フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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フロンタルさん(オリ主)の当生はどのようなものだったのか?

殆ど覚えてはいないが、年齢は二十後半から三十代ほど。
そして海と灯台、そして夜空が一番記憶に残っているらしい。




第百十四話

フロンタルは薄暗い路地裏で足を止めることなく、デュランダルとの待ち合わせ場所であるバーへと向かっていた。

 

「昔を思い出すな」

 

テラ時代、シーボーン根絶の為に味方に何も言わずに奴等の深層へと潜り込み、味方から裏切り者として身を隠していた時期があった。

その時に比べれば今のこの状況はとても動きやすい。

こうして入り組んだ路地裏は逃げたり追跡者を撒くのに有効だ。追跡する方もかなり気をつけなければ道に迷ってしまう。

ならば逃げる自分も道に迷うのではないか?と思うかもしれないが、俺が道に迷うことはまずない。

テラの時代の古い訓練の時だ。

 

143番海溝という深海で俺は他のアビサルハンターよりも早くその海溝を横断した事があった。

その海溝は非常に深い場所にあり、地滑りの堆積物によって形成された複雑な地形がまるで迷路のように存在している場所だ。

海の中では軽く音速を超える速度で移動するグレイディーアよりも一分も早く通り抜けられるのはそれだけ他の者達より方向感覚が優れているということだ。

他にも広大な海の漂流生活もしていた時期もあってか、その方向感覚の能力は今もこうして役に立っている訳だが。

そうして路地裏を歩き始めてから数十分。

デュランダルとの待ち合わせ場所である路地裏のバーに着いた。

近代的なプラントでは珍しいレトロな雰囲気の扉を開けると、カランカランという甲高い鐘の音が入店と同時に鳴り響く。

店の中には数人程度の人しかいない。そして店の端に待ち合わせの男の姿があった。

 

「いらっしゃいませ。一名様でよろしいでしょうか?」

 

「待ち合わせだ。あの端に座っている男の、な」

 

店員の接客に短い返答で答えると、店員は小さく頷いて待ち合わせしている男の席へと誘導を促した。

 

「かしこまりました。では、どうぞお進みください」

 

そう言って店員は厨房へと入っていく。

フロンタルはその店員を見送った後、その男がいる席へと向かった。

そしてその席に腰を降ろすと、目の前に座る男───デュランダルが口を開いた。

 

「久しぶりだな。こうして顔を合わせるのはいつぶりだ?」

 

「連合との戦争が始まる前だ。もう一年は過ぎている」

 

そう言ってフロンタルはボトルを手に取ってグラスに注いだ後、半分ほど飲み干した。

そんなフロンタルを見た後、デュランダルは口を開いた。

 

「チケットを先に渡そう。三枚、明日の朝の便だ。昼ごろにはつく」

 

「すまないなデュランダル。世話になる」

 

「随分と厄介な事に巻き込まれたようだ。今、プラントで君はラクス・クラインもろとも指名手配犯だよ」

 

「クルーゼから話は聞いているだろう。ザラは私やラクス・クラインを国を売った裏切り者として始末したいらしいが、それ以前にザラが議長になってからの失態でザフトや民間人からの信用を失っている。今、あの男を支持するのは血のバレンタインの被害者になったザラ派の者達が大半だろう」

 

「お前がザフトの最高司令官をやっていた時は事が上手く進んでいた分、余計にな」

 

ザフトも最初はパトリックに期待していたのだろうが、今はその期待も地に落ちている。

これは政治屋にも言える事だ。

国の為に動く政治家は自身がやるべき事を実行する事が出来るのであれば民衆からの信用や信頼が厚くなる。

逆に自身の私利私欲を満たす為の腐り切った政治家や資産家共は一部例外を除いて自滅の道を辿る。

それは何時の時代でも同じだ。

最後には惨たらしい死を迎えるか、亡命するかのどちらかを選ばざるを得なくなる。

プラントを潰させないように頑張ってたんよ?この五年間。最高評議会に入ったのは三年くらい前だけれどもそれでも頑張ってたんよ?

 

それをパトリックとシーゲルはさぁ!!

 

ストレスでどうにかなりそうだったが、ここで潰れる訳にはいかん。そんなフロンタルを見たデュランダルはグラスを口につけながら言った。

 

「・・・それで?今後、君はどうするつもりだ?」

 

「まずはアイリーン・カナーバを救出する。この戦争を終わらせる為には彼女の力が必要だ。そしてその後はパトリックを始末しなければならないな。これ以上、あの男を生かしておいても、プラントと連合の和平で邪魔になる」

 

「それには同意だな。それで?他には?」

 

後はアズラエルと連合の偉いさんと一緒にナチュラルとコーディネイターの対立について話さなきゃいかん。

今はコーディネイターのせいで居場所がなくなったんだ!殺せぇ!ムードになっちゃいるが、後々のことを考えると割を食うのはナチュラルである。

だって今でさえ少しでも優秀ならお前、コーディネイターだろ!ってとばっちり受けている奴が多少なりともいるんだぜ?最終的にはナチュラル対ナチュラルの自分を首を絞めにいくような事態になってしまうのだけは避けなきゃならん。

コーディネイターもコーディネイターで働き口は必要だしな。

問題はナチュラルを旧人類だと見下しているアホをどうにかしなきゃならんのが頭痛いが。

 

「後はクライン嬢を政治家として私が直々に育てる。彼女自身にも素質自体はある。が、まだまだ世の中を知らない子供だ。彼女が世界の平和を求めるのならどれほどやらなければならない事を教えなければならない」

 

「なるほど。彼女をか」

 

確かに良い案だ。だが、それではフロンタル自身の負担を無視したらの話だ。それをこの男は理解しているのだろうか?

 

「最初の一年から二年は私が議長の座を握り、プラントの立て直しと連合や中立国との友好関係を結び直す。そしてそこから先はデュランダル、お前に任せる」

 

「・・・なに?」

 

唐突に自身に振られてデュランダルは困惑の声を上げる。

が、フロンタルは話を続けた。

 

「お前が今の世の中が間違っていて変えたいと思っているのは知っている。そしてお前には政治に対する適正があるのも分かってはいるんだ。前々から候補者として上がっていたくらいにはな。なら、クライン嬢が育ち切るまでの間だけでもいい。議長として皆を率いてやってくれ」

 

「・・・しかし私はお前より上手く回すことは出来んぞ」

 

「デュランダル。お前が苦手とする所はある程度把握している。その辺りは私に回してくれて構わない。私一人では全てを賄いきれん」

 

「・・・そうか」

 

デュランダルはそう呟いた後、暫しの間、グラスに入った亜麻色の酒に写った自分の素顔を見る。

そして───

 

「・・・分かった。引き受けよう」

 

「助かる」

 

協力すると言ったデュランダルにフロンタルはそう答えてから残り半分を飲み干した。

 

「だが、フロンタル。君も無茶だけはよしてくれ。一人の人間に出来ることなど限られてくる。その辺りをお前は分かっていない」

 

「忠告に感謝する。だが、今は無茶をしなければならん。そうしなければ世界は何も変わらないのだからな」

 

そう言ってフロンタルは金をテーブルへと置き、椅子から立ち上がった。

 

「ボトル代金とチケットの代金は置いていく。ではな。デュランダル」

 

「・・・ああ」

 

立ち去っていくフロンタルの後ろ姿をデュランダルはただ見送るだけだった。

 




オリ主をラブコメに転生したらどうなるの?

A.主人公やヒロインには関わらないの事。

なお、道中に戦闘などが入るのなら首を突っ込んでくるが。

とあるシリーズや nine 9 のような世界では

後、本人は超能力系などは恵まれない体質らしく、そういった能力は欠落しているそう
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