フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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久しぶりのモビルスーツの戦闘回

実はエムちゃんのモビルスーツの初期案はペーネロペーではEXーSだったりする


第百二十三話

「ん?この感覚・・・どうやら見つかったようだな」

 

「どうしたんです?フロンタル隊長」

 

アスランが隣でフロンタルの独り言を聞いて顔を向けてくる。

そんなアスランにフロンタルは口を開いた。

 

「どうやら敵に見つかったようだ」

 

「えっ?ですがレーダーには反応は・・・」

 

ないと言おうとした所で艦のアラームが艦内に鳴り響く。

 

「ッ!!」

 

「数は分かるかね?」

 

「数は・・・三機です!」

 

「そうか。エム、通信は聞いていたか?」

 

輸送艦の格納庫に仕舞われているジンで待機しているエムにそう聞き返すと、エムから返答が返ってきた。

 

『返答。聞いていました。何時でも出撃出来ます』

 

そう返ってくるエムの声にフロンタルは言った。

 

「母艦は無視しろ。この輸送艦なら振り切れる」

 

『発見。こちらも捕捉しました。一機脚が早いモビルスーツがいます。もしかしたら特務仕様か新型かもしれません』

 

「偶然の出会いではないということだ。十分で終わらせて帰ってこい。エムなら出来る」

 

『了解。隊長・・・いえ、”マスター”』

 

「マスター呼びは止めろと言った筈だ。私はお前を縛る為の存在理由では無い」

 

マリーダさんみたいな事を言うんじゃない。

先が短い俺より未来あるお前やトリトマ達が先に死んだらマジで許さんからな。

部下の死をみたり、殺したりするのはもうたくさんだっての。

 

「エム、ジン行きます」

 

エムのその言葉と同時にジンのモノアイがグポンと起動する。

M69バルルス改 特火重粒子砲を手に彼女が乗ったジンは宙に飛び出した。

 

「敵対。船はやらせません」

 

ジンが二機に隊長機と思しきシグーが一機。

船には隊長が乗っている。例え私が死んでもあの人だけは死なせる訳にはいかない。

エムは持ってきたM69バルルス改 特火重粒子砲を構え、コクピット内に装備されているスコープでこちらへと向かってきている三機の内の一機に向けて手にかけた引き金を引いた。

 

「狙撃。───(発射)ファイア」

 

放たれたビームは一機のジンを掠めただけで、破壊するには至らなかった。

だが、エムは焦る事無くスコープを覗き込む。

 

「結果。・・・命中失敗。誤差修正」

 

狙撃は最初の一発を外せば居場所がばれ、先手と不意討ちによる優位性はなくなる。

そうなってしまえば後は数の暴力によって嬲り殺しに合うだけだ。

普通はだが。

 

「再算。照準のズレを確認。0.23ほど照準をずらし、再度狙撃──(発射)ファイア」

 

二度目の狙撃。

居場所がバレれば警戒され、終わりしか迎えないスナイパーの二射目はジンのコクピットを一ミリもズレることなく、ビームが貫いた。

 

「撃破。残弾残り一。誤差修正問題なし。───(発射)ファイア」

 

間隔をほぼ開ける事無く、三発目の引き金を引く。

再度放たれたその熱線はもう一機のジンを撃ち抜き、爆散させる。

隊長機と思しきシグーはライフルを片手に重斬刀を抜刀し、エムが乗るジンへと突撃する。

そんなシグーにエムはジンの腰部にマウントされた重斬刀を抜き、シグーに目掛けて突撃した。

シグーはエムが乗るジンに目掛けてライフルの引き金を引くが、ジンの分厚い装甲に弾かれて致命的なダメージを負った様子はない。

 

「損傷軽微。問題無し」

 

ライフルは無駄だと悟った隊長機であるシグーはすぐに弾切れになったライフルを捨て、手にした重斬刀で近接戦へと持ちかける。

二機との距離はみるみるうちに縮まっていき、そして互いの重斬刀を振り回された。

火花と同時、コクピットに衝撃が走る。

だが、エムはすぐさま重斬刀を切り返すようにその刃先をシグーが持つ重斬刀のガードへと引っ掛け、そのまま重斬刀を弾き飛ばした。

唯一の近接武器を弾き飛ばされたシグーは驚いたようにその場で硬直するが、その隙を彼女が見逃す筈もなくそのまま重斬刀でシグーのコクピットを叩き斬った。

コクピットを切られたシグーはそのまま爆発することなく宙へと漂うが、パイロットが死ぬ直前、エムにはあのシグーの怨みの声が聞こえたような気がした。

 

 

裏切り者め────!

 

 

だが、兵士として育てられた彼女にその言葉に意味はない。

 

「報告。任務完了、帰投します」

 

そう呟き、エムの戦闘は幕を終えるのだった。




おまけ

フロンタルさん(オリ主)の心情

「隊長!今からお茶会をキャプテンさん達と一緒にするんですが、隊長もどうでやがりますか!」

「いや、私は・・・」

まだやるべき事があると言おうとした所で昔の事を思い出した。

『隊長。いまからサメや他のアビサルハンター達とお茶会をするのだけれど一緒にどう?』

『いや・・・俺はいい。この後ブラントゥスに話がある。俺抜きでやってくれ』

『・・・そう』

それはスカジにお茶会を誘われた時のことだ。
あの時のスカジの悲しそうな顔を今でも思い出せる。
トリトマにも同じことをさせるのかと考え───フロンタルは言った。

「少しだけなら時間はある。いただくとしよう」

「・・・!じゃあ、すぐに準備しますね!」

嬉しそうにするトリトマを見てフロンタルは思う。
あの時───彼女にもこう言ってやれば良かったと。
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