フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第百三十三話

「案外、簡単に入る事が出来たな・・・」

 

ヤキン・ドゥーエの六番ドックにて輸送船を乗り捨てたフロンタル達は周辺を警戒しながらドック内を歩き回るが、人影は一つもない。

それどころか灯りすらついていなかった。

 

「報告。人影はありません。問題ないかと」

 

暗闇の中、報告を上げるエムにフロンタルは言った。

 

「この六番ドックはモビルスーツの格納庫がヤキン・ドゥーエに建造された際、廃棄されそのまま放置された場所だ。今、この場所を知る者は数少ない」

 

「ではどうやって中に入るつもりなんです?扉は電子ロックで鍵は開きませんよ?」

 

「報告。破壊も難しそうです」

 

扉をぶち破ろうにもこの扉の厚さ的にかなりの爆薬が必要になる。そんな量の爆薬は持ち合わせていないし、武器となるものなどエムとアスランが手にしている銃だけだ。

 

「別に破壊する必要はない」

 

そう言ってフロンタルは電子パネルへ触れるが反応はない。

 

「電源はちゃんと落ちているな」

 

電源が落ちているのを確認したフロンタルは乱雑に捨てられてあった細い金属棒を拾い、その先端部分をへの字になるように折り曲げた。

 

「何をしているんです?」

 

「すぐに終わる。見ていたまえ」

 

フロンタルの行動にエムは首を傾げ、アスランもフロンタルの行動の意味が分からずにそう言うが、当のフロンタル本人はそう言うだけでそれ以上は答えない。

フロンタルは固く閉じられたスライド式扉の収納場所へその針金を突っ込むと、そのまま上下に針金を探らせる。

そして───

 

「・・・これか」

 

そう言いながらフロンタルは針金の手持ちの部分を少し上に持ち上げるように動かした。

 

「エム、このまま扉を開けてみてくれ」

 

「・・・?了承」

 

フロンタルに言われるがままエムは重い扉を開けるように引っ張ると、固く閉ざされた扉がゆっくりと開いた。

 

「「!?」」

 

開く気配がなかった扉が開いたのを見て二人は驚くが、フロンタルは気にすることなく立ち上がる。

 

「行くぞ、二人とも」

 

そう言って先へ進むフロンタルに二人は後を追った。

カツンカツンと靴音が響き渡る中、アスランは前を歩くフロンタルに気になったことを口にする。

 

「フロンタル隊長。あの扉はどうやって開けたんですか?普通に開けようとしても開けられないほど重い物の筈です」

 

どうやって開けたのか分からないと言うアスランにフロンタルは答えた。

 

「あの手の電子ロックタイプの扉はエレベーターの開閉扉と同じだ。主電源が落とされている状態であれば扉が収納される壁の中に突起がある。それを上げた状態で開ければあのように扉を手動で開ける事が出来る」

 

元々は災害の際に使われる代物なんだが、知らない奴が多いせいで閉じ込められる奴が結構いるんよな。

 

「そんな事が・・・」

 

アスランは知らなかったと呟くと同時──フロンタルの足裏に自分達のものでない足音のリズムが響いた。

 

「止まれ。この先に私達以外にもいるようだ」

 

「「!!」」

 

静止の声に二人はすぐに足を止める。

しばらくすると足音が此方へ向かってくるのが分かった。

 

「ッ!?」

 

「驚愕。驚きです」

 

フロンタルの凄まじく速いその察知能力に二人は驚愕する。

 

「質問。どうして分かったのでしょうか?」

 

エムの問いにフロンタルは言った。

 

「振動で二人のものとは違うリズムを拾った。それだけだ」

 

「驚愕。隊長はそんな事も出来るとは思いもしませんでした」

 

そんなに驚くことかぁ?前前世から出来たぞ?

 

あー、普通の人なら室内だと足音が聞こえる範囲まで近づかないと分からないだろ?お前は足音が聞こえる範囲外からそれ拾ったから異常なんだよ。俺も同じことは出来なくはないけど。

 

つまりオレタチはナカーマ !

 

お前と同類にはされたくないなぁ!

 

 

足音はどんどん近づいてくる。

そしてハッキリと聞こえるくらいまでに近づいてくると二人はすぐに戦闘態勢へと入った。

 

「・・・・ッ!!」

そして廊下の端に影が見えた瞬間────

 

バッ!とエムが銃を構えながら駆け出した!

一人と思しきその影は廊下の影から飛び出してきたエムに驚いた様子を見せたが、直ぐ様後ろへと飛び、回避行動を取る。

奇襲を回避されたエムはそのまま追撃をかけようとした時、その影は悲鳴のような高い声で叫んだ。

 

「待った待った!俺は敵じゃない!味方だっての!」

 

そう言う男はフロンタルに言う。

 

「フロンタル隊長!ちゃんと説明しておいてくれよ!危うく殺される所だったじゃんか!?」

 

「すまないな。説明を忘れていたよ。ドリー」

 

そう返事を返しながらフロンタルはポカンとするエム達に言った。

 

「紹介しよう。彼はドリー。私の部隊に所属する・・・まあ、諜報員のようなものだ」

 

ドリーと言われた男は二人の前に立ちながらニカッと笑いながら言った。

 

「そう言うわけだ。よろしくな、エムちゃんに議長の息子さん」

 




おまけ

「と、言うわけでコロニー内や都市部でビーム兵器を使うとコロニーに穴が開いたり、他の建物を貫通して二次被害が大きいため、ビーム兵器の使用は制限されているというわけだ」

「なるほど・・・ならPS装甲持ちの機体が今もエース機用として使われるのは・・・」

「建前上はパイロットを死なせないようにする為だが、考え方を改めれば防衛モビルスーツを一方的に狩る為の侵略モビルスーツとしてもとらえられる」

「たいちょ〜!頭に血が上ってきて辛いんですよぉ〜!早く解いて下さいって!」

「吊し上げられるのは嫌かね?ならアレなら楽になるぞ」

金属製のフックに指を差しながら

「ソレは!死ぬヤツじゃないかにゃー!?」

大丈夫大丈夫 某殺人鬼に追いかけられるゲームみたいになるだけだから

それは大丈夫とは言わねえよ!
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