フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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SEED編 最終回!




第百三十九話

「久しいなパトリック。最後にあったのはフリーダム強奪の疑いをかけられて以来か」

 

そう言うフロンタルだったが、余裕の顔を見せる彼が気に食わなかったのだろう。

パトリックは激怒しながら手にした銃の銃口をフロンタルへと向けた。

 

「どの面を上げて私の前に来たフロンタル!勝利を確信したからか!だが、私はまだ負けてなどおらん!此処で貴様を殺し、ジェネシスを地球に向けて撃てば我々の勝ちだ!」

 

そう言って手にした銃を発砲する。

が、ソレがフロンタルに当たる事はなかった。

 

「な───」

 

驚愕でパトリックは目を見開く。

そうパトリックが至近距離で撃った弾を奴は“避けた“。

 

「その程度の速度なら見慣れている」

 

拳銃から放たれる弾丸の速度は約700から1300程度

かつての同僚の最高速度は地上では肌が赤熱化するレベルと考えるとまあ、大体1500くらいまでなら対処は可能だ。

 

「それにジェネシスを地球に撃つことも残念だが叶うことはない。先ほどジェネシスの機能をシャットダウンする事が出来たと連絡が届いた。貴方が今、此処にある起動ボタンを押した所でアレが撃たれる事はない。それに───」

 

一度口を閉じたフロンタルはガスマスクを着けたアスランにモニターの映像を切り替えるよう無言で指示をする。

それに察したアスランは司令室のモニターをカメラ映像に切り替えた。

そこに映っていたのはジェネシスのミラー破壊を行うミーティアを装備したフリーダムともう片方のモニターには地球連合とオーブのクサナギ、そしていくつものザフト艦隊がヤキン・ドゥーエを防衛しているザフト艦隊を殲滅している光景だった。

 

「な───」

 

その光景にパトリックは言葉が出なかった。

何故、ザフトの艦隊が連合と手を取りながらヤキン・ドゥーエを攻めているのが分からなかったからだ。

 

「何故・・・」

 

その光景に愕然とするパトリックにフロンタルは言う。

 

「貴方や私は他者を使役する立場にいるからこそ、見なければならないものがある。貴方は私と違ってソレを見ようとしなかった。いや、見ていたつもりだったと言うべきか」

 

「なん、だと・・・?」

 

そう言うフロンタルにパトリックはそう返事を返す。

そして未だに察していない彼にフロンタルはこの男の前ではもう自身を演じる必要もないと判断し、”本来の自分”に戻りながら言った。

 

「お前はたった一度の勝利を得ようとする為に一体何をした?味方ごとジェネシスを使用し、殲滅を試みようとした。───二年前のユニウスセブンで起こった事件にお前やシーゲルは涙ながらに犠牲を批判しておきながら自分がプラントを守るべきと立ち上がった人々の命をどれだけ食い潰したのか分かっていないのか?」

 

「食い潰しただと?勝つ為に戦っているのだ!皆も覚悟はあった!それを私が食い潰しただと!?貴様、どれほど我等を侮辱する気か!」

 

もはや敵への憎悪と勝利への執着しかない彼にフロンタルは口を開いた。

 

「パトリック。お前の死がもはや定められていようとも、これだけは知っておけ。お前には未練や悔しさを抱えて死ぬ資格はない」

 

そう言い切った後、フロンタルは話を続ける。

 

「かつて人類は自身の細胞進化の過程を研究することで、自らの存在意義を体系的に理解しようとしていた。だが、その研究をジョージ・グレンが歪めてしまった。奴はより良い未来をと想い、豪語したのだろうがそれがそもそもの間違いだった。もとより我々は生物である以上、個体ごとの能力の差は確実に出てくる。それは貧富も同様だ。最初から富を持つ者は努力さえあれば優秀な力が手に入ると言うが、それは自身に余裕があるからこそだ。余裕がないものにはその努力さえ出来る時間がない。ものがない。そんな彼等の怒りの矛先である体現者が我々コーディネイターだ。そんな存在として産まれてきてしまった以上、我々もまた理不尽に奪われる事もある。だからこそ、我々は彼等とどう接していき、あのような事件を今後起こさせないようにするのかを考えなければならない」

 

「ならばあの事件であった事を受け入れろと?奴等と手を取り、のうのうと笑い合えと!?貴様が言う『共存共栄』にどんな光景を期待している!」

 

そう叫ぶパトリックにフロンタルは言った。

 

「”期待と言う期待はしていない“」

 

「なに・・・?」

 

「えっ・・・?」

 

フロンタルの口から出たその言葉にその場にいた二人は何を言ったのか分からないといった様子でフロンタルを見る。

そんな二人に対し、フロンタルは変わらない様子で言った。

 

「人間が争うのは仕方のないことだ。その辺りについてはもう割り切っている。ならばその被害を最小限にどう抑えていき、それでいて我々コーディネイターの居場所をどう作っていくかを考えていくしかない」

 

人間同士の争いが無くなるだなんて思っちゃいない。

もし、ソレが出来るのだとしたら人類を皆殺しを実行する人類の天敵になるかシーボーンと同じように全てが同一個体になるといった生物からかけ離れた存在にならなければならない。

ならどう被害を抑えていくかの方向に舵を切るしか選択肢がない。

 

「その選択肢は確かにあった。やり方に問題はあったが、シーゲルが最終的にやろうとしていた事はまさにそれだ。お前はその選択肢すら投げ捨て無駄な勝利に固執したんだ、パトリック。今のお前ほど笑えるものもないな」

 

「貴様ァァァッ!!」

 

そう言い切ったフロンタルにパトリックは激怒し銃を撃つ。だが、当たらない。当たってやるつもりもない。

カチカチカチ、と弾がなくなってもなお引き金を引き続けるパトリックにフロンタルは憐れみの目を向けながら口を開いた。

 

「お前は人を導く立場にいながら人を導くことをせず、自身と同じ考えを持つ者達だけを集めて自身の復讐の為だけに国を動かし、国の為に立ち上がった戦士達を食い潰した。お前のような堕落者は皆、裁かれるべきだ。その死体は乾いた岩礁の上に掛けられるべきだ」

 

「貴様に私が裁けると!そう言いたいのか!?」

 

「裁けるとは思っていない。個人で正義とはなんなのかを教えられるほど俺は善良ではない。俺もまたお前と同じ食い潰した人間だからな。だが、お前を見逃してやるほど俺はお人好しではない。ならば今この時、最後にもう一度だけ、手を下そう」

 

そう言ってフロンタルは懐に入った銃を手に取る。

もはや言い返す言葉もないのか、あるいは反論を諦めたのか、パトリック・ザラは何も答えなかった。

互いに理解し合えもしないこの対話は、隣で聞いていたアスランでさえ疲れ果てるほど、長く続いていたように思えた。

 

そしてその引き金が引かれたのと同時───

 

パァン!と乾いた銃声が部屋に響き渡った。

そうしてパトリックは呪縛から逃れることが出来ぬまま、その生涯を終えるのだった。

頭から血が噴き出て宙を漂うパトリックを一瞥した後、フロンタルはアスランに向き直って言った。

 

「この戦争における全ての元凶は始末した。今から彼等に終戦の通信を入れる。───この戦争は終わりだ」




白いワンピースを着るトリトマちゃん


【挿絵表示】


次からはDESTINY編となります!原作から大きくズレることになりますのでお楽しみに!


所で皆さんはSEED編からDESTINY編までの空白の二年間を見てみたいですか?

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