フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

146 / 192
投稿!

おまけ

前回の続き───

キャプテン「そう言えば・・・最近、トリトマさん達を見かけませんが隊長は何か知っています?」

フロンタル「エム以外は食べ過ぎで体調不良だ。三日か四日はトイレとオムツが手放せないだろう」

キャプテン「トイレ?・・・それにオムツって?」

フロンタル「此方の話だ」

その頃トリトマ達

エム「運搬。トリトマさん、エルさん。此処に紙パンツと水を置いておきます。・・・隊長に何か言っておきましょうか?」

トリトマ、エル「「絶対に許さないって言って下さい(おいて)」」

エム「・・・了承」


エム(秘密。少し食べてみたいと思いました)


第二話

「違う違う!ロンド隊の"ジン"は全部式典用装備だ!第三格納庫だと言っただろ!?」

 

「マッケラーの"ガズウート"かァ!?早く移動させろォ!」

 

荒っぽい叫び声が飛び交い、広い敷地内は毅然としている。指示に従って全高二十メートルを超えるモビルスーツが歩き回る眺めは圧巻だ。式典を明日に控え、ザフトの軍事工廠は常時とは違う活気に満ちていた。ここがこれほどのにぎわいを見せることは、万一敵に攻め込まれでもしない限り、そうそうあるまい。

騒然たる敷地内を走っていたバギーが、建物の陰から現れた"ジン"の足に接触しかけた。

運転手が慌ててハンドルを切る。バギーは危ういところで巨大な足の間をすり抜け、助手席に座っていたルナマリア・ホークはぞっとした顔で座席にのけぞった。

 

「もう!あっぶないわねー!はぁ・・・なんかもう、ごちゃごちゃねー」

 

赤い髪の活発そうな少女は、その年齢と見かけにそぐわぬエースパイロットの印、赤い軍服に身を包んでいる。

運転席に座るヴィーノ・デュプレは技術スタッフのつなぎを着、オレンジ色のメッシュが入った少年で、まだ子供のような顔立ちをしている。二人とも十七歳───各人の基礎的能力が高い"プラント”においては既に成人とみなされる年齢だ。

 

「しかたないよ。こんなの久しぶり───ってか、初めてのヤツも多いんだし。俺達みたいに」

 

ヴィーノはうんざりした顔のルナマリアとは対照的に、どこか弾んだ表情だ。

 

「でもこれで”ミネルバ”もついに着任だ。配備は噂どおりの月軌道なのかな?」

 

明日、進水式を控えた艦の名を口にした彼の口調には無意識に誇らしさがこもっている。”プラント”全土が注目する新造戦艦に、ヴィーノやルナマリアはすでに配属が決まっていた。

気がなさそうに周囲を見回していたルナマリアは、自分と同じ赤服を目にして手を大きく振った。

その先にいたのは長めの金髪を首筋に流した、シャープな印象を持つ少年だ。

 

「あ、レイ!」

 

レイ・ザ・バレルは彼女の呼びかけに反応して目を向けたが、手を振り返すどころか、表情さえ一ミリも動かさなかった。これは彼が不機嫌であるとか、ルナマリアを無視しているというのではなく、ただ無感動な性格なのだ。彼はルナマリアたちのバギーを見送った後、上空に近付いてきた爆音に気づいて顔を上げる。

そして着陸しようとしているジェットファンヘリコプターを目にしたとたん、珍しく表情をゆるめ、そちらへ駆け寄った。

着陸したヘリのタラップから、長い裾を揺らして身軽に降り立ったのは、三十歳くらいの長い黒髪の男だった。

白い端整な顔は柔和だが、同時に周囲を引きつける存在感を全身から放っている。

この男が現評議会議長、ギルバート・デュランダルその人だ。

 

「議長・・・」

 

駆け寄るレイに気づいたのか、デュランダルはレイがいる方へと顔を向ける。

 

「久しぶりだな、レイ。ラウは元気にしているか?」

 

「ええ。ラウは今日、来れない事を残念がっていました」

 

「そうなのか?いや・・・そう言えば前に酒の席でラウがそんな事を言っていたような・・・」

 

「その話はいいですから」

 

レイからしてみたら思い出したくもないあの事件───フロンタルとレオントッツォ隊の隊員隊、そしてクルーゼとデュランダルが酒の勢いとその場のノリでやったキャスターチェア滑走大会という止める事が出来る常識人が到着するまでアホをやっていたその件を思い出し、レイは会話の内容を逸らす。

 

「今日はフロンタル議員も来る予定なんですよね?あの”勝利の女神”と呼ばれる彼女も」

 

「ああ。後、彼女の事はそう呼ばない方がいい。当の本人はそう呼ばれるのはあまり良く思っていないそうでな」

 

「まあ、彼女の性格からしてそう言われるのは不愉快としか思っていなさそうのは理解しています。それにあの人が“彼女を毛嫌い”しているのも」

 

前にデュランダルがトリトマにそう言った時、顔では笑顔を作っていたものの、目は一切笑っていなかったのは今でも鮮明に覚えている。

では何故、レイがトリトマやフロンタルの事を気にしているのかというと、理由は別にある。

それは───

 

「・・・”クラディア・レオントッツォの事か“」

 

「はい」

 

同じミネルバに乗ることになっている”赤服のエースパイロット“。クラディア・レオントッツォ。

ザフトやフル・フロンタルの懐刀として名高いトリトマ・レオントッツォの妹。

彼女を一言で表すと凄まじい。

 

士官学校にいた頃、首席の座はレイが勝ち取ったものの、次席の座をアグネス・ギーベンラートから奪い取って卒業した優等生。当のレイもギリギリの差だったと思っていたくらいにはモビルスーツの操縦技術も頭の賢さも凄まじい人だったとレイは認識している。

 

「確か彼女は元々、袖付き・・・レオントッツォ隊の入隊希望だった筈。それが何故、このミネルバにと思いまして」

 

その言葉にデュランダルは口を噤む。

果たしてこれは言って良いものなのかと。

 

確かにクラディア・レオントッツォは成績優秀者としてレオントッツォ隊に仮入隊していた時があった。

 

ただ、レオントッツォ隊はフロンタルの傘下にある部隊であり、元々は問題児ばかりを集めた部隊でもある。

ある意味そのグループ内で完結していた雰囲気に馴染んでいた部隊長のトリトマに対してその・・・やらかしたのである。

 

普段生真面目な彼女だが、トリトマ(姉)に対するストーカー行為、彼女と仲良くしていた部隊員との揉め合い、そして酷かったのは艦長であるキャプテンと同じ部屋にいた際の険悪な雰囲気だったことから、トリトマ本人が彼女を鬱陶しがって彼女を異動させるようにと申請があり、事態を聞いたフロンタルが承認し、そのままミネルバにという流れであるのだ。

 

「ギル?」

 

微妙な顔をするデュランダルにレイが顔を覗き込むように見上げてくる。

と、そんなレイ達の間に一人の補佐官が駆け寄ってきた。

 

「失礼します議長!至急、お伝えしたい事が!」

 

「なんだ?」

 

そう言ってギルは補佐官に近づき、耳を貸す。

そして補佐官も周りに聞こえないように告げた後、デュランダルの目が一瞬、鋭い光を宿した。

 

「レイ。済まないが続きはまた今度だ。急遽、やらねばならんことが出来たのでな。すまない」

 

「いえ、大丈夫です」

 

彼は衣の裾を翻し、随員達を引き連れて、早足で司令部へと向かっていく。

その背をレイは見送った後、ルナマリア達が走っていった方角へと足を進めるのだった。




プロフィール
クラディア・レオントッツォ

トリトマの妹(自称)
自称なのはトリトマ本人が記憶がないせいで本人も妹を名乗る他人程度しか思っていない。
あまりにも容姿が似ていないせいでフロンタルも妹・・・?と首を傾げたほど。
なお、キャプテンからは確認済み。

なお、本編中に一度だけ出ているので確認してみてね!

性格面はリディとラウダ、そしてアンジェロを足して割らないような性格。
つまり、クソ真面目でブラコンのクソ面倒臭いヤツ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。