フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第百三十一話

「ったく、冗談じゃないッ!」

 

”ボアズ”から離れ、敵の追撃を回避した地球軍は残ったデブリの影へと集結していた。

”ドミニオン”の艦橋ではアズラエルは残った部隊と同盟関係を結んだ四隻の艦と通話を続けている。

 

『被害はトリトマさんが発射されるのを察知してくれたお蔭で最小限に済みましたが・・・まさか残存している味方ごと撃ってくるとはおもいませんでした。これは私の予想不足でしたね』

 

『ですが彼女の警告がなければ被害は更に深刻なものになっていたのも事実。主力戦力である月艦隊が狙われなかっただけまだマシと言ってもいいでしょう』

 

だがそれでも悠長にしていられないのもまた事実。

ザフトは準備ができ次第、ジェネシスを発射することだろう。

次、発射されるとすれば月にある駐屯地か地球のどちらかなのは違いない。

 

『とはいえこの状況はいささかよろしくはありませんね』

 

被害は最小限に抑えられたとはいえ、満足に動けない艦や帰還したモビルスーツ隊もパイロットは精神的ダメージを受けた者も多い。

ジェネシスの破壊はエターナルとフリーダムに任せているが、それも上手くいけば御の字といったところだろう。

 

『再度攻撃をしかけようにも我々が出せる戦力はトリトマさんを含めてそう多くはありません。”そちらのGシリーズも時間制限があるみたいですし”ね』

 

長期戦闘は不可能。

それが出来るとすれば月艦隊が到着した時だ。

それだとあちらもジェネシスの発射準備を完了していることだろう。

 

手詰まりかとキャプテンが考えた時、モビルスーツで待機中だったトリトマから通信が入った。

 

『あのキャプテンさん。今、大丈夫でやがりますか?』

 

『ええ。大丈夫ですよ』

 

そう答えるキャプテンにトリトマは言った。

 

『先ほどあの狙撃に巻き込まれたザフトの残存部隊から通信がありまして』

 

『・・・ザフトの残存部隊から通信?』

 

『はい。武装は解除してたので話を聞いてみたのでやがりますが、キャプテンさん達と話がしたいと。どうします?』

 

キャプテンはトリトマのその言葉に訝しげる。

罠・・・という可能性もあり得なくはないが、このタイミングで何故?と思いながらもキャプテンは言った。

 

『分かりました。通信を繋げてください。ですが、一応罠かもしれませんので皆さんも通話は繋げたままでお願いします』

 

『ああ』

 

『分かった』

 

『分かりました』

 

ナタルとマリュー、そしてカガリも通話を繋げたまま待機する。

 

『では、トリトマさん。お願いします』

 

『了解です』

 

そう言ってトリトマは通信をオープンチャンネルにした。

モニターへと映し出される男にキャプテンは言った。

 

『始めまして。私はフロンタル隊の”ムサカ“の艦長をしているサルビア・エルネスタといいます』

 

キャプテンのその挨拶に男は口を開く。

 

『私は宇宙要塞"ボアズ"の指揮を任せられたイシドロ・フリストンだ。貴官と話がしたい』

 

『話・・・ですか。どう言うご要件で?』

 

キャプテンのその言葉にイシドロは言った。

 

『貴官達と協力関係を組みたい。もはや今のザフトは我々の信用に足りん』

 

それはパトリックにおいて詰みの手になる瞬間であった。




振り返るトリトマちゃん


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