フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第七話

「時間指定で呼び出されて来てみれば・・・そう言う事か。デュランダル」

 

仮面の奥にある目線がデュランダルに向けられる。

そんなフロンタルにデュランダルは言った。

 

「一年半前に起こったあの件に関しては確かにオーブの方に非があった。だが、いつまでもその事を引きずっていては得るものも得られないだろう?」

 

「デュランダル。トリトマの機体や今、袖付きで運用しているギラ・ズールやシナンジュはモビルスーツのフレームから武装、OSやコクピット周りまで“私が一人で設計した“ものだ。ギラ・ズールに関しては量産機として他の整備班にも整備しやすいようにフレーム以外は既存技術を多く使っている。その中でも彼女専用に開発したモビルスーツのデータをユーラシア連邦とブルーコスモスの戦闘帰還の補給の際、勝手に解析して盗もうとする国と再び手を取り合えと?」

 

「それは・・・ッ!」

 

「賠償したからいいだろうと?どうやら君は政治を甘く見ているようだな。アスハ代表。いくら賠償をしたとて君達のやった事は我々プラントとの交流にヒビを入れた。無くした信用はそう簡単には戻らんよ。デュランダルはその辺り甘いが、私は君達の足元を見るがそれでいいかね?」

 

フロンタルのその言葉は脅迫にも近いものだった。もう一度プラントと手を取りたいのであれば不条理な条件を飲んでもらうぞと脅しているに等しい。

 

「それに、だ。難民となった元オーブの国民が自分の持てる技術をここで暮らす為に活かそうとするのは“仕方ないこと“ではないかね?」

 

フロンタルの言うことは正論だった。

 

「なら貴方はこの状況を良しとするのか!大西洋連邦と赤道連合と共にユーラシア連邦とブルーコスモスが戦争を継続するこの状況を!」

 

かつてプラントに放たれた核の火。ジェネシスから迸った死の光───それらによって奪われる命を間近に見てきた彼女は、死の道具を次々と生み出している戦争そのものを黙って見ている事ができない。それに元とはいえオーブの国民が巻き込れるのは以ての外だ。

それはアスランも同じだ。

だがフロンタルは動じる気配もなく、仮面の無機質な表情がカガリを見つめる。

 

「確かにこのまま戦争が継続するのは我々としても好ましくはない。だが、アスハ代表。貴女が思う平和とは一体なんだ?戦争がない世界か?それとも人々の飢えや差別、争いがない世界か?君の考えを聞かせてくれないかね?」

 

「それは・・・」

 

突然のフロンタルの問いにカガリは喉を詰まらせる。

それは何故か?

フロンタルのその問いに彼女は答えられないからだ。

確かに平和の為に戦争は駄目だとは言った。

だが、戦争が無くなったからとて人々の飢えや差別が無くなる訳ではない。そこから争いも発展していくだろう。

 

「・・・野生動物達は種の生存という本能の為に積極的にコミニュケーションを取るというのに我々人間は言い訳を探しては視野を狭めてばかりいる。恥ずべきことだとは思わないかね?アスハ代表」

 

返答はない。

どうやら言い返す言葉が見つからないらしい。

 

「デュランダル、この後話がある。オーブと再び手を取るのは勝手だが、彼等を好きに動かせないように首輪はつけておけ」

 

「無論、分かっているとも。すまないが姫。少しフロンタル議員と話があるので席を外していただきたい。話が終わり次第、彼等オーブの国民達が働く工廠へ案内しよう」

 

「トリトマ、エム。君達はアレックス君と共にアスハ代表の護衛を頼む」

 

「質問。それでは隊長や議長の護衛がいなくなってしまいます」

 

「私の事は構わないよエム。フロンタルは君達よりもずっと強いのは私も知っている」

 

そもそもの話、フロンタルは立場上、護衛をつけなければならないだけで本来は護衛なんぞいらないくらいには強いのである。

 

「そう言う訳だ。早く行きなさい」

 

「むー・・・何かあったらぜってーに呼んでくださいよ?」

 

「分かっている」

 

そう言ってカガリ達を連れて出ていくトリトマ達を見送り、フロンタルはため息をつく。

 

全く・・・確かに今は目の前の事も大事だが、この先の事も考えろよ。最近、ニュータイプらしき能力を持つ者がナチュラル、コーディネイター問わず増え続けてるってのに。

今はまだ大丈夫だが恐らく近いうちにニュータイプの登場でまたデカイ戦争になるかもしれないんだぞ。

 

そう思いにふけっていると、デュランダルが言った。

 

「それで?話とは一体なんだ?フロンタル」

 

そう言うデュランダルにフロンタルは答えた。

 

「ああ。クライン嬢とキラ君の居場所が分かった。場所は“オーブ“だ」

 

「なんだと?なら彼女を攫ったのは・・・」

 

アスハ代表か?と言おうとした時、フロンタルの口からデュランダルにとって予想外の人物の名が出る。

 

「マルキオ導師だ。この件にアスハ嬢は関係ない」

 




デルタカイ プロフィール

デルタカイ、実はこのコズミック・イラではバッテリー式である。
いくつかの武装はそのままであるが、ハイ・メガ・キャノンに関しては取り外してもう一つのオプションであるメガ・マシン・キャノンに装備を変えてある。

なぜかって?バッテリー式だからエネルギーをバク食いする上に都市やコロニー内の戦闘で穴や被害を大きくする訳にはいかない配慮がされている。
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