまないな」

 

「礼はいい。私とお前の仲だ」

 

そう言って去ろうとするクルーゼにフロンタルは一言。

 

「道中、廃車にしたらすまないとだけ言っておく」

 

「やはり返せ。今すぐに!」

 

余計な一言を言うフロンタルだった。




プロフィール オデュッセウスガンダム

フロンタルさんが自腹で作ったペーネロペーだが、いくつか宇宙世紀とは異なる点がある

まず一つは変形が劇場版使用

つまりはモビルスーツ形態、フライト・フォーム、ミドル・フォームの三形態あるということ。

そしてもう一つがビーム・バリアが試作とはいえ完成している事である。正確にはデスティニーやレジェンドのようなビーム・シールドに近い代物だが。

なら、変形いらなくね?とフロンタルさんは思ったのだが製作始めた頃のザフトは可変機ブーム。
変形機構もそのままついてきた。
そして面白いことにフィックスド・フライトユニットとオデュッセウスのエネルギー源は別にあるのでビーム・バリアとミノフスキー・フライトの同時使用も全く問題ないのこと。

というかビーム・バリアがビーム・シールド地味た耐久力を持ったせいで空をストフリやアカツキ以上の速度で縦横無尽に飛び回るモンスターマシンと化している
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