フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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Q. フロンタルさんってストフリに乗れるの?

A.乗れないことはない。ただ、傲慢な機体というイメージがフロンタルさんの中ではあるらしく、フロンタルさんもそれに相応しい傲慢さのパイロットになろうとする。

要はフロンタルさんがリボンズ化する。
その結果、ストフリのドラグーンの機動がリボガンのファング並みの変態機動になったりならなかったり。




第百二十五話

灼けつくように冷たい死の感触が背筋を走る。

トリトマ達は全方向からの砲撃を躱しながらクルーゼが乗る"プロヴィデンス"へと向かう。

 

「チッ・・・!砲門数が多い!」

 

トリトマはプロヴィデンスの特殊武装───ドラグーンの圧倒的なビームのカーテンに舌打ちした。

手にしたビームライフルで一基、二基とドラグーンを撃ち落とすがいかんせん数が多い。

 

「・・・あのサザビーのように滅茶苦茶な機動をする兵装でねーのが救いですか」

 

数が多いとはいえ、対処出来なくもない。

シミュレーションで戦ったことのあるサザビーのアレは砲門数や数こそはあのモビルスーツより劣るが、精度の方は天と地ほど差がある。

あちらは一基一基が嫌な立ち回りで此方の動きを阻害してくるのに対して、此方は数の暴力で押し切るといった戦法だ。

単純な数の暴力というのは脅威だが、クルーゼからの殺気がドラグーンから伝わってくる分、まだ対処出来る。

だが彼女にとって問題は他にある。

 

『クルーゼッ!』

 

『ムウさん!』

 

そう。キラをジェネシスのミラーを破壊してもらうために守らなければならないのだ。

そしてその護衛対象はストライクと共にあのモビルスーツの方へと向かっていってしまっている。

 

「勝手なマネをしてッ!」

 

自分の任務を忘れたのかと叫びたくなるがグッと堪え、トリトマはキラに通信を入れた。

 

「キラさん!貴方は自分の仕事をしてください!こんなところで道草している暇はねーでしょう!」

 

『でもッ!』

 

「でもじゃねーです!貴方がこんなところにいて作戦が失敗したら全部が終わりです!さっさと行ってください!はっきり言って邪魔です!」

 

『・・・・ッ!?』

 

トリトマに邪魔と言われてキラは動きを止める。

そしてキラはトリトマに言った。

 

『・・・・すみません。ムウさんをお願いします』

 

そう言って離脱していくフリーダムを見送った後、トリトマは他所で戦闘をしていたクルーゼとムウに視線を向けた。

 

『クルーゼ!何故こんな事をする!』

 

『私なりのケリを付ける為だとも!貴様が私を認められないように私もまた貴様とアル・ダ・フラガという存在を認められないというだけだ!』

 

自身やレイがあの男のコピーというだけで嫌悪をおぼえずにいられない。

だからこそ此処で元凶の血筋であるムウを倒し、私は私の新しい生き方を見つける。ようやくこの忌々しい悪夢から訣別し、己の足で外へと踏み出す絶好のチャンスなのだ。レイの為にもこのチャンスを見逃す訳にはいかない。

 

『そんな理由で死んでたまるか!死んだ親父にでも言ってろ!俺はヤツとは違う!』

 

ムウはクルーゼの機体にライフルを撃ちながら叫ぶ。

そんなムウに対し、クルーゼは再びドラグーンを分離させた。

ムウは奇妙な直感に突き動かされるようにして、ナチュラルとは思えない動きでストライクを操り、その射線を次々とかわしていた。この奇妙な直感力こそムウの血統に備わるものであり、クルーゼがコーディネイターの間で、彼等の一員であるかのように振る舞えた理由の一つだった。

しかしその能力はトリトマの"ソレ"とは違い限度はあった。

ドラグーンを展開するごとにクルーゼの射撃は精度を増していき、ついにストライクの右脚を捉えた。

 

『チィッ・・・!』

 

ムウは毒づき、ビームライフルの引き金を引く。

放たれるビームはクルーゼのプロヴィデンスに当たることなく、そのまま宙を過ぎていった。

 

『これで終わりだ!ムウ!』

 

プロヴィデンスがもつビームライフルから熱線が放たれる。

放たれたその熱線はストライクへと向かっていき───

 

「わりーですがそんな事はさせません」

 

その言葉と共に赤い機体が盾を構えて割り込んできた。

 

『・・・ッ!?』

 

『なにッ!?』

 

驚愕する二人の間に入ってきたのは一機の赤い機体だった。

ストライクやプロヴィデンスよりも一回り大きく、それでいて赤と黒、そして処々に金色という色彩はモビルスーツという兵器とは思えないくらいに美しかった。

 

「貴方の相手は私です。クルーゼさん」

 

その言葉と同時───トリトマが駆るシナンジュはプロヴィデンスへと一直線に向かっていった。




トリトマは自分と妹は容姿を含めて全く似ていないと言っているが、似ているところが一つだけある。

それは滅茶苦茶嫉妬深いこと。
エムやエルは仲間だからという理由で嫉妬をすることはないのだが、キラがキラちゃんだった場合(七十六話)IFストーリーではとんでもなくイライラしていた。

仲間内での浮気は許すがそれ以外は絶対に許さない。

夏の日のトリトマちゃん


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