フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
早朝。
フル・フロンタル達は356便のセプテンベル行きへと乗車していた。
定員は四十あまり。クルーは、五人。
宇宙港ではザフトの人間と遭遇するかと思いきや、誰一人として会わなかったのは少々予想外だった。
最初は罠ではないかと疑っていたが、ザラ派に潜り込んでいるスパイの一人からクライン派の官僚を除いた全ての場所でボアズ侵攻に向かった地球連合の艦隊を迎撃すべく招集命令が出たらしく、殆どのザフト兵がボアズへと出払っているらしい。
これ、あれだな?クルーゼの奴が根まわしをしたな?
でないとこんな都合良くザフトの警備がいなくなる訳がない。
ザラも苦渋の判断だっただろう。
私達を追っていたのになんの知らせもない。だからと言ってボアズの侵攻を無視をする事は出来ない。
ボアズはヤキン・ドゥーエと同様、プラントを守る為に作られた防御拠点が築かれている。
難攻不落の宇宙要塞と言われているが、それはあくまでもちゃんとした兵力と戦略があればと言う話で戦争指揮に関しては素人に毛が生えた程度のザラと瓦解寸前のザフトでは落ちるのも時間の問題だ。
ボアズが落ちたら最後、パトリックはジェネシスを使用する為の強行作戦へと切り替えるだろう。
だからこそ、あの盟主王には事前にこう伝えてある。
『貴方には私が事を終わらせるまでの間、クライン嬢達と共に時間を稼いでもらいたい』
『それはいつまで?』
『私がパトリック・ザラを始末し、停戦の呼掛けをするまで』
『まあ、それくらいならいいですヨ。今後、貴方とは良い商売相手になりそうですしネ。投資という形で貸しを作っておきましょうか』
『感謝する。それで時間稼ぎの件についてだが、貴方方連合にはプラントの防衛拠点の一つ、ボアズへと侵攻してもらいたい。ボアズを落とさないギリギリまでな』
『ヤキン・ドゥーエでは無く?』
『ええ。あくまでもヤキン・ドゥーエはボアズと同じプラントを守る為の防衛拠点。だが、ボアズが落とされればザフトは一気に士気が下がる。それにヤキン・ドゥーエにはパトリック・ザラがいる。先にヤキン・ドゥーエを落とそうとすればジェネシスの使用を強行してくることでしょう』
『そうしない為の処置ですか』
『あの男がその気になれば味方ごとジェネシスを撃つ事を平気でするだろうが、敵艦隊を殲滅する為にボアズごと撃ってしまえば誰もパトリックを信用する者など居なくなる。ヤツはそうしない為にボアズが落とされない限りはジェネシスを撃とうとはしない』
そう説明するフロンタルにアズラエルは笑った。
『いやぁ、怖いネ君。君が味方であっても恐ろしく感じるヨ』
『お褒めに与り光栄だと言っておこう。だが、私の目的はあくまでもコーディネイター及びナチュラルとの共存、及び生存であって貴方達とは争うつもりはない。そちらが攻め込む気でいるのなら話は別だがね』
『ボクも今はその気はありませんヨ。利益があるうちは、ネ』
そんな話を通してあるのだ。ボアズが落とされるということはないだろう。パトリックが無能過ぎない限り。
・・・・心配になってきたな。
クルーゼとアズにゃんちゃんとやってくれるかな?
ガバチャーとかやりたくないよ?
そう思うフロンタルであった。
作者から見てフロンタルさん(オリ主)はどんなキャラ?
ある意味ではフロンタル以上に何にもないヤツ。
自分が死んでもいいから仲間には幸せになって欲しいとかいう矛盾を抱えている時点でもう破綻しているヤツ。
その思いに関しても使命感でしかない。
コイツにとって多分、漁村やテラの海に閉じ込めておいたほうが一番幸せだったんじゃないかとすら思えてくるレベル。
テラの世界でオリ主はウルピアヌスとして転生した際、今の自分ではシーボーン問題を解決出来ないとすぐに悟ってウルピアヌスとして生きることを選んだ。
そして五十年から六十年近くの間、ウルピアヌスとして生きていたので本来の人格と記憶が自分でも気づかなかったレベルで消失。
ヤーナムの漁村にウルピアヌスの肉体ごと転生した際、本来の自分が思い出せないことに気づき、自身の記憶の中にある記録から本来の自分がどう言った人物だったのかをかき集めて出来た人格が今のフロンタルさん。
後、コイツは皆が幸せになってくれれば自分はどうなってもいいを素でやるようなヤツ。
DESTINY編ではコイツは最後、自分という不確定要素を始末しようとしている時点で考え方を改めさせる以外どうしようもない。
なので下手したらトリトマちゃんとエムちゃん達が曇る。
【挿絵表示】
エムちゃん潜入お着替えする際のボツ絵