フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第百三十四話

(あの声・・・一体、誰だったんでしょうか)

 

シナンジュのコクピットの中でトリトマは突然聞こえてきた”あの声”のことについて考えていた。

 

”・・・避けろ!攻撃が来るぞ!”

 

その言葉に遅れる形で遠方から殺気に似た意思を感じ、ジェネシスが姿を現したことからあの声の主もあの攻撃が来ると分かっていたのだろう。

 

「隊長なら・・・何か知っているんでしょうか?」

 

クルーゼ隊長は自分を”ニュータイプ“というものだと隊長が言っていたそうだが、その”ニュータイプ“そのものがどう言ったものか分からない。

自分はコーディネイターやナチュラルとは違うのだろうか?

 

「・・・考えても分からねーです」

 

うーうーと頭を悩ませていたトリトマは考えすぎで頭が痛くなってきた。

 

「・・・分からねーものは後にしましょう。うん、そうしましょう」

 

知恵熱で頭が痛くなったトリトマは考えるのを止めた。

自分はあくまでも一兵士。戦うことや人々を助けるのが自分の仕事である。

それ以外について考えるのは余裕が出来た時に考える。

そう自分なりに結論付けてトリトマは椅子に座り直す。

と、そんなトリトマに通信が入った。

 

『トリトマさん。後、二時間もしないうちに我々はボアズに残っていたザフト軍と連合軍と共にヤキン・ドゥーエへと向かいます。交代の者が来ましたら休憩と補給をしてください』

 

「りょーかいです。なら交代が来るまで見張りをしてますね」

 

どうやらボアズの人達とは協力関係を結ぶようだ。キャプテンさんが決めたことなら自身の直感が何も言わない限り、何も言うことはない。

トリトマはキャプテンとそんなやり取りをしていると、近くにいたジンが此方へ来るのが視界に入り、すぐに警戒態勢へと入る。

 

「そこの人、止まって下さい。何をしてやがりますか」

 

少しトーンが下がった声でトリトマは近づいてくるジンに静止するよう警告すると、そのジンのパイロットは慌てた様子で通信を繋げてきた。

 

『す、すまない!だが待ってくれ!俺は君に危害を加えるつもりはない!』

 

そう言う男にイヤな雰囲気や殺気はない。敵対するつもりもないようだ。

 

「なら要件だけ早く言って下さい。まだ私は任務中でやがりますから」

 

そう返事をするトリトマにジンのパイロットは言った。

 

『あ、ああ。あの時、俺達に避けろって通信を入れてくれてありがとう。言ってくれなかったら今頃、俺達は死んでいたと思う。本当にありがとう』

 

「・・・?貴方達の指揮官からは退避命令があったと聞きましたけれど、アレは嘘なんです?」

 

そう言うトリトマに男は苦虫を噛み潰したような声音で言った。

 

『退避命令があったのはザラ派についている関係者の部隊だけさ。俺達一般兵には何の通知もなかった・・・俺達はプラントの為に戦っているのに味方から撃たれるだなんて考えもしていなかったよ』

 

「・・・災難でしたね」

 

守っていた筈の味方に銃口を向けられるのは災難以外他にない。

特に真面目にプラントを守ろうとしている人達からすれば味方からの裏切りなのだ。許せないと思う気持ちも少なからずあるだろう。

 

『でも、アンタが言ってくれたお蔭で助かった。無事に生きて帰ったら改めて礼を言わせてくれ』

 

人、ソレを死亡フラグという。

 

「お礼なんて別に構わねーですよ。それでもというのなら隊長に言って下さい。あの人が一番頑張ってますから」

 

『ああ。そうさせてもらうよ。所で、一つ聞いてもいいか?』

 

「今度は何です?」

 

そう返事をするトリトマに男は言った。

 

『君の名前を教えて欲しい』

 

「名前・・・?トリトマです。トリトマ・レオントッツォ」

 

トリトマは訝しげにそう答えると、男は満足そうにして礼の言葉を口にした。

 

『ありがとうトリトマ。君の事は忘れないよ』

 

そう言って去っていくジンに一人になったトリトマはボソリと呟く。

 

「・・・なんだったんでしょうか?」

 

『トリトマ。交代だ・・・って何があった?』

 

「・・・・さあ?」

 

交代にきたギラ・ズールがジンとトリトマが乗るシナンジュを交互に見てそう聞いてくるが、トリトマも訳が分からない以上答えようがない。

この出来事によってトリトマがザフトの女神などというふざけた名前で有名になるのはもう少し先の話である。




「隊長って身長かなり高いですよね?どれくらいあるんです?」

「む?189だ」

シャアより一回りデカイからな。オレは

確かシャアが180だっけ?

そうそう。たしかそれくらい

「189って・・・わたしより30cmも高いんですね」

「そう言うトリトマは159cmか」

「はい。健康診断で測りました!」

「そうか」

健康診断かぁ・・・俺、不健康からくる症状コンプリートしてんだよなぁ・・・

肌の乾燥、肩こり、目の乾燥に脱力感、そして抜毛・・・

トリトマ達にバレたら殺される。

「・・・?隊長?」

「ああ、なんでもない。なんでもないぞ」


因みにエルの身長は162cm、エムは155cm
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