フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
「ミラーブロックの換装は!?」
「フリーダムの妨害によって本来の予定より四十分ほど遅れています」
パトリック・ザラが訪ね、係官がそう答える。
"ジェネシス"の一次反射ミラーは発射と共に反射したレーザーに灼かれ、廃棄せざるを得ない。
ジェネシスの弱点───それは換装完了までの間、発射ができないという事だった。
「急がせろ!何としても奴等を滅ぼすのだ!」
そう二射目で全てが終わる。
そうすれば我らの勝ちなのだ。長かった歴史に我々は耐え続けたのだ。
「次の発射はどうしましょう?恐らく補給をしてから再び攻めてくるでしょうからそちらを撃ちましょうか?」
「そのようなことをせずとも、二射目で終わる」
「では、地球を・・・?」
「奴等がまだ抗うのならな」
そうパトリックは素っ気なく答えた。
そうだ。地球を撃ってなぜ悪い?ヤツらが先に撃ってきたのだ。ユニウス・セブンを───我らの大地を───私の妻を。地上はすべて奴らに明け渡した。だが、"プラント"は"わたしのもの"だ。それまで奪おうとする奴らは同じ思いを味わえばいい。奴らは罰を加えられるべき存在なのだ。
彼らより優れた種である我々に逆らい、殺し続けてきた罰を。
◇◇◇◇
「ジェネシスの発射を急がせなさい!そうすれば全てが終わるわ」
「はい!」
エザリアの言葉にオペレーター達はそう答える。
と、一人のオペレーターが驚愕した声で叫んだ。
「ッ!?何者かが制御システムに入り込みました!」
「なんですって!?」
オペレーターが蒼白な顔でそう叫んだ。
「どうやって侵入したというの!?直ぐに対処して!」
「駄目です!コントロールが奪われました!システムが乗っ取られました!」
騒然とする中、エザリアは言った。
「直ぐに司令室に連絡を入れて!ザラ議長に報告を───」
そう言おうとしたエザリアは突然、視界がぐらりと揺れた。
それと同時にそばにいた兵士達も次々と倒れ伏す。
そしてエザリアが最後に見たのは赤い服だった。
「ホントに一人で制圧したよこの人・・・」
ドリーがフロンタルがヤキン・ドゥーエの制御を一人で全て奪いきったのを見てドン引きする。
「久しぶりのハッキングだったが上手くいって良かった」
そう口にしてはいるものの、内心は違った。
俺に勝ちたかったらスパコン十数台は持ってこいやぁ!!エーギルの元技術執政官を舐めんなよ!この俺に対抗してきたのは褒めてやるが、だが! しかし!まるで全然!この俺を倒すには程遠いんだよねぇ!!
バケモンだバケモン。
化け物が此処にいるぞ。
なんでぇ、同じことやった奴がいるじゃないカ。メイリンとかいうエルと同じその場のノリで生きてる奴が。
メイリンはな?まだキャバリアーとかいうチートハッキング出来る代物使ってたから納得できんだよ。けど、お前は端末一つでやってんじゃん。やっぱりお前は人間じゃねえよ!
所詮は旧人類の代物だし、俺からしたらオーパーツもいいとこだぞ?今のシステムは。
遺伝子科学専門の技術執政官のクセにコイツ・・・
遺伝子科学専門だからといってハッキングが出来ないとは一言もいっていない!─── ( -`ω-)キリッ
一回、真面目に働いてる技術者達に殴られてこい!
おまけ
「ふう・・・サウナは良いな」
「ああ、いい」
そう言うデュランダルとクルーゼにフロンタルは言った。
「髪が長いと暑苦しくなるのは少々難点だがな」
「それは・・・分かる」
後ろ髪を纏めながらフロンタルは息を吐く。
「・・・ん?おい、フロンタル、首筋のそれはどうした?」
「首筋?何かあるのかね?」
フロンタルが絶対に見えない位置に噛み跡が二つある。
そしてクルーゼとデュランダルの眼と眼が合う。
(これは・・・言ったほうがいいのか?)
(いや・・・知らないのなら言わない方がいいだろう。彼女達のためだ。それに・・・巻き込まれたくない)
「首筋に何かあるのかね?」
「「いや、何でもない」」