フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第百十八話

「・・・・」

 

アイリーンが拘束され、監禁されてからはや二ヶ月と少し。

見張りを常に家の周りに立てられ、外との連絡を取る手段もない。

 

「こうして見ていることしか出来ないのは辛いわね」

 

救援は望めない。

あの時、彼が言っていた忠告をちゃんと聞くべきだった。

 

あまりシーゲルを信用しない方がいい。

 

その後から全てが崩れ去った。

開発していたフリーダムが強奪され、反逆者という濡衣を我々クライン派は被る事となった。

その責任としてシーゲルは暗殺され、私を含めたクライン派は拘束された。

だが、その中でもフル・フロンタルだけは別だった。

彼にはフロンタル隊という部隊がある。

元々はザフトの一部隊でしかなかったが、いつしかあの部隊はフロンタルが所有する部隊へと変わっていった。

パトリック・ザラは彼等が反逆するのを恐れ、軍事基地へと軟禁されていたが、脱出したらしい。

 

「・・・所詮、私もシーゲルと同じだったという訳ね」

 

あの男からすれば私も彼と同じように口先だけの存在だったと思われていたのだろう。

平和を掲げながら具体的な策も出さず、ただひたすらに戦争をする意味がないと言い続けて。そして穏健派に所属しておきながらザフトの総司令官という座についたフロンタルを否定し。

その結果がこれだ。

結局は何もなせずに今、こうして此処にいる。

もうすぐ監視につく人間が交代に回る時間だ。

コンコンと、扉にノックがされる。

 

「はぁ・・・やっと交代か」

 

ザラ派の兵士が扉へと向かう。

そして扉を開けたその時───

目の前に一人の少女が立っていた。

 

「なっ!?侵にゅ───ッ!」

 

男は侵入者を前に叫ぼうとした。が───

 

バァンッ!!───とそれよりも早く部屋で花火でも打ち上げたかのような乾いた銃声が響き渡った。

 

「・・・・・ァ?」

 

男の脇腹から大量の血が溢れ、滴り落ちる。

アイリーンは目の前のその状況に呆気に取られ、動く事が出来ない。

その場に倒れ伏す男だったが、どうやらまだ息はあるらしい。

不定期に酸素を求めようとする男に少女は手にした長身の銃を男の頭に突きつけて言った。

 

「訣別。 楽にして差し上げます」

 

バァンッ!と再度、銃声が響き渡る。

くたりと男から力が抜け、部屋の前に大きな血溜まりを作り上げた。

呆然とするアイリーンに少女が唐突に口を開く。

 

「確認。貴方がアイリーン・カナーバでしょうか?」

 

「えっ?」

 

無感情的なトーンの揺れ幅がない声で少女が自身の名を呼ぶ。

 

「え、ええ。私がアイリーン・カナーバよ」

 

そう答えた彼女に少女は言った。

 

「保護。貴方を救出に来ました。見張りはもういません」

 

「それは、どういう・・・?」

 

彼女と面識がないアイリーンは更に問い詰めようとした時──

 

「察しが悪いなアイリーン・カナーバ。彼女の言っていた事が分からなかったのかね?」

 

少女の後ろから一人の男が現れる。

モスグリーンの目に長い癖のある金髪。

仮面こそないが、その男の声を彼女が忘れることはない。

 

「フル・フロンタル・・・」

 

アイリーンの掠れた声にフロンタルは簡潔に要件だけを言う。

 

「"休暇はもう満喫しただろう。お前には力になってもらうぞ"」

 

その一瞬───彼女は違和感を覚えた。

 

”彼はあのような話し方をしただろうか?"と。

 

普段の彼はあんな高圧的な態度を取る事はなかった筈だ。

だが、彼女の疑問もすぐに思考の端へと追いやられた。

 

「パトリックを止める為に力を貸して欲しい。連合と話をつけてきたのでな」

 

それほどまでに衝撃的な言葉から彼の口から出たのだから。





【挿絵表示】


トリトマちゃん


オリ主はテラにいた時代、誰よりも海の怪物であるシーボーンを殺したが、それと同時に海の怪物へと成り果てた仲間を一番多く殺したのも彼である。
だからこそフロンタルさんは殺す事に躊躇いを持たない。
でなければテラ時代、裏切り者になった学友を相手に慈悲で誇りを持たせたまま殺すなんて事をしない。

そんな自身の感情を殺しに殺しに捲ったフロンタルさんをトリトマちゃん達が救えるのかは未だに分からない。

もし、トリトマちゃん達がフロンタルさんの物語が続くとしたら?

ビルドシリーズに転生させるか、トリトマ達にフロンタルさんを呪縛の原因から解放させる物語かの二択かになる
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