フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第百二十二話

地球軍艦隊は“ボアズ“を目指し、接近しつつあった。

ボアズはヤキン・ドゥーエと同様、小惑星を基部として築かれている。

各艦から次々とモビルスーツ、モビルアーマーが飛び立つ中、“ムサカ“の格納庫でトリトマは専用のパイロットスーツを着込んでいた。

 

「ザフトの支給品と違って凄いゴワゴワしやがります」

 

「まあ、仕方ありませんよ。シナンジュのGを軽減するにはこれくらいの装備が必要になってきますから。ですが、あくまでも薬的に軽減しているだけですので身体のダメージは多少なりともある筈です。フル稼働での機動はなるべく避けてください」

 

「分かってやがりますよ」

 

キャプテンの言葉にトリトマは返事を返す。

そしてピョンピョンと跳ねて自身の身体に馴染ませるように動く彼女にキャプテンは思い出したかのように口を開いた。

 

「そういえば・・・忘れていました。トリトマさん、お渡ししたいものがあります」

 

「何かくれるんでやがりますか?」

 

「ええ」

 

首を傾げるトリトマにキャプテンはポケットの中から布で出来た袋を取り出すと、彼女に差し出す。

 

「なんです?これは?」

 

差し出されたソレを受け取ったトリトマにキャプテンは言った。

 

「お守りです。貴方達パイロットは常に最前線で戦う身ですから無事に生還出来るようにと」

 

そう言うキャプテンにトリトマは目を丸くした後、口元をほころばせながらキャプテンに言った。

 

「ありがとうございます、キャプテンさん。大事にしますね」

 

そう言いながら笑みを作るトリトマにキャプテンは頭を撫でようと手を伸ばそうとしたが、すんでの所で踏み止まる。

 

───自分にはその資格はありませんね

 

「ええ。無事に帰って来てください」

 

「はい!」

 

そう言ってトリトマはシナンジュのコクピットへと向かってトンッと足元を蹴った。

キャプテンは彼女のその後ろ姿を見送ると、自分も自身がいるべき場所へと戻っていくのだった。

 

 

◇◇◇◇

 

 

『んー?トリトマちゃん、なんか機嫌がいいねー?何か良いことでもあったかニャー?』

 

待機中のシナンジュのコクピットで、出撃を前にしたトリトマが鼻歌を歌っているのをモニター越しで見たエルはトリトマに聞いてみる。

 

「キャプテンさんからお守りを貰ったんですよ」

 

『お守り?』

 

目を丸くするエルにトリトマはそのお守りを見せた。

 

「これです。キャプテンさんが作ったようなんです」

 

そう言うトリトマにエルは言った。

 

『ええー良いなぁ!キャプテンさん!私にもくださいよぉ!』

 

艦長席に座っているであろうキャプテンにエルはゴネてみるが、キャプテンは苦笑する。

 

『すみませんがトリトマさんので最後です。残りは隊長さんとエムさんに渡しましたから。欲しかったらどちらかにねだって下さい』

 

『ケチーッ!』

 

そう言って頬を膨らませるエルはトリトマに言った。

 

『隊長やエムからの連絡はないけど、あの二人ならきっと上手くやってる。だからトリトマちゃん、死なないで無事に帰ってきてね』

 

「エルさんもですよ」

 

トリトマの返事にエルは分かってるニャーと返事を返す。

トリトマはリニアカタパルトにシナンジュの足をを固定させると、前を見た。

この戦いの勝敗で全てが終わる。失敗は許されない。私達がしくじれば人類が滅び、明日は二度とこなくなる。

だが、恐怖はない。

きっと上手くいくと直感が言っている。

 

「───トリトマ、"シナンジュ"出ます!」

 

一瞬の加速、すっかりと馴染みになった射出時のGと共に彼女は宇宙へと飛び出していった。




エル 水着


【挿絵表示】



夏の三馬鹿 続き──

「おかしい・・・絶対におかしい・・・なんでトリトマちゃんやエムのはあんなにおっきいのかにゃー・・・私より年下なのに・・・」

エルが憎たらしげにトリトマとエムのある部分を見つめて死んだ魚のような目になっていた。
そんな中、フロンタルはそんなエルを見て見ぬフリをする。

だってアイツ、普段はパッドで誤魔化してんだぞ。
下手にペチャパイだなんて言ってみろ?
ガンブレのミサみたいになるぞ?

「世の中理不尽だ・・・」

「胸元にハロでも詰めてみろ。何かしら変わるかも知れんぞ」

フロンタルの言葉にエルは恨めしげな顔で言った。

「ナ・ニ・カ・イッタ・カ・ニャー?」

怖い怖い怖い怖い

「隊長!その変な格好はなんでやがりますか!早く着替えて一緒に遊びましょう!」

「同意。見ていて暑苦しいです」

「・・・・絶対におかしい」

エルは二人を見てそう呟くのだった。
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