フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第百十二話

「なるほど。あの赤い彗星がそのような交渉を・・・たしかにプラントの独立を認めれば地球に打ち込まれたNジャマーを無償で無力化してもらいつつ、医療技術も提供してもらえるという話はたしかに大手柄だよ、アズラエル。しかし───」

 

軍首脳の一人がためらい、隣の者の顔を窺うのに気づいて、怪訝そうに周囲を見回した。

以前と同じ、グリーンランドの地球軍司令本部の、海中に面した会議室で、彼等は今後のことについて話し合っていた。

 

「プラントがジェネシスという兵器を開発し、赤い彗星ことフル・フロンタルはそれを解体しようとしている、か。たしかにそれに協力するのは我々も同意はする。だが、プラントの完全な独立を許してしまえばユーラシア連邦や他の独立を求める国が黙っていないぞ?」

 

「その辺りについては貴方達ももう理解しているでしょう?もし、他の独立を求める国があればプラントと同じようにそれ相応の対価をふっかければいいんですヨ」

 

独立をしたいのならそれ相応の対価を我々にくれれば良い。

プラントの場合はそれが出来るからこそアズラエルはそれに乗ったのだ。とはいえ、コーディネイターをやりたい放題させるのは問題でもある。だが、その辺りはあの男とまた話し合う必要があるだろう。

 

「───さァ、サッサと準備して、サッサと終わらせなくてはね。こんな戦争は」

 

反対意見は、誰も口にしなかった。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

その頃 ムサカでは───

 

 

「・・・・暇です」

 

フロンタルとエムが一緒にプラントへ向かってはやニ週間。

トリトマは執務室の一角に設置されたソファに寝そべりながらそう呟いた。

 

「とは言いましてもねぇ。作戦開始までまだ時間はありますよ?その際はクルーゼ隊から連絡がありますし」

 

「だったら隊長とエムさんと一緒に私も行きたかったです」

 

そう言いながらゴロンとクッションを抱きしめるトリトマにエルは机に置かれたお菓子を手に取りながら言う。

 

「でもさー、隊長に自分の機体に乗せてもらえるって事は凄い信頼してもらえているってことじゃない?トリトマちゃんにはそれだけ期待しているよーってさ」

 

「・・・期待でやがりますか?」

 

顔を向けるトリトマにエルは頷いた。

 

「そうそう。一生懸命頑張れば隊長に褒めてもらえるんじゃないかニャー?」

 

「隊長に・・・褒めて・・・」

 

エルのその言葉にトリトマはその光景を妄想する。

 

『よくやってくれた。今回の件は非常に危険な役割だったが、トリトマのお陰で前線を気にする事なく動く事が出来た。感謝する』

 

「~~~~~~~!」

 

その言葉を妄想してしまい、彼女の精神が暴走気味になってしまったようだ。

もはや抱きつきからプロレスの域にまで達したホールドでクッションがねじれる。

 

「隊長。隊長ー。えへへー・・・ふああー」

 

にへらと笑みを作り、寄声を発してソファの上で足をばたつかせる。平素の彼女を知る者ならば度肝を抜かれることだろう。脳の回路がおかしくなっているのだろうか?

そんなトリトマを見てキャプテンとエルは苦笑する。

 

「あんなトリトマちゃん始めて見たんだけど。キャプテンさんはどうです?」

 

「私もですよ。あの子があんな顔をするとは思いませんでした」

 

恋慕と尊敬が入り混じり、収拾がつかない状況に陥っている。

 

「えへへー。隊長ー。隊長ゥー」

 

キャプテンとエルが居るにも関わらずトリトマの暴走は止まらない。ブレーキの壊れた車のようにただ加速していくだけだ。これほどまでに晴れ晴れとした気分はいまだかつてなかっただろう。最高にハイになっている。

 

つか、彼女の中にアムロ達がいるのがいるのは分かってるんだけどさ?今のコイツの反応を見てアムロ達はどう思っているのかちょっと気になるわ。

 

そしてトリトマはソファで悶絶した結果、自分の位置すら覚束なかったらしく、あろうことか端からすべり落ちて頭を強打してしまった。

 

「あうッ!?」

 

「ちょっ!?トリトマちゃん!?」

 

「大丈夫ですか?」

 

彼女の妄想が終わりを告げた瞬間だ。星の火花を幻視して、クッションを抱きしめていた彼女の両腕が力なく床に落ちた。

気絶したトリトマを見てキャプテンは呆れたように溜息をついた。

 

「全く、この子は・・・エルさん、トリトマさんを医務室へと運びますのでちょっと手伝ってください」

 

「思いっきり頭を打ったもんねー・・・いや、トリトマちゃんがあんなに暴走するとはねー」

 

「思春期の暴走でしょう。我々コーディネイターは十五歳が大人扱いになるとはいえ、ナチュラルではまだまだ子供ですから」

 

そう言ってぐったりとするトリトマをキャプテンは背負う。

 

「まだまだトリトマちゃんも子供だねー」

 

ケラケラと笑うエルにキャプテンは言った。

 

「まだ子供だから良いんですよ。それを正す為に我々、大人がいるんですから」

 





【挿絵表示】


ベッドで寝そべるトリトマちゃん


シャアとフロンタルが成仏してフロンタルさんが死んだらどうなるの?前の姿に戻って別の世界に転生する

転生先?いくつか候補はあるがどこも終末世界だよ!

アーマード・コア、ゴッドイーター、ゼンレスゾーンゼロetc・・・
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